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北イタリアのヒルクライムイベント、Silver flag 観戦レポート

目次
1.Silver flagとはどんなイベント? 2.1日目と2日目は展示車輌を間近で見るチャンス! 3.いよいよ本番3日目!実際に走るクルマの姿と音を堪能! 4.レース参加者さんにインタビュー!

毎年、6月に北イタリアで開催されるアンティークカーのためのレース「Silver flag」観戦してきました。

現地から新鮮な現場の様子をお届けできたら幸いです。

レース参加者にもインタビューすることに成功しましたので、最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです。

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Silver flagとはどんなイベント?

私はこのイベントの開催地の近くに住んでいます。

1年間心待ちにしていたのでしょう、イベントが近づくにつれ、街では地元のおじさんたちが「Silver flag」について会話をしているのが頻繁に耳に入ってくるようになりました。

地元民からも溺愛されるイベント「Silver flag」ですが、実際にイベントに行ってみると、北欧やイギリス等の欧州内のさまざまな国から参加者が募っていました。

イベントについて少し紹介をします。

1953年から、同地でピアチェンツァ自動車クラブの主催によって、平原のストレートからアスファルトの勾配が生み出す難易度の高いヘアピンカーブでのルートで競い合うヒルクライムが開催されていました。

しかし1974年には、20年もの間の続いたイベントに終止符を打つことに。

そこから長い歳月を経て1996年、当時のヒルクライムを再誕させようと始まったのが「Silver flag」なのです。

当イベントはタイムアタックを競うイベントではなく、レーシングカーの保存状態と修復度を競う方式がとられています。

北イタリアの街「Castell’Arquato (カステッラルクアート)」を出発し、「Vernasca (ヴェルナスカ)」に到着するという約9kmのコースで、このコースをアンティークカーたちが例の大きなエンジン音とともに颯爽と駆け抜けていきます。

カステッラルクアートもヴェルナスカも都市ではなく、非常に小さい街で、ここに欧州各国からレースカーを引き連れてきたのかと考えると、参加者のイベントへの情熱、クルマに対する熱意がひしひしと感じられます。

イベントは毎年3日間続き、会期中はパーティーなども開催されるため、国を超えた参加者の友好は深まって、同志の友情はきっと一生ものになるのでしょう。

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1日目と2日目は展示車輌を間近で見るチャンス!

さて、イベントの1日目、2日目はカステッラルクアートでクルマの展示が行われます。

入場料等一切なく、誰でも気軽に参加でき、言葉が通じればクルマのオーナーとも気軽に話すことができます。

上述したように、イベントには多国籍の参加者が集うため、英語でのやり取りをしている様子がうかがえました。

余談ですが、カステッラルクアートは中世の町並みがそのまま残された非常に美しい魅力あふれる街ですので、観光も楽しめること間違いなしです。

今は亡きデ・トマソや、フェラーリレインボー、アバルトなど、珍しいクルマがあちらこちらに展示されており、興奮が止まりません。

これらのクルマすべてが、3日目にはレースに参加します。

また、日本ではもしかしたら知名度が低いであろう、ランチアのレースカーも多く参加していました。

ランチアは今となってはあまり盛り上がっているブランドではないですが(イタリアではたまに見かけます)、かつてはカーレース界で多くの功績残した最高のレースカーを製造していたのです。

昨今、ブランドのリニューアルを目指し動き出したようで、イタリアでは再び注目を浴びているブランドです。

イベントには非常に有名なストラトスや、実際にレースで賞を受賞した以下の車輌が参加していました。

当時のキズを修復せずにあえてそのままの状態なのは、輝かしいレースの思い出を消さないようにあえて残しているようにも感じました。

誰もが憧れるマセラティも数多く出場していました。

▲私は、こちらのマセラティが総合優勝を勝ち取るのではないかと、予想していました!

いよいよ本番3日目!実際に走るクルマの姿と音を堪能!

