旧車と名車が甦るメディア

ありがとう、そしてさようならタモリ倶楽部、空耳アワー

松本零士先生の訃報といい、ショッキングなニュースが相次いでいる2023年。

先日、何気にスマニュー(SmartNews)のアプリを開き、スポニチの記事に釘付けになった。

それは「タモリ倶楽部が3月末で終了する」という衝撃的な見出しだった。

これぞまさに青天の霹靂。不意打ち。想定外だった。

タモリ倶楽部、なかでも筆者は生粋(?)の空耳アワーフリークだと自認している。気づけば空耳歴は30年近い。人生の半分以上を空耳アワーに捧げてきたわけだ(かなり大げさ)。

空耳アワーとの出会いはまだ筆者が10代だったころだ。

あるとき、友人が2本のビデオテープを貸してくれた。「とにかく観てくれ」と。2本ともタイトルが書かれたラベルシールがない。確か、ビデオテープのツメが折られていたように思う(意味が分からない若い世代の方はご両親に聞いてみてください)。

ラベルシールなし&ツメ折り済みのビデオテープ、そして「とにかく観てくれ」という意味深なメッセージ。それが何を意味するのか?男性諸氏であれば「言わずもがな」だろう。多くは語るまい。あれしかない。"Audio Visual"ではない方の「アレ」だ。中3のとき、我が家が上映会場になり大変だった・・・ことは別の機会にしよう。

男性陣が几帳面な家庭だと「ルーブル美術館」とか「日本の四季。長良川の美」といった、比較的手に取られにくい、巧妙な方法(?)でカムフラージュされていることもある。

しかし、ついうっかり本人以外の家族が誤って手に取って再生しまうと、我が家の三大ニュース(黒歴史編)として、きっと末代まで語り継がれる事件になりかねない映像が収められていることが多く、まさに諸刃の剣だ。

ま、それはさておき、高まる期待を胸に、ビデオテープをデッキに押し込みいざ再生!・・・してみると、そこにはタモリと長髪の男性が。肩すかしをくらった。なんじゃこりゃ。何を隠そう、それが空耳アワーとの出会いだった。

つまり、友人は「タモリ倶楽部のコーナーに空耳アワーという名物企画があるから観てみろよ」と、2本のビデオテープを筆者に貸してくれたのだった。それならばはじめからそういってくれよ(笑)。期待して損した。

落胆するモヤモヤな気持ちを抑えつつ、気を取り直して友人が編集した「空耳アワー初期の傑作集(豪華2本立て)」を観てみることにした。

こじつけとしか思えない強引な空耳、当時から映像の暴力(笑)といわれた絶妙な再現映像。その面白さに魅了されてしまった。

以来、筆者の人生にタモリ倶楽部、そして空耳アワーは欠かせないものとなってしまった。年に1度くらいの頻度で行われる「空耳アワード」がオンエアされるときは、ビデオデッキのタイマー予約をしつつ、オンタイムで観たものだ。周囲の友人知人にも知らせまくり、喜びを分かち合った(笑)。

マイケル・ジャクソンやクィーン、メタリカ、ジプシー・キングスなど、FMラジオでお馴染みのあの名曲も、空耳アワーの格好の餌食(?)となった。不意にスピーカーから流れてくると笑いが止まらなくなり、まともに聴けない時期もあったほどだ。

メタリカが来日したときのコンサートを観に行ったが、空耳作品のオンパレードで笑ってしまった記憶がある。メタリカといえば空耳アワーの名作が目白押し。空耳アワーとの出会いがなければメタリカを聴くこともなかったし、ましてやコンサートに行くなんて想像もつかない。

マイケル・ジャクソンやクィーンの名曲の多くも、空耳アワーが引き合わせてくれた気がする。もしかしたら、熱狂的なファンからすれば動機が不純だと怒られるかもしれないが、新たなファンを獲得するために、空耳アワーが一役買っていることは間違いない。

