クルマの売却を考えているものの、買取店まで出向くことが難しい場合は「出張買取」を利用する方法があります。
出張買取は、指定した時間と場所に鑑定士(査定士)が訪問してクルマを査定するサービスです。仕事や育児などで忙しい方や車検切れで走行できないクルマを売却したい人は、出張買取を活用するとよいでしょう。
この記事は、25年以上にわたって旧車・クラシックカーを15,000台以上買い取りしてきた旧車王が、出張買取の仕組みや持ち込み査定との違い、メリット・デメリットなどについて詳しく解説します。
車の出張買取とは
出張買取とは、自宅や勤務先などの指定した場所に買取業者の鑑定士(査定士)が訪問し、クルマを査定してもらえるサービスのことです。
買取業者の店舗にクルマを持ち込まずに査定を受けられるだけでなく、提示された査定額に納得した場合はその場で契約を結ぶことも可能です。
見込み顧客を獲得する営業活動の一環として行われるサービスのため、多くの買取業者は出張料や査定料などを無料としています。査定額が希望と合わなければ、気兼ねなく断ることができます。
持ち込み査定との違い
出張買取と持ち込み査定の主な違いは「査定をする場所」です。査定額にはほとんど差がありません。
持ち込み査定の場合、業者の店舗で査定が行われるため、クルマを運ぶ必要があります。また、査定が終わるまで店舗で待たなければならず、予約なしで訪問したときは待ち時間が長くなることもあります。
一方の出張買取は、自身が指定した場所で査定が行われるため、店舗までクルマを運転する必要がありません。持ち込み査定よりも手間や時間はかかりませんが、査定してもらうための場所は自身で確保するのが一般的です。
出張買取が向いている人
クルマの出張買取は、自身が指定する場所で査定を受けて買い取ってもらえるため、以下のような方に向いています。
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・仕事や育児などで店舗へ行く時間を確保することが難しい人
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・車検切れや故障などでクルマを動かせない人
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・自宅の近くに買取業者の店舗がない人
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・運転免許を返納した高齢者や運転に自信がない人
車の出張買取のメリット
クルマの出張買取には、以下の3つのメリットがあります。
店舗に行く手間が省ける
出張買取は、買取業者が自宅や勤務先などの指定した場所まで来てくれるため、クルマを店舗へ運ぶ手間や時間が一切かかりません。
買取店の営業時間を気にしたり店舗まで運転したりする必要がなく、都合のよい場所でクルマの査定や契約、引き渡しが完結できます。
「朝早くから夜遅くまで仕事が忙しい」「小さな子どもがいて外出が難しい」など時間的な制約がある方は、出張買取の利用がおすすめです。
複数業者の査定比較がしやすい
クルマを少しでも高く売るためには、複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」をして結果を比較することが大切です。
複数の店舗にクルマを持ち込んで査定をしてもらう場合は手間と時間がかかりますが、出張買取であれば手軽に相見積もりができます。
同じ日時に複数の業者を呼んでクルマの査定を依頼すると、業者間の競争意識が働きやすくなり、より高い査定額を提示してもらいやすくなります。
車検切れや不動車にも対応できる
車検切れのクルマや事故・故障で動かなくなった不動車がよりスムーズに売却できる点も出張買取の強みです。
通常、車検切れのクルマはそのままでは公道を走行できないため、店舗へ持ち込むには仮ナンバーの取得が必要です。自走ができない不動車の場合はレッカー移動が必要になり、高額な費用が発生することもあります。
出張買取であれば買取業者にクルマを引き取ってもらえるため、仮ナンバーの取得やレッカー移動が不要であり、それらの費用もかけることなく売却ができます。
車の出張買取のデメリット
出張買取は便利なサービスですが、以下のようなデメリットもあります。
事前予約が必要
出張買取は、事前に買取業者とスケジュールを調整し、予約を取る必要があります。持ち込み査定のように、思い立ったその日にクルマを査定してもらうことは困難です。
また、複数の業者に相見積もりをしてもらう場合は、各社と訪問日や時間を調整する必要があり、手間がかかります。
出張買取を利用する場合は、スケジュールに余裕を持って申し込みましょう。
成約を断りづらい場合がある
出張買取は、申し込んだ人が指定する場所まで鑑定士(査定士)が時間やガソリン代、電車代などの交通費をかけて訪問してくれます。
そのため、査定額が希望に満たなかったとしても「わざわざ来てもらったのに断るのは申し訳ない」と感じて断りづらくなる場合があります。
しかし、出張査定は買取業者の営業活動の一環であるため、断っても問題ありません。他社の査定額と比較して検討したいときやクルマを売却すべきか悩んでいるときは、その旨をはっきりと伝えましょう。
トラブルや減額リスクに注意
出張買取では、契約後に査定額を下げられる「二重査定」により、買取業者とトラブルが起こることがあります。
二重査定とは、クルマを売却する契約を結んだ後に「査定時には見つからなかった不具合があった」などと理由をつけて一方的に買取価格を引き下げる手口のことです。
二重査定によるトラブルを防ぐためには、クルマのキズや不具合、修復歴などを正直に申告することが大切です。また、契約書に「車輌の引き渡し後に減額請求は行わない」といった趣旨の記載があることをよく確認し、二重査定を行わない業者を選びましょう。
出張買取の流れと利用方法
クルマの出張買取を利用する流れは以下のとおりです。
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1.査定を申し込む
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2.訪問日程を調整する
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3.必要書類を準備する
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4.クルマを査定してもらう
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5.契約を結ぶ
