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旧車の再生と維持

トヨタ ハイエース(100系)の維持費は高い?内訳といくらかかるかを解説
旧車の再生と維持 2022.12.12

トヨタ ハイエース(100系)の維持費は高い?内訳といくらかかるかを解説

ハイエースといえば1967年から販売が続くトヨタの代表的なワンボックスカーです。その中でも100系ハイエースはラグジュアリーなモデルもラインナップされ人気を集めました。しかし100系ハイエースは最終型でも約20年前のクルマ。「古いクルマは維持費が大変そう……」と心配の方も多いですよね。この記事では100系ハイエースにかかる維持費について解説いたします。 100系ハイエースの特徴 細い道もすいすい走行できる全幅・全長ながら、圧倒的な室内空間を誇る点がハイエースの特徴です。バブル真っ只中の1989年に登場した100系ハイエースは、歴代のコンセプトはそのままにラグジュアリーな内装を施したモデルもラインナップされました。カタログには「トヨタの、もう一つの最高級車」と書かれており、高級ミニバンのパイオニア的存在でした。 100系ハイエース維持費の内訳 100系ハイエースの維持費について、5項目に分けて解説します。 燃料代 代表的なガソリン2種類、ディーゼル1種類、合計3種類のエンジンの燃費を見ていきましょう。 ガソリン 2.0リットル:AT 8.7km、MT 10.0km/リットルガソリン 2.4リットル:7.6km/リットルディーゼル 3.0リットル:FR 9.0~9.5km、4WD 8.5~8.7km/リットル 10.15モードのカタログ燃費で比較しましたが、現行モデルと比較しても悪くはなさそうです。ただ、実燃費はカタログ値より2kmほど低くなる場合が多いようです。 ここからは金額をシミュレーションします。最上級グレードに搭載されていた3.0リットルディーゼルのFRを例に見てみましょう。100系3.0リットル ハイエーススーパーカスタムリミテッドを通勤で使用し月間1,000km走行した場合、軽油は約143リットル使用(*1)し燃料代は20,300円(*2)かかります。この条件で1年間走行した場合、1年間の燃料代は243,600円(*2)です。*1 燃費は7km/リットルで算出(実燃費)*2 2022年11月27日の軽油1リットル当たりの平均価格142.1円で算出 自動車税 燃費に続き、自動車税も100系の最上級グレード、3.0リットル ハイエーススーパーカスタムリミテッドを例に価格を算出しましょう。2022年12月現在、新車登録が2019年10月1日以降の2.5リットル超~3.0リットル以下(自家用)の自動車税は50,000円/年です。100系ハイエースは最終モデルが2004年発売されており、車齢が13年を超えます。そのため、自動車税は重課税され58,600円になります。旧車の場合新車の自動車税と比較すると1年で8,600円も高くなってしまうのですね。 任意保険 100系3.0リットル ハイエーススーパーカスタムリミテッドの任意保険について大手のネット型保険で見積もりをしました。 <条件>年齢:30歳等級:6E使用目的:通勤・通学運転者:本人限定 <補償内容>対人賠償(1名につき):無制限対物賠償(1事故につき):無制限対物超過特約(相手自動車1台につき50万円まで):あり人身傷害:あり(車内のみ補償)人身傷害(保険金額/1名につき):3,000万円入院諸費用特約:なし車両保険:あり車両保険(保険金額):25万円車両保険免責金額(1回目-2回目以降):5〜10万円 上記内容でシミュレーションしたところ、総額が約92,000円/年でした。車両保険は25万円まで補償されます。 車検 次に100系3.0リットル ハイエーススーパーカスタムリミテッドの車検代について見ていきましょう。 <ディーラー車検の場合>自賠責保険:20,010円(24ヶ月)自動車重量税:50,400円(24ヶ月)※初年度登録から18年経過で算出印紙代:1,800円車検料:60,000円合計:132,210円※車検料は内容、整備工場などにより費用は増減します 100系3.0リットル ハイエーススーパーカスタムリミテッドは、重量税が1.5トン超~2.0トン以下に区分されます。同区分の現行モデルの多くは32,800円かかりますが、初年度登録から18年以上経過した個体は2段階の重課税により50,400円になります。また、古いクルマは故障が多く交換部品や整備が必要なことが予想されるため車検代は高額になる可能性があります。 メンテナンス費用 最後にメンテナンス費用を見ていきましょう。100系3.0リットル ハイエーススーパーカスタムリミテッドのメンテナンスについては下記の費用がかかってきます。 ・洗車代・ワイパーゴム交換代・ウォッシャー液交換代・冷却水補充代・エアコンフィルター交換代・ヘッドライト交換代・エンジンオイル交換代・オイルフィルター交換代・ブレーキオイル交換代・エアクリーナー交換代 1年間でこれらの費用が発生します。高く見積もって5万円ほどを見込んでおけば良いでしょう。100系3.0リットル ハイエーススーパーカスタムリミテッドのタイヤ交換が発生する場合は追加で数万円かかるケースもあります。 100系3.0リットル ハイエーススーパーカスタムリミテッド年間維持費はいくら? 維持費の内訳を見てきましたが、100系3.0リットル ハイエーススーパーカスタムリミテッドの場合、合計でいくらぐらいになるのでしょうか。合計額を見ていきましょう。 <自家用車登録の100系3.0リットル ハイエーススーパーカスタムリミテッド年間維持費>軽油代:243,600円自動車税:58,600円任意保険:92,000円車検:66,105円(2年ごとにかかる費用の半額分)メンテナンス費:50,000円合計:510,305円 月額では42,525円ほどかかります。通勤で使用しない場合は軽油代と任意保険料を下げることができます。ローンで購入した場合は、さらに月々の返済が発生します。月極駐車場を契約する場合は、別途駐車場代が毎月かかります。 100系3.0リットル ハイエーススーパーカスタムリミテッドの維持費が高いと思った時の対処法 旧車の維持には自動車税、重量税が重課税されるために費用がかさんでしまいます。もし、100系3.0リットル ハイエーススーパーカスタムリミテッドの維持費が高いと思ったら、手放すことを検討してみてはいかがでしょうか。一昔前は10年落ち10万km以上走行したクルマは価値がないと言われていました。しかし、現在は空前の旧車ブームです。過走行かつ古いクルマでも高く売却できる可能性があります。また、ハイエースはもともと商用バンのためタフな作りとなっています。中には30万km以上走行しているものもあります。一般的に過走行と言われる距離ですが、ハイエースはまだまだ元気に走行する個体が多いようです。買取価格が驚きのプライスになる可能性も充分に考えられるでしょう。 ※2022年11月27日時点のデータです

