旧車と名車が甦るメディア
査定を依頼する(無料)

S204 STIバージョンはなぜ高価買取が可能なのか?!突出した人気の理由に迫る

目次
1.Sシリーズはメーカーが作ったチューニングカー 2.S204の人気が高い3つの理由 3.今も高値で取引されるS204

スバルのスポーツ部門を担うSTIが制作した600台限定の特別仕様車であるS204は、シリーズの中でも特に高い人気を誇っています。ベースモデルであるGDB型インプレッサと比較してもその差は歴然です。なぜこれほどまでにS204が人気なのか、歴史を紐解きながらその理由に迫ります。

reasons_to_choose_qshaoh

contact_button

reasons_to_choose_qshaoh

contact_button

Sシリーズはメーカーが作ったチューニングカー

Sシリーズは、STIが送り出すコンプリートカーの最上位シリーズです。スバルのモータースポーツ部門として開発をおこなうSTIによって、レースで培ったノウハウをもとに特別仕様車として製造されています。

エンジンチューニングだけにとどまらず、新開発の足回りやブレーキ、専用デザインされた内外装と、細部にいたるまでSTIのこだわりがみられる特別なシリーズです。

Sシリーズの歴史

Sシリーズは、今でも名車として名高いインプレッサ22B STI バージョンの成功を受けて開発されました。

初代Sシリーズとしてリリースされたのは、GC8をベースとして開発されたS201。専用にチューニングされたエンジンは300psを発生、エアロバンパーや大型ウイングを装備するなど、まさにメーカーが作ったチューニングカーといった迫力のある仕様でした。

また、Sシリーズには2系統あり、インプレッサをベースとする20系とレガシィをベースにする40系にわかれます。Sシリーズ第2弾として登場したのは、レガシィベースのS401でした。

その後、モデルチェンジの節目ごとに発売されたSシリーズは、現在までに10モデルをリリースしました。内訳は、インプレッサベース6モデルとレガシィベース、WRXベースがそれぞれ2モデルです。

2代目インプレッサGDB型Sシリーズは3モデル

2代目インプレッサとなるGDB型をベースとしたSシリーズは、マイナーチェンジごとに製作され、合計3モデルがリリースされました。

インプレッサベースとして発表された6モデルのSシリーズ内、同型で複数のモデルがあるのはGDB型のみです。S202〜204の3モデルがGDB型インプレッサベースのSシリーズとして製作されました。

2000年に登場したGDB型インプレッサは2度のマイナーチェンジをおこなっていて、ヘッドライトの形状から、それぞれ「丸目」「涙目」「鷹目」という愛称がファンによってつけられました。

GDB型として製作された3台のSシリーズは、S202が「丸目」、S203が「涙目」、そしてS204が「鷹目」に対応しています。

インプレッサ WRX STi GDBの買取専門ページはこちら

旧車王バナー旧車王バナー

S204の人気が高い3つの理由

GDB型インプレッサは中古車としてそれほど人気が高いわけではありません。しかし、S204に関しては多くのファンから熱い支持を得ています。販売台数600台限定と希少性が高いように感じますが、Sシリーズの多くのモデルは台数を限定して販売されています。

たとえば、S204の直前にリリースされたS203は555台限定でした。こうした背景から、流通量の少なさは「S204特有の人気の高さ」につながっていないと考えられるでしょう。

S204がなぜこれだけの支持を集めているのか、3つの観点から迫ります。

WRC参戦モデルとして最後のSシリーズだった

スバルの“世界ラリー選手権”(WRC)参戦の歴史を締めくくるモデルだという点は、S204の人気に大きく影響しているでしょう。2005年に発表されたS204のベースであるGDB型インプレッサは、スバルがメーカーとしてWRCに参戦する最後の年となる2008年シーズン中盤まで使用されていました。

WRCでの活躍により、インプレッサはスポーツカーとして確固たる地位を築きました。しかし、2008年シーズン後半に3代目インプレッサのGRB型ハッチバックモデルが投入されたあと、世界経済の悪化と戦績の低迷を理由に同年のシーズンを最後にワークス活動を終了してしまいます。

WRC撤退後、ワークス活動の主軸はニュルブルクリンク24時間レースに移行。のちにハッチバックのGRB型ベースのR205や、セダンであるGVBベースのS206が登場していますが、開発目標はラリーでの勝利ではなくオンロードの快適性向上でした。

