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35年・70万キロをともにした愛車「1991年式 三菱 GTO ツインターボ」との出会い。そして別れを考える

目次
1.オーナープロフィール 2.クルマが好きになったきっかけは覚えていますか? 3.これまでの愛車遍歴を教えてください 4.愛車であるGTOの存在を知ったきっかけを教えてください 5.GTOが納車された日のことを覚えていますか? 6.現在の走行距離と所有年数はどれくらいですか? 7.GTOを見掛ける機会もかなり減りましたよね 8.GTOのメンテナンスはどうしているのですか? 9.GTOが「一生モノになるな」と思うようになったのはいつ頃ですか? 10.愛車であるGTOとのいちばんの思い出は何ですか? 11.失礼ながら、これまで愛車を手放そうと思ったことはありましたか? 12.欲しいクルマ、乗ってみたいクルマ、買いたかったけど諦めたクルマはありますか? 13.オーナーが思う「愛車との理想の別れ方」や「これだけは避けたい別れ」とは? 14.安藤さんにとって愛車であるGTOはどのような存在ですか?  15.三菱GTOツインターボの取材を終えて思うこと

はじめまして、輸入車・旧車を専門とするライターの松村透です。

いくつかの自動車専門メディアで執筆しておりますが、この旧車王マガジンでは旧車の所有者に取材し、旧車を愛する方々の「そうそう、あるある」をお伝えしていきたいと思っています。

4回目となる今回は、人生の半分もの時間をともに過ごしたオーナーと、その愛車の物語をお届けします。

また本企画である、決して手放すつもりのない愛車と「もしも別れることになったら」についても考えてみます。

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オーナープロフィール

安藤 一弘です。年齢は62歳、勤めていた企業を60歳で定年退職して、現在は無職です。

所有するクルマは、1991年式三菱 GTO ツインターボです。所有歴は35年、オドメーター上はおよそ70万キロです。

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クルマが好きになったきっかけは覚えていますか?

幼少期の頃はクルマよりも鉄道好きでした。さらには家にクルマがなく、身近な存在ではなかったんです。最初の就職先も鉄道関係の企業でしたし。運転免許を取得したのも二十歳を過ぎてからでした。教習所に通いはじめてクルマを運転するうちに楽しいと思えるようになっていったんです。

これまでの愛車遍歴を教えてください

実はこのGTOを含めて2台だけなんです。

1台目の愛車は、運転免許を取得してから数ヶ月後に手に入れた日産スカイライン(R30型/6代目)でした。通称「ニューマン・スカイライン」と呼ばれていたモデルですね。本当は「鉄仮面」が欲しかったんですが、さすがに高くて買えませんでした。結果的に2ドアの「GT」を手に入れたんです。仲間たちからは「ATだと飽きるからMTにしておけ」とアドバイスされたこともあってMT車にしました。このときはまだ若葉マーク(初心者)だったこともあり、納車当日はエンストの連続でしたね。そのうち慣れましたが、最初の頃は「ATにすればよかったかも」と思ったものです。

実はこのスカイライン、専門のショップに依頼してオープンカーに改造したんです。…といっても、初日の出に暴走するためのカスタムじゃありませんよ。幌を開ければ完全なオープンカーになるだけでなく、トランクに収納できるように改造してもらったこともあり、見た目もすっきりしていてとても気に入ったんです。しかし、もともとオープンカーにする前提のモデルではありませんし、剛性が足りずにそのうちボディにゆがみが生じてきて…。雨が降ると雨漏りするようになったんです。6年・6万kmほど乗りましたが、最後は手放しました。あのスカイラインは今ごろどうなっているのか…。

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愛車であるGTOの存在を知ったきっかけを教えてください

友人が「モーターショーのチケットがあるから行かない?」と誘ってくれて、第28回東京モーターショー(1989年開催)の三菱ブースに展示されていたコンセプトカー「HSX」に一目惚れしたことがGTOを手に入れるきっかけです。「タダだし、行ってみるか」といった軽いノリで東京モーターショーに行ったことがすべてのはじまりだったんです。