クラウンアスリートの維持費はいくら?燃料、税金、保険、メンテナンスの費用も解説
旧車の再生と維持 2022.12.12

クラウンアスリートの維持費はいくら?燃料、税金、保険、メンテナンスの費用も解説

クラウンアスリートといえばトヨタの代表的な高級車のスポーツモデルです。スポーティな走行性能と高級感を兼ね備えており若者層に支持されました。新車では乗り出し価格が400万円を超えていましたが、現在の中古車市場には100万円を下回る個体も出回っています。 しかし、クラウンアスリートは20年以上前に発売された古いクルマです。「旧車を維持するにはかなりの費用がかかりそう」と心配の方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事ではクラウンアスリートの年間維持費の内訳を詳しく解説いたします。 クラウンアスリートの特徴 クラウンアスリートは、クラウンの7代目12系、8代目13系の特別仕様車として登場し、1999年に11代目17系のグレードとして再度ラインナップされたモデルです。14代目21系まで製造・販売が続きました。 17系で復活した当初から最高出力200psの2,491cc 直列6気筒 DOHCエンジンを搭載し、最高出力280psを誇るターボエンジン・1JZ-GTE型を載せた「アスリートV」もラインナップされました。アスリートVはクラウンアスリートのなかでも最も人気が高いモデルです。スポーティな装備も数多く採用され、ラグジュアリーなだけではない力強いスポーツモデルとして長年にわたってファンを魅了し続けています。 クラウンアスリートの維持費の内訳 クラウンアスリートの維持費について、燃料代、自動車税(種別割)、任意保険料、車検代、メンテナンス費用の5項目に分けて解説します。今回は11代目17系、12代目18系、13代目20系の3世代の維持費を紹介します。 燃料代 まずは燃料代から解説します。走行する距離によって金額が大きく変わるため、年間3,000km、5,000km、8,000km、10,000kmの距離別に算出し表にまとめました。 なお、使用燃料はハイオクガソリンで、単価は1Lあたり180円とし、小数点以下は切り捨てて算出しています。 走行距離3,000km 年間の走行距離が3,000kmの場合の、世代別の燃料代は下記のとおりです。 ■11代目17系(1999年〜2007年) グレード/型式 カタログ燃費(10・15モード) 燃料代 アスリート/JZS171 9.8km/L 5万5,080円 アスリートV/JZS171 9.2km/L 5万8,680円 アスリートFour/JZS173 9.2km/L 5万8,680円 アスリートG/JZS175 11.4km/L 4万7,340円 ■12代目18系(2003年〜2008年) グレード/型式 カタログ燃費(10・15モード) 燃料代 アスリート/GRS180 12km/L 4万5,000円 アスリートi-Four/GRS181 11.4km/L 4万7,340円 アスリートGパッケージ/GRS182 11.8km/L 4万5,720円 ■13代目20系(2008年〜2012年) グレード/型式 カタログ燃費(10・15モード) 燃料代 アスリート/GRS200 12.4km/L 4万3,380円 2.5アスリート/GRS200 12km/L 4万5,000円 アスリートi-Four/GRS201 11.6km/L 4万6,440円 2.5アスリートi-Four/GRS201 11.4km/L 4万7,340円 アスリートGパッケージ/GSR204 10km/L 5万4,000円 3.5アスリート/GSR204 10km/L 5万4,000円 3.5アスリートGパッケージ/GSR204 10km/L 5万4,000円 走行距離5,000km 年間の走行距離が5,000kmの場合の、世代別の燃料代は下記のとおりです。 ■11代目17系(1999年〜2007年) グレード/型式 カタログ燃費(10・15モード) 燃料代 アスリート/JZS171 9.8km/L 9万1,800円 アスリートV/JZS171 9.2km/L 9万7,740円 アスリートFour/JZS173 9.2km/L 9万7,740円 アスリートG/JZS175 11.4km/L 7万8,840円 ■12代目18系(2003年〜2008年) グレード/型式 カタログ燃費(10・15モード) 燃料代 アスリート/GRS180 12km/L 7万4,880円 アスリートi-Four/GRS181 11.4km/L 7万8,840円 アスリートGパッケージ/GRS182 11.8km/L 7万6,140円 ■13代目20系(2008年〜2012年) グレード/型式 カタログ燃費(10・15モード) 燃料代 アスリート/GRS200 12.4km/L 7万2,540円 2.5アスリート/GRS200 12km/L 7万4,880円 アスリートi-Four/GRS201 11.6km/L 7万7,580円 2.5アスリートi-Four/GRS201 11.4km/L 7万8,840円 アスリートGパッケージ/GSR204 10km/L 9万円 3.5アスリート/GSR204 10km/L 9万円 3.5アスリートGパッケージ/GSR204 10km/L 9万円 走行距離8,000km 年間の走行距離が8,000kmの場合の、世代別の燃料代は下記のとおりです。 ■11代目17系(1999年〜2007年) グレード/型式 カタログ燃費(10・15モード) 燃料代 アスリート/JZS171 9.8km/L 14万6,880円 アスリートV/JZS171 9.2km/L 15万6,420円 アスリートFour/JZS173 9.2km/L 15万6,420円 アスリートG/JZS175 11.4km/L 12万6,180円 ■12代目18系(2003年〜2008年) グレード/型式 カタログ燃費(10・15モード) 燃料代 アスリート/GRS180 12km/L 11万9,880円 アスリートi-Four/GRS181 11.4km/L 12万6,180円 アスリートGパッケージ/GRS182 11.8km/L 12万1,860円 ■13代目20系(2008年〜2012年) グレード/型式 カタログ燃費(10・15モード) 燃料代 アスリート/GRS200 12.4km/L 11万6,100円 2.5アスリート/GRS200 12km/L 11万9,880円 アスリートi-Four/GRS201 11.6km/L 12万4,020円 2.5アスリートi-Four/GRS201 11.4km/L 12万6,180円 アスリートGパッケージ/GSR204 10km/L 14万4,000円 3.5アスリート/GSR204 10km/L 14万4,000円 3.5アスリートGパッケージ/GSR204 10km/L 14万4,000円 走行距離10,000km 年間の走行距離が10,000kmの場合の、世代別の燃料代は下記のとおりです。   ■11代目17系(1999年〜2007年) グレード/型式 カタログ燃費(10・15モード) 燃料代 アスリート/JZS171 9.8km/L 18万3,600円 アスリートV/JZS171 9.2km/L 19万5,480円 アスリートFour/JZS173 9.2km/L 19万5,480円 アスリートG/JZS175 11.4km/L 15万7,860円 ■12代目18系(2003年〜2008年) グレード/型式 カタログ燃費(10・15モード) 燃料代 アスリート/GRS180 12km/L 14万9,940円 アスリートi-Four/GRS181 11.4km/L 15万7,860円 アスリートGパッケージ/GRS182 11.8km/L 15万2,460円 ■13代目20系(2008年〜2012年) グレード/型式 カタログ燃費(10・15モード) 燃料代 アスリート/GRS200 12.4km/L 14万5,080円 2.5アスリート/GRS200 12km/L 14万9,940円 アスリートi-Four/GRS201 11.6km/L 15万5,160円 2.5アスリートi-Four/GRS201 11.4km/L 15万7,860円 アスリートGパッケージ/GSR204 10km/L 18万円 3.5アスリート/GSR204 10km/L 18万円 3.5アスリートGパッケージ/GSR204 10km/L 18万円 自動車税(種別割) 自動車税(種別割)は排気量によって税額が異なります。クラウンアスリートは排気量が違うモデルが複数リリースされているため、世代別に自動車税(種別割)をまとめました。 なお、新規登録から13年経過すると15%程度重課されるため、発売より13年以上経っているモデルに関しては重課された税額を記載しています。 ※2024年10月時点 11代目17系(1999年〜2007年) グレード/型式 エンジン型式 排気量 税額 アスリート/JZS171 1JZ-GE型 2,491cc 5万1,700円 アスリートV/JZS171 1JZ-GTE型 2,491cc 5万1,700円 アスリートFour/JZS173 1JZ-GE型 2,491cc 5万1,700円 アスリートG/JZS175 2JZ-FSE型 2,997cc 5万8,600円 12代目18系(2003年〜2008年) グレード/型式 エンジン型式 排気量 税額 アスリート/GRS180 4GR-FSE型 2,499cc 5万1,700円 アスリートi-Four/GRS181 4GR-FSE型 2,499cc 5万1,700円 アスリートGパッケージ/GRS182 3GR-FSE型 2,994cc 5万8,600円 13代目20系(2008年〜2012年) グレード/型式 エンジン型式 排気量 税額 アスリート/GRS200 4GR-FSE型 2,499cc 5万1,700円 2.5アスリート/GRS200 4GR-FSE型 2,499cc 5万1,700円 アスリートi-Four/GRS201 4GR-FSE型 2,499cc 5万1,700円 2.5アスリートi-Four/GRS201 4GR-FSE型 2,499cc 5万1,700円 アスリートGパッケージ/GSR204 2GR-FSE型 3,456cc 6万6,700円 3.5アスリート/GSR204 2GR-FSE型 3,456cc 6万6,700円 3.5アスリートGパッケージ/GSR204 2GR-FSE型 3,456cc 6万6,700円 任意保険料 続いて任意保険料について解説します。大手ネット型保険にて、世代ごとに金額をシミュレーションしました。条件は共通して下記のとおりです。 <条件>年齢:20歳等級:6A使用目的:日常・レジャー主な使用地:東京都運転者:本人限定 11代目17系(1999年〜2007年) 対象モデル:1999年発売 アスリート/JZS171 ※年式は発売と同年としてシミュレーション 任意保険料:25万2,745円/年 <補償内容>対人賠償(1名につき):無制限対物賠償(1事故につき):無制限対物超過特約(相手自動車1台につき50万円まで):あり人身傷害:あり(車内のみ補償)人身傷害(保険金額/1名につき):3,000万円入院諸費用特約:なし車両保険:あり車両保険(保険金額):20万円車両保険免責金額(1回目-2回目以降):5万円-10万円 12代目18系(2003年〜2008年) 対象モデル:2004年発売 アスリート/GRS180※年式は発売と同年としてシミュレーション 任意保険料:26万7,289円/年 <補償内容>対人賠償(1名につき):無制限対物賠償(1事故につき):無制限対物超過特約(相手自動車1台につき50万円まで):あり人身傷害:あり(車内のみ補償)人身傷害(保険金額/1名につき):3,000万円入院諸費用特約:なし車両保険:あり車両保険(保険金額):40万円車両保険免責金額(1回目-2回目以降):5万円-10万円 13代目20系(2008年〜2012年) 対象モデル:2010年発売 アスリート/GRS200※年式は発売と同年としてシミュレーション 任意保険料:30万7,232円/年 <補償内容>対人賠償(1名につき):無制限対物賠償(1事故につき):無制限対物超過特約(相手自動車1台につき50万円まで):あり人身傷害:あり(車内のみ補償)人身傷害(保険金額/1名につき):3,000万円入院諸費用特約:なし車両保険:あり車両保険(保険金額):90万円車両保険免責金額(1回目-2回目以降):5万円-10万円 車検代 次に車検代について解説します。おおまかな目安は下記のとおりです。 自賠責保険:1万7,650円(24ヶ月)※2024年10月時点自動車重量税:4万5,600円(24ヶ月)※新規登録から13年経過で算出印紙代:1,800円 ※指定工場車検基本料:6万円 ※内容、整備工場などにより増減合計:12万5,050円 自動車重量税は車輌の重量によって税額が決まります。クラウンアスリートが該当するのは〜2tの区分です。また、自動車税(種別割)と同じく、新規登録から一定期間が経過すると税額が上がります。上記では13年経過で計算しましたが、18年経過しているモデルの場合はさらに重課されて5万400円かかります。 メンテナンス費用 トラブルなくクラウンアスリートに乗るには、さまざまな箇所のメンテナンスが費用です。総額で12万円/年程度みておくとよいでしょう。主なメンテナンス項目は下記のとおりです。 洗車代 手洗い洗車なのか機械洗車なのかで金額が異なるほか、依頼する業者によっても費用に差があります。おおまかな目安は下記のとおりです。   ディーラー カー用品店 ガソリンスタンド 手洗い洗車 2,500~7,800円 1,000~6,000円 2,000~1万2,000円 機械洗車 500~1,500円 500~1,500円 500~1,500円 洗車の頻度は2週間〜1ヶ月に1回程度といわれています。毎回手洗い洗車を依頼する場合は年間で10万円以上の費用がかかる可能性があります。費用を抑えたいのであれば、車輌の状態に応じて洗車方法を検討するとよいでしょう。 ワイパーゴム交換 ワイパーゴムの交換費用は1回につき2,000円〜4,500円程度です。交換頻度の目安は半年に1回といわれているため、年間で4,000〜9,000円程度かかると考えておくとよいでしょう。 ワイパーゴム交換はディーラーやカー用品店、ガソリンスタンドなどに依頼できます。部品の価格はどの業者でもおおむね共通ですが、交換の工賃は業者によって異なります。なるべく負担を減らしたい場合には、いくらかかるのかを依頼先に事前に問い合わせておくとよいでしょう。 ウォッシャー液補充 ウォッシャー液とは、クルマのウィンドウの洗浄のために使われる液体です。ウォッシャー液を吹き付けてからワイパーでウィンドウを綺麗にします。 ウォッシャー液を補充する際にかかる費用は、200〜500円程度のウォッシャー液の購入費用のみです。他に修理やメンテナンスを依頼しないのであれば、ほとんどの場合工賃を請求されないでしょう。補充頻度は半年に1回のため、年間で400〜1,000円程度の費用がかかります。 エアコンフィルター交換 エアコンフィルターは車種によって価格が大きく異なります。17系のエアコンフィルターをネットショッピングサイトで探した結果、おおむね2,000円程度で販売されていました。工賃は業者によって異なりますが、2,000円程度が相場です。交換頻度の目安は1年に1回のため、部品代と工賃をあわせて年間で4,000円程度の費用がかかるでしょう。 エンジンオイル交換 エンジンオイルとは、エンジンの各パーツの摩擦を少なくするための潤滑油です。交換費用は依頼する業者によって異なります。交換の目安は半年〜1年に1回で、おおまかな目安は下記のとおりです。 ・ディーラー:4,000〜1万円 ・整備工場:2,000円〜4,000円 ・カー用品店:1,000〜2,500円 ・ガソリンスタンド:4,000〜6,000円 ディーラーであれば純正のオイルを使用してもらえるため相場が高い傾向にあります。一方で整備工場やカー用品店などは汎用オイルを使うため、費用を抑えられます。安心や信頼性を重視したいのであればディーラー、費用の負担を減らしたいならその他の業者に依頼するとよいでしょう。 オイルフィルター交換 オイルフィルターは、エンジンオイルに含まれている不純物を取り除く役割をもっています。交換頻度は1~2年に1回で、1回あたりの費用は2,500~3,000円程度です。一般的には、エンジンオイル2回交換につき1回交換するとよいといわれています。 クラウンアスリートの年間維持費はいくら? ここまでクラウンアスリートの維持費の内訳について確認しました。年間での総額は下記のとおりです。 燃料代:4万3,380〜18万円自動車税(種別割):5万1,700円もしくは6万6,700円任意保険料:25万2,745〜30万7,232円車検代:6万2,525円(2年ごとにかかる費用の半額分)メンテナンス費用:12万円合計:53万350〜73万6,457円 最低でも年間53万円、月額に換算すると4万4,000円程度です。ローンで購入した場合には車輌代金が追加され、駐車場を借りる場合にはその費用もかかります。 クラウンアスリートの維持費を抑える方法 クラウンアスリートの年間維持費について解説しました。なかには「月々で4万4,000円〜もかかると負担が大きい」と感じる方もいるかもしれません。しかし、工夫次第では費用負担を軽減できます。ここでは、クラウンアスリートの維持費を抑える3つの方法を紹介します。 自分でメンテナンスをする 前述のメンテナンス費用は、業者に交換や整備を依頼した場合の金額です。外注をすれば部品代に加えて工賃がかかりますが、自分自身でメンテナンスをすれば工賃分の費用を抑えられます。 プロの専門知識や技術が必要不可欠なメンテナンスがある一方で、下記のような項目は自分でも対応可能です。 ・洗車・エンジンオイル交換・ワイパーゴム交換 「クルマのメンテナンスはハードルが高そう」と思う方がいるかもしれませんが、洗車は水の使えるスペースがあれば専門技術がなくても実施できます。そのほかの箇所も比較的難しくないため、費用負担を減らしたい場合には自分でメンテナンスするとよいでしょう。 車検の依頼先を見直す クラウンアスリートの維持費を抑えたいのであれば、車検の依頼先を見直すとよいでしょう。 「車検基本料」は工場によって価格が異なります。一般的にはディーラーよりも民間の整備工場のほうが安い傾向にあります。整備工場のなかでも価格に差があるため、車検を受ける前にいくつか見積もりを取り寄せて比較するといいでしょう。 任意保険を見直す 維持費の負担を軽減したい場合には、任意保険を見直すこともおすすめです。 契約内容を変えるだけでも費用を抑えられる可能性があります。前述した任意保険料は「車両保険あり」に設定しましたが、車両保険を付帯しなくてもよいのであればより安く契約できます。 また、同じクラウンアスリートでも保険会社が違うと保険料が異なる場合があります。そのため、契約内容を見直しても任意保険料が高いと感じた場合には、他の会社への切り替えを検討しましょう。なお、国内損保よりもネット型保険のほうが安い傾向にあります。 まとめ クラウンアスリートの維持費について解説しました。 20年以上前に発売開始した古いクルマのため、税金の負担がどうしても大きくなってしまいます。また、購入時点で車輌の状態があまりよくない場合にはさらにメンテナンス費用がかかるかもしれません。購入を検討する際には、ある程度の予算を確保する必要があることに留意しましょう。少しでも負担を抑えたい場合には、DIYでのメンテナンス、車検の依頼先や任意保険の見直しを検討してみてください。

