雨が降るかもしれない日は取材を諦めて・・・の話

雑誌やweb記事などを合わせると、何だかんだで年間100人くらいの方にオーナーインタビューをしている。

案件によって異なるが、人物やクルマの撮影をプロカメラマンさんに任せ、自分はインタビューに専念するケース、撮影からインタビューまですべて自分1人で行うケース、さまざまな「大人の事情」でメールやLINEでのやり取りというケースもある。

いずれの案件も、その取材対象の方にお声掛けし、コーディネートするのも自分の役目だ。

メーカーの広報車であれば、たいていは最新モデルだから雨の日でも撮影ができる。

汚れてしまった場合でも、内外装ともにきちんと洗車して、ガソリンを満タン返しにすれば大丈夫だ。

しかしオーナーが所有するクルマ、ましてや旧車およびネオクラシックカーを取材させていただく場合、そうはいかない。

雨の日はクルマ(趣味車)には乗らない、乗りたいくないというオーナーさんが少なくないからだ。

そういえば、以前こんなことがあった。

とあるネオクラシックカーをフルレストアしたオーナーさんを取材したときのことだ。

カメラマンさんと待ち合わせした場所は曇りだったのだが、撮影場所に近づくにつれて雲行きが怪しくなっていった。

道中、カメラマンさんに「もしかしたら、今日の撮影、延期になるかも・・・」とお詫びをしておいた。

事情が分かっているカメラマンさんは理解してくれたが、無駄足を踏ませることになるかもしれないのだ(事実そうなってしまった)。

そして、現地に到着した頃にはいつ雨が降り出してもおかしくないような天候だった。

待ち合わせ場所に現れたレストア完了後のネオクラシックカーは、見るからにコンクールコンディションといっていいほど、細部にいたるまでピカピカだった。

オーナーさんのこだわりと愛情が痛いほど伝わってきた。

ひととおりの挨拶を済ませ、ふと、オーナーさんに目を向けてみると、いつ雨が降らないかとソワソワしていることが分かった。

とても撮影を含めた取材に集中できるような雰囲気ではなかった。

そこで「今日は撮影を断念して、いったんオーナーさんの車庫に愛車を停めて、インタビューだけやりましょう。撮影は後日。雨が降らない日に!」

と提案すると、オーナーさんもほっとしたようだった。

無駄足を踏ませてしまったカメラマンさんには申し訳ないけれど、雨雲レーダーをにらみつつ、とにかく急いでオーナーさんの自宅に向かった。

その後、どうにか雨を回避でき、愛車を車庫に停めたあとに近くのファミレスでインタビューを行った。

オーナーさんも、愛車を雨に濡らすことなく、無事帰宅できたことに安堵しているようだった。

そして後日、快晴の日に撮影を行い、無事にオーナーインタビュー記事として公開することができた。

実は今日(8月21日)も、本来であれば、あるネオクラシックカーとそのオーナーさんを取材させていただく予定だった。

週間天気予報では晴れマークだったのに、2日前くらいから急に雨の予報へと変わった。

そこからあらゆる天気予報のサイトをチェックして、取材実施か、それとも延期かの判断をすることとなった。

オーナーさんの本音としては、今日の取材を希望されているようだった。

基本的に前日の夜に取材実施か、延期かを決めることが多いが、今回は判断が難しい予報だったため、当日朝に決定とした。

できるならばその希望を叶えたい反面、これまで無理やり雨天時に取材して、結果的に雑な撮影になってしまったことが過去に何度もあったのだ。

アナログ人間といわれてしまいそうだが、最終判断の目安は「NHKの天気予報」と決めている。

お天気キャスターの解説や雨雲レーダーや時系列予報などを見て、取材できそうかどうかの判断をする。

今朝も、目覚ましを午前5時45分にセットして、NHKの天気予報をチェックした。

総合的に判断した結果、今日の取材は雨天延期とした。

撮影中に雨が降る可能性が高いと踏んだのだ。

申し訳ないなあと思いつつ、オーナーさんとカメラマンさんにその旨を伝えた。

しかし、あくまでも天気「予報」なので、この予想が外れることがある。

今日の天気がまさにそれだった。

気象レーダーや時系列予報でも雨だったのに、現時点(13時15分)で、気象レーダーを見る限り、撮影場所は曇りのようだ。

結果論ではあるが、おそらくは雨に降られることなく取材できただろう。

さすがにオーナーさんやカメラマンさんから苦情の連絡が入ることはなかったが「雨が降るかもしれない日は取材を諦めて・・・」と簡単に気持ちが切り替わるものでもない。

まるで今日の天気のように、モヤモヤした日曜日の午後を過ごしてもいいことがないので、締め切りが迫っているいくつかの原稿(*この原稿もそうだが)を一気に書き上げて気を紛らせた。

じっとしているより、動いている方が楽なのだ。

これまで何度も経験しているが、本当に、これだけは慣れることがない。

そして、可能な限りの情報とこれまでの経験則から答えを導きだしても予想が外れる。

悲しいかな、今回もそのなかの1回に過ぎないのかもしれない・・・。

余談だが、NHKの天気予報以外にチェックしている天気予報のサービスをまとめてみた。

独断と偏見で所感も追記しておく。ご参考になれば幸いだ。

・NHKニュース防災アプリ:手堅い予報なので迷ったときの最終判断はここ
・Yahoo!天気アプリ:良くも悪くも予報がコロコロ変わる。直前(向こう数時間)の天気を予想する際には有用
・tenki.jpアプリ:大胆な予報が多く、大当たりか大ハズレのどちらか
・ウェザーニューズアプリ:個人的は判断材料のひとつにしているサービス(有料会員)
・気象庁アプリ:本家の情報なので、1週間先の予報の目安として利用

[画像/Adobe Stock ライター/松村透]

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