1989年の東京モーターショーは、ホンダNSXのプロトタイプや、日産スカイラインGT-R、マツダユーノスロードスター、トヨタセルシオなど、今でも残っているようなクルマが相次いで出品された年でした。数ある展示車のなかで私の心をつかんだのは三菱「HSX」だけでした。このとき「市販されたら絶対に乗る!」と心に決めました。この日以来、毎日のようにHSXのパンフレットを眺め、無駄遣いをやめて必死に貯金に励んだんです。

GTOが納車された日のことを覚えていますか?

テンションがあがってしまい、前日はあまり寝られなかったことを覚えています。納車当日は、仕事を終えてからスカイラインに乗ってディーラーに引き取りに行きました。もちろん仕事中も上の空でした(笑)。念願のGTOを受け取って帰宅したんですが、いまでも覚えているのは1速と2速しか使った記憶がないんです。緊張していたんでしょうね。気づいたら自宅に着いていましたから。

念願だったGTOを手に入れることができた…。あのときの感動を超える体験はいまもないほどうれしかったですね。

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現在の走行距離と所有年数はどれくらいですか?

およそ5万2000キロの時点で一度メーターを交換しているので、トータルすると約70万キロ。所有年数は約35年です。メーター交換時に距離数をリセットしてしまったんですが、あとになってこのように取材を受けることになるなんて夢にも思わなかったので…そのままにしておけばよかったです(苦笑)。

GTOを見掛ける機会もかなり減りましたよね

「長年、憧れの存在でした」と中古のGTOを購入される方もいらっしゃるんです。でも、壊れるし、部品はないし、修理代も高額になりがちです。結局、1、2年で手放してしまう方が多いんです。これは所有してみないと分からないので仕方がないと思います。これからGTOを手に入れたいと思っていらっしゃるとすれば「覚悟」が必要です。

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GTOのメンテナンスはどうしているのですか?

新車で購入して以来、ずっと三菱ディーラーにお世話になっています。工場長さんに主治医として私のGTOの面倒をみていただいています。ときどき別の店舗に転属になるんですが、私も追い掛けていきます(笑)。まさに「追っ掛け」ですね。

日々のメンテナンスについては、エンジンオイルの交換とタイヤローテーションを2500キロごとに行います。トランスミッションとトランスファー、デフのオイル交換は1万キロごと。これには理由があって、バラバラに交換しているといつ作業したのか分からなくなる可能性がありますし、自分自身で決めた交換サイクルにきたら無条件にディーラーに入庫です。遠出してまれに2700キロになってしまうこともあるんですが、その場合は次回は2300キロに到達した時点で交換です。こうすれば間違いがなくなりますから。

現時点でエンジンが2基目、トランスミッションは3基目、そしてクラッチを4回交換しています。なんだかんだでこれまで1000万円以上はGTOに費やしていると思いますね。なんだかんだで日本でもっとも過走行なGTOかもしれないです。

GTOが「一生モノになるな」と思うようになったのはいつ頃ですか?

手に入れてから10年ほど経った頃です。

たしかデフの調子が悪くなり、純正部品は欠品ということが分かり途方に暮れていたんです。知り合いが譲ってくれてどうにかなったんですね。その後も、もちろんいまも「純正部品がない」という危機には常に直面しています。

しかし、そのたびに主治医であるディーラーの工場長さんや、GTOのオーナーズクラブの仲間や知人たちがどこからか部品を探してきてくれるんです。結果的にそれでどうにかなっているんですね。これはもう「最後まで乗りなさいよ」という天の声だと勝手に解釈しているんです。

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愛車であるGTOとのいちばんの思い出は何ですか?