トヨタ AE86 スプリンタートレノ/カローラレビンの維持費は高い?内訳といくらかかるかを解説
旧車の再生と維持 2022.12.07

トヨタ AE86 スプリンタートレノ/カローラレビンの維持費は高い?内訳といくらかかるかを解説

AE86といえば、漫画「イニシャルD」の主人公が乗るクルマとして爆発的人気を誇るモデルです。AE86にはスプリンタートレノとカローラレビンの2車種が存在します。発売から約40年経った今でも人気は衰えることを知りません。漫画の走行シーンに憧れてAE86を手に入れたいと思っている方も多いのではないでしょうか。しかし、旧車は維持費が心配になりますよね。この記事ではAE86にかかる維持費について解説いたします。 AE86の特徴 AE86は1983年に発売されたスプリンタートレノおよびカローラレビンの共通型式です。一般的にクルマは車名で呼ばれることが多いのですが、この型式のスプリンタートレノ、カローラレビンは「ハチロク」と呼ばれ、他の世代とは別格の人気があります。軽量コンパクトのボディ、トヨタとヤマハが共同開発した高回転型の名機エンジン「4A‐GE」搭載、駆動方式はFRでドリフトがしやすいといった点でスポーツカー好きに支持されました。現在では、コンセプトをそのままに最新技術を盛り込んだ「GR86」という車名になり蘇っています。 AE86維持費の内訳 AE86の維持費について、5項目に分けて解説します。 燃料代 AE86のエンジンは「4A-GE」1種類のみです。燃費は10.15モードのカタログ数値で13.0~15.0km/リットル、実燃費は11.5km/リットルほどといわれています。 旧車のスポーツカーとしては意外な好成績ですね。イニシャルDの作中ではハイオクを入れていましたが、レギュラーガソリンに対応している点も評価ポイントです。 ここからは金額をシミュレーションします。 仮に通勤で使用し月間1,000km走行した場合、ガソリンは約87リットル使用(*1) し、燃料代は12,357円(*2) です。この条件で1年間走行した場合は、148,278円(*2) かかります。*1 燃費は11.5km/リットルで算出*2 2022年11月27日のレギュラーガソリン1リットル当たりの平均価格142.1円で算出 自動車税 2022年11月現在、新車登録が2019年10月1日以後の1.5リットル超~2.0リットル以下(自家用)の自動車税は36,000円/年です。AE86の場合はどうでしょうか。AE86は車齢13年を超えるため、自動車税は重課税され45,400円かかります。 任意保険 AE86の任意保険について大手のネット型保険で見積もりをしました。 <条件>年齢:30歳等級:6E使用目的:通勤・通学運転者:本人限定 <補償内容>対人賠償(1名につき):無制限対物賠償(1事故につき):無制限対物超過特約(相手自動車1台につき50万円まで):あり人身傷害:あり(車内のみ補償)人身傷害(保険金額/1名につき):3,000万円入院諸費用特約:なし車両保険:なし 上記内容でシミュレーションしたところ、総額が約38,000円/年でした。意外な安さに驚きましたが、車両保険が付帯できない点には要注意です。中古車市場ではプレミア価格で取引されていますが、一般的な保険会社では旧車のプレミア価格が考慮されないため車両価格が0円と算出されます。そのため、車両保険に入ることができません。 車検 自家用登録したAE86の車検代について見ていきましょう。 <ディーラー車検の場合>自賠責保険:20,010円(24ヶ月)自動車重量税:25,200円(24ヶ月)※初年度登録から18年以上経過で算出印紙代:1,800円車検料:50,000円合計:97,010円※車検料は内容、整備工場などにより費用は増減します 注目すべきポイントは自動車税の重課税です。1トン以下の重量税は16,400円ですが、初年度登録から18年以上経過した車両は25,200円かかります。ただ、AE86は車両重量が軽いためそこまで大きな負担にはならないでしょう。 メンテナンス費用 最後にメンテナンス費用を見ていきましょう。AE86のメンテナンスについては下記の費用がかかってきます。 ・洗車代・ワイパーゴム交換代・ウォッシャー液交換代・冷却水補充代・エアコンフィルター交換代・ヘッドライト交換代・エンジンオイル交換代・オイルフィルター交換代・ブレーキオイル交換代・エアクリーナー交換代 1年間でこれらの費用が発生します。高く見積もって5万円ほどを見込んでおけば良いでしょう。AE86のタイヤ交換が発生する場合は数万円~10万以上追加でかかるケースもあります。 AE86年間維持費はいくら? 維持費の内訳を見てきましたが、AE86の場合、合計でいくらぐらいになるのでしょうか。合計額を見ていきましょう。 <自家用車登録のAE86年間維持費>ガソリン代:148,278円自動車税:45,400円任意保険:38,000円車検:48,505円(2年ごとにかかる費用の半額分)メンテナンス費:50,000円合計:330,183円 月額では27,500円ほどかかる計算です。通勤で使用しない場合はガソリン代と任意保険料の金額を下げられます。 また、ローンで購入した場合はさらに月々の返済が発生するので注意しましょう。月極駐車場を契約する場合は、別途駐車場代が毎月かかってきます。 AE86の維持費が高いと思った時の対処法 車両重量が軽く排気量もそれほど大きくないため、AE86の維持費は驚くほど高くはないことがわかりました。しかし、同クラスのエコカーであれば燃料代や優遇税制を受けられるため、維持費を半分程度に減らせるかもしれません。また、発売から40年近く経過するクルマであることから、こまめにメンテナンスする必要がありお金がかかります。AE86の維持費が高いと思ったら、手放すことを検討してみてはいかがでしょうか。一昔前は10年落ち10万km以上走行したクルマは価値がないと言われていました。しかし、現在は空前の旧車ブームです。過走行かつ古いクルマでも高く売却できる可能性があります。 ※2022年11月27日時点のデータです

