高齢者による免許の自主返納は、事故に繋がらない取り組みとして実施する人が増えています。自主返納をすることで、運転自体に不安を感じていた家族やご本人が安心できる一方で、運転ができなくなるというデメリットもあります。今回は、高齢者が免許を返納すると生じるデメリットについて紹介します。
高齢者が免許返納するデメリット
免許の自主返納は何歳からでも可能です。法律的によって異なるものの、一般的に「高齢者」と定義される65歳以上からとされています。65歳以上に免許の自主返納をすると、各自治体や県によってお得なサービスを受けられるメリットがあります。
一方で、デメリットがあるのも現実です。ここでは、高齢者が免許返納するデメリットについて紹介します。
移動に時間がかかる
車があれば好きなタイミングで行きたい場所へ出かけられるでしょう。しかし、免許返納すると、公共交通機関を利用することになり、車よりも移動に時間がかかるようになります。
生活圏によっては生活必需品の購入に困る
都心に住んでいたり、近所にスーパーやお店などがあったりすれば、生活必需品の購入に困ることはないでしょう。しかし、バスや電車を利用しないと買い物に行けない場合は、生活必需品の購入に困る恐れがあります。例えば、シャンプーが切れたことに今気づいて、すぐに買いに行く必要がある場合にも、買いに行けなくなるかもしれません。
家族に負担がかかる
車の運転ができないために、車を運転できる家族に目的地へ送ってもらう場合があります。そうなれば家族に大きな負担がかかるでしょう。「免許を返納するということは、運転ができなくなること」「自分たちが移動をサポートすることになる」といったことを理解してくれている場合もあります。それでも、免許返納をした本人にとっては、家族に負担がかかるのは避けたいのではないでしょうか。
高齢者の免許返納のデメリットを抑える方法
高齢者の免許返納によるデメリットは、少しの工夫で対処できます。ここでは、免許返納によるデメリットを抑える方法を2点紹介します。
特典を活用する
65歳以上の方が免許を自主返納すると「高齢者運転免許自主返納サポート」を受けられます。免許を自主返納する際に所定の手続きを行うと、「運転経歴証明書」を発行してもらえます。「運転経歴証明書」は、特典を受けるために必要です。
主な特典の内容は自治体によって異なりますが、タクシーやバスなどの公共交通機関を割引料金で利用できたり、商品券の贈呈・店舗での買い物した商品の宅配してくれたりします。この特典を活用することで、車がないために不便な生活を強いられれている状況が少し良くなるかもしれません。
通販を利用する
通販を利用することも視野に入れましょう。通販は、大量の商品を購入しても自宅に運んでもらえるので、買い物に出る必要がありません。また、県外でなければ買えない商品も自宅まで届けてもらえます。
免許返納した高齢者の感想は?
ここで、免許を返納した高齢者の感想を紹介します。
高齢者の自動車運転および運転免許証の返納に関する実態と意識についてによると、運転免許を返納した返納者の内、23.2%の人が「大変良かった」、52.1%の人が「良かった」との回答から、合計75%を超えるポジティブな評価が見られます。
「買い物の不便」などのデメリットや「外出頻度の低下」などが上がるものの、「事故を起こす心配がなくなったこと」「車の維持費がかからなくなった」「運動量が増えて健康になった」などのメリットもあります。結果、免許を返納してよかったと感じている人が多くいることがわかります。
出典元:高齢者の自動車運転および運転免許証の返納に関する実態と意識について
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