マイケル・ジャクソン「スムーズ・クリミナル」といえば『パン 茶 宿直』だし、プリンス「バットダンス」といえば『農協牛乳』といった具合に、空耳アワーの金字塔ともいえる名作(ジャンパー作品)も数多く生まれた。また、深夜番組ということもあり、下ネタのオンパレードであることはいうまでもない。企業コンプライアンスが厳格化された現代では、モザイク加工しない限り地上波で再生不可能な作品も数多い。

個人的に好きな空耳作品は数多くあるが、最近の目下のお気に入りはヴァン・マッコイの「ハッスル/上越」だ。有名な曲なのでラジオでもオンエアされる機会が多い。フルコーラスで聴くと「上越」を連呼する(実際にはしてないけれど)ので、笑いを堪えるのに必死だ。運転中にこの曲が流れてくるとあぶない。

そんな空耳アワー、そしてタモリ倶楽部があと1ヶ月で終わりを迎える。4月以降、マニアックな企画も、しょうもない空耳作品の新作を観ることができなくなる。

来年で笑っていいとも!が終わりを迎えて10年になる。会社員時代、お昼時に飲食店に入れると、テレビチャンネルはフジテレビが選ばれ、当たり前のように笑っていいとも!がオンエアされていた。いまだに復活を望む声が聞こえてくるけれど、おそらくあの空気感は2度と戻らない。

仮に空耳アワーだけを独立させ、新たな司会者を呼んできて、ソラミミストの安西氏とコンビを組んで番組として継続しても、おそらく面白くもなんともないだろう。安西氏もタモリがいるから活きるのだろう。

笑っていいとも!と同様に、タモリ倶楽部も、ヘタに延命処置をしてグダグダになるよりも、美しい思い出としてスパッと終わりにするのが妥当なのかもしれない。

当たり前のように続いてきたものであっても、いつか終わりを迎える。改めて思う。やはり永遠はないのだ。

まだまだ朝起きてからメチャクチャ寒いし、そんなときこそゲー!早く起きなきゃ!だし、なんとか起きられたらまずは農協牛乳だ。来週の避難訓練ではバケツリレー、水よこせー!って怒鳴ることになりそうで今から気が重い。今夜も締め切りに追われてアハハハ・・・お~頭痛いってなるのも確実だ。パン茶宿直を覚悟しつつ、お客さんに嫌われるぞーっていわれない程度に仕事を頑張りたいと思う。

ありがとう、そしてさようならタモリ倶楽部、空耳アワー。

[画像/Adobe Stock ライター/松村透]

旧車の買取なら「旧車王」におまかせ!

長い時間を共にした愛車だからこそ、売却先にもこだわりたいという方は多いのではないでしょうか。
旧車王は、旧車に特化して20年以上買取を続けております。旧車に関する実績と知識なら、どこに負けない自信があります。また、ご契約後の買取額の減額や不当なキャンセル料を請求する「二重査定」も一切ございません。誠実にお客さまのクルマと向き合い、適正に査定いたします。
全国どこでも無料で出張査定にうかがいますので、大事な愛車の売却先にお悩みの方はぜひ「旧車王」にご相談ください。

画像1 画像2 画像3
画像ギャラリー(全3枚)を見る
この記事に誤りや気になる点がありましたら、お手数ですが、こちらのフォームからお知らせください。ご協力ありがとうございます。

この記事をシェアする

旧車王マガジンは
旧車王
が運営しています

旧車王は、「買取は10年以上の旧車だけ」というコンセプトのもと、旧車・クラシックカーに特化して25年、 累積15,000台以上を買取させていただいております。改造車から希少車まで、適正価格を見極めて買取させていただきます。弊社所属の鑑定士が最短当日で全国無料出張査定いたします。ご契約後の買取額の減額や不当なキャンセル料を請求する二重査定は一切ありません。特別なそして価値ある希少車の買取こそ、確かなノウハウと実績を持つ旧車王にお任せください!