トヨタ ランドクルーザープラド(150系プラド)の維持費は高い?内訳といくらかかるかを解説
旧車の再生と維持 2022.12.06

トヨタ ランドクルーザープラド(150系プラド)の維持費は高い?内訳といくらかかるかを解説

ランドクルーザープラドといえば、ランドクルーザーシリーズのライトデューティー用に開発・発売されたモデルです。現行モデルは4代目で150系と呼称されています。2009年9月に発売され、13年間(2022年12月現在)フルモデルチェンジをしていないロングセラーモデルです。120系プラドから高級路線になり、150系も高級セダンと遜色ない内装に仕上がっています。そのため、新車の乗り出し価格は、なんと500万円を超える高価格帯に……。なかなか手を出しにくい金額ですが、中古車では200万円台から購入できます。現行モデルが新車の半額程度で手に入るとのことで人気を集めていますが「大排気量かつ大型のランクルプラドは維持費が大変そう……」と心配の方も多いですよね。この記事ではランクル150系プラドにかかる維持費について解説いたします。 ランクル150系プラドの特徴 150系プラドは4代目のランドクルーザープラドです。先代の120系から高級路線にシフトし、150系も高級路線が継続されました。売れ筋のグレードでは本革シートを装備し木目パネルをあしらうなど、レクサスのような上質のインテリアデザインになっています。最近では、国のVIPを警護する車列の最後部で要人をお守りするクルマとして150系プラドが配備されています。オフロードを果敢に攻めたりオンロードで要人を安全に移動させたり、攻守ともに優れた性能を発揮することが特徴です。 ランクル150系プラド維持費の内訳 ランクル150系プラドの維持費について、5項目に分けて解説します。 燃料代 ランクル150系プラドには3種類のエンジンが存在します。それぞれの燃費を見ていきましょう。 直4 2.7L 2TR-FE型ガソリンエンジン:8.3~9.0km/リットルV6 4.0L 1GR-FE型ガソリンエンジン:7.9~8.2km/リットル直4 2.8L 1GD-FTV型ディーゼルターボエンジン:11.2km/リットル 10.15モードのカタログ燃費で比較しましたが、ガソリン車はすべて10km/リットル未満です。実燃費については2.7リットルのガソリンエンジン搭載モデルで7.5~8.0km/リットル程度といわれています。ディーゼルターボエンジンは10.5~10.9km/リットルと10km/リットル以上は走るようです。2.7リットルのガソリンエンジンはレギュラーガソリン対応とはいえ、近頃原油価格高騰の影響でガソリン代が高いため、燃料代が安く燃費の良いディーゼルエンジンのほうが経済的ですね。150系プラドのディーゼルエンジンであれば排ガス規制をクリアしています。 ここからは金額をシミュレーションします。仮に2.8リットルのディーゼルターボエンジンを搭載した150系プラドを通勤で使用し月間1,000km走行した場合、軽油は約95.2リットル使用(*1)し燃料代は13,528円(*2)かかります。この条件で1年間走行した場合は、162,335円(*2)です。*1 燃費は10.5km/リットルで算出*2 2022年11月27日のレギュラーガソリン1リットル当たりの平均価格142.1円で算出 自動車税 2022年11月現在、新車登録が2019年10月1日以後の2.5リットル超~3.0リットル以下(自家用)の自動車税は50,000円/年です。2.8リットルのディーゼルエンジンを搭載した150系プラドの場合はどうでしょうか。150系プラドは前期モデルが2009年9月発売です。初期モデルの一部は車齢13年を超え、自動車税は重課税され58,600円になります。前期モデルはすぐに初年度登録から13年が経過するので、自動車税を抑えたい方は中期モデル以降を選ぶと良いでしょう。13年が経過していないモデルの自動車税は50,000~51,000円になります。4.0リットルのガソリンエンジン搭載モデルの120系プラドは車齢13年超えで76,400円のため、ずいぶん税金が安いような印象を受けます。 任意保険 ランクル150系プラドの任意保険について大手のネット型保険で見積もりをしました。 <条件>年齢:30歳等級:6E使用目的:通勤・通学運転者:本人限定 <補償内容>対人賠償(1名につき):無制限対物賠償(1事故につき):無制限対物超過特約(相手自動車1台につき50万円まで):あり人身傷害:あり(車内のみ補償)人身傷害(保険金額/1名につき):3,000万円入院諸費用特約:なし車両保険:あり車両保険(保険金額):285万円車両保険免責金額(1回目-2回目以降):5〜10万円 上記内容でシミュレーションしたところ、総額が約113,000円/年でした。車両保険は285万円まで補償されます。 車検 自家用登録したランクル150系プラドの車検代について見ていきましょう。 <ディーラー車検の場合>自賠責保険:20,010円(24か月)自動車重量税:41,000円(24か月)※初年度登録から13年未満で算出印紙代:1,800円車検料:60,000円合計:122,810円※車検料は内容、整備工場などにより費用は増減します 150系プラドは車両重量が2トン以上あるため、重量税の区分が2.0トン超~2.5トン以下の区分になります。重量税は41,000円ですが、初年度登録から13年未満の個体の場合重課税はありません。また、現行モデルの場合、比較的故障が少なく交換部品や整備箇所が少ないことが予想されるため車検代は安く抑えられるかもしれません。 メンテナンス費用 最後にメンテナンス費用を見ていきましょう。ランクル150系プラドのメンテナンスについては下記の費用がかかります。 ・洗車代・ワイパーゴム交換代・ウォッシャー液交換代・冷却水補充代・エアコンフィルター交換代・ヘッドライト交換代・エンジンオイル交換代・オイルフィルター交換代・ブレーキオイル交換代・エアクリーナー交換代 1年間でこれらの費用が発生します。高く見積もって5万円ほどを見込んでおけば良いでしょう。ランクル150系プラドのタイヤ交換が発生する場合は大きなタイヤになるので+10万以上かかるケースもあります。 ランクル150系プラド年間維持費はいくら? 維持費の内訳を見てきましたが、2.8リットルディーゼルエンジンモデルの場合、合計でいくらぐらいになるのでしょうか。合計額を見ていきましょう。 <自家用車登録のランクル150系プラド年間維持費>軽油代:162,335円自動車税:51,000円任意保険:113,000円車検:61,405円(2年ごとにかかる費用の半額分)メンテナンス費:50,000円合計:437,740円 月額では36,500円ほどかかります。通勤で使用しない場合は軽油代と任意保険料を下げることができます。ローンで購入した場合は、さらに月々の返済が発生します。月極駐車場を契約する場合は、別途駐車場代が毎月かかってきます。 ランクル150系プラドの維持費が高いと思った時の対処法 大排気量かつ大型のクルマの維持には自動車税、重量税がかさむために費用がかかります。もし、ランクル150系プラドの維持費が高いと思ったら、手放すことを検討してみてはいかがでしょうか。一昔前は10年落ち10万km以上走行したクルマは価値がないと言われていました。しかし、現在は空前の旧車ブームです。過走行かつ古いクルマでも高く売却できる可能性があります。 ※2022年11月27日時点のデータ

トヨタ ランドクルーザープラド(120系プラド)の維持費は高い?内訳といくらかかるかを解説
旧車の再生と維持 2022.12.05

トヨタ ランドクルーザープラド(120系プラド)の維持費は高い?内訳といくらかかるかを解説

ランドクルーザープラドといえば、ランドクルーザーシリーズのライトデューティー用に開発・発売されたモデルです。プラドの中でも2002年10月~2009年9月に発売された三代目の120系プラドは高級路線にシフトし、高級セダン購入層にも支持され人気を集めました。中古車も人気が高く、あまり寝落ちしないランクルシリーズですが、120系プラドの価格は現在100万円台で購入できる個体もちらほら出てきました。しかし「型落ちのランクルプラドは維持費が大変そう……」と心配の方も多いですよね。この記事ではランクル120系プラドにかかる維持費について解説いたします。 ランクル120系プラドの特徴 120系プラドは三代目のランドクルーザープラドになります。先代までの硬派なイメージから一気に高級路線にシフトし、セルシオと同等の上質な内装になりました。売れ筋のグレードでは本革シートを装備し木目パネルをあしらうなど、ランクルプラドのイメージを一新したモデルです。 内装には泥臭さがなくなりましたが、走りの面もマイルドに変わったわけではありません。トルセン式のLSDやセンターデフロックなど、当時最新技術を盛り込み悪路走破性も進化しています。また、オフロード走行に適したショートボディの3ドアモデルが選択できることも大きな特徴です。 ランクル120系プラド維持費の内訳 ランクル120系プラドの維持費について、5項目に分けて解説します。 燃料代 ランクル120系プラドには4種類のエンジンが存在します。それぞれの燃費を見ていきましょう。 直4 2.7L 3RZ-FE型ガソリンエンジン:8.5km/リットル直4 2.7L 2TR-FE型ガソリンエンジン:8.8km/リットルV6 3.4L 5VZ-FE型ガソリンエンジン:8.1km/リットルV6 4.0L 1GR-FE型ガソリンエンジン:7.8~8.1km/リットル直4 3.0L 1KD-FTV型ディーゼルターボエンジン:10.8~11.2km/リットル 10.15モードのカタログ燃費で比較しましたが、ガソリン車はすべて10km/リットル未満です。実燃費についてはガソリンエンジン搭載モデルで5~6km/リットルといわれています。ディーゼルターボエンジンは10km/リットル超えですが、排ガス規制対象エリアに乗り入れられないというデメリットがあります。 ここからは金額をシミュレーションします。仮に4.0リットルのV6 ガソリンエンジンを搭載した120系プラドを通勤で使用し月間1,000km走行した場合、ガソリンはハイオクを約167リットル使用(*1)し燃料代は29,008円(*2) かかります。この条件で1年間走行した場合は、348,095円(*2)です。*1 燃費は6km/リットルで算出*2 2022年11月27日のレギュラーガソリン1リットル当たりの平均価格173.7円で算出 自動車税 2022年11月現在、新車登録が2019年10月1日以後の3.5リットル超~4.0リットル以下(自家用)の自動車税は65,500円/年です。4.0リットルのガソリンエンジンを搭載した120系プラドの場合はどうでしょうか。120系プラドは最終モデルが2009年9月です。そのため車齢13年超えになり、自動車税は重課税されてしまいます。4.0リットル ガソリン車の場合、76,400円/年です。請求書の額面を見ると顔が青ざめてしまう金額ですね。ちなみに東京で人気エリアの高円寺は一人暮らし用物件の平均家賃相場が76,000円です。ランクル120系プラドを所有するためには、自動車税だけで東京人気エリア1ヶ月分の家賃を5月に支払わなければなりません。 任意保険 ランクル120系プラドの任意保険について大手のネット型保険で見積もりをしました。 <条件>年齢:30歳等級:6E使用目的:通勤・通学運転者:本人限定 <補償内容>対人賠償(1名につき):無制限対物賠償(1事故につき):無制限対物超過特約(相手自動車1台につき50万円まで):あり人身傷害:あり(車内のみ補償)人身傷害(保険金額/1名につき):3,000万円入院諸費用特約:なし車両保険:あり車両保険(保険金額):100万円車両保険免責金額(1回目-2回目以降):5〜10万円 上記内容でシミュレーションしたところ、総額が約92,000円/年でした。車両保険は100万円まで補償されます。 車検 自家用登録したランクル120系プラドの車検代について見ていきましょう。 <ディーラー車検の場合>自賠責保険:20,010円(24か月)自動車重量税:45,600円(24か月)※初年度登録から13年経過で算出印紙代:1,800円車検料:80,000円合計:147,410円※車検料は内容、整備工場などにより費用は増減します ここで注目するポイントは重量税です。120系プラドの枠である1.5トン超~2.0トン以下区分の自家用車の場合、重量税は32,800円ですが、初年度から13年経過した車両については増額され45,600円になってしまいます。また、古いクルマの場合は車検時に部品交換等の整備が発生する可能性が高く、車検代が一般的に高くなってしまうケースが多いです。 メンテナンス費用 最後にメンテナンス費用を見ていきましょう。ランクル120系プラドのメンテナンスについては下記の費用がかかってきます。 ・洗車代・ワイパーゴム交換代・ウォッシャー液交換代・冷却水補充代・エアコンフィルター交換代・ヘッドライト交換代・エンジンオイル交換代・オイルフィルター交換代・ブレーキオイル交換代・エアクリーナー交換代 1年間でこれらの費用が発生します。50,000円ほどを見込んでおけば良いでしょう。ランクル120系プラドのタイヤ交換が発生する場合は大きなタイヤになるので+10万以上かかるケースもあります。 ランクル120系プラド年間維持費はいくら? 維持費の内訳を見てきましたが、合計でいくらぐらいになるのでしょうか。合計額を見ていきましょう。 <自家用車登録のランクル120系プラド年間維持費>ガソリン代:348,095円自動車税:76,400円任意保険:92,000円車検:73,705円(2年ごとにかかる費用の半額分)メンテナンス費:50,000円合計:640,200円 月額では53,350円ほどかかります。通勤で使用しない場合はガソリン代と任意保険料を下げられます。しかし、自動車税は高いですね。車齢13年超えの大排気量エンジン搭載車を維持するには、税金だけでかなりの費用を支払う覚悟が必要です。 ローンで購入した場合は、さらに月々の返済が発生します。月極駐車場を契約する場合は、別途駐車場代が毎月かかってきます。東京都内で維持していくには、23区内の築浅1kマンションの家賃レベルで維持費がかかるかもしれません。 ランクル120系プラドの維持費が高いと思った時の対処法 旧車の維持には現代のクルマと比較するとお金がかかるものです。特にランクル120系プラドのような大排気量で大型の車種は自動車税、重量税がかさむために費用がかかります。さらに、古い車のため故障が増え修理費用など別途発生する可能性があります。 もし、ランクル120系プラドの維持費が高いと思ったら手放すことを検討してみてはいかがでしょうか。一昔前は10年落ち10万km以上走行したクルマは価値がないと言われていました。しかし、現在は空前の旧車ブームです。高く売却できる可能性があります。※2022年11月27日時点のデータ

