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車の相続において遺言書はどのように関係する?遺言書の役割やない場合の相続方法を紹介

目次
1.車の相続における遺言書の役割 2.遺言書がない場合の車の相続方法は? 3.車の相続手続きの流れ

生前に被相続人が遺言書を残しているケースがあります。車の相続において、遺言書がどのように関係するのか、気になる方もいるでしょう。この記事では、車の相続における遺言書の役割や手続きの流れなどを紹介します。

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車の相続における遺言書の役割

遺言書は、誰にどれだけの資産を分配するのかを被相続人(亡くなった人)が指定する書類です。法律で定められたルールのもとで作成され、法的な効力を持ちます。

被相続人の遺産は、基本的に相続できる優先順位が定められており、以下の順に相続権が与えられます。

・1位:被相続人の配偶者(必ず相続人になる)・子ども
・2位:被相続人の両親
・3位:被相続人の兄弟姉妹

例えば、被相続人に配偶者と子どもがいる場合は2人に相続権が与えられるため、被相続人の両親や兄弟姉妹は相続できない仕組みです。ただし、遺言書に「兄の長男に相続させる」と記載がある場合は、被相続人の意思が優先されます。

遺言書があるとはいえ、配偶者や子ども、被相続人の両親の権利である遺留分は守られます。遺留分とは、相続人が最低限の相続財産を請求できる権利のことです。遺産を遺留分を超えて取得した方に「遺留分侵害額請求」を行う必要があります。

また、遺言書には以下3種類があり、自筆証書遺言と秘密証書遺言の場合は家庭裁判所での「検認手続き」が必要です。

・公正証書遺言
・自筆証書遺言
・秘密証書遺言

公正証書遺言は、法律の専門家の公正人が事前に内容を確認し、遺言書の内容が真実であると証明されているため、検認手続きは不要です。一方、自筆証書遺言や秘密証書遺言は公正人が内容を確認していないため、家庭裁判所で検認手続きをしなければなりません。公正人による確認、もしくは検認手続きされている遺言書でないと、名義変更の添付書類として有効にならないため、注意してください。

なお、自筆証書遺言や秘密証書遺言では、記載漏れや内容が誤っているケースがあります。例えば「〜に相続させる」としか記載されていない場合や、車名や車体番号を間違えているケースです。記載漏れや内容が誤っている遺言書では手続きできないため、相続人間で被相続人の意思をくみ取って「遺産分割協議書」を作成しましょう。

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遺言書がない場合の車の相続方法は?

遺言書がない場合は「誰が車を相続するのか」を相続人全員で話し合います。話し合いの中で決めたことを「遺産分割協議書」にまとめて、名義変更の添付書類として提出しましょう。

遺産分割協議書は以下の内容を記載し、相続人全員の実印を押印します。

・被相続人の氏名
・新所有者の氏名
・車のナンバーと車体番号
・相続人全員の氏名と住所

また、相続する車の価値が100万円以下の場合は「遺産分割協議成立申立書」でも、名義変更の添付書類として提出できます。遺産分割協議成立申立書は新所有者のみで作成でき、相続人全員の実印が不要です。遺産分割協議書を簡略化した書類であり、相続人全員の実印を押印する手間がないため、スムーズに車を相続できます。

ただし、遺産分割協議成立申立書で手続きする場合は、車の価値が100万円以下であること証明しなければなりません。価値が100万円以下であることを証明するには、ディーラーや自動車販売店に車を査定してもらう必要があります。査定の結果が記載されている「査定書」を入手して、遺産分割協議成立申立書に添付しましょう。

車の相続手続きの流れ

車の相続手続きは、必要書類を揃えて陸運局で名義変更手続きすると完了します。続いて、車の相続手続きの流れを紹介します。

車の所有者を確認する

まずは、車の所有者を確認しましょう。なぜなら、被相続人が車をローンで購入していると、ローン会社やクレジット会社が所有者になっているケースがあるからです。所有者を被相続人に変更するには、ローンを完済して「所有権解除」の手続きをしなければなりません。所有者になっているローン会社やクレジット会社に相続したい旨を伝えて、所有権解除の案内をしてもらいましょう。