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6.車輌・書類を引き渡す
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7.買取金額の入金を確認する
各手順について1つずつ解説します。
1.査定を申し込む
買取業者の公式サイトや一括査定サイト、電話などで出張査定を申し込みます。
インターネットで申し込む場合、車種や年式、走行距離といった車輌の情報、氏名や住所、連絡先などの個人情報を入力することになるため、自動車検査証(車検証)を手元に用意しておくとスムーズです。
2.訪問日程を調整する
査定の申し込みが完了すると、買取業者の担当者から電話やメールで連絡が入ります。その際に、鑑定士(査定士)に訪問してもらう日時や場所を調整します。
買取業者によっては、このタイミングでおおよその買取価格を教えてもらうことも可能です。
3.必要書類を準備する
出張買取の日程が決まったら、クルマの売却時に必要となる書類を準備しておきましょう。
自動車検査証のみでも査定を受けることはできますが、必要書類を準備していれば、査定当日に契約とクルマの引き渡しまで済ませることも可能です。
必要書類は、普通自動車と軽自動車で異なります。
書類名 |
普通自動車 |
軽自動車 |
自動車検査証(車検証) |
〇 |
〇 |
自動車税納税証明書 |
〇 |
〇 |
自賠責保険証 |
〇 |
〇 |
リサイクル券 |
〇 |
〇 |
印鑑登録証明書 |
〇 |
△※1 |
実印 |
〇 |
△※1 |
認め印 |
× |
〇 |
譲渡証明書※3 |
〇 |
× |
委任状※3 |
〇 |
× |
住民票 |
△※2 |
△※2 |
※1:原則として不要だが、買取業者によっては本人確認のために提出を求められる場合がある
※2:車検証に記載されている住所や姓、所有者などが売り手の実情とは異なる場合に必要
※3:譲渡証明書及び委任状は買取業者が用意してくれるケースがほとんど
必要書類は買取業者によって異なる場合があるため、日程調整の際に準備すべきものをよく確認しておきましょう。
4.クルマを査定してもらう
査定当日になると、事前に決めた日時と場所に買取業者の鑑定士(査定士)が訪問してクルマの状態を確認し、買取金額を算出します。
30分〜1時間程度が目安ですが、査定額の説明や契約に関する相談なども合わせると1時間程度はみておきましょう。
また、査定中は原則として所有者の立ち会いが必要です。鑑定士(査定士)からクルマの状態について質問されたときは、正直に答えましょう。
5.売買契約を結ぶ
クルマの査定が終わり、提示された金額と売却条件に納得できたら売買契約を結びます。
契約を結ぶ際は、契約書の隅々にまで目を通し、記載内容をよく理解することが大切です。
特によく確認したい内容は以下のとおりです。
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・売買契約書にある合計金額は査定額と一致しているか
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・自動車税、自賠責保険料、リサイクル料金などの未経過分の返金方法や返金の有無
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・買取金額の支払時期と支払方法
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・車種や年式、グレードなどの車輌情報は正しく記載されているか
-
・クルマの引き渡し後に買取金額が減額されることがあるか
不明点や疑問点があれば必ずその場で質問し、解消したうえで契約を結びましょう。
6.車輌・書類を引き渡す
売買契約を締結したら、車輌本体と必要書類を業者に引き渡します。引き渡し日は、契約時に業者と相談して決めます。
クルマを引き渡すときは、座席の下やグローブボックス、トランクなどに私物が残されたままになっていないかよく確認しましょう。
また、個人情報の漏洩を防ぐために、カーナビのデータはすべて削除するか初期化し、SDカードやUSBメモリーなどの記憶媒体は取り外すことをおすすめします。
7.買取金額の入金を確認する
車輌本体と書類の引き渡しが完了した後、通常は3営業日から1週間程度で指定した銀行口座に買取金額が振り込まれます。
契約書に記載された期日までに買取金額が適切に振り込まれていることが確認できたら、取引完了です。
出張買取を利用するときの注意点
出張買取の際、鑑定士(査定士)はクルマの外装や内装、エンジンルームなどを隅々まで確認するため、一定のスペースを確保する必要があります。
狭いガレージや機械式立体駐車場などにクルマを駐車している場合は、事前に買取業者と相談し、近隣のコインパーキングなどを借りる必要があるか確認しましょう。
また、買取業者によっては出張料や搬出料などがかかることもあるため、出張買取を申し込む際に料金体系をよく確認することもおすすめします。
出張買取で高額査定を狙うコツ
出張買取で高額査定を狙うためのポイントは以下のとおりです。
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・点検整備記録簿を準備する
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・純正パーツを揃えておく
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・売却予定のクルマと同じ車種の買取が得意な業者を選ぶ
査定の際に、点検や整備の履歴がわかる「点検整備記録簿」を提示すると、クルマが定期的にメンテナンスされてきたことを証明でき、より査定額が高くなる可能性があります。
車種や年式、グレードなどが同じであっても、買取業者によって査定結果が異なることがあります。出張買取を依頼するときは、売却を予定しているクルマと同じモデルを専門的に買い取る業者を選ぶとよいでしょう。
まとめ
出張買取を利用すると、店舗に行く手間を省くことができ、複数の業者の査定結果も比較しやすいため、より手軽に高値でクルマを売却することが可能です。
一方で、事前に予約が必要であり、当日に訪問してもらうことは難しい場合があります。また、契約後に買取価格を不当に引き下げる「二重査定」によるトラブルが発生するケースもあるため、安心して任せられる業者を選ぶことが重要です。
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