95プラドの年間維持費は約56万円!税金・保険・メンテナンス費用まで解説
旧車の再生と維持 2022.12.02

95プラドの年間維持費は約56万円!税金・保険・メンテナンス費用まで解説

ランドクルーザープラドといえば、ランドクルーザーシリーズのライトデューティー用に開発・発売されたモデルです。プラドのなかでも1996年5月~2002年10月に製造・販売されていた95プラドはガソリン車を選択できるため、都会でも乗ることのできるクラシックランクルとして人気を集めています。 しかし「クラシックランクルは維持費が大変そう……」と心配している方もきっと多いですよね。この記事ではランクル95プラドにかかる維持費について解説いたします。 95プラド維持費の内訳 95プラドの維持費について、5項目に分け解説します。今回は1998年式の TX(ガソリン/3,378cc )を例に挙げて、費用をシミュレーションします。 燃料代 今回例に挙げる1998年式の TX(ガソリン/3,378cc )のカタログ燃費は10.15モードで7.9km/Lです。 たとえば月間1,000km走行した場合、ガソリンは約126リットル使用(*1) することになり、燃料代は2万1,546円(*2) かかります。この条件で1年間走行した場合の費用は、25万8,552円(*2) です。 *1 燃費は7.9km/Lで算出*2 2024年6月25日のレギュラーガソリン1L当たりの平均価格171円で算出 自動車税 2024年6月現在、新車登録が2019年10月1日以後の3,000cc超~3,500ccル以下(自家用)の自動車税は5万7,000円/年です。ただし、1998年式の95プラドは車齢が13年を超える可能性が非常に高いため、6万6,700円/年かかります。 なお、95プラドにはエンジンの異なる2,693ccのモデルもラインナップされており、この排気量でなおかつ車齢が13年を超えている場合は5万8,600円/年かかります。もし排気量が小さくても問題ないという方は、エンジンの違うモデルを選択することで維持費を抑えられるでしょう。 任意保険 95プラドの任意保険について大手のネット型保険でシミュレーションをしました。 <条件>年齢:25歳等級:6B使用目的:日常・レジャー運転者:本人限定 <補償内容>対人賠償(1名につき):無制限対物賠償(1事故につき):無制限対物超過特約(相手自動車1台につき50万円まで):あり人身傷害:あり(車内のみ補償)人身傷害(保険金額/1名につき):3,000万円入院諸費用特約:なし車両保険:あり(限定タイプ)→保険金額 25万円/免責金額(1回目-2回目以降)5-10万円 総額は約13万円/年でした。古いクルマには車両保険を付帯できないケースが多いですが95プラドにはつけることができました。しかし、25万円までしか補償されないため、付帯しないで保険金額を安くしてもよいかもしれません。 車検 続いて、95プラドの車検代についてみていきましょう。 <ディーラー車検の場合>自賠責保険:1万7,650円(24ヶ月)自動車重量税:5万400円(24ヶ月)※初度登録年月から18年経過で算出印紙代:1,800円車検基本料:5万円 ※店舗・工場によって異なる合計:11万9,850円 ここで注目したいのは重量税です。95プラドの枠である1.5t超~2.0t以下区分の自家用車の場合、重量税は3万2,800円ですが、初度登録年月から18年経過した車輌については増額され5万400円かかります。 また、古いクルマの場合は車検時に部品交換をはじめとする各種メンテナンスが発生する可能性が高いです。車輌のコンディションが不調で、複数箇所の整備が必要な場合には車検代がさらにかさむでしょう。 メンテナンス費用 最後にメンテナンス費用を見ていきましょう。95プラドのメンテナンスについては下記の費用がかかります。 ・洗車代・ワイパーゴム交換代・ウォッシャー液交換代・冷却水補充代・エアコンフィルター交換代・ヘッドライト交換代・エンジンオイル交換代・オイルフィルター交換代・ブレーキオイル交換代・エアクリーナー交換代 1年間でこれらの費用が発生します。5万円ほどを見込んでおけばよいでしょう。ランクル95プラドのタイヤ交換が発生する場合は大きなタイヤになるためプラスで10万以上かかるケースもあります。 【知っておきたい】95プラドのよくある故障 95プラドを所有するにあたり、よくある故障と修理費用もチェックしておくと安心です。ここでは95プラドで起こりがちなトラブルを紹介します。 ・パワーステアリングラックの故障クルマを運転するのに大変重要なステアリングに関連する部品です。経年劣化によって「ゴトゴト」という異音がしたりオイル漏れしたりすることがあります。リビルド品での交換+工賃で7万円程度の費用がかかるでしょう。 ・エアコンのコンプレッサーの故障エアコンも経年劣化によって焼付きが起こってしまう場合があります。工賃込みで10万円ほどかかります。エアコン使用時に異音やガス漏れに気付いた際にはなるべくはやく整備工場に修理を依頼しましょう。 いずれも経年劣化で発生しやすい故障です。中古の95プラドは、初度登録年月から20年近く経過している可能性が高いため、長年蓄積されたダメージによって故障が起こりやすいことを把握しておきましょう。 また、購入前にはエンジン内部の汚れを確認しておくことをおすすめします。長年乗り続けられた個体はエンジンが汚れているケースが多く、あまりにも状態がひどいと焼付きを起こしてしまう可能性があります。エンジンが壊れると丸ごと載せ替える必要があり、かなりの手間がかかるうえに費用も100万円ほどかかるため、購入前に必ずチェックしておきたいポイントです。 95プラドの年間維持費は約56万円! ここまで95プラドの維持費の内訳について解説してきました。すべて合わせると、年間で約56万円ほどの維持費がかかります。 <95プラドの年間維持費>燃料代:25万8,552円自動車税:6万6,700円任意保険:約13万円車検:5万9,925円(2年ごとにかかる費用の半額分)メンテナンス費:5万円合計:56万5,177円 月額では約4万7,000円ほどかかる計算です。この結果から燃料代の割合が大きいことが判明しました。2024年6月現在もなおガソリン価格が高騰しているため、あまり燃費のよくないガソリンエンジンでは大きな負担になるでしょう。また、自動車税も車齢13年超のガソリン車のため増税されてしまいます。 95プラドはランクルよりも維持費が安い? 95プラドの年間維持費は約56万円でしたが、同時期に発売されていたクルマと比べると費用は高いほうなのでしょうか。おおむね同じタイミングで販売されていたランドクルーザー100系の維持費を比較してみましょう。 <ランクル100の年間維持費>燃料代:35万5,992円自動車税:10万1,200円任意保険:約11万円車検:6万6,225円(2年ごとにかかる費用の半額分)メンテナンス費:5万円合計:68万3,417円 なんと、95プラドよりもランクル100のほうが10万円近く高いという結果になりました。95プラドよりも大排気量で車輌重量が重く、自動車税と重量税の負担が大きいことが要因です。もし95プラドとランクルで購入を迷われているのであれば、維持費の情報も車種検討の際にお役立てください。 ▼ランクル100の維持費の詳細はこちらで解説しています。トヨタ ランドクルーザー(100系)の維持費は高い?内訳といくらかかるかを解説 まとめ 旧車の維持には、現代のクルマよりもお金がかかるものです。特に95プラドのような大排気量で大型の車種は自動車税、重量税がかさむために費用が高くなります。さらに、古いクルマのため故障が増えて修理費用などが別途発生する可能性があるでしょう。購入の際には、今回紹介した維持費の情報も参考に検討してみてください。 ※2024年6月25日時点のデータです

