なぜ2日間に? ミラフィオーリ2025 with 愛・地球博20祭イベントレポート

目次
1.■ミラフィオーリはなぜ2日間になったのか? 2.■変わらぬ会場の雰囲気 3.■謎のカバーの車輌の正体とは? 4.■最大勢力を深堀してみる 5.■戦闘機?F15をモチーフにした嘉手納帰りのアバルト500 6.■気がつけばステッカーの嵐、アジップロゴが紡ぐアバルト500 7.■そして次へ

6月7日、8日の2日間に渡って、愛知は愛・地球博記念公園(通称:モリコロパーク)にて欧州車の祭典「ミラフィオーリ」が開催された。

「ミラフィオーリ」は欧州車オールジャンルのイベントであり、年式は問わない。

新車から戦前車(来たのを見たことはないが)まで参加が可能なイベントだ。毎回さまざまな車輌が参加しモリコロパークを彩っている。今回は初の2日間連続開催となる。

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■ミラフィオーリはなぜ2日間になったのか?

多くのイベントは基本1dayがほとんどだ。それは個人、企業主催に関係なく仮に2日間と思えていても、実際には会場入りが前泊ということで2日に感じたり、その“おまけ”や前夜祭的に行われていたりと、どこか付随感があった。その点、ミラフィオーリではしっかり丸2日間だという。それはいったいどういうことだろうか?

会場であるモリコロパークは、もともと愛・地球博という万博の会場であった。それが今年20周年を迎えるにあたり、愛・地球博20祭と称して毎週末イベントを行うという。開催期間と同じく3~9月の間、毎週末イベントを行うと県の関係者が決めた。ただ、毎週行うには関係者だけの企画では行き詰ってしまう。そこで過去にイベントを行ってきた方々の協力は必須であり、ミラフィオーリ事務局(チンクエチェント博物館)にもそのひとつとして打診があった。

毎年行っている側としては快く引き受けたものの、条件には「2日間の開催」が加わっていた。では2日間で何を行うのか?そう考えたときにせっかく向こうから打診があったのだから、この機に普段できないようなことを提案してみようということになった。それが愛知県庁からモリコロパークの会場までをラリー形式で走る「ドライブラリー」だ。

当初は改修が終わった愛知県庁本庁舎の正面玄関ロータリーから出発の予定であった。しかし、残念ながら改修工事が予定どおり終わらず、急遽同県庁の西庁舎からスタートとなった。予定外の事態はあったが、公の場でのドライブラリーが行われた事実は、まぎれもなく新たなミラフィオーリの歴史となったことだろう。

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■変わらぬ会場の雰囲気

会場には、2日間であわせて400台を越える車輌が集まった。参加車輌には最大勢力であるフィアット500(アバルト含む)を中心に各欧州車が整然と並ぶ。ポルシェ、BMWを中心としたドイツ勢や珍しいところではVWのUPGTiが参加していた。

また近年の参加車輌で興味深かったのは、現行ジャガーの参加だ。親会社の関係上、はたして英国メーカーといっていいのかは異を唱える向きもあるかもしれないが、新しいモデルが参加してきたことが素直に喜ばしかった。

今回ドライブラリーに出走している関係で、初日の解説役をすることができない自動車ライター嶋田智之氏に代わってマイクを握ったのは、Youtubeチャンネルで中部地方を中心に活躍をされているGo carの新車情報のキャスターGocar氏。おなじみの嶋田氏とチンクエチェント博物館館長である深津氏の掛け合い解説に替わって大役を務めていた。

■謎のカバーの車輌の正体とは?

本部テントの前には、トリコロールカラーのベールに包まれた謎の車輌が展示されていた。様子から察するに、ドンガラのホワイトボディそのままの車輌は、今回の会場の大きなテーマである愛・地球博20祭を象徴する展示車でもあった。

イベント開催の挨拶とともにアンベールされたフィアット500は乳白色に塗装され、表面には細かい粒がちりばめられている。実はこのクルマこそ、20年前に愛・地球博でイタリア館においてホワイトチョコレートでコーティングされ、展示されたクルマそのものである。さすがに当時と同じようにチョココーティングで展示すれば、この天候であっという間に溶けだしてしまう。そのため、当時の色味に近い白色で塗装をしているそうだ。

ちなみに細かい粒はいったい何だったのか?正体はヘーゼルナッツなどのナッツ類。当時の再現とはいえなんとも芸の細かいことである。

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■最大勢力を深堀してみる

普段のイベントでは珍しい参加車輌やバブルカーなどのクルマについ目が行きがちだが、20祭の主役とも言えるチョコレートフィアット500を踏まえて今回は最大勢力であるフィアット500を中心に少しじっくりと見て回らせていただいた。今回はいつも以上に見ごたえのある車輌が参加していた。

なかでも会場の正面に置かれたBMWのM1やクラウザードマーニなどはその最たるものだろう。アルファ ロメオのRZが2台もいる光景などクラブイベントでもなければまず見ることなどない。だからこそ最多参加台数のフィアット500の中にも訳ありなクルマはいるはずだと、他になさそうな雰囲気をもった500を選んで話を聞いてみた。

■戦闘機?F15をモチーフにした嘉手納帰りのアバルト500

薄いグレーに米軍機の徽章のアバルト、モチーフは戦闘機のF15。エアロパーツメーカーであるリバティワークスで企画があり、自車を持ち込んでのカスタムを施した車体。完成後は実際に沖縄の嘉手納米軍基地に持ち込んで、F15戦闘機とのツーショットを撮影している。

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■気がつけばステッカーの嵐、アジップロゴが紡ぐアバルト500

FIAT500、アバルトを通じて最多のデカール数を誇る1台。このクルマには元となる車輌が存在しており、購入当初は大きなアバルトのデカールのみだったとのこと。知り合った元となるクルマのオーナーから、少しづつ同様に仕上がるようにデカールを供与してもらったという。もちろん細部は違うそうなのだが、2台並ぶとどちらが自分のクルマかわからなくなるほどだったという。現在、元の1台は色替えをしたため、それを引き継いでずっとこのデカール(アジップ柄)で行きたいと話してくれた。

■そして次へ

2日間にわたって開催された愛・地球博20祭コラボイベントのミラフィオーリ。初の試みがいくつも散りばめられ、初めて尽くしの開催だった。主催者はじめ多くのスタッフが初心に戻って動き回ったイベントだったのではないだろうか?来年の体制やエントリーをいま語るのはやや無粋かもしれない。それでも筆者は次回を、そして次の20祭としてのミラフィオーリを期待している。

 
[ライター・カメラ / きもだこよし]

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