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デザインに革命を起こしたワンダーシビックを振り返る! グループAにおける活躍も紹介

目次
1.3代目シビックがもたらした新たなホットハッチの形 2.高い走行性能がデザインの正当性を裏打ち 3.シビックの方向性を決定づけたワンダーシビック

切り立ったリアハッチの形状が特徴的な、ホンダ 3代目シビック。ワンダーシビックの愛称で親しまれるこのモデルは、シビックファンのみならず世界中のホットハッチ愛好家にインパクトを与えました。

ワンダーシビックがなぜ革新的モデルといわれるのか、その理由をレースでの輝かしい戦績とともに振り返ってみましょう。

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3代目シビックがもたらした新たなホットハッチの形

ワンダーシビック

「ワンダーシビック」と呼ばれる3代目ホンダ・シビックは、当時のハッチバックの概念を覆す存在でした。海外の有名自動車デザイナーでさえ解決できなかったデザイン上の問題を、見事な手法で解決します。

ワンダーシビックのデザインの特徴について、詳しくみていきましょう。

未来を予感させるデザイン

3代目シビックは、1983年に登場しました。先代のイメージを大きく刷新するばかりか、世界の常識をも打ち破った革新的なデザインが話題になりました。2代目シビックの販売台数がふるわなかったことから、大きな変化を求められていたという側面もあったのかも知れません。

ワンダーシビック最大の特徴は、リアハッチの切り立ったコーダトロンカです。ルーフラインを後方ギリギリまで水平に伸ばし、リアゲートを垂直に切り落とすという当時としては大胆な形状をしています。先代以前のシビックも含め、国産車では類を見ない未来的なフォルムでした。

その先進性と完成度の高さは専門家からも認められ、1984年度には自動車として初めてグッドデザイン大賞を受賞。さらに、同年の「'83~'84 日本カー・オブ・ザ・イヤー」にも輝きました。

名デザイナーでさえ避けた問題を打破

ワンダーシビックのデザインへの関心の高まりには、世界的な有名デザイナーでさえ避けた点に挑戦したことも影響しています。当時のハッチバック車は、フォルクスワーゲン社のゴルフを模倣したデザインのものがほとんどでした。イタリアの有名デザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロ氏が徹底的に合理性を追求して生み出したフォルムだったため、覆す必要がなかったのです。

しかし、ゴルフのデザインには、唯一といえる欠点がありました。垂直にすると商用車にみえるという理由から、リアハッチに傾斜をつけていた点です。車室後部にリアハッチが倒れ込んでくるため、荷室の容積にどうしても制限が発生してしまいます。

そこで、ホンダ開発陣はリアハッチを垂直に立てつつも、ハッチバックの軽快さを失わないデザインを追求します。後部まで伸びたルーフになだらかな傾斜をつけつつ、リアのサイドウィンドウの下端ラインを後方に向かって微妙に上昇していくデザインとし、シャープな印象を与えるウェッジ効果を発揮しています。さらに、Bピラーを黒く塗りつぶすことで、横からみても愚鈍な商用車にはみえない軽快なデザインを実現しました。

ジウジアーロ氏が懸念したデザイン上の問題点を、新たな発想で見事に解決してみせたのです。ゴルフの呪縛ともいわれるほど定番化していたハッチバックのデザインを、根底から覆す画期的なアプローチでした。

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高い走行性能がデザインの正当性を裏打ち

ワンダーシビック

いくらデザイン上の問題を解決して軽快に見せても、クルマとしての性能が伴っていなければ高い評価は得られません。ワンダーシビックは、デザイン性と走行性能を両立させるため、細部にまで徹底的にこだわって開発が行われました。

ワンダーシビックの走行性能とレースの活躍を振り返ってみましょう。

軽快な走りを実現したサスペンション

ルーフデザインが大きな特徴といわれるワンダーシビックですが、実はボンネットラインを下げたことも外観のスポーティさを高めているポイントです。しかし、ボンネットラインを下げるには、足回りの構造が大きな課題として立ちはだかりました。

エンジン、ミッションともに横置きのFF車では、サスペンションのスペースに大きな成約が生まれます。一方で、ボンネットラインを下げるという命題があるため、コイルバネの高さを必要とするストラット式サスペンションも使用できません。

そこで、ポルシェ911にも採用されていた、トーションスプリング(ねじりバネ)式のサスペンションを採用して、低いボンネットとスペースの制約問題を解決します。さらにこだわったのはリアサスペンションでした。分類上はトーションビーム式サスペンションの一種ですが、極めてユニークな形状をしています。後部座席の制約も受けるなか、トレーリングリンク式ビーム・サスとも呼ぶべき形状のサスペンションは、後席の居住性と運動性を両立すべく考案されました。

シーズン全戦優勝

ワンダーシビックの性能が優れていたことは、レースの世界でも証明されています。発売から2年後の1985年に、ホンダはワンダーシビック(AT型)で全日本ツーリングカー選手権(JTC)に初参戦しました。

参戦2戦目の鈴鹿サーキットで、並み居る強豪を抑え総合優勝という快挙を成し遂げます。時折雨の降る優れない天候のなか、中嶋悟/中子修組はFFの強みを活かして安定した走りを披露しました。

さらに、「MOTUL 無限 CIVIC」にエントリー名が変わった1987年には、他を寄せ付けない圧倒的な速さを見せつけます。中子修/岡田秀樹組が6戦全勝を達成。ドライバーズとマニュファクチャラーズのダブルタイトルを獲得しました。

最終的に、JTCで通算12勝という輝かしい戦績を残し、1988年シーズン途中でその役目を終えました。

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シビックの方向性を決定づけたワンダーシビック

ワンダーシビックは、名車と呼ばれるEF型、EG型の原型ともいわれるモデルです。ホンダ・シビックは、1987年から1993年までの全日本ツーリングカー選手権(JTC)において、グループA規定の最小排気量クラス(1987年はクラス1、後にクラス3に改称)で、マニュファクチャラーズタイトルを7連覇という偉業を達成しました。ワンダーシビックは1988年のシーズン途中まで出場しており、偉業達成のきっかけとなったモデルです。

EG型になってやや丸みを帯びたものの、リアハッチが切り立った形状はシビックの伝統として踏襲され続けました。デザイン性と走行性能を両立したホットハッチとして、日本のみならず世界で愛され続けているシビック。ワンダーシビックの開発陣が踏み切った、コーダトロンカがなければ実現していなかったかも知れません。

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