78プラドの年間維持費を解説!税金・保険料・車検費用を詳しく紹介
旧車の再生と維持 2022.12.01

78プラドの年間維持費を解説!税金・保険料・車検費用を詳しく紹介

ランドクルーザープラドといえば、ランドクルーザーシリーズのライトデューティー用に開発・発売されたモデルです。プラドの中でも1990年4月~1996年5月に発売された78プラドが現在クラシックランクルとして人気を集めています。「クラシックランクルはランニングコストが高くて維持できないかもしれない」と心配の方も多いですよね。そこでこの記事ではランクル78プラドにかかる維持費について解説いたします。 ランクル78プラド維持費の内訳 78プラドの維持費について、5項目に分けて解説します。 燃料代 78プラドには排気量3Lのディーゼルエンジンが搭載されています。燃料の軽油はガソリンより安価ですが、気になる燃費はどれほどなのか見ていきましょう。 MT:8.5~10km/リットルAT:6.5~7km/リットル 大きな車体を考えたらMTモデルの燃費はよくもないけど悪くもないといったところでしょうか。ATモデルの燃費は、なかなかの大食いというイメージです。燃料代が安い軽油でも空タンクから満タンにした際、スタンドの料金メーターを見て驚くかもしれません。 78プラドはエンジン回転数のレッドゾーンが4,400rpm~と低めです。高速道路走行時はレッドゾーン近くまで回転数が上がってしまうため燃費が落ちてしまいます。高速道路の利用頻度が高い方は注意しましょう。 ここからは金額をシミュレーションします。 ここからは金額をシミュレーションします。 78プラドの年間の燃料代は、約24万8,400円です。内訳と条件は以下のとおりです。 燃費:7km/L月間走行:1,000km燃料代:144.9円/L*消費ガソリン量:142.8L1ヶ月あたりの燃料代:約20,700円1年間あたりの燃料代:約24万8,400円 *2024年11月9日時点の全国平均の軽油価格 自動車税(種別割) 2024年11月現在、新車登録が2019年10月1日以後の排気量2.5L~3L未満(自家用)の自動車税(種別割)は5万円/年です。 78プラドはディーゼル車で、なおかつ車齢が11年を超える可能性が非常に高いため、5万8,600円/年かかります。 任意保険料 ここからは78プラドにかかる保険料を、等級別、走行距離別にシュミレーションして紹介します。 等級別の任意保険料の違い 等級と年齢別に保険料をシミュレーションしました。結果は以下のとおりです。 <条件>運転免許証の色:ブルー使用目的:通勤・通学運転者:本人限定主な使用地:東京都走行距離:1万km超〜1万2,000km以下 8等級(25歳)約6万6,000円15等級(35歳)約4万3,000円20等級(45歳)約3万5,000円 年齢が若いほど、保険料は2倍近くも高くなります。また、1990年代発売の古いクルマであるために、いずれの等級でも車両保険は付帯できませんでした。万が一事故を起こしてしまうと修理代金の負担が大きくなる可能性が高いです。 走行距離別の任意保険料の違い 走行距離の差も、保険料の金額に影響する場合があります。そこで、走行距離別に保険料をシミュレーションしました。結果は以下のとおりです。 <条件>運転免許証の色:ブルー使用目的:通勤・通学運転者:本人限定主な使用地:東京都年齢:35歳等級:15等級 ※()内は使用目的 3,000km超〜5,000km以下(日常・レジャー):約2万9,000円5,000km超〜7,000km以下(日常・レジャー):約3万1,000円7,000km超〜1万km以下(通勤・通学):約3万6,000円1万km超〜1万2,000km以下(通勤・通学):約4万3,000円1万2,000km超〜1万5,000km以下(業務):約5万4,000円 やはり走行距離が長いほど保険料は高くなります。通勤や通学、仕事でクルマを使用する場合には負担額に注意しておきましょう。 車検代 ここからは78プラドの車検費用をディーラー、民間車検のそれぞれでいくらかかるかを紹介します。なお、車検の内容や店舗や工場によって増減するため、目安としてお考えください。 ディーラー車検の場合 自賠責保険:1万7,650円(24ヶ月)自動車重量税:3万7,800円(24ヶ月)※初年度登録から18年経過で算出印紙代:1,800円車検料:10万円合計:15万7,250円 民間車検の場合 自賠責保険:1万7,650円(24ヶ月)自動車重量税:3万7,800円(24ヶ月)※初度登録年月から18年経過で算出印紙代:1,800円車検料:5万円合計:10万7,250円※指定工場の場合 民間車検のほうが安いですが、それでも11万円近くかかります。78プラドは発売から30年近く経過するクルマのため、重量税の負担がどうしても大きくなってしまいます。2年に一度の車検に向けて、計画的に費用を用意しておく必要があるでしょう。 メンテナンス費用 最後にメンテナンス費用を見ていきましょう。78プラドのメンテナンスには以下の費用がかかります。 ・洗車代・ワイパーゴム交換代・ウォッシャー液交換代・冷却水補充代・エアコンフィルター交換代・ヘッドライト交換代・エンジンオイル交換代・オイルフィルター交換代・ブレーキオイル交換代・エアクリーナー交換代 1年間でこれらの費用が発生します。5万円ほどを見込んでおけばよいでしょう。タイヤ交換が発生する場合は大きなタイヤが必要なため、+10万以上かかるケースもあります。 78プラド年間維持費はいくら? 維持費の内訳を見てきましたが、合計でいくらぐらいになるのでしょうか。合計額を見ていきましょう。 燃料代:約24万8,400円自動車税(種別割):5万8,600円任意保険料:約2万9,000〜約6万6,000円車検代:5万3,625〜7万8,625円(2年ごとにかかる費用の半額分)メンテナンス費:5万円合計:約43万9,625円〜50万1,625円 月額では約3万6,600円〜4万1,800円かかります。燃料代と車検費用がウェイトを大きく占めています。また、車齢11年超のディーゼル車のため、自動車税(種別割)の負担にも留意しましょう。ローンで購入した場合は、さらに月々の返済が発生します。 【番外編】78プラド ナローボディならを4ナンバー登録できる! 78プラドには、ワイドボディとナローボディの2つのボディタイプが存在します。小さいナローボディであれば、小型貨物車として4ナンバー登録が可能です。 4ナンバー車の条件は、全長4.7m、全幅1.7m、全高2.0m以内であることです。なおかつ、ディーゼルエンジン以外は排気量が2,000cc以下でなければなりません。78プラドの場合、ナローボディだと全長が4,585mm、全幅が1,690 mm、全高が1,890mmであり、エンジンがディーゼルのため、仕様変更が必要であるものの基本的には条件をクリアしています。 78プラドを4ナンバー登録した場合の年間維持費は以下のとおりです。 燃料代:約24万8,400円自動車税(種別割):1万7,600円 ※初度登録年月から11年経過で算出任意保険料:約2万9,000〜約6万6,000円車検代:8万4,300〜13万3,350円メンテナンス費:5万円合計:約42万9,300円〜51万5,350円 自動車税(種別割)は初度登録年月から11年経過している場合、1万7,600円かかります。3ナンバー登録時よりも大幅に安い税額です。 車検時にかかる自賠責保険料は、4ナンバーの場合1万2,850円/年です。重量税については、4ナンバーの場合は車輌総重量をもとに算出されます。車輌重量1,900kg +定員5名(4ナンバーの場合)+最大積載量350kgとして、車輌総重量は2,525kgです。初年度登録年月から18年以上経過していると仮定して、3t以下に区分されて1万8,900円。結果、車検費用は8万3,350〜13万3,350円かかります。 自動車税(種別割)や重量税が安いことから費用を抑えられると思われがちですが、車検を1年ごとに受けなければならないため、3ナンバー登録時と負担はあまり変わりません。また、4ナンバー登録する際には仕様変更や構造変更手続きが必要なため、その分の工賃や手間を把握したうえで判断しましょう。 78プラドの維持費が高いと思った時の対処法 旧車の維持には現代のクルマと比較するとお金がかかるものです。特に78プラドのような大排気量で大型の車種は自動車税(種別割)、重量税がかさむために費用がかかります。さらに、古いクルマのため故障が増え修理費用など別途発生する可能性があります。 もし、78プラドの維持費が高いと思ったら手放すことを検討してみてはいかがでしょうか。一昔前は10年落ち10万km以上走行したクルマは価値がないといわれていました。しかし、昨今の旧車ブームにより高く売却できるかもしれません。売却を検討の際には、買取専門業者に問い合わせてみましょう。 78プラドから乗り換えるのにおすすめなクルマ ここからは、78プラドからの乗り換え候補としておすすめのクルマを3車種紹介します。 150プラド 150プラドは、ランドクルーザープラドの系譜として78プラドの後継車種にあたります。高年式で維持費が安く、ディーゼルモデルも選択可能なため、78プラドよりも費用負担は抑えられます。 78プラドより近代的なフォルムでキャラクターは異なりますが、「次は快適性が高いクルマがよい」と考えているユーザーにおすすめのモデルです。 ジムニー(JB64型) ジムニーは、クロスカントリーモデルとして78プラドと同じ感覚の乗り味が楽しめる1台です。2018年発売の高年式かつ軽自動車のため、維持費の安さが大きなメリットです。 釣りやアウトドアを趣味にしており、走破性を重視するユーザーに適しています。 200系ハイエース 200系ハイエースは、発売から20年以上のロングライフモデルです。78プラドとはボディタイプが異なりますが、ディーゼルエンジンや4WDが選択できるため、基本的な使い勝手は共通している部分があります。 78プラドをカスタムし、4ナンバー登録しているユーザーであれば同じ商用車として抵抗なく乗り換えられるでしょう。また、現行車のため選択肢の自由度が高い点も魅力です。 ※2024年11月時点のデータです