すぐ査定依頼が可能!

Web査定申込はこちら

まずは車について気軽に相談したい

LINEで売却相談する

関連する記事

話題の70スープラは25年ルール対象|名車の魅力と高く売れる理由とは

話題の70スープラは25年ルール対象|名車の魅力と高く売れる理由とは

旧車の売買と鑑定市場 2025.10.21
高市早苗氏の愛車「70スープラ」を深掘り!レストアまでの軌跡

高市早苗氏の愛車「70スープラ」を深掘り!レストアまでの軌跡

旧車の魅力と知識 2025.10.21
【2025年解禁】トヨタ・クレスタがついに25年ルール対象に!海外輸出で相場が高騰中

【2025年解禁】トヨタ・クレスタがついに25年ルール対象に!海外輸出で相場が高騰中

旧車の売買と鑑定市場 2025.10.18
廃車費用の相場と内訳を完全ガイド!無料で処分して損しないための知識

廃車費用の相場と内訳を完全ガイド!無料で処分して損しないための知識

旧車の売買と鑑定市場 2025.10.15
“一生モノ”の旧車「1970年式ポルシェ911S」までの出会いと愛車遍歴。そして別れを考える

“一生モノ”の旧車「1970年式ポルシェ911S」までの出会いと愛車遍歴。そして別れを考える

旧車の愛好家たち 2025.10.10
一軒家の車庫証明の書き方とは?記載のポイントや取得手続きの流れを解説

一軒家の車庫証明の書き方とは?記載のポイントや取得手続きの流れを解説

旧車の魅力と知識 2025.10.09
車庫証明はどこの警察署でも出せる?地域別のルールと注意点

車庫証明はどこの警察署でも出せる?地域別のルールと注意点

旧車の魅力と知識 2025.10.08
エンジンがかからない車でも買取できる?故障車の売却方法とは

エンジンがかからない車でも買取できる?故障車の売却方法とは

旧車の売買と鑑定市場 2025.10.07

記事ランキング

1
MT車(マニュアル車)の運転方法とは?発進・停止・ギアチェンジ・坂道発進のコツを解説

MT車(マニュアル車)の運転方法とは?発進・停止・ギアチェンジ・坂道発進のコツを解説

旧車の魅力と知識 2024.04.19
2
マイナ免許証に変わって感じるデメリットとは?従来にはないメリットも

マイナ免許証に変わって感じるデメリットとは?従来にはないメリットも

旧車の魅力と知識 2025.03.25
3
固着したネジでも諦めないで!回らないネジの緩め方アラカルト

固着したネジでも諦めないで!回らないネジの緩め方アラカルト

旧車の再生と維持 2023.09.12
4
車のアンダーカバーが壊れた!修理費用はどのくらい?

車のアンダーカバーが壊れた!修理費用はどのくらい?

旧車の再生と維持 2023.10.18
5
クルマの名義変更の費用はいくら?自分で手続きする場合&代行料も解説

クルマの名義変更の費用はいくら?自分で手続きする場合&代行料も解説

旧車の魅力と知識 2022.09.12
6
車庫証明は本人じゃなくても取得できる!代理人による手続き方法を紹介

車庫証明は本人じゃなくても取得できる!代理人による手続き方法を紹介

旧車の売買と鑑定市場 2023.03.31
7
【13年・18年経過】自動車税種別割・重量税の早見表|乗り換えた方がよい理由も紹介

【13年・18年経過】自動車税種別割・重量税の早見表|乗り換えた方がよい理由も紹介

旧車の売買と鑑定市場 2024.07.29
8
ナンバープレートから個人情報は特定できる?特定できる情報を解説

ナンバープレートから個人情報は特定できる?特定できる情報を解説

旧車の魅力と知識 2023.10.27

カテゴリ一覧

# 旧車の魅力と知識 # 旧車の売買と鑑定市場 # 旧車の再生と維持 # 旧車のイベント # 旧車の愛好家たち