旧車と名車が甦るメディア

愛車がすべてという考えはいささか危険かもしれないという話

目次
1.■愛車がすべて。その気持ちは痛いほど分かる 2.■「代わりになるものが存在しない」という怖さ 3.■逃げ道が女性という思考は危険かもしれない 4.■それでも逃げ道はあった方がいい

これまで何百人という方に愛車にまつわるお話を伺ってきた。そのなかには「愛車を維持するために人生を掛けている」あるいは「愛車がなくなったら自分は廃人になってしまうかもしれない」と本気でいい切るオーナーも少なくない。

reasons_to_choose_qshaoh

contact_button

reasons_to_choose_qshaoh

contact_button

■愛車がすべて。その気持ちは痛いほど分かる

憧れのクルマを手に入れてから今日まで、惜しみない愛情と時間、そして多額の費用を投じて所有してきたのだから、もうあとには引けないという思いもあるのかもしれない。

筆者自身、一生モノと固く心に誓って維持している愛車がある。仕事が忙しいときには車庫にある愛車を眺め、運転席に座るだけでも気持ちが落ち着く。ある意味、精神安定剤的な役割も担っているのかもしれない。乗れなくてもいい。そこにあるだけで満たされる。

そしてふと思うことがある「このクルマがなくなってしまったら自分はどうなってしまうんだろう」と。そんなこと考えたくもないし、あえて考えないようにしているフシもある。それはなぜか。結末がどうなるか。自分がいちばんよく分かっているからだ。

156の買取専門ページはこちら

旧車王バナー旧車王バナー

■「代わりになるものが存在しない」という怖さ

せっかくの機会なので、(ちょっと怖いけれど)自分自身の気持ちを掘り下げてみる。愛車を手放したことで、とてつもない喪失感に襲われ、仕事が手につかなくなるだろう。「仕事は最大の逃げ場」という人もいるが、幸か不幸か自分の場合はクルマに関することを生業にしている以上、逃げ場がない。

おそらく、気晴らしにWebカーセンサーやGoo-netあたりで代わりになるクルマを探してみるはずだ。ものすごく前向きに考えると(対象となったクルマには申し訳ないが)リハビリ用として「以前からなんとなく欲しいと思っていた」クルマを選び、あまり深く考えずに買うんだと思う。あくまでもリハビリ目的として。

このとき「元」となってしまった愛車と似たようなジャンルのクルマを選ぶと、無意識のうちに比較して落ち込みそうだ。そこで、あえてまったく別のモデルを選ぶべきかもしれない。こうしてリハビリをしつつ「時間が解決してくれる」のを静かに待つしかなさそうだ。

156の買取専門ページはこちら

■逃げ道が女性という思考は危険かもしれない

自分の人生のすべてを掛けて愛車に捧げる行為は尊いことだと個人的に思う。ただ、どれほど大切にしていても、いつかは自分の手元を離れるときが必ずやってくる。それが「いつか」であって、「いつなのか」は分からない。もしかしたら、Xデーは明日かもしれない。

少し前にNSXとNRを手放してまで1人の女性に捧げたすえ、最悪の結果となってしまった事件があった。コトの是非はともかく、容疑者が手塩に掛けたであろう2台の愛車を手放し、それでも想いを寄せた女性に拒絶されたときの絶望感を想像したクルマ好きの人も多いと思う。

クルマやバイクに興味がない、あるいはそれほどのめり込む対象がない人にとってはとうてい理解しがたい、というか理解不能だろう。しかし、大げさでも何でもなく「生きる糧」を失ってしまうくらいの喪失感があることも事実だ。

もっとも、容疑者が一方的に想いを寄せていたようなので、本人からすれば「可愛さ余って憎さが百倍」となったことが今回の結末を招いてしまったとしたら…何ともいたたまれない。