二代目ジムニー(JA22)の維持費は高い?内訳といくらかかるかを解説
旧車の再生と維持 2022.11.30

二代目ジムニー(JA22)の維持費は高い?内訳といくらかかるかを解説

ジムニーといえば、軽自動車規格の本格クロカンとして世界的に人気を誇るスズキを代表する車種です。特に二代目のJA22はエンジンがSOHCから高回転まで回るDOHCになり、日常域での使い勝手が良さから多くのユーザーから支持を得ています。一般的な軽自動車とは比較にならない悪路走破性を誇るジムニーですが、維持費はどのようになっているのでしょうか。性能に応じて維持費も高くなるのか気になるところですよね。この記事では、そんな二代目ジムニー(JA22)の維持費について解説いたします。 ジムニーの特徴 ジムニーの特徴は軽量、コンパクトかつシンプルで頑丈な車体です。強度と耐久性を高めるためラダーフレームを採用し、サスペンションは前後とも固定軸という硬派な仕様となっています。 また、カスタムパーツが多く存在し、オーナーこだわりの一台に仕上げられることも魅力の一つです。オフロードコースに持ち込まれるジムニーは、原型と大きく異なる特殊な改造が施されているものも見かけます。 ジムニー(JA22)維持費の内訳 ここから、ジムニーの維持費について5項目に分け解説します。 ガソリン代 ジムニー(JA22)の燃費はカタログ記載の数値の10・15モード燃費で15.8km/リットルです。しかし、これはあくまでもカタログ上の数値。実燃費は、下記が目安です。MT:10~15km/リットルAT:9~10km/リットル MTモデルは燃費を伸ばせますが、ATモデルは現代の大型セダン級の悪さになります。 仮にジムニー(JA22)のATを通勤で使用し月間1,000km走行した場合、ガソリンは100リットル使用(*1)し、ガソリン代は16,270円(*2) かかります。この条件で1年間走行した場合のガソリン代の総額は、195,240円(*2) です。*1 燃費は10km/リットルで算出*2 2022年11月27日のレギュラーガソリン1リットル当たりの平均価格162.7円で算出 自動車税 2022年11月現在、2015年4月1日以後に最初の新規検査を受けた軽自動車(自家用)の自動車税は10,800円/年です。ジムニー(JA22)の場合はいかがでしょうか。最初の新規検査から13年を経過した軽自動車の場合、12,900円/年かかります。ジムニー(JA22)の場合、1998年のモデルが最終型になるため増額された税金が適用されるでしょう。貨物登録されているモデルであれば6,000円かかります。 任意保険 ジムニー(JA22)の任意保険について大手のネット型保険で見積もりをしました。 <条件>年齢:30歳等級:6E使用目的:通勤・通学運転者:本人限定 <補償内容>対人賠償(1名につき):無制限対物賠償(1事故につき):無制限対物超過特約(相手自動車1台につき50万円まで):あり人身傷害:あり(車内のみ補償)人身傷害(保険金額/1名につき):3,000万円入院諸費用特約:なし 上記内容でシミュレーションしたところ、総額が約6万円/年でした。車両保険については付帯していません。古い車には車両保険を付帯できないケースが多いです。 車検 クルマを維持するうえで、一般的に最も財布にダメージを与えるといわれるのが車検代です。自家用登録の軽自動車を新車で購入した場合は初回が3年後、2回目以降は2年ごとの車検が義務付けられています。貨物登録の場合は1年ごとに車検を受けなければなりません。それでは、どれくらいの費用がかかるのか具体的に見ていきましょう。 <ディーラー車検の場合>自賠責保険:19,730円(24か月)自動車重量税:8,800円(24か月)※初年度登録から18年経過で算出印紙代:1,100円車検料:80,000円合計:109,630円※車検料は内容、整備工場などにより費用は増減します ここで注目するポイントは重量税です。軽自動車の場合、重量税は6,600円ですが、初年度から18年経過した車両に対しては増額されてしまいます。また、古いクルマの場合は車検時に部品交換などの整備が発生する可能性が高く、車検代が一般的に高くなるケースが多いです。そのため10万円以上はかかることを覚悟しておきましょう。 メンテナンス費用 最後にメンテナンス費用を見ていきましょう。ジムニー(JA22)の場合、本格的なオフロード走行をしている方も多いと思いますが、ここでは一般的なメンテナンス費用について言及します。メンテナンスについては下記の費用がかかってきます。・洗車代・ワイパーゴム交換代・ウォッシャー液交換代・冷却水補充代・エアコンフィルター交換代・ヘッドライト交換代・エンジンオイル交換代・オイルフィルター交換代・ブレーキオイル交換代・エアクリーナー交換代 1年間でこれらの費用が発生します。5万円ほどを見込んでおけば良いでしょう。タイヤ交換が発生する場合は+10万ほどかかるケースもあります。 ジムニー(JA22)年間維持費はいくら? 維持費の内訳を見てきましたが、合計でいくらぐらいになるのでしょうか。合計額を見ていきましょう。 <自家用車登録のジムニー(JA22)年間維持費>ガソリン代:195,240円自動車税:12,900円任意保険:60,000円車検:54,815円(2年ごとにかかる費用の半額分)メンテナンス費:50,000円合計:372,955円 月額では31,000円ほどかかる計算になります。軽自動車は維持費が安いと言われますが、旧車のジムニー(JA22)の場合は話が変わってきます。特に通勤で使用する場合は燃費の悪さによりガソリン代のウェイトが大きく占めるでしょう。現行型のスズキ「アルト」はカタログ燃費で27.7km/リットルです。なんとジムニー(JA22)の約3倍ほど走る計算になります。 ジムニー(JA22)の維持費が高いと思った時の対処法 旧車の維持には現代のクルマと比較するとお金がかかるものです。さらに、故障が増え修理費用など別途発生する可能性があります。もし、ジムニー(JA22)の維持費が高いと思ったら手放すことを検討してみてはいかがでしょうか。一昔前は10年落ち10万km以上走行したクルマは価値がないと言われていました。しかし、現在は空前の旧車ブームです。高く売却できる可能性があります。  

初めて工具を手にした旧車オーナー必読!次に揃えるべきモノとは?
旧車の再生と維持 2022.11.21

初めて工具を手にした旧車オーナー必読!次に揃えるべきモノとは?

