イタリアでは築年数が経っている建物を壊して新しいものを建てる、ということはあまりなく、古いものは綺麗に改装し使い続けるという建築文化が根付いている気がします。 したがって、由緒ある建物にもかかわらず、中に入ると近代的! でも、実は築年数が100年だったりすることがよくあります。 そんなイタリアで、なんとフィアットの元工場をホテルに改装し、誰でも宿泊することができるという素晴らしい場所がトリノにあるのです。 今回はそこに宿泊してきましたので、ホテルの様子を皆さまにお届けしたいと思います。 ■「NH Torino Lingotto Congress」について ホテルの名前は「NH トリノ リンゴット コングレス」。 こちらの建物についてまず少し紹介します。 こちらの建物は、当時フィアットグループ(現FCA)のもっともシンボリックな工場としてトリノに誕生しました。 その建物の屋上には、1919年に建設された1.5kmのテストトラックが併設されており、組み立てられた自動車のテストに使用されていました。 このテストトラックは今でも残されており、立ち入ることも可能です。 そこからフランスとの国境でもあるアルプス山脈を一望することができ、それを目的に来館する方もいらっしゃるようです。 工場が閉鎖されたのち、この建物はエンターテインメントと文化の発信地として再開発が行なわれ、ショッピングモールやホテル、美術館等が併設する施設として利用されることになりました。 リノベーションを手掛けたのは、関西国際空港のターミナルを設計したことでも有名なレンゾ・ピアノ氏。 ホテルは特に部屋にこだわりがない場合、比較的お財布にやさしい価格帯なので、私たちも連泊することに。 ホテル内にはレストランやスポーツジムもあり、充実した時間を過ごせること間違いなしです! ■ホテルへのアクセス方法について トリノ中心街の「Torino Porta Nuova」駅から直通電車で約10分の「Torino Lingotto Railway Station」で下車すると、駅はホテルにほぼ直結しています。 もちろんホテルには駐車場も完備されているので、クルマでアクセスすることも可能。 トリノの中心街に近いのも嬉しいポイントです。 ■ホテルの中は一体どんな感じ? さて、早速中に入ってみると、元工場だったとは想像がつかないくらい綺麗で近代的なホテルです。 エントランスを入ってすぐには、旧車の展示があります。 この展示車は常連のお客さまが飽きないようにでしょうか、定期的に変わるようです。 ホテルの中には竹林の中庭もあり、和洋折衷な一面も感じられました。 宿泊部屋も窓が非常に大きく、明るく清潔感のある部屋で、この部屋で製造されていた車輌が写されたポスターが壁に貼られていました。 ポスターにはクルマ乗る楽しそうな女性・・・ このポスターを見ながら、この部屋でこのクルマが作られていたのかと思うと、なぜでしょう、ノスタルジックな気持ちになりました。 ■このホテル宿泊者の特権はずばり?! 屋上にはテストトラックがあるのですが、お金を払えば誰でもアクセスすることが可能となっています。 ですがホテル宿泊者なら、いつでも無料でテストトラックに入場することができるんです! エレベーターで屋上に上ると、まずはカフェ兼展示物コーナーに行き着きました。 そのカフェを抜けると、さあ、お待ちかねのテストトラックが見えてきました! 屋上のテストトラックとは一体どんなものなのでしょうか?! 第一印象は、傾斜の効いたカーブの迫力がすごい・・・!でした。 ちなみにこの傾斜カーブに登ろうとしたところ、警備員さんに怒られてしまいました。 それもそのはず、人間が立てないくらいの傾斜になっているので、普通に危険です(汗)。 そして次に印象的だったのは屋上から見るアルプス山脈です。 こんな絶景の中、車輌の走行テストを行なっていたのですね。 今はカフェと化しているようですが、当時の司令塔も残されています。 トラックには当時の歴史を記した写真等が展示されているため、この施設が実際に工場であり、自分がいるところが本当にテストトラックであったことを実感させられました。 この建物がどのような目的で建てられ、どのような歴史を経て閉鎖することになったのか、展示物をみながら学習することもできます。 ところで皆さん、このクルマがどうやって屋上に上ってくるか想像つきますか? 私は下方の階から組み立てが始まり、徐々に上階に来て、最終的に出来上がった車輌が屋上にたどり着くのか?と想像しましたが、そうではないようです。 