ディフェンダー90の魅力はスペックじゃない?! ランドローバーのロマンあふれる希少車を徹底紹介

目次
1.伝統の外観を踏襲した初代ディフェンダー90 2.便利で高性能ではないのになぜか魅力のある初代ディフェンダー90 3.新型車が出てもなお人気の初代ディフェンダー90

イギリスに本拠を置く、ランドローバー社のディフェンダー90。特に初代モデルはヘビーデューティーのクロスカントリー車として、現在も多くのファンを魅了し続けています。

現代のSUVのような高い利便性やスペックを持ち合わせていないにも関わらず、なぜディフェンダー90が人を惹きつけるのでしょうか。ルーツをたどりながら、ディフェンダー90本来の魅力を徹底的に解説します。

伝統の外観を踏襲した初代ディフェンダー90

1990年に登場したディフェンダー90ですが、実は1983年に行われたランドローバーⅢのマイナーチェンジが事実上の初登場です。さらに、外観も含め硬派なオフロード車輌という面では、ローバー社最初のモデルがルーツともいえます。

まずは、ディフェンダー90の開発背景と、日本国内での人気ぶりを紹介します。

由緒正しいランドローバーシリーズがルーツ

ディフェンダー90のルーツは、1948年に製造が始まったランドローバーシリーズです。1983年のマイナーチェンジによりランドローバー90/110と改称されたモデルが、直接的にディフェンダー90につながっています。最初のモデルを開発した当時のローバー社が、オフロードに特化したクルマとして「ランドローバー」と名付けました。

「ディフェンダー90」(110/130)の名称に変わったのは1990年。「ランドローバー ディスカバリー」という新モデルの登場に合わせて、混乱を避けるために命名されました。なお、数字の「90」はホイールベースのインチ表記を表しており、ランドローバー90が最も短いモデルです。

ちなみに、ディフェンダー90をはじめ、ランドローバーのアイデンティティとも呼べるアルミ製のボディは、意図して狙ったわけではなく時代背景によって生まれたという逸話が残っています。第二次世界大戦直後の1948年当時、戦争の影響で鉄が不足していた影響からアルミボディが採用されたそうです。

国内ファンが待ちわびた正規輸入の開始

ディフェンダー90の日本国内での正規販売は、登場から7年後の1997年です。限定輸入された500台は、わずか1年足らずで完売。いかに日本のファンが、ディフェンダー90の輸入を待ちわびていたかがわかります。なお、最初の輸入モデルは、左ハンドル車でトランスミッションはATのみでした。

翌年の1998年には、ランドローバー50周年記念の限定モデル450台が追加輸入されました。数百台単位と聞くと、それほど多く感じないかもしれません。しかし、日本国内では実用面での需要がほとんどない、オフロードに特化したクルマという点を考慮すると驚異的な数字です。

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便利で高性能ではないのになぜか魅力のある初代ディフェンダー90

初代ディフェンダー90の販売は1990年〜2016年ですが、外観のルーツは1948年まで遡るなど、当時としても最新装備を身にまとったクルマとはいえません。しかし、ディフェンダー90のもつ魅力は、仕様やスペックだけでは語れない部分に詰まっています。

ここからは、ディフェンダー90の魅力を詳しく紐解いていきましょう。

英国の気品漂う外観

緑豊かなイギリスの大地に映える、初代ディフェンダー。オフロードカーらしいシンプルな直線基調のボディにリベット留めと無骨なデザインですが、どこかイギリスの気品が漂っています。

初代ディフェンダー90の外観は、最初のランドローバーが登場した1948年から受け継がれ続けたものです。ヘッドライト位置の変更などモデルによって異なる部分もありますが、大枠は踏襲しています。ディフェンダー90も2007年と2012年に二度のマイナーチェンジを実施しましたが、外観に関しては2016年の販売終了までほぼ手を加えられることはありませんでした。

ローバー社が「ランドローバー」を世に送り出したコンセプトを、初代ディフェンダー90は忠実に踏襲しています。1948年当時の空気感を感じられる点も、ディフェンダー90が人気の理由なのかもしれません。

特徴的なリアシートは一部から不評を買った

ディフェンダー90のリアシートは、左右対面式のベンチシートです。対面になっているシートを折りたたむと広大なラゲッジスペースが生まれるため、ヘビーユースに適した形状として採用されたのでしょう。また、兵員輸送車のような硬派な雰囲気を醸し出すという点で、ディフェンダー90を特別なクルマに昇華させている一因です。

一方で、ファミリー層からは、乗り心地の悪さや乗降のしにくさから不評を買いました。リアシートの形状に我慢できず、ディフェンダー90を手放したという話も珍しくなかったようです。

高性能車ではないがロマンという言葉がしっくりくる

ディフェンダー90は、今の基準でみると決して性能の高いクルマではありません。正規輸入されたモデルには、4LのV8ガソリンエンジンを搭載。スペックも最高出力182ps、最大トルク32.2kgmを絞り出すという、数字上は迫力のあるエンジンです。しかし、アルミ製の軽量ボディながら2tを超える車体を、俊敏なSUV車のように加速させるには力不足が否めません。

また、オフロード車としての堅牢性を実現するラダーフレームと、構造がシンプルな前後リジッドサスペンションは、お世辞にも乗り心地がよいとはいえず古臭さを感じます。

それでもなおディフェンダー90に魅了されるのは、終戦直後から脈々と受け継がれてきたランドローバーへのリスペクトとロマンなのかもしれません。

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新型車が出てもなお人気の初代ディフェンダー90

ディフェンダー90は、2020年のモデルチェンジで2代目に移行しました。長年継承されてきた外観は一新され、課題だったパワーや装備面も克服し、現代に相応しい仕様で販売されています。しかし、新車かつ現行型が買えるにもかかわらず、初代ディフェンダー90の根強い人気は衰えません。

人気の高さは価格にも表れており、状態によっては当時の新車価格よりも高値で取引されるケースもあります。ただし、初代ディフェンダー90を中古車で売買する際は、必ず旧車専門業者に相談しましょう。1990年代のクルマとはいえ各部の設計が古いため、適切なメンテナンスがされていないと、購入しても故障に悩まされかねません。また、正規輸入車輌は台数限定だったため、現在では希少車です。希少車の買取に慣れた業者でないと、実際の価値を正しく査定してもらえない可能性があります。

ロマンのあるクルマが少なくなった現代だからこそ、ディフェンダー90は貴重な一台です。売却の際には、慎重に業者を選びましょう。

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