前回、初めて工具を購入する旧車オーナーのために、簡単ではあるがアドバイスとなるであろう記事を担当した。 今回はその続編として、晴れて旧車オーナーとなったら、次にいったい何を揃えれば良いのか、具体的な内容にまとめてみた。 ▲おちゃらけた内容の筆者のYouTube動画も、すべて事前にサービスマニュアルやパーツリストなどで下調べをしたうえで作業をおこなっている(私クマダはYouTubeでポンコツ再生動画を公開しております。ぜひ動画もご覧になってください。チャンネル登録お待ちしております。動画はこちらです→ https://t.co/jshezU8Be0) ■工具以外にもこれだけは揃えておきたい 晴れて旧車オーナーになって、少しでも自分自身でクルマに手を入れてみたいと思ったら、まずは参考となる資料を用意するべきであろう。 DIY派の旧車オーナーに筆者が入手を強くおすすめしたいのが、「自身の愛車のサービスマニュアル」と「パーツリスト」だ。 ▲筆者所有のサービスマニュアルやパーツリスト、社外アフターマーケット品のパーツカタログなど。余談だが、海外のパーツカタログ類は資料性が高く、参考となるものが多い。英語というハードルがあるが、国産旧車でも海外輸出されていた車両であれば、洋書で探すという手段が存在する 旧車は、日常的に行われる基本的なメンテナンスなどにおいても、現代のクルマでは当たり前となっている方法とは異なる場合が多い。 例えば基本中の基本、エンジンオイルを例に挙げてみよう。 たかがエンジンオイルと思われるかもしれないが、今日一般的に入手できるオイルが使用できるのか、もしくは旧車用と呼ばれる特殊な粘度のオイルを用意しなければいけないのか、サービスマニュアルがなければ判断すらできない。 タイヤひとつとっても、ホイールナットの締付トルクはおろか、規定の空気圧すら分からないなど、手探りで作業する場面が容易に想像できる。 DIY初心者にとっては、とても心許ないものであろう。 また、旧車は修理などパーツ交換が必要な際に、あらかじめそのパーツが入手できるか否か作業を行う前に探りを入れておかなければならない。 パーツの供給状況によっては、その作業を断念せざるを得ないことがあるからだ。 パーツリストは部品検索のための必須ツールだ。 部品番号がわからないと発注はおろか、パーツ探しすらままならない。 正直なところ、これらは当時モノとなるため、車種によっては入手困難なケースもある。 しかし、ネットオークションなどを駆使して何としてでも手に入れてほしい。 サービスマニュアルとパーツリストは旧車オーナーにとって、たいへん重要な参考資料であり、いわば旧車維持の道しるべともいえるからだ。 ■現代車では用いられることがない、旧車ならではのツール。タイミングライトとシックネスゲージ ▲シックネスゲージを使用して実際にタペット調整をする。決してむずかしい作業ではない。ある年代より旧いクルマでは必須メンテナンスだ(画像は空冷ワーゲンの水平対向4気筒エンジン リアルタイムで旧車に接してきた世代のオーナーにとっては当たり前のことであっても、若いオーナーにとってみれば「なにそれ?」といったことは多々あるだろう。 旧車といえども、比較的に現代車に近い感覚で乗れる1990年代以降のネオクラッシックカーであっても、平成生まれのオーナーにとっては生まれる以前に造られた、あるいは同世代のクルマだ。 筆者はいわゆるアラフォー世代の「おっさん」である。 その「おっさん」が免許を取ってクルマをいじり始めた20年前であっても、実際に当時で「旧車」と呼ばれたクルマに触れないかぎり、出会うことはないであろう基本的なメンテナンスが存在した。 代表的なものをいくつか挙げてみれば、「タペットクリアランス調整」「ポイントギャップ調整」「点火時期調整」あたりだろうか。 具体的内容については話が長くなるのでここでは割愛するが、これらは、よくいわれるエンジン完調のための基本「良い圧縮・良い火花・良い混合気」すべてに関連する。 旧車を絶好調に走らせるための必須メンテナンスだ。 ここで必要となるのが、タイミングライトやシックネスゲージである。 さすがにこれらはホームセンターの店頭はおろか、工具店でも在庫として店頭に置いてある店舗が非常に少なくなったように感じる。 これらはネット通販であれば安価に入手できるが、筆者の経験ではタイミングライトの安価品は高い確率で早くに故障する。 シックネスゲージについては高額ではないので、精度を信頼できる日本製を選んでほしい。 デジタル化された現代のクルマでは、これらの部分は「メンテナスフリー」というより、「ノンタッチ」となっている。 これらは当時、車検点検の際には必ず行われる身近なメンテナンスであったと聞く。 車種によっては、取扱説明書に作業方法が記載されるほどであったという。 これらはDIY派の旧車オーナーには、オイル交換・スパークプラグ交換の次に、ぜひ実践してほしい基本メンテナンスだ。 この部分を普段から触れているオーナーは、早い段階で一見判りづらい完調であるクルマ、そうで無いクルマの判別が感覚的に身についてくることであろう。 ▲「画像④」:YouTube動画内で登場したタイミングライト。40年以上前のナショナル製。(#11 完成 / スズキ カプチーノのへたったエンジンをリカバリーせよ)より。動画はこちらです→ https://youtu.be/1Fx3xMNmNxM  ■DIY派の旧車オーナーは、ぜひグリースにもこだわってほしい 自身でメンテナンスを行うと、グリスアップを行う場面が増えてくるはずだ。 グリスアップはメンテナンスの基本中の基本といっても過言ではないだろう。 オイルと同じくメカニズムを潤滑保護するために必須の油脂、グリース。 各種オイルにこだわりを持つ旧車オーナーは多いが、グリースもオイルと同様、目的に応じてさまざまな種類が存在する。 ここに一般的な自動車整備に使用されるグリースの代表的なものを挙げるとしよう。 ●リチウム石けん系グリース マルチパーパスグリースという名で広く一般的に使用される。 マルチパーパス(万能)というが、これを鵜呑みにしてどこにでも使用してはいけない。 ●カルシウム石けん系グリース 通称シャーシグリースとも呼ばれる。 主にジャバラチューブに入っていて、下回り各所のグリースニップルにガンで充填することが多い。 耐水性もあり安価だが、耐熱性は期待できない。 ●二硫化モリブデングリース マルチパーパスグリースに二硫化モリブデンを配合し、耐摩耗性・耐荷重性を持たせた黒いグリース。 トライブシャフトなど、等速ジョイントのブーツ内部などに使用される。 ここまでは、液状の「ベースオイル」を、半固体の「グリース」にするための「増ちょう剤」にリチウムやカルシウムを使用した「石けん系」のグリースである。 以下は増ちょう剤に石けんを使用しない「非石けん系」グリースの代表的なものを紹介する。 ●ウレアグリース マルチパーパスグリースとほぼ同じ用途で使用されるが、やや耐水性・耐熱性が高い。 密封されたシールドベアリング内部など製品に使われることが多い。 筆者はクルマよりもバイクの整備によく使われるイメージを持っている。 前述の3種類の石けん系グリースは、ほぼ鉱物油ベースといって間違いない。 しかし、この非石けん系のウレアグリースに関しては、製品ごとにベースオイルが異なる場合が多い。 購入する場合には、耐ゴム性能の観点から購入時の確認は必要と思われる。 ●ポリグリコール系グリース 「ラバーグリース」や「ブレーキグリース」の名称で店頭に並ぶ合成油ベースのグリースだ。 ブレーキ内部のピストンシールやカップラバーなど、ゴムを傷めずに潤滑する。 ●シリコーン系グリース 耐熱かつ耐寒、幅広い温度帯で使用可能。 さらに耐水性も抜群な白いグリースだ。 ただし金属同士の摺動面や力のかかる部分には使用できない。 主にプラスチックやゴムに使用される。 高額ではあるが、幅広い用途に使用できる。 その他、特定の使用用途に応じたグリースも多々存在する。 ここで、前述した汎用グリースでは代用できない例を二つ挙げてみよう。 ●ブレーキパッドグリース 主にブレーキパッドとシムなどキャリパー周辺や、ドラムブレーキのライニングとバックプレートの接触部分などに使用する。 他のグリースで代用すると雨などの水分に流されてしまい、ブレーキ鳴きの原因の一つとなる。 耐水性をもつことから、シリコーン系グリースでも代用できるという意見もある。 しかし、筆者はグリースの固さ、すなわち「ちょう度」によると考える。 相手は重要保安部品のブレーキだ。 ここは専用品を使用するべきであろう。 ●クラッチスプライングリース クラッチ交換時に使用するグリースである。 乾燥しにくい性質を持たせることで、グリースがクラッチ摩擦材などのダストを含むことで固くペースト状になることを防ぎつつも、周囲に飛び散りにくいという特長を持つ。 このグリースについては、オートマ車全盛の今日において使用頻度が低いためか、修理の際に別のグリースで代用され時間の経過とともにグリースが粘着する。 クラッチペダルが極端に重くなったり、グリースが周辺に飛び散るなどしてジャダー発生の原因となっている例がある。 細かい部分ではあるが、安易なグリース選びができない一例だ。 他にも挙げられるものはあるが、一般的なクルマのメンテナンスに使用されるものは、おおよそこれぐらいであろうか。 お分かりいただけたと思うが、クレ5-56にマルチパーパスグリースだけがあれば良いわけではないのだ。 確かに広範囲に使用できるグリースは存在するが、筆者の知る限り、どこにでも使える万能なグリースは存在しない。 使用する用途を間違って使用した場合、良かれと思って使用した高額なグリースが、外側のラバーブーツをボロボロにしてしまったという例もある。 これでは本末転倒だ。 まさに「間違いだらけのグリース選び」ではなかろうか? 良かれと思って行ったメンテナンスが、トラブルの原因となる。 潤滑系ケミカルは、どうしてもインターネット広告に流され、高額なものを購入しがちだ。 グリースなどのケミカルは、まずは先述のサービスマニュアルをもとに選択してほしい。 購入の際にはパッケージの裏書きと照らし合わせれば、どれが正しい選択であるか判るはずだ。 幸いなことにこれらは決して高額なものではない。 比較的安価である。 荷姿の問題で少し多めに購入することになったら仲間内でシェアすればよい。 まずは目的に必要なものを用意して、ツールボックスにストックするべきである。 くれぐれも「都市伝説」に騙されてはいけない。 ▲筆者使用のエンジンオイル(主に旧車用)。クルマ用のオイルやケミカルは数多く存在するが、これら油脂類も信頼できる資料をもとに正しい選択をしたい ■まずは自分のペースに合わせて、できることからはじめよう 今回は、サービスマニュアルとパーツリストの入手のススメから話を展開した。 相手は古い機械モノである。 一筋縄でいくとは考えないほうが良い。 DIYの前にまずは情報収集だ。 作業の事前準備はたとえ、その道のプロであっても必要不可欠である。 筆者の経験上、腕の良いメカニックであるほど、この点についてはとても真剣かつ用意周到であると感じる。 森羅万象ともいえる筆者の師匠(熟練の整備工)はサービスマニュアルの内容が脳内にインプットされており、最新情報にも常にアンテナを張っている。 旧車のみならず、DIY初心者の方は今回の記事を読んで「いきなりプロ相手の修理書かよ!?」と思われるかもしれないが、これは修理の具体的かつ、王道である内容である。 これから自身で愛車に手を入れようという方には、ぜひ正しい方法を覚えていただきたい。 ここまで聞くと、難しく感じてしまうかもしれないが、現代のクルマとは異なり、旧車にはオーナーが手を入れられる余地が数多くある。 クルマを構成する部品点数も、必要な工具も現代車に比べればはるかに少ない。 肩ひじ張ることはないのだ。 これなら自分でもできるという部分からはじめればよい。 繰り返しとなるが、そのために道しるべとなるのが「サービスマニュアル」と「パーツリスト」である。 自分のクルマだ。 やりたいようにやればいい。 納得できるところまでやればいい。 そして、何度でもやり直せばいいのだ。 自身の手を汚し、絶好調になったクルマに乗る瞬間は、何事にも代えられない素晴らしい体験である。 こればかりがお金で買えるものではない。 一度経験すると病みつきになる。 まさにプライスレスだ。 プロ顔負けのプライベーターが存在する理由はここにある。 「千里の道も一歩から」「先ず隗よりはじめよ」。 いずれの言葉も、まずはできることからはじめようという意味だ。 ・・・閑話休題。 今後も旧車を維持するにあたって、より実践的な工具の選択方法やケミカルについても案内していこうと思う。 次回も期待して待っていてほしい。 ※前回の記事 ■車整備歴20余年の経験者が思う、旧車オーナーが初めて工具を購入する際の注意点とは? https://www.qsha-oh.com/historia/article/maintenance-tools/ [YouTube]BEARMAN's チャンネルhttps://www.youtube.com/channel/UCTSqWZgEnLSfT8Lvl923p1g [ライター・撮影/クマダトシロー]

車のリコールが発表される前に修理した場合は返金されるのか?リコールの流れや注意点を解説
旧車の再生と維持 2022.10.31

車のリコールが発表される前に修理した場合は返金されるのか?リコールの流れや注意点を解説

車のリコールは、車の設計や製造過程に原因があり、道路運送車両の保安基準に適合しなくなる恐れや適合しない場合に出されます。リコールが出されたらどのような手順で修理を進めるのでしょうか。また、費用を支払って修理した後にリコールとなった場合の費用負担はどのようになるのでしょうか。今回は、車のリコールについて紹介します。 車のリコールとは 車のリコールとは、車の設計または製作の過程に原因があり、道路運送車両の保安基準に適合しない、または適合しない可能性がある場合に、メーカーが国土交通省に届け出て保安基準に適合するよう修理する制度です。 リコールは、メーカーの責任となるため、ユーザーが修理費用を負担することはありません。リコール対象になった場合には、速やかに修理を受けましょう。 リコール対象車になった場合の流れ ここからは、リコールの対象になったときの流れを紹介します。 1.ディーラーから連絡が来る リコールの対象になるとディーラーから手紙やハガキ、電話などで連絡が来ます。連絡がきたら入庫予約をしましょう。 また、リコールの修理は購入したディーラーだけでなく、他の正規ディーラーやメーカーから認証を受けている整備工場などで受けることができます。 2.ディーラーへ入庫する 入庫予定日になったらディーラーへ車を持ち込み修理を受けます。リコール内容によっては、数日間にわたり車を預けなければならないこともあるため、リコールの修理に要する日数や代車の手配なども忘れずに行いましょう。 3.リコール作業が完了する リコールの作業が完了したら車を引き取ります。リコールはメーカーが行う無償修理であるため、修理費の準備をする必要はありません。 車のリコールが出る前に修理した場合は条件付きで返金される 費用を支払って修理した部分が後にリコール対象となった場合、修理代金の返還等が行われることがあります。返還等の際には、領収書や修理明細書などの書類が必要になることもあります。返還等の手続きや必要書類などは、メーカーによって異なるため販売店などで確認してください。 車のリコールを理由に車体の返金はできない リコールは、あくまでも対象となる部品にのみ適応されます。そのため、車両本体の返金や交換はできません。 リコールの対象になると、車を売るときの価値が下がるのではないかと心配する方もいるでしょう。しかし、リコール対象となった車でも買取には影響がありません。 車のリコールに期限はない リコールの修理に期限はありません。そのため、何らかの事情によってすぐに修理を受けられなくても焦る必要はありません。 ただし、リコールは不具合が起きないよう事前に修理する制度であるため、早めに修理を受けることをおすすめします。 リコールを放置して事故が起きた場合はドライバーの責任 リコールの通知を受けていたのにもかかわらず、放置して不具合が起きたり事故を起こしてしまったりすると、ドライバーの責任になる場合があります。メーカーが届け出たリコールは、ユーザーが受けなければならない修理です。そのため、リコールの対象になったら速やかに修理を受けましょう。

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