下記写真のように、クルマ用螺旋階段のようなものがあり、これで車輌が屋上まで到着するという構造でした! 日本では過去にも現在にもこのような工場またはテストトラックが存在していないと思うので、螺旋階段でクルマを屋上に持ってくるとは、なかなか想像がつきませんでした。 さすがイタリアです!洒落ていますよね。 ■最後に フィアットはイタリアが誇る自動車メーカーの一つで、イタリアでは誰からも愛される存在であると思います。 民衆とともにイタリアの歴史を刻んできた由緒あるブランドの建造物を壊すことなく、新たな形でこのような人々の憩いの場として利用されているのは、歴史を無駄にしない、正しい使われ方である、そう感じました。 トリノはピエモンテ州の首都で、イタリアで4番目に大きな都市。 1861年、イタリア全土が統一国家になった際に、最初の都市が置かれたのがトリノなのです。 このホテル以外にも、歴史的建造物や美食文化も(クルマに関する博物館ももちろん)充実しています! クルマを好きの方は絶対に楽しめるトリノ、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。 特にフィアットオーナーの聖地巡礼には欠かせない街ですよ! [ライター・画像 / PINO]
みなさんは、フェラーリがどんな街で生まれたかをご存知ですか? フェラーリの車名、575Mマラネロにも起用されているため、フェラーリの誕生地がマラネッロということは周知されているかもしれませんね。 今回はマラネッロってどんな街?どんなことができるの?という点についてご紹介いたします。 ■フェラーリ博物館は必見!マラネッロへのアクセスは? マラネッロは国際空港があるミラノから南東に約150km、モデナという街からの16kmほどの離れたところに位置しています。 人口は約17,000人で、典型的なイタリアの田舎街という感じです。 マラネッロへは、モデナ駅からバスでアクセスすることが可能です。 ちなみに、ランボルギーニの本社はサンターガタ・ボロニェーゼという街にあり、マラネッロからクルマで約30分の場所に位置しています。 マラネッロでもちろん有名なのはフェラーリ博物館。 その博物館の周りには、以下写真のようにフェラーリや、その他高級車のテストドライビングができる施設などが多く立ち並んでいます。 博物館を訪れた後、そのカッコよさと迫力に感化され、ついつい運転してみたい!という気持ちが高まること間違いありません。 イタリアで高級車のテストドライビングをやってみたい!という方は、日本で国際免許証の取得をお忘れなく! 車種や走行距離にもよりますが、最低でも100ユーロからの費用になるようです。 博物館には観光バスも多く停まっており、結構混み合っていました。 個人的に、他の自動車博物館に比べて展示台数が少ないという印象でしたが、なかなかお目にかかることができない車輌が展示されているので、フェラーリファンの方にはたまらないことでしょう! 私はこの博物館で、初めて触れる距離でF1レースカーを観たのですが、想像の3倍くらいの大きさがあり、そのスケールに超圧巻でした! 写真は博物館入り口です。 ■街中のいたるところで「フェラーリ」が感じられる マラネッロの街を散策するために、博物館から街中へ歩いて移動しました。 街中へと繋がっている参道には、フェラーリの歴史が書かれた看板が約50m間隔ごとに配置されており、それを読みながら進むのも面白かったです。 さて、徒歩10分ほどで街中へ到着しました。 早速ランナバウトの中心にフェラーリのエンブレムの跳ね馬が! その右手には跳ね馬がデザインされた花壇があり、その少し先にはフェラーリのサインが銅像化されているのを発見しました。 さすがフェラーリ一色な街だな、というのが第一印象でした。 そしてこちらのカフェの入り口では、2台のフェラーリがお客さんを出迎えてくれます。 こちらのカフェの裏側にもフェラーリが。 もはや博物館に行かなくても、マラネッロの街を散策するだけで良かったのでは?!と思ってしまうほど、フェラーリがあちこちに点在しています。 (でも限定グッズやお土産も豊富なので、マラネッロへ来たからにはやっぱり博物館はマストです!) カフェのコンセプトはもちろんフェラーリ。 また別のカフェではレースの実況を放映しており、地元民であろう方々が盛り上がっていて、やはりフェラーリ愛にあふれた街であることは間違いなさそうです。 ■突然鳴る鐘は何事?!