997がポルシェ911らしさを取り戻した理由とは?! レースでも実力を発揮した人気モデルを徹底解説

目次
1.ポルシェ本来のスタイリングに回帰した997 2.ポテンシャルの高さをレースで証明 3.20万台以上も売り上げた6代目ポルシェ911

6代目ポルシェ911として登場した997は、ファンを唸らせる完成されたデザインと性能からベストモデルとも評されています。「原点回帰」と「進化」をうまく融合した結果、商業的な成功も収めました。
911の本質を取り戻したともいわれる997型の魅力を、レースでの活躍とともに徹底解説します。

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ポルシェ本来のスタイリングに回帰した997

ポルシェ 911(Type 997)

997型へのフルモデルチェンジでは、先代996型で不評だったポイントを中心にデザインの見直しが図られています。一方性能面でも、マイナーチェンジで新開発エンジンやトランスミッションを投入するなど、997型はポルシェが意欲的に開発したモデルといえるでしょう。
マイナーチェンジでの変更点も含めて、997の特徴を改めてみていきましょう。

先代の外観と性能から大きく進化

2004年に登場した997型ポルシェ911は、7年ぶりのフルモデルチェンジを果たして2004年に登場しました。基本骨格やエンジンの一部こそ先代996型と共通ですが、賛否を呼んだ外観デザインは大幅に刷新されています。

ヘッドライトの形状は、不評だった「涙目」形状から丸型に戻されました。また、スモールランプとウインカーも、空冷時代を思い起こさせる別体型に変更。リアコンビネーションランプとリアバンパーの刷新とあわせて、再び“ポルシェらしさ”を取り戻したモデルとして高く評価されました。

マイナーチェンジでさらなる性能アップを果たす

997型は、発売後も意欲的に開発が続けられました。フルモデルチェンジから4年後の2008年6月には、ビッグマイナーチェンジを実施します。特筆すべきはエンジンの改良で、以前のモデルから大幅に出力を向上させました。自然吸気モデルに採用した新開発の直噴(DFI)エンジンによって、カレラが20psアップの345ps、カレラSでは30psも出力を向上させて385psを実現しています。

さらに、トランスミッションには、新開発のPDK(7速デュアルクラッチ)が新たな選択肢として投入されました。スポーツ走行だけでなく日常使用でもスムーズな変速を実現するPDKによって、さらなる操作性と快適性の向上が図られています。

多彩なラインナップを展開

997型では、ベーシックなカレラ/カレラSに加え、タルガ、カブリオレ、4WDモデル、ラグジュアリー路線のターボ/ターボSといった多彩なラインナップが展開されました。さらに、スポーツ性と快適性を両立したGTSに加えて、GT3やGT2という走行性能に特化したモデルも投入されています。

志向やライフスタイルに応じてモデルを選べるようにしたことで、幅広いユーザー層から支持を獲得しました。スポーツモデルという大きな枠組みはあるものの、さまざまな楽しみ方ができる点が997の大きな魅力です。

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ポテンシャルの高さをレースで証明

ポルシェ 911 GT3(Type 997)

旗艦モデルである911は、レースで結果を残すことが至上命題です。レースで勝てる力強い走りこそ、ポルシェ911最大の魅力だといえます。

幅広いモデル展開が特徴の997は、周囲の期待どおりレースで輝かしい実績を残しました。一方で、評価の高い997には、ひとつだけ大きな欠陥があります。
997のレースでの活躍と、有名な「インタミ問題」について紹介します。

2度のル・マン24時間レース制覇

997のレーシングモデル「997 GT3 RSR」は、フルモデルチェンジから2年後の2006年に実戦投入されます。エンジンの最高出力は455psにまで高められ、435 N⋅mという強大なトルクも相まってさまざまなレースで実力を発揮しました。

過酷なレースとして知られるル・マン24時間レースでは、2007年と2010年にGT2クラスを制覇。また、プチ・ル・マンでも、2007年、2013年にクラス優勝を果たします。997のもつ高いポテンシャルと信頼性を、レースの結果で証明しました。

唯一の弱点「インタミ問題」

実力、人気ともに折り紙つきの997ですが、実はひとつだけ構造的な弱点を抱えています。「インタミ問題」という通称までつけられた、インターミディエイトシャフトを保持するベアリングが破損する問題です。

997のエンジンは、クランクシャフトとチェーンを介してつなげられたインターミディエイトシャフトによって、カムシャフトを回転させる機構を採用しています。しかし、インターミディエイトシャフトを保持するベアリングの耐久性に問題があり、数多くの破損が報告されました。ベアリングが破損すると当然インターミディエイトシャフトの回転に影響がでるため、カムシャフトを正確なタイミングで回せなくなります。結果、バルブタイミングが狂ってしまうことで、最悪の場合エンジンブローにもつながりかねません。

ただし、インタミ問題が発生するのは、初期モデルを中心にした前期型です。2008年のマイナーチェンジ以降のモデルでは、インターミディエイトシャフト自体が廃止されたため発生しません。。また、対策パーツがすぐに開発され、ポルシェがキャンペーンで交換を推進したため、現在ではあまり気にしすぎる必要はなさそうです。997を購入予定で気になる方は、販売店にインタミ問題の対応について確認してみましょう。

20万台以上も売り上げた6代目ポルシェ911

インタミ問題という致命的な欠陥があると、一般的に販売数は伸び悩みます。しかし、メーカーの真摯な対応と997のもつ魅力の高さから、実際には商業的にも大成功を収めました。
997の販売台数は、2004年から2011年までの間で累計213,004台にものぼります。販売実績だけで車の価値は判断できないものの、モデルとしての完成度の高さを物語っている数字です。

スタイリングの原点回帰、幅広い層にリーチするラインナップの多彩さ、そして何より走行性能の進化とレースでの実績によって、997型ポルシェ911は伝説とも呼ばれる評価を得ました。販売終了からすでに14年(※2025年7月執筆当時)が経過していますが、今もなお高い人気を集める車種というのもうなずけます。

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