インプレッサを象徴するWRCでの活躍が影を潜め、オンロードに移行してしまった結果、S204が「スバル=ラリー」というキャラクター性を色濃く残した最後のSモデルとなります。

エンジンへのこだわりと新開発のボディと足回りを徹底的に強化

S204は前身となるS203を正統進化させたモデルです。前作のS203から特にボディと足回りに力を入れていて、ボディ強化パーツとしてヤマハと共同で新開発した“パフォーマンスダンパー”が投入されます。すでに完成の域にあったエンジンに足回りを徹底的に強化したことで、S204はクルマとしての完成度を極限まで高めたモデルになりました。

トランクルームにあるリアストラット上部に装着される“パフォーマンスダンパー”は、ボディへの入力を吸収するパーツです。ストラットタワーバーのようにボディに受ける力を跳ね返すのではなく、吸収するという発想でボディへの影響を抑えて、安定性を高めます。

また、車高を15mmダウンさせスプリングレートを50%向上した専用のローダウンスプリングと、大径化により強化されたリアスタビライザー、そしてリアサスペンション取り付け部のピロボール化と応答性のよい足回りを完成させました。さらに、軽量BBS製鍛造18インチアルミホイールも用意され、S203よりも大幅に運動性能が向上しています。

すべてにおいてワンランクアップ

S204は、エンジンや足回り以外にも多くの点で進歩しています。細部にこだわってワンランク上の性能と上質さを身にまとったことも、S204が高い人気を誇る理由の1つです。

性能面では、エンジンへのこだわりとともに、タービンの大型化と専用チタンスポーツマフラーによって抜けの良いレスポンスを実現。減衰力が固定式に変更されたショックアブソーバーや径が拡大されたスタビライザーなど細部にもこだわり、発生するパワーを持て余すことなく自在にコントロールできる高い操縦性を発揮します。

内装面では、全体をグレーに統一し、随所に本革を使用するなどインテリア全体の質感を向上させました。ドライカーボンを使用したレカロ製シートは、基本的な設計は変わらないものの、本革とアルカンターラのコンビシートに変更されています。加えてサイドサポート部に本革を使用し、乗降性とともに高級感も向上しました。こだわり抜いたシートは1脚75万6000円と前作S203のシートよりも20万円も高額になっています。

また、ステアリングのグリップ部分には、フェラーリにも使われている最高級の本革を採用。フロアカーペットは高級感があり遮音性に優れた高い毛足の長いものに変更されています。

S204は、欧州高級スポーツカーをターゲットに開発されたS203の完成型ともいえるモデルです。

インプレッサ WRX STi GDBの買取専門ページはこちら

今も高値で取引されるS204

発売当時500万円近い高額な価格も話題となったS204ですが、発売から15年以上が経過した現在は、新車価格よりもさらに高い価格で取り引きされています。

買取相場からお伝えすると、旧車王では2022年10月に550万円でS204を買取しています。通常のGDB型の買取価格は100万円前後で推移しており、S203でさえ260万円ほどでの取り引きなので、いかにS204の人気が高いかお分かりいただけるのではないでしょうか。

販売価格に関しては、大手中古車販売サイトで2006年式のS204が約900万円で販売されていました。また、先述の通り販売台数が限定600台だったことから、現存する在庫数も豊富とは言えません。

価格の高騰だけではなく、在庫面からも今後さらに入手困難になることが予想されるため、S204が気になっている方はぜひ早めの入手をおすすめします。

※価格は2022年11月執筆当時

旧車の買取なら「旧車王」におまかせ!

長い時間を共にした愛車だからこそ、売却先にもこだわりたいという方は多いのではないでしょうか。
旧車王は、旧車に特化して20年以上買取を続けております。旧車に関する実績と知識なら、どこに負けない自信があります。また、ご契約後の買取額の減額や不当なキャンセル料を請求する「二重査定」も一切ございません。誠実にお客さまのクルマと向き合い、適正に査定いたします。
全国どこでも無料で出張査定にうかがいますので、大事な愛車の売却先にお悩みの方はぜひ「旧車王」にご相談ください。

画像1
画像ギャラリー(全1枚)を見る
この記事に誤りや気になる点がありましたら、お手数ですが、こちらのフォームからお知らせください。ご協力ありがとうございます。

この記事をシェアする

旧車王マガジンは
旧車王
が運営しています

旧車王は、「買取は10年以上の旧車だけ」というコンセプトのもと、旧車・クラシックカーに特化して25年、 累積15,000台以上を買取させていただいております。改造車から希少車まで、適正価格を見極めて買取させていただきます。弊社所属の鑑定士が最短当日で全国無料出張査定いたします。ご契約後の買取額の減額や不当なキャンセル料を請求する二重査定は一切ありません。特別なそして価値ある希少車の買取こそ、確かなノウハウと実績を持つ旧車王にお任せください!

