クルマのイベントは仕事ではなく、趣味として行くに限るという話

目次
1.■仕事としてクルマのイベントに赴くメリット・デメリットは? 2.■取材のあとは「原稿書き」というミッションが待ち受けている 3.■一眼レフカメラ or スマートフォンでもなんとかなる!? 4.■結論としてクルマのイベントは「遊びとして行くに限る」

仕事柄、クルマのイベントはプレス登録を行い、審査に通過するとプレスパスが発給される。

一般開催日よりも一足先に行われるプレスデーの日に会場へと足を踏み入れることができたり、つい最近まで某夢の国に存在していた"ファストパス"のような役目を果たしてくれるケースもある。

10代の頃、これが羨ましくて仕方なかった。何しろかつての東京モーターショーや、先日開催された東京オートサロンをはじめとするクルマのイベントを観に行くには「気合い」がいる。

ものすごい混雑のなか、どうにか気になるクルマを撮影し、列に並んでカタログを入手する。朝イチで会場入りして、そういえばお腹が空いたと思ったら夕方なんてこともあった。

時は流れ、何の因果か、いつの間にか仕事としてクルマのイベントに行くようになった。つまり「趣味ではなく、取材(仕事)として」だ。。

■仕事としてクルマのイベントに赴くメリット・デメリットは?

筆者自身、若いときにうらやましいと感じていたことを実際に行うようになってみて気づいたことがある。それを下記にまとめてみた。

●メリット
・いち早く情報が得られる
・いち早く実車が観られる
・一般の人が立ち入れない場所の出入りが許される
・プレスデーの出入りが許される
・同業者の方との情報交換の場でもある

●デメリット
・ゆっくり観ている時間と気持ちの余裕が(まったく)ない
・会場内すべてを観る必要がある。それも何度も何度も
・取材という任務という名のノルマを遂行しなければならない
・プライベートでクルマを観て楽しむ時間がほぼない
・多少体調が悪くても(コロナやインフルでない限り)意地でも現地に行く

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■取材のあとは「原稿書き」というミッションが待ち受けている

仕事である以上、いわゆる「〜しなければならない」マストな用件が増える。そのなかには「原稿書き」という重要なミッションが含まれている。

メディアの編集部から依頼があり、「A社とB社とC社とD社の取材をお願いします。締め切りは3日後で」といった具合に取材するとなると、見る場所もピンポイントにならざるを得ない。

他には目もくれず、目指すブースに突撃する。カメラマンが同行する取材なら撮影はお任せ(指示出しは必要な場合も)だが、撮影と取材を1人でこなす「カメライター」として依頼された場合は両方をこなさなくてはならない。下手をするとこれだけで1日が終わってしまう。

■一眼レフカメラ or スマートフォンでもなんとかなる!?

それと、これはあまり知られていないかもしれないが、(こんなことをいうと一部の関係者から怒られそうだが)撮影に一眼レフカメラおよびミラーレス一眼レフカメラが必要かというと実はそうでもない。

もちろん、一眼レフカメラで撮影した方が微細に撮れる。このアドバンテージは絶対だと思う。しかし実際には、紙媒体のページ見開きに掲載するなら必須だが、最近のスマートフォンで撮影するだけでもそれなりに画になるし、ネット記事に使うのであれば解像度も問題ない。アプリやPhotoshopなどで補正できればなおさらだ。

では、なぜ一眼レフカメラで撮るのかというと、せっかくなら少しでもいい画で撮影して記事にしたいという取材者根性と、取材対象者への配慮もある。スマートフォンで撮影するというのもどうも失礼にあたるのではないかと考えてしまうのだ。これはオーナーインタビューのときも同じ。それといちど一眼レフカメラで撮影してしまうと元に戻れない。Canonでいうところの「Lレンズ(赤いリングがついているレンズ)」の再現性を知ってしまったらなおさら。画の力は重要だと思う。

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■結論としてクルマのイベントは「遊びとして行くに限る」

見出しにもあるとおり、クルマのイベントは「遊びとして行くに限る」というのが筆者の結論だ。

確かに、会場内は混んでいるし、駐車場の確保も一苦労だ。しかし、気の合う友人と一緒にあれこれクルマ談義しながら、気の赴くままに会場内を練り歩き、終わったあとの「反省会」も楽しい。公共交通機関で移動すれば、「反省会」の会場をファミレスから居酒屋に変更して飲み会として盛り上がることもできる。

一方で仕事となると、プレスルームで速報記事を書くことはもちろん、目前に迫る〆切にハラハラしながら画像の選別と原稿執筆に追われることになる。途中の飲み屋で軽く一杯…なんて時間はまずないし、その前に睡眠時間すらままならない。

いち早く会場内を観られることは確かに役得かもしれない。しかし、他愛のない話しをしながら、娯楽として行くに限るというのが両方の立場を経験した者としての結論だ。

こうして「趣味を仕事」にする醍醐味と苦悩の狭間で揺れ動きながら、締め切りに追われつつ原稿を書く日々を送ることになります。

[画像/Adobe Stock、ライター・撮影/松村透]

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