白いボディに大きな「風林火山」のカッティングロゴ。タケヤリ仕様として話題を集めたFC3Sは、今見ても存在感があります。しかし、風林火山・FC3Sは見た目だけではなく、サーキットでも高い実力を示しました。
販売終了から10年近くが経過しても第一線で戦えることを証明した風林火山・FC3Sの開発秘話を中心に、FC3Sの実力の高さを改めて紹介します。
オーナーに夢を与えた風林火山・FC3S
1990年代初頭に販売が終了したサバンナRX-7 FC3Sですが、2000年代に伝説のチューニングプロジェクトが立ち上がりました。タケヤリ山路氏とRE雨宮が手掛けた、風林火山・FC3Sです。
FC3Sの概要とともに、風林火山・FC3Sの開発秘話を振り返ってみましょう。
サバンナを冠した最後のRX-7
2代目RX-7のマツダ サバンナRX-7 FC3Sは、1985年から1992年まで販売されました。RX-3から引き継いできた、伝統の「サバンナ」という名称が与えられた最後のモデルです。RX系の集大成として、ロータリーエンジンの実力を世界に知らしめました。
FC3Sへのモデルチェンジでもっとも話題になったのは、新開発の13B-T型ロータリーターボエンジンです。前期型で185ps、最終のアンフィニIIIでは215psもの最高出力を発揮。さらに、軽量コンパクトなロータリーエンジンの利点を活かし、わずか1.2tの車重と前後重量バランスのよさからライバル車と肩を並べる存在でした。
5万円の事故車をレストア&フルチューン
風林火山・FC3Sとは、タケヤリ山路こと故・山路慎一選手が筑波最速を目指してRE雨宮と共同で立ち上げたプロジェクトです。また、ベース車輌は5万円で購入した大事故車だったことから、FC3Sオーナーの間で話題になりました。
フレームが曲がるほどのダメージでエンジンもまともに動かない状態でしたが、RE雨宮の協力のもと丁寧に補修箇所の修復が進められます。また、同時に各部の補強やチューニングも施され、最強のFC3Sへと変貌を遂げました。
また、白に塗装されたボディサイドにはFC3Sの直線を活かすようにカッティングステッカーが貼られ、峠を走るストリートカーのような雰囲気を醸し出しています。東京オートサロン2002で、チューニングカー部門のグランプリに輝きました。
RE雨宮だから実現した最強FC3S
風林火山・FC3Sは、RE雨宮のチューニングによって最強と呼べるにふさわしいスペックに仕上げられました。エンジンは13BターボをベースにTD07S-25Gタービンをセットし、最高出力は463psにまで高められています。
足回りは、ダンパーはクァンタムベースのRE雨宮スペック、スプリングはスウィフト製という組み合わせを選択。ロール時の前後キャンバー変化量の違いを抑える、最適なセッティングが施されています。
また、製作にあたっては、事故車という点も多大に考慮されました。事故を修復すると剛性が下がってしまうため、ボディに直接溶接したロールバーが張り巡らされています。
RE雨宮のフルカウルプロを軸にまとめられたエアロパーツは、リアウィングが特徴的です。フロントオーバーハングの長いFC3Sの特性を考えて、できるだけ後方に装着されました。エアロパーツまで含めて、筑波最速を目指して綿密に設計されていることがうかがい知れます。
旧車王の販売中車輌
🚗入庫速報🚗
コンディション良好なER34スカイラインをお譲りいただきました。右フロントに軽微な歪みがある修復歴こそありますが、走行や安全面への影響はほぼなし。それ以上に魅力が詰まった1台です。
ボディカラーは、あの“ライトニングイエロー”。もちろん純正オリジナル。… pic.twitter.com/tiVAM3FGJ0— ガレージカレント直販センタ (@GC__direct) July 3, 2025
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国産快速ワゴンの絶滅危惧種——エボワゴン、入庫です。SUV全盛のいま、“走れるワゴン”を探すならこれ一択。
セダン譲りの低重心とドライビングポジションを持ちながら、
ラゲッジはしっかり広くて実用的。
「速さも快適性も欲しい」——そんな欲張りな大人のための1台です。… pic.twitter.com/L6a6tU9wZX— ガレージカレント直販センタ (@GC__direct) July 3, 2025
驚異的な記録を樹立したFC3Sの実力
FC3Sは峠でのイメージはあるものの、あまりモータースポーツでの活躍の印象はありません。しかし、実はレースの世界でも、FC3Sの高い実力が証明されています。
風林火山・FC3Sが筑波サーキットで樹立した記録も含めて、レースでの活躍を振り返ってみましょう。
風林火山・FC3Sが筑波で残した大記録
風林火山・FC3Sは、開発の目的だった筑波サーキットのタイムアタックで58秒890という大記録を叩き出しました。FC3Sの実力とともに、RE雨宮のチューニングとタケヤリ山路選手のドライビングがもたらした結果といえるでしょう。
真実は不明ではありますが、後発のFD3Sや日産 R34型GT-Rなどが筑波サーキットで58秒台という情報は確認できました。FC3Sが1980年代に発売されたことを考えると、風林火山・FC3Sがマークした記録がいかに驚異的だったかがわかります。旧車の枠に収まらない高い実力は、多くのRX-7に夢を与えました。
あの土屋圭市氏がドライブしてモータースポーツでも活躍
一般的に、FC3Sはモータースポーツのイメージが薄いかもしれません。しかし、JSS(ジャパンスーパースポーツセダン)ではタイトルこそ獲得できなかったものの、数々の勝利を挙げ、その実力の高さを証明しました。
特に1991年の最終戦となった富士スピードウェイでの雨のレースにおいて、土屋圭市選手(ドリキン)が見せたドリフト走行は、伝説として今も語り継がれています。
FC3Sによって地位を確立したRX-7
サバンナの集大成とも呼べるFC3Sは、ロータリーエンジンとスポーツカーRX-7の地位を確立しました。ボディデザインこそ直線基調から曲線ベースに変更されましたが、リトラクタブルライトやワイド&ローに構えるスタイリングといった特徴は、後発のFD3Sにも引き継がれています。
また、しっかりとしたチューニングさえ施せば、現代でも十分戦えるマシンであることを風林火山・FC3Sが証明しました。タケヤリ山路氏の情熱とRE雨宮の技術力が不可欠だったことはいうまでもありませんが、ベースの設計から実力が高い車種であることは間違いありません。
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