すぐ査定依頼が可能!

Web査定申込はこちら

まずは車について気軽に相談したい

LINEで売却相談する

関連する記事

2025年8月にWRX STI GDB型が25年ルール解禁!今後値上がりする?

2025年8月にWRX STI GDB型が25年ルール解禁!今後値上がりする?

旧車の売買と鑑定市場 2025.01.08
涙目の2代目インプレッサはいつ登場した? 丸目からの変更点や鷹目につながった魅力を紹介

涙目の2代目インプレッサはいつ登場した? 丸目からの変更点や鷹目につながった魅力を紹介

旧車の魅力と知識 2024.06.20
「丸目」「涙目」「鷹目」あなたの好みは? GD系スバル インプレッサに迫る

「丸目」「涙目」「鷹目」あなたの好みは? GD系スバル インプレッサに迫る

旧車の魅力と知識 2022.01.07
車のノッキング音は危険?修理の必要性や予防法について解説

車のノッキング音は危険?修理の必要性や予防法について解説

旧車の魅力と知識 2025.12.19
人生の半分の時間をともにした愛車「2000年式トヨタ チェイサー ツアラーV(JZX100型)」との出会い。そして別れを考える

人生の半分の時間をともにした愛車「2000年式トヨタ チェイサー ツアラーV(JZX100型)」との出会い。そして別れを考える

旧車の愛好家たち 2025.12.05
クルマのドアからの雨漏り放置は事故につながる?原因と対処法を解説

クルマのドアからの雨漏り放置は事故につながる?原因と対処法を解説

旧車の魅力と知識 2025.12.04
キューブが25年ルール解禁!今後値上がりする?

キューブが25年ルール解禁!今後値上がりする?

旧車の売買と鑑定市場 2025.12.03
車の事故修理は保険と自費どちらが得?保険料・等級への影響を解説

車の事故修理は保険と自費どちらが得?保険料・等級への影響を解説

旧車の魅力と知識 2025.12.02

記事ランキング

1
キューブが25年ルール解禁!今後値上がりする?

キューブが25年ルール解禁!今後値上がりする?

旧車の売買と鑑定市場 2025.12.03
2
MT車(マニュアル車)の運転方法とは?発進・停止・ギアチェンジ・坂道発進のコツを解説

MT車(マニュアル車)の運転方法とは?発進・停止・ギアチェンジ・坂道発進のコツを解説

旧車の魅力と知識 2024.04.19
3
マイナ免許証に変わって感じるデメリットとは?従来にはないメリットも

マイナ免許証に変わって感じるデメリットとは?従来にはないメリットも

旧車の魅力と知識 2025.03.25
4
固着したネジでも諦めないで!回らないネジの緩め方アラカルト

固着したネジでも諦めないで!回らないネジの緩め方アラカルト

旧車の再生と維持 2023.09.12
5
車のアンダーカバーが壊れた!修理費用はどのくらい?

車のアンダーカバーが壊れた!修理費用はどのくらい?

旧車の再生と維持 2023.10.18
6
クルマの名義変更の費用はいくら?自分で手続きする場合&代行料も解説

クルマの名義変更の費用はいくら?自分で手続きする場合&代行料も解説

旧車の魅力と知識 2022.09.12
7
車庫証明は本人じゃなくても取得できる!代理人による手続き方法を紹介

車庫証明は本人じゃなくても取得できる!代理人による手続き方法を紹介

旧車の売買と鑑定市場 2023.03.31
8
【13年・18年経過】自動車税種別割・重量税の早見表|乗り換えた方がよい理由も紹介

【13年・18年経過】自動車税種別割・重量税の早見表|乗り換えた方がよい理由も紹介

旧車の売買と鑑定市場 2024.07.29

カテゴリ一覧

# 旧車の魅力と知識 # 旧車の売買と鑑定市場 # 旧車の再生と維持 # 旧車のイベント # 旧車の愛好家たち