なんと市役所にもフェラーリの秘密が… イタリアでは12時など、きりの良い時間に教会の鐘が鳴るのですが、マラネッロでは何でもない時間帯に鐘が鳴ることがあります。この鐘の正体を近くにいた警備員さんに聞いてみました。 すると、「フェラーリがF1で優勝すると鐘が鳴るんだ」と教えてくれました。 ちょうど立ち寄ったカフェの前に市役所があり、日曜日にも関わらず空いていたので、入ってみることに。 なんと入口がフェラーリのミニ博物館になっていました! 創設者の「エンツォ・フェラーリ」の写真をはじめ、博物館では展示されていないフェラーリの歴史についての展示物がいくつかありましたので、ご紹介したいと思います。 フェラーリファンの方では有名な話かもしれませんが、なぜフェラーリは跳ね馬がエンブレムに選ばれたか、ご存知でしょうか。 まず、下記の写真について説明少し説明させてください。 写真左手がフェラーリが残した跳ね馬について語った羊皮紙、中央の左手ははがきで使われた跳ね馬デザイン、中央右手に現在のフェラーリのエンブレム、写真右手がフランチェスコのお母様(フランチェスコについては下で説明します)、そして中央がフランチェスコ・バラッカの写真です。 フェラーリが残した馬について語った羊皮紙には、下記の文章が書いてあります。 “跳ね馬の物語はシンプルで魅力的なんだ。 この小さな馬は、第一次世界大戦のエース中のエース、モンテッロで墜落した英雄的飛行家フランチェスコ・バラッカの戦闘機の機体に描かれていたものだ。 私が23年にラヴェンナで開催された第1回サヴィオサーキットで優勝したとき、その英雄の父エンリコ・バラッカと母パオリーナにお会いし、知り合うことができた。 そしてある日のこと、彼らが私にこう言ったのだ。 「フェラーリ、息子の跳ね馬をあなたのクルマに乗せてください。それはあなたに幸運をもたらすでしょう」と。 そのエンブレムを私に託してくれたご両親の献辞とともに、私は今でもバラッカの写真を大切に保管している。 小さな馬は昔も今も黒色のままであるが、私はモデナの象徴色である黄色を背景に加えたのだ。” これがフェラーリが残した跳ね馬の物語なんですね。 実際の写真の展示はなかったですが、フランチェスコ・バラッカが乗っていた機体の絵の展示がありました。 確かにフェラーリと同じ跳ね馬が機体に描かれているのがわかります。 市役所は決して展示物が多いわけではありませんが、フェラーリの歴史について触れることができ、面白かったです。 帰り際にはこちらのハガキを好きなだけ持って帰っていいよいってくださり、一枚ずついただいて帰ってきました。 ■おわりに フェラーリが誕生した街は、フェラーリ愛に溢れたのんびりとした街でした。 ぜひフェラーリファンの方、イタリア旅行の際、足を運んでみてはいかがでしょうか? きっと、生誕の地ならではのオーラを感じられるはずです。 [ライター・画像 / PINO]
イタリアは古代ローマの歴史と山と海に囲まれた自然豊かなとても美しい国で、古今多くの旅行客を魅了させてきました。 日本からもイタリアに旅行される方は多いと思いますが、ツアーや電車、バスの移動ではなく、クルマでしかアクセスできないビーチや湖、スキー場など、自由に回りたいと思われたことはありませんか? そこで今回は、イタリアをクルマで旅行する際に是非知っておいて頂きたい、日本人からしたらそんなことあり得るの?!という常識をシェアしたいと思います。 まずは基本情報から。 イタリアでは日本の運転免許証を所有している方ならば、日本で「国際運転免許証」を発行すれば誰でも運転することができます。 クルマは左ハンドルで右側通行。 そのため高速道路は日本とは逆で、左側が追い越し車線になっています。 また、イタリアでは大半がMT車になるので、レンタカーもAT車を見つけることが困難、もしくは値段が高い可能性があります。 超基本的なことはそのくらいで、以下はもう少しディープな内容をお届けします! あり得ない!?日本人には理解不能なイタリアの道路事情 ランナバウトが多すぎる 基本的にどこへいっても信号機の代わりにランナバウト…しかしこのランナバウトがかなりやばい…。 街中にあるランナバウトの場合、写真のようにランナバウトを抜けたすぐ先に横断歩道があり、ランナバウトを抜けたからといって安心してスピードを上げると超危険。 特に南イタリアのはランナバウト内で渋滞が発生しクラクションの音が鳴り響き、えらいこっちゃになっていました。 もはや信号機設置すれば?と突っ込みたくなります。 一般道路でも追い越しは当たり前 高速道路での追い越しは当たり前ですが、一般道路でも安全な速度で走っていると、よく後方車に追い越されます。 