トヨタ ハイラックスは現行の国産車で唯一残っているピックアップトラックです。
商用車のイメージが強かったハイラックスですが、いまやその力強い外観や快適性が一般ユーザーにも受け入れられ、シリーズ累計で約2000万台を売り上げるほどの人気を見せています。
今回はそんなハイラックスの歴史について順を追って紹介していきましょう。
現行で8代目になるハイラックスシリーズ
ここでは50年以上もの歴史を重ねてきているハイラックスシリーズについて、1968年の初代モデルから紹介していきます。
日野自動車との共同開発で生まれた初代
初代ハイラックスはトヨタの「ライトスタウト」と、日野自動車の「ブリスカ」の統合モデルとして1968年3月に登場。トヨタが企画し、設計と組み立ては日野自動車で行われました。
エンジンは1.5リッターの直列4気筒を搭載し、グレードは通常の「スタンダード」と快適仕様の「デラックス」をラインナップ。1969年4月には、荷台長を2,250 mmに延長したロングボディタイプも追加されています。
また、当時のアメリカ市場では、まだハイラックスではなく「トヨタ トラック」の名で販売されていました。
快適面や安全面が考えられた2代目
1972年5月に発売した2代目は標準の1.6リッターエンジンにくわえ、2.0リッターエンジンを搭載し、高速道路での走行を考慮した「ハイウェイ」が新たに設定されました。
同時に「ハイウェイ」はハイラックスとしては初のフロア3速ATも搭載。また、全グレードでマスターバック付タンデムマスターシリンダー式ブレーキのほか、荷物の積載で変化する車高を感知し、前後の制動力分配を調節するロード・センシング・プロポーショニング・バルブなどを採用し、2代目は安全面も大きく進化しています。
バリエーションが広がった3代目
1978年9月に登場した3代目は、アメリカのようにピックアップトラックを乗用車代わりやレジャーでの使用を提案し、現在のSUVブームを先取りしたようなモデルです。
フロントサスペンションは従来のダブルウィッシュボーン式のまま、コイルスプリングからトーションバーに変更。デラックス以上のグレードには、フロントディスクブレーキが標準採用されています。
また、1979年10月にはハイラックス初の4WD、同年12月に2.2リッターディーゼルエンジン搭載モデルを追加。さらに、1981年10月には2列シートの「ダブルキャブ」を加え、ラインナップの拡充が図られたモデルです。
ハイラックスサーフを生み出した4代目
1983年11月に発売した4代目は、純粋なフルモデルチェンジの「コンフォタブルシリーズ」と、それまでの3代目を継続生産させた「ポピュラーシリーズ」の2車種で展開。コンフォタブルシリーズの4WDモデルには、新設のボディが用意されました。
そして、1984年5月にはトヨタの元祖SUV「ハイラックスサーフ」が登場。ステーションワゴン化された広い居住空間と荷室スペースを確保し、既に始まっていたRVブームに対応することで人気を博しました。
乗用車色を強めた5代目
5代目は「強力、強靱、快適」をコンセプトとして掲げ、1988年9月に発売。曲線を多く使った内外装により、さらに乗用車ライクな見た目になりました。
商用車仕様の2WD車、レジャー仕様の4WD車といったように、5代目は駆動方式でキャラクターを差別化し幅広いニーズに対応しています。
また、1989年にはフォルクスワーゲンと提携し、OEM車として「フォルクスワーゲン タロー(太郎)」が欧州で発売されました。
RVブームに乗って一般層に広く受け入れられた6代目
1997年9月に発売した6代目では、これまでのビジネスユーズに加え、レジャー使用を前提にした「スポーツピックアップ」を新たに設定。室内高及び室内長を拡大し静粛性も高めたことで、乗用車としての快適さを飛躍的に向上させています。
さらに後部に2名分の補助シートを備えつつ、広大な荷室を確保した「ワイドボディエクストラキャブ」も新設。バリエーションが用意されたとともに、当時のRVブームもあって非常に高い人気を獲得し、令和の現在でも高い支持を獲得しています。
全世界180か国以上に普及した7代目
2004年8月に登場した7代目ですが、タイ、南アフリカなどの新興国向けに生産された世界戦略車であるため、日本国内では販売されませんでした。
商用車を乗用として使用する地域向けに生産された7代目は、先代よりもボディを拡大し、さらに広い室内空間と居住性を実現。この7代目をきっかけに、ハイラックスは全世界に普及し、世界180か国以上で生産・販売されることになります。
販売2か月で年間売上目標台数を突破した8代目
現行モデルの8代目は、2015年に海外で発売を開始し、日本では2017年9月に導入されました。
6代目から約13年の空白期間を経て登場した8代目は、7代目同様、全長5,335mm、全幅1,855mmと大柄なボディサイズを採用。ボディ展開は4ドアのダブルキャブのみ、エンジンは2.4リッターディーゼルターボ「2GD-FTV型」を搭載し、先進的な外観や快適な乗り心地を実現しています。
日本市場への復活という話題性と、現在も続くSUVブームの波に乗り、発売直後には月販目標台数2,000台の2倍となる約4,000台を受注。(トヨタ発表)国産で唯一のピックアップトラックとして、不動の地位を確立しています。
ハイラックスの中古車市場
そんなハイラックスですが、中古車市場はどうなっているのでしょうか。現在も人気の高い6代目に的を絞り、大手中古車サイトでの在庫を調べてみました。
記事執筆時の2021年12月時点で在庫が103台残っており、車体価格は平均で168.5万円。最高額の個体では1998年式の4.7万km走行、ダブルキャブモデルで278万円のプライスでした。
一
方、旧車王の買取査定では、2001年式の8.1万km走行のダブルキャブで85万円となった事例があり、ハイラックスは年数が経っても高額買取が狙える車種だということがわかります。
まとめ
世界各国に認められた使い勝手の良さと、トラックとは思えないほどの快適性を持つトヨタ ハイラックス。
商用車と乗用車の2つの長所が組み合わさったハイラックスの需要は未だに高く、現行モデル発売時の購入ユーザーの6割が20代の男性だったというデータも出ています。
6代目ならばまだそれほど高騰しておらず、在庫も豊富。ピックアップトラックに興味を持ったのなら、ハイラックスはぜひ注目していただきた車種のひとつです。
[ライター/増田真吾]
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