また、車検証は「道路運送車両法第66条」により、車に備え付けることが定められています。車内にあるケースが多いため、グローブボックス内の車検証入れや、ドアのサイドポケットなどを探してみてください。なお。車検証が見つからない場合は、陸運局で再発行する必要があります。

相続人を確認する

続いて、相続人が誰なのかを明確にします。遺言書があれば、記載されている方が新所有者です。ただし、遺言書がない場合は「誰が車を相続するのか」を相続人全員と話し合って、新所有者を決めなければなりません。

また、話し合う際は相続人に漏れがあると、後にトラブルに発展する可能性があります。特に被相続人が再婚している場合は、元配偶者との間に子どもや養子がいるケースもあるでしょう。被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本や除籍謄本、改製原戸籍をしっかり確認し、トラブルに発展しないよう相続人全員を正確に確認してみてください。

必要書類を準備する

新所有者が決定したら、陸運局に提出する書類を準備します。相続手続きに必要な書類は以下のとおりです。

■1人で相続する場合
・被相続人の戸籍謄本※死亡した事実と相続人全員を確認できるもの
・相続人の戸籍謄本
・相続人の印鑑証明
・相続人の実印※代理人に手続きを依頼する場合は実印を押印した委任状
・車庫証明書※保管場所に変更がない場合は不要
・車検証

■相続人のうちの1人が相続する場合
・被相続人の戸籍謄本※死亡した事実と相続人全員を確認できるもの
・代表相続人の戸籍謄本
・代表相続人の印鑑証明
・代表相続人の実印※代理人に手続きを依頼する場合は実印を押印した委任状
・遺産分割協議書※遺言書がある場合や相続人が1人しかいない場合は不要
・車庫証明書※保管場所に変更がない場合は不要
・車検証

■複数人で相続する場合
・被相続人の戸籍謄本※死亡した事実と相続人全員を確認できるもの
・相続人全員の戸籍謄本
・相続人全員の印鑑証明書
・相続人全員の実印※代理人に手続きを依頼する場合は全員の実印を押印した委任状
・車庫証明書※保管場所に変更がない場合は不要
・車検証

■軽自動車の場合
・被相続人の戸籍謄本※死亡した事実と相続人全員を確認できるもの
・相続人の住民票もしくは印鑑証明書
・車検証
・申請依頼書
・自動車検査証記入申請書※軽第1号様式

なお、車庫証明書は取得するまでに3営業日程度かかるため、余裕を持って警察署で申請しましょう。

陸運局で手続きする

必要書類を揃えたら、新所有者の管轄の陸運局で名義変更手続きをします。具体的な流れは以下のとおりです。

1.窓口付近に用意されている「手数料納付書」と「申請書※第1号様式」を記入
2.500円分の印紙を窓口で購入し、手数料納付書に貼り付ける
3.車検証を発行している窓口にすべての書類を提出
4.車検証が発行されたら内容に誤りがないかをその場で確認
5.陸運局内に隣接されている自動車税事務所の窓口で「自動車税申告書」を入手して記入
6.窓口で税申告する

ナンバー変更がある場合は以下も行います。

7.ナンバーセンターで新ナンバープレートを受け取る
8.ナンバープレートを付け替える
9.敷地内の封印取り付け場所でナンバープレートを封印してもらう
10.旧ナンバープレートを窓口に返却

陸運局の管轄が変わる場合や、希望ナンバーを取得した場合は、車を持ち込む必要があるため注意しましょう。なお、軽自動車の場合は陸運局ではなく「自動車検査事務所」で手続きする必要があるため、混同しないようにしてください。

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