危険な追い越しをする人も多いので、のろのろではなく、追い越しされないような適切な速度で走ることも、イタリアでは大切です。 信号のない横断歩道が沢山! 日本と比較すると、イタリアは歩行者用横断歩道の信号機が付いていないことが多いので、横断歩道手前に歩行者や自転車が待っていたら必ず止まりましょう。 歩行者用の信号がない故か、イタリアでは日本より歩行者優先が根付いていると感じます。 ウィンカーを使わない人が多い 面倒なのでしょう、ウィンカーを使わない人が多すぎます! そのため、予期しないところでいきなり右左折するクルマが多いので、気を付けてください。 また一般道路だけではなく、高速道路の車線変更時にもウィンカーを使わないクルマが散見されますので、「周囲のクルマはもしかしたら右左折、車線変更をするかも」と常に念頭に置いて運転すると良いと思います。(南に行けば行くほどウィンカーの使用頻度は下がります…) 荷物はクルマの中に置きっぱなしにしない トランクにトノカバーが付いていれば、荷物をそちらに隠せばよいですが、外から荷物が見えてしまう場合は必ず荷物はホテルに置くか、持ち歩くようにしましょう。 窓ガラスを割られ、荷物を取らる危険性があります。 私の友人は昼中であったにもかかわらず、窓ガラスを割られ、パスポートなどが入ったカバンとカメラを持っていかれたことがあります。 怖そう?でも優れている点だってちゃんとある! ここまでイタリアの悪口のようになってしまいましたが、良いところも少し紹介したいです! 渋滞の時は日本と同じでハザードランプで後方車に知らせる 規則としてはどこにも載っていないですが、日本と同様、前方に渋滞が確認できた場合はハザードランプで後方車に知らせます。 イタリア人は皆縦列駐車のプロ イタリアは建物を建てようとしたら遺跡が発掘され、工事ができない等という話をよく聞きます。 そのため地下駐車場や立体駐車場はなかなか見つけることが困難です。 そこでイタリア人は路駐をすることが多いため、自然と縦列駐車が得意になるのでしょう。 時には車間距離が数センチで駐車されているクルマもあり、どうやってここから出るんだ…と真相は謎につつまれたまま。 イタリアで運転する予定がある方は、縦列駐車を事前に練習すると良いと思います。 イタリアのアパートメントには駐車場がないところも多く、以下写真のようにアパートの横に路駐というのが一般的です。 さらにこちらは両側に路駐しているので、道幅がかなり狭まってしまっています。 イタリアでは道路も立派な駐車場です(笑) 駐車スペースの色分けには意味がある! さて、イタリアでは駐車スペースが3色に分けられています。 黄色:そこの建物に住んでる方限定の駐車場(駐車禁止です) 青:お金を払えばだれでも駐車可能。ただし祝日や週末、時間帯によっては無料になる場合がある 白:誰でも無料で利用可能な駐車スペース というふうに、3色に分けられています。 白の駐車スペースを見つけることができれば一番無難ですが、青しかない場合は、下記画像の機械を使って駐車チケットを購入し、チケットは車のフロントガラスから見える位置に置きましょう。 もし警察が見回りに来た際にチケットがないと、罰金を課せられてしまいます。 ゲートの前や、出入り口には絶対に駐車しない ウィンカーは使わないのに、これだけは徹底しているイタリア人。 縁石ブロックが一段低くなっているところには、家のゲートやお店の出入り口があるので「縁石ブロックが一段低くなっている=車の出入りが予想される」ということで、縁石ブロックが一段低くなっているところには駐車しないのが基本です。 ラッキー空いている!と思って駐車する前に、縁石ブロックが一段低くなっていないか確認してみてください。 初心者の見分け方 例の日本の初心者マークは存在しませんが、いわゆる初心者、あるいはまだ免許は取得していないけど、実道路で練習中の場合、「Principiante」(初心者)の頭文字をとった「P」が手書きされた紙を車輌に貼り付けることになっています。 なので、下記の画像のように「P」が貼られたクルマを見つけた場合は、手加減してあげてくださいね。 Boun viaggio! イタリアで運転予定のあなたへエールを さて、現地の生々しい交通事情を包み隠さずお伝えしましたが、イタリアで運転する勇気は湧きましたでしょうか。 イタリアはもちろん有名な都市同士は公共交通機関でスムーズな移動が可能ですが、ツアーではなかなか行けない地に不自由なく気軽に行きたい場合、クルマは必需品となります。 イタリア旅行で運転される際、上記の内容をもとに事前にイメージトレーニングをし、安全な旅行になるように祈っています! Boun viaggio! [ライター・画像 / PINO]
