主治医のセカンドオピニオン問題について考える

人間や一緒に暮らしている動物と同様に、古いクルマを楽しむためにも主治医の存在は不可欠だ。

主治医と知り合うきっかけは人それぞれ。

口コミやネットなどで評判を聞きつけてオーナー自ら主治医のガレージを訪ねる人、友人や仲間の紹介というケースもあるだろう。

誰よりも愛車のコンディションを把握していて、トラブルが起これば根気強く直してくれる。

出先でクルマが動かなくなったときは、休みの日でも積車で駆けつけくれる主治医もいる。

多くのオーナーにとってこれほど心強い存在はいない。

その主治医は1人でなくても構わない。

セカンドオピニオンとしてもう1人(あるいはそれ以上の)主治医がいてもいいのだ。

事実、車検はAさん、重整備はBさん・・・といった具合に、用途や目的に応じて主治医を使い分けている(こういう表現は好きではないけれど)オーナーさんも実在する。

ここから先はあくまでの個人的な考えだが、こちらの記事でも触れたように、主治医のセカンドオピニオンについては反対というスタンスだ。

■突然の愛猫の主治医探しに奔走して痛感した「古いクルマの主治医の大切さ」の話

https://www.qsha-oh.com/historia/article/personal-doctor/

それには理由がある。

古いクルマのメカニックというと、広告はもちろん、工場の目立つところに看板すら出さずに1人で黙々と、少しだけシャッターを開けてその奥で作業しているなんてことが少なくない。

自社のホームページやSNS、YouTubeチャンネルを持っている(自ら更新している)人もおそらく少数派だろう。

商売っ気がないともいえるし、自分のペースで黙々と納得のいくまで、自分の技術を信頼し、愛車を託してくれるオーナーのクルマだけ面倒を見たいという職人気質の人も少なくない。

そんなわけで、傍目にはぶっきらぼうだし、無愛想に映るかもしれない。

場合よっては怖い人…に映るかもしれない。

けれど、それはあくまでも表面的なことだ。

いちど心を許せば案外饒舌だったり、さまざまなアドバイスもくれたりする。

つまり、不器用なだけで「根は優しい人」が多いような気がしている。

セカンドオピニオンということは、自分の技術を信頼してもらえていないと思われても仕方ない。

と同時に、他のメカニックが整備した箇所をいじりたくないと考える人も多い。

人それぞれやり方があるからだ。

セカンドオピニオンをする必要があるくらい不安なら、安心して任せられる主治医を新たに見つけるか、どちらか1人にしぼるか、いっそのこと古いクルマを手放した方がいいかもしれない。

1台の古いクルマと徹底的に付き合う。

それはイコール、1人の主治医を信じ抜くことと同義ではないか?

そんな気がしてならない。

[ライター・撮影/松村透]

画像1
画像ギャラリー(全1枚)を見る

旧車王のLINE友だち登録
カンタン査定申し込み!

友だち追加

この記事をシェアする

旧車王ヒストリアは
旧車買取20年以上の旧車王
が運営しています

旧車売るなら旧車王

旧車王は、「自動車文化遺産を次世代へ」という信念のもと、旧車・クラシックカーに特化して24年、年間11,000台以上の査定申込をいただいております。改造車から希少車まで、適正価格を見極めて買取させていただきます。弊社所属の鑑定士が最短当日で全国無料出張査定いたします。ご契約後の買取額の減額や不当なキャンセル料を請求する二重査定は一切ありません。特別なそして価値ある希少車の買取こそ、確かなノウハウと実績を持つ旧車王にお任せください!

すぐ査定依頼が可能!

旧車王サイトはこちら

まずは車について気軽に相談したい

どんな相談ができるの?

関連する記事

20代のクルマ好きから「初代ロードスター乗りたいんです」と聞かれてマジレスした話

20代のクルマ好きから「初代ロードスター乗りたいんです」と聞かれてマジレスした話

ライフスタイル 2024-05-30
ニュージーランド国内最大級の旧車イベント「Ellerslie Car Show」

ニュージーランド国内最大級の旧車イベント「Ellerslie Car Show」

イベントレポート 2023-07-10
何人たりとも避けてとおれない「クルマの終活」について考えてみた

何人たりとも避けてとおれない「クルマの終活」について考えてみた

エディターズノート 2023-06-30
ロードスター(NA系)の維持費は高い?内訳といくらかかるかを解説

ロードスター(NA系)の維持費は高い?内訳といくらかかるかを解説

旧車売買の豆知識 2023-04-24
のべ1000人のオーナーを取材して気づいた「強烈な原体験の重要性」とは?

のべ1000人のオーナーを取材して気づいた「強烈な原体験の重要性」とは?

ライフスタイル 2023-02-26
これまでの愛車遍歴で唯一、卒業できたクルマの話(その1)

これまでの愛車遍歴で唯一、卒業できたクルマの話(その1)

エディターズノート 2022-10-02
絶対楽しい旧車ライフ超入門!!その2 各年代に触れ、雰囲気も楽しむ

絶対楽しい旧車ライフ超入門!!その2 各年代に触れ、雰囲気も楽しむ

ライフスタイル 2022-08-24
突然の愛猫の主治医探しに奔走して痛感した「古いクルマの主治医の大切さ」の話

突然の愛猫の主治医探しに奔走して痛感した「古いクルマの主治医の大切さ」の話

エディターズノート 2022-05-25

記事ランキング

1
固着したネジでも諦めないで!回らないネジの緩め方アラカルト

固着したネジでも諦めないで!回らないネジの緩め方アラカルト

ライフスタイル 2023-09-14
2
車用サンシェードの効果を解説!フロントガラスへの取り付け方や選び方まで

車用サンシェードの効果を解説!フロントガラスへの取り付け方や選び方まで

旧車売買の豆知識 2024-03-04
3
車検ステッカーの貼り付け位置はどこ?間違えた場合の罰則も紹介

車検ステッカーの貼り付け位置はどこ?間違えた場合の罰則も紹介

旧車売買の豆知識 2024-02-02
4
MT車(マニュアル車)の運転方法とは?発進・停止・ギアチェンジ・坂道発進のコツを解説

MT車(マニュアル車)の運転方法とは?発進・停止・ギアチェンジ・坂道発進のコツを解説

旧車売買の豆知識 2024-04-19
5
定年間近のクルマ好きの方から「定年後にポルシェ911を買いたい」と聞かれてマジレスした話

定年間近のクルマ好きの方から「定年後にポルシェ911を買いたい」と聞かれてマジレスした話

ライフスタイル 2024-07-02
6
ナンバープレートから個人情報は特定できる?特定できる情報を解説

ナンバープレートから個人情報は特定できる?特定できる情報を解説

旧車売買の豆知識 2023-10-27
7
車のキュルキュル音は放置しないで!原因と修理料金を解説

車のキュルキュル音は放置しないで!原因と修理料金を解説

旧車メンテナンス 2023-11-10
8
車のアンダーカバーが壊れた!修理費用はどのくらい?

車のアンダーカバーが壊れた!修理費用はどのくらい?

旧車メンテナンス 2023-10-18

カテゴリ一覧

# 旧車コラム # 旧車の魅力 # 旧車売買の豆知識 # 旧車市場動向 # 旧車メンテナンス # エディターズノート # ライタープロフィール # イベントレポート # ライフスタイル # 加藤久美子&博人の見識 # ドイツ現地レポ # ライター愛車レポート # タイレルP34を追え! # オーナーインタビュー # 名車&迷車烈伝 # マツド・デラックスの世界 # 海外現地レポ