あんまりいいエピソードではないんです(苦笑)が、手に入れてから10年ほど経ったある日、遠方の友人宅に遊びに行った際にGTOのコンピューターが燃えてしまったことですね。GTOではよくあるトラブルだとは聞いていましたが、まさか!というのが正直なところです。友人宅に向かう途中でトイレ休憩をしたときのことです。アイドリングがバラついたんです。直観的に「ここでエンジンを切ったら動かないかもしれない」と思い、そのまま友人宅に向かったらそのとおりになりました。

友人宅から食事に行こうとしたらエンジンが掛からないんです。センターコンソール付近から煙が見えるんですね。クルマの不具合といいますか、ずっと一緒にいればいつもと違うなということが分かるようになるんですね。結局、積車で友人の地元の三菱ディーラーまで運んでもらい修理してもらいました。

失礼ながら、これまで愛車を手放そうと思ったことはありましたか?

これが、いままで1度もないんです。自宅に1台しか止められないこともあり、増車しようと考えたこともないんですね。近くの月極駐車場を借りてもいいんですが、もう1台クルマが増えると、その分維持費が掛かりますよね。その分の費用をGTOに充てたいんです。もし、GTOを手放してしまったら…クルマ熱も冷めるでしょうね。

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欲しいクルマ、乗ってみたいクルマ、買いたかったけど諦めたクルマはありますか?

しいていえば「ジャガー XJ220」なんですが、これはもう別次元の存在ですからね。現実的に手に入るクルマではないですし、そもそも維持できるものではないですから(苦笑)。ミニカーだけは買いましたよ。

オーナーが思う「愛車との理想の別れ方」や「これだけは避けたい別れ」とは?

どれほど大切にしていてもいつかは別れなきゃいけない。本当は「墓場まで持っていきたい」くらいです。

理想の別れ方があるとすれば…。私は体力的に無理になったとしても、GTOは元気であって欲しいですね。日本だけでなく、海外も含めて、このGTOを大事にしてくれる方に引き継いでもらえるなら、それが理想の別れ方なんでしょう。とはいえ、考えたくないというのが正直なところです。

勤め先を60歳のときに定年退職した理由も「元気なうちにGTOに乗っておきたい」という思いがあったから、なんです。65歳でリタイアしたとき、いまよりは確実に体力が衰えているはずですから、「あ、あのとき60歳のタイミングで定年退職していれば…」といった流れになることだけは避けたかったんです。

これだけは避けたい別れ…。やはり事故による廃車ですね。あとは「どうしても部品が手に入らずにやむを得ず手放す」ことでしょうか。日本ではだめでも、アメリカなど海外で何とかなるなら…それでもいいと思っています。とにかく廃車という結末だけは避けたいです。

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安藤さんにとって愛車であるGTOはどのような存在ですか? 

ひと言でいうなら「カッコイイ相棒」ですね。

家族でもパートナーでもない、相棒。

飛行機を見るのが好きで、百里基地(茨城県)まで行くんです。普通のクルマでは遠出したいと思わないけれど、GTOなら出掛けてみたくなる。移動中のドライブも楽しいんです。それが35年、70万キロ走っても飽きることがないし、やっぱりいいなと思える。GTOを世に送り出してくれた三菱には「ありがとう」という気持ちを伝えたいです。

三菱GTOツインターボの取材を終えて思うこと

日本国内に現存する三菱GTOのなかで、安藤さんの愛車はもっとも走行距離が長い個体であると思われます。

定年退職するまでの毎日の通勤の足として、また近所の買いものや片道1000キロ近い旅行のお供として、年間で360日はGTOのステアリングを握っていた時期もあったのだとか。

その間、ただの1度も飽きることもなければ気持ちが冷めることもない。雨の日や雪の日であろうとも、臆することなくクルマを走らせ、汚れたら徹底的に洗車して愛車を磨きあげる。予防整備に掛ける費用も事実上の青天井なのだそう。自他ともに認めるクルマ好きであっても、なかなか真似できるものではないはずです。

およそ35年ものあいだ、ただひたすらGTOに情熱を注ぎ込んできたことに尊敬の念を抱きます。

とことん惚れ込める愛車と出会い、人生の半分以上の時間をともにしてきた安藤さんがうらやましいとさえ思えた取材でした。

 

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