おそらくは盲目的にNSXとNRを大切にしていたであろうし、同じように被害者の女性にも想いを寄せていたのかもしれない。ただ、クルマやバイクはその想いを受け止めてくれるけれど、相手が人間(ましてや異性)ともなればそうはいかないことの方が多い。

ましてや、被害者の女性は水商売だし、どれほどの大金を貢いだとしても振り向いてもらえる確率は限りなくゼロに近いと考えてしまうのは、悲しいかな他人事であり、当の容疑者だって、そんなことはいわれるまでもなく頭では分かっていたはずだ。

156の買取専門ページはこちら

旧車王バナー旧車王バナー

■それでも逃げ道はあった方がいい

正直、自分でもいいことだとは思っていないのだが、公私ともにクルマ漬けの日々だ。いざというときに潰しが効かない。好きなことを仕事にできていいねといわれることもあるし、自分でもそうだと思うこともある。

以前、仕事と割り切ってあまり興味のないジャンルを扱う企業に入社し、勤務中はもちろん、雑談のときにクルマのクの字も出てこなかったことがあった。そもそもクルマに興味がある人が周囲に誰も居なかった。ストレスが限界に達すると、勤め先のビルの地下駐車場に行って停まっているクルマを眺めて気持ちを落ち着かせていた。

とはいえ、いまの仕事も当然ながら楽しいことばかりではない。クライアントから無理難題をふっかけられることだって(よく)ある。ふと、目の前からクルマという存在を消してしまいたくなるのだが、現実にはそうはいかない。生活が掛かっているからだ。休んだ分、確実に収入が減る。

そんなとき、旅行やスポーツ観戦に行くとか、バンド活動に勤しむとか。クルマから離れてまったく別ジャンルの世界で楽しみを見つければいいのだが…。なぜかクルマ以上に夢中になれるものがいまのところ見つからない。これはこれで意外と辛い。

あるとき気づいたのが、無理にのめり込むものを見つけようとせず、近くの温泉に行ったり、ふらりと旅行をしてみるなど、「なんとなく逃避できる場所やジャンル」をそのときの気分で探せばいいのではないかと思うようになった。無理矢理逃げ場を見つけようとせずに、こちらも「時間が解決してくれる」くらいがいいのかもしれない。

自分自身への戒めを込めて、いざというときのために逃げ道を作っておいた方がいいのかもしれない。

[画像・Porsche,Alfaromeo,Jaguar,Honda,Mazda,Adobestock ライター・撮影/松村透]

旧車の買取なら「旧車王」におまかせ!

長い時間を共にした愛車だからこそ、売却先にもこだわりたいという方は多いのではないでしょうか。
旧車王は、旧車に特化して20年以上買取を続けております。旧車に関する実績と知識なら、どこに負けない自信があります。また、ご契約後の買取額の減額や不当なキャンセル料を請求する「二重査定」も一切ございません。誠実にお客さまのクルマと向き合い、適正に査定いたします。
全国どこでも無料で出張査定にうかがいますので、大事な愛車の売却先にお悩みの方はぜひ「旧車王」にご相談ください。

この記事に誤りや気になる点がありましたら、お手数ですが、こちらのフォームからお知らせください。ご協力ありがとうございます。

この記事をシェアする

旧車王マガジンは
旧車王
が運営しています

旧車王は、「買取は10年以上の旧車だけ」というコンセプトのもと、旧車・クラシックカーに特化して25年、 累積15,000台以上を買取させていただいております。改造車から希少車まで、適正価格を見極めて買取させていただきます。弊社所属の鑑定士が最短当日で全国無料出張査定いたします。ご契約後の買取額の減額や不当なキャンセル料を請求する二重査定は一切ありません。特別なそして価値ある希少車の買取こそ、確かなノウハウと実績を持つ旧車王にお任せください!

すぐ査定依頼が可能!