毎年、6月に北イタリアで開催されるアンティークカーのためのレース「Silver flag」観戦してきました。 現地から新鮮な現場の様子をお届けできたら幸いです。 レース参加者にもインタビューすることに成功しましたので、最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです。 Silver flagとはどんなイベント? 私はこのイベントの開催地の近くに住んでいます。 1年間心待ちにしていたのでしょう、イベントが近づくにつれ、街では地元のおじさんたちが「Silver flag」について会話をしているのが頻繁に耳に入ってくるようになりました。 地元民からも溺愛されるイベント「Silver flag」ですが、実際にイベントに行ってみると、北欧やイギリス等の欧州内のさまざまな国から参加者が募っていました。 イベントについて少し紹介をします。 1953年から、同地でピアチェンツァ自動車クラブの主催によって、平原のストレートからアスファルトの勾配が生み出す難易度の高いヘアピンカーブでのルートで競い合うヒルクライムが開催されていました。 しかし1974年には、20年もの間の続いたイベントに終止符を打つことに。 そこから長い歳月を経て1996年、当時のヒルクライムを再誕させようと始まったのが「Silver flag」なのです。 当イベントはタイムアタックを競うイベントではなく、レーシングカーの保存状態と修復度を競う方式がとられています。 北イタリアの街「Castell’Arquato (カステッラルクアート)」を出発し、「Vernasca (ヴェルナスカ)」に到着するという約9kmのコースで、このコースをアンティークカーたちが例の大きなエンジン音とともに颯爽と駆け抜けていきます。 カステッラルクアートもヴェルナスカも都市ではなく、非常に小さい街で、ここに欧州各国からレースカーを引き連れてきたのかと考えると、参加者のイベントへの情熱、クルマに対する熱意がひしひしと感じられます。 イベントは毎年3日間続き、会期中はパーティーなども開催されるため、国を超えた参加者の友好は深まって、同志の友情はきっと一生ものになるのでしょう。 1日目と2日目は展示車輌を間近で見るチャンス! さて、イベントの1日目、2日目はカステッラルクアートでクルマの展示が行われます。 入場料等一切なく、誰でも気軽に参加でき、言葉が通じればクルマのオーナーとも気軽に話すことができます。 上述したように、イベントには多国籍の参加者が集うため、英語でのやり取りをしている様子がうかがえました。 余談ですが、カステッラルクアートは中世の町並みがそのまま残された非常に美しい魅力あふれる街ですので、観光も楽しめること間違いなしです。 今は亡きデ・トマソや、フェラーリレインボー、アバルトなど、珍しいクルマがあちらこちらに展示されており、興奮が止まりません。 これらのクルマすべてが、3日目にはレースに参加します。 また、日本ではもしかしたら知名度が低いであろう、ランチアのレースカーも多く参加していました。 ランチアは今となってはあまり盛り上がっているブランドではないですが(イタリアではたまに見かけます)、かつてはカーレース界で多くの功績残した最高のレースカーを製造していたのです。 昨今、ブランドのリニューアルを目指し動き出したようで、イタリアでは再び注目を浴びているブランドです。 イベントには非常に有名なストラトスや、実際にレースで賞を受賞した以下の車輌が参加していました。 当時のキズを修復せずにあえてそのままの状態なのは、輝かしいレースの思い出を消さないようにあえて残しているようにも感じました。 誰もが憧れるマセラティも数多く出場していました。 ▲私は、こちらのマセラティが総合優勝を勝ち取るのではないかと、予想していました! いよいよ本番3日目!実際に走るクルマの姿と音を堪能! イベント3日目になると、展示されていた車はまるで長い冬眠から目を覚ましたかのよう。 この瞬間を待ってたよ!と言わんばかりに大きなエンジン音を鳴り響かせ、スタート地点に向かいます。 スタート地点では多くの観客が集まり、イベントはかなりの盛り上がりを見せています。 こちらのクルマは皆さん見たことありますでしょうか。 