イベント3日目になると、展示されていた車はまるで長い冬眠から目を覚ましたかのよう。

この瞬間を待ってたよ!と言わんばかりに大きなエンジン音を鳴り響かせ、スタート地点に向かいます。

スタート地点では多くの観客が集まり、イベントはかなりの盛り上がりを見せています。

こちらのクルマは皆さん見たことありますでしょうか。

スタート地点で待機するのは今は亡き、チシタリアのクルマです。

少しイタリアらしいエピソードを・・・。

出発直後、この個体がエンストしてしまうやいなや、即座に観客席から数人立ち上がり、助けにいく姿が見られました。

見て見ぬふりができない、いい意味でおせっかいなイタリア人らしい光景だな、と思いました。

その後、私たちもゴール地点のヴェルナスカへ向かいました。

ヴェルナスカではすでに到着したクルマが陳列されており、レア車が広場に敷き詰められた景色は圧巻としか言いようがありません。

午後の表彰式が行われるまでの間、参加者はお昼ご飯を食べたり、友好を深めたりと、イベントは常に盛り上がりと活気で満ちあふれています。

▲イベント参加者たちが集まってテントの下で昼食を食べている様子です

ここでも余談ですが、ヴェルナスカは丘で囲まれ、緑が豊かな風情で、典型的なイタリアの小さな田舎町といった感じです。

さてさて、表彰式が始まりました。

表彰はブランド別に分かれているようで、なんと、以前お伺いした「Alfa Blue Team」から参加したクルマが、アルファ ロメオ部門で賞を受賞していました。

・「Alfa Blue Team」についてはこちら
公式クラブ「Alfa Blue Team」訪問記公式クラブ「Alfa Blue Team」訪問記
https://www.qsha-oh.com/historia/article/alfa-blue-team/

何十年も参加してきたけど、受賞は初めてだよ!と感極まった様子でした。

そして総合優勝されたのがこちらのフェラーリ。

確かに古さを一切感じさせない、素晴らしい修復度です。

こうして今年も3日間にわたるイベントに幕を閉じました。

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レース参加者さんにインタビュー!

さて、レースに参加したヴァレリオさんに、レースに対する想いなどお話を聞くことができました。

イタリア人はどんな想いでこのイベントに参加しているのか気になりますね。

Silver flagには何度出場したことがありますか?

12回目ですかね、コロナの影響で一度キャンセルされたから11回目か?そのくらいです。

このイベントに対する情熱は何?そしてそれはどこから来るのですか?

それは恋のように、なぜ好きで、どこらかやってくるかわからないものなんですよ。

なぜこちらのジュリアGTAに乗っているのですか?

クルマを買おうとしていたとき、他にもアンティークカーアルファ ロメオの選択肢が多くありましたが、このクルマの容姿がとにかく気に入ったんです。
特にこのクルマは実際にレースに使われるために開発され、このクルマが持つスポーツヘリテージが非常に魅力的でした。

一番好きなアルファロメオの車種は何ですか?

ジュリアスーパーですね!

どのようにアルファロメオに興味を持ち始めたのですか?

僕の記憶があるときから父がアルファ ロメオを乗っていて、アルファ ロメオは当時一番有名で、イケていて、彼女に恋をしたのです。
そして今アルファ ロメオを運転していると、父がいつも隣にいてくれている気がするんですよね。
私には二人の子供がいるのだけど、二人ともアルファ ロメオに乗っています。
息子においては、はじめミニクーパーに興味があったので、彼をアルファ ロメオ色に染め上げるのは大変でした。

日本車についてはどう思いますか?

日本は便利な機能を搭載したクルマのみではなく、レースで優勝してしまうクルマまで生み出して素晴らしいと思います。
特にトヨタGR Gazoo Racingには感心しますね。
もし今からクルマのコレクションを始められるとしたら、オレンジ色のホンダ360が欲しいです。

日本に住むAlfisti(アルフィスティ=アルファロメオファン)にメッセージはありますか?

Alfistiだからと言って特定の車種を所有する必要はないし、高級なクルマも要らない、それよりも大切なことは好きという気持ちなんです。
イタリアと日本は物理的距離があるけれど、そんなことは関係なく、例えば小さなキーホルダーを持つことだっていいし、安い中古車を買うことだっていい。
もしその人がアルファ ロメオに対して情熱があればもう立派なAlfistiなんです。

▲ジュリアGTAでSilver flagに参戦したヴァレリオさん

地元民からも、国境を越え欧州中からも愛されるイベントSilver flagは、この先も同じ情熱を持つ者同士の熱い戦いの場として盛り上がることでしょう。

いつか私も自分のアンティークカーを連れて参加してみたい、そう思いました。

[ライター・画像 / PINO]

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