Web査定申込はこちら

まずは車について気軽に相談したい

LINEで売却相談する

関連する記事

“一生モノ”の旧車「1970年式ポルシェ911S」までの出会いと愛車遍歴。そして別れを考える

“一生モノ”の旧車「1970年式ポルシェ911S」までの出会いと愛車遍歴。そして別れを考える

旧車の愛好家たち 2025.10.10
公開しないNSXのリセールバリューは将来性あり!?高値を引き出すコツも紹介

公開しないNSXのリセールバリューは将来性あり!?高値を引き出すコツも紹介

旧車の売買と鑑定市場 2025.08.13
最強のマツダ サバンナRX-7?! タケヤリ山路で有名な風林火山・FC3Sの実力を振り返る

最強のマツダ サバンナRX-7?! タケヤリ山路で有名な風林火山・FC3Sの実力を振り返る

旧車の魅力と知識 2025.05.22
ポルシェ 911のリセールは?買取相場や高く売る方法も紹介

ポルシェ 911のリセールは?買取相場や高く売る方法も紹介

旧車の売買と鑑定市場 2025.04.30
スーパーカーから消防車まで!?「2024 GOGO mtg vol.3」イベントレポート

スーパーカーから消防車まで!?「2024 GOGO mtg vol.3」イベントレポート

旧車のイベント 2024.12.04
100台以上のポルシェが横浜赤レンガ倉庫に集結!エキサイティングポルシェ2024

100台以上のポルシェが横浜赤レンガ倉庫に集結!エキサイティングポルシェ2024

旧車のイベント 2024.09.29
ホンダ NSXはアイルトン・セナがいないと完成しなかった?! 全日本GT選手権で活躍した和製スーパーカーのすべて

ホンダ NSXはアイルトン・セナがいないと完成しなかった?! 全日本GT選手権で活躍した和製スーパーカーのすべて

旧車の魅力と知識 2024.08.29
「不本意にも手放さざるを得ない愛車との別れ」について考えてみた

「不本意にも手放さざるを得ない愛車との別れ」について考えてみた

旧車の魅力と知識 2024.08.01

記事ランキング

1
MT車(マニュアル車)の運転方法とは?発進・停止・ギアチェンジ・坂道発進のコツを解説

MT車(マニュアル車)の運転方法とは?発進・停止・ギアチェンジ・坂道発進のコツを解説

旧車の魅力と知識 2024.04.19
2
マイナ免許証に変わって感じるデメリットとは?従来にはないメリットも

マイナ免許証に変わって感じるデメリットとは?従来にはないメリットも

旧車の魅力と知識 2025.03.25
3
固着したネジでも諦めないで!回らないネジの緩め方アラカルト

固着したネジでも諦めないで!回らないネジの緩め方アラカルト

旧車の再生と維持 2023.09.12
4
クルマの名義変更の費用はいくら?自分で手続きする場合&代行料も解説

クルマの名義変更の費用はいくら?自分で手続きする場合&代行料も解説

旧車の魅力と知識 2022.09.12
5
車のアンダーカバーが壊れた!修理費用はどのくらい?

車のアンダーカバーが壊れた!修理費用はどのくらい?

旧車の再生と維持 2023.10.18
6
車庫証明は本人じゃなくても取得できる!代理人による手続き方法を紹介

車庫証明は本人じゃなくても取得できる!代理人による手続き方法を紹介

旧車の売買と鑑定市場 2023.03.31
7
【13年・18年経過】自動車税種別割・重量税の早見表|乗り換えた方がよい理由も紹介

【13年・18年経過】自動車税種別割・重量税の早見表|乗り換えた方がよい理由も紹介

旧車の売買と鑑定市場 2024.07.29
8
アメリカ「25年ルール」とは?名車の中古相場が急騰するしくみ

アメリカ「25年ルール」とは?名車の中古相場が急騰するしくみ

旧車の魅力と知識 2020.04.25

カテゴリ一覧

# 旧車の魅力と知識 # 旧車の売買と鑑定市場 # 旧車の再生と維持 # 旧車のイベント # 旧車の愛好家たち