スタート地点で待機するのは今は亡き、チシタリアのクルマです。 少しイタリアらしいエピソードを・・・。 出発直後、この個体がエンストしてしまうやいなや、即座に観客席から数人立ち上がり、助けにいく姿が見られました。 見て見ぬふりができない、いい意味でおせっかいなイタリア人らしい光景だな、と思いました。 その後、私たちもゴール地点のヴェルナスカへ向かいました。 ヴェルナスカではすでに到着したクルマが陳列されており、レア車が広場に敷き詰められた景色は圧巻としか言いようがありません。 午後の表彰式が行われるまでの間、参加者はお昼ご飯を食べたり、友好を深めたりと、イベントは常に盛り上がりと活気で満ちあふれています。 ▲イベント参加者たちが集まってテントの下で昼食を食べている様子です ここでも余談ですが、ヴェルナスカは丘で囲まれ、緑が豊かな風情で、典型的なイタリアの小さな田舎町といった感じです。 さてさて、表彰式が始まりました。 表彰はブランド別に分かれているようで、なんと、以前お伺いした「Alfa Blue Team」から参加したクルマが、アルファ ロメオ部門で賞を受賞していました。 ・「Alfa Blue Team」についてはこちら公式クラブ「Alfa Blue Team」訪問記公式クラブ「Alfa Blue Team」訪問記https://www.qsha-oh.com/historia/article/alfa-blue-team/ 何十年も参加してきたけど、受賞は初めてだよ!と感極まった様子でした。 そして総合優勝されたのがこちらのフェラーリ。 確かに古さを一切感じさせない、素晴らしい修復度です。 こうして今年も3日間にわたるイベントに幕を閉じました。 レース参加者さんにインタビュー! さて、レースに参加したヴァレリオさんに、レースに対する想いなどお話を聞くことができました。 イタリア人はどんな想いでこのイベントに参加しているのか気になりますね。 Silver flagには何度出場したことがありますか? 12回目ですかね、コロナの影響で一度キャンセルされたから11回目か?そのくらいです。 このイベントに対する情熱は何?そしてそれはどこから来るのですか? それは恋のように、なぜ好きで、どこらかやってくるかわからないものなんですよ。 なぜこちらのジュリアGTAに乗っているのですか? クルマを買おうとしていたとき、他にもアンティークカーアルファ ロメオの選択肢が多くありましたが、このクルマの容姿がとにかく気に入ったんです。特にこのクルマは実際にレースに使われるために開発され、このクルマが持つスポーツヘリテージが非常に魅力的でした。 一番好きなアルファロメオの車種は何ですか? ジュリアスーパーですね! どのようにアルファロメオに興味を持ち始めたのですか? 僕の記憶があるときから父がアルファ ロメオを乗っていて、アルファ ロメオは当時一番有名で、イケていて、彼女に恋をしたのです。そして今アルファ ロメオを運転していると、父がいつも隣にいてくれている気がするんですよね。私には二人の子供がいるのだけど、二人ともアルファ ロメオに乗っています。息子においては、はじめミニクーパーに興味があったので、彼をアルファ ロメオ色に染め上げるのは大変でした。 日本車についてはどう思いますか? 日本は便利な機能を搭載したクルマのみではなく、レースで優勝してしまうクルマまで生み出して素晴らしいと思います。特にトヨタGR Gazoo Racingには感心しますね。もし今からクルマのコレクションを始められるとしたら、オレンジ色のホンダ360が欲しいです。 日本に住むAlfisti(アルフィスティ=アルファロメオファン)にメッセージはありますか? Alfistiだからと言って特定の車種を所有する必要はないし、高級なクルマも要らない、それよりも大切なことは好きという気持ちなんです。イタリアと日本は物理的距離があるけれど、そんなことは関係なく、例えば小さなキーホルダーを持つことだっていいし、安い中古車を買うことだっていい。もしその人がアルファ ロメオに対して情熱があればもう立派なAlfistiなんです。 ▲ジュリアGTAでSilver flagに参戦したヴァレリオさん 地元民からも、国境を越え欧州中からも愛されるイベントSilver flagは、この先も同じ情熱を持つ者同士の熱い戦いの場として盛り上がることでしょう。 いつか私も自分のアンティークカーを連れて参加してみたい、そう思いました。 [ライター・画像 / PINO]