多くの現役オールドタイマーが走るドイツの自動車事情とは?

目次
1.■ドイツ国内における自動車保有率から見えてくることは? 2.■マーケットシェアと購入実態 3.■アウトバーンで速度制限が設けられているエリアは全体の20.7%

ドイツで毎日のようにクルマを運転していると、旧車を見かける、またはすれ違うことが日本よりも多く感じます。

クルマへのこだわりが強い人が多いのではないか、そのような印象を受け、そもそもドイツでのクルマ事情がどのようなものなのか気になっていました。

この記事ではそんなドイツのクルマ事情について、いくつか見ていきたいと思います。

■ドイツ国内における自動車保有率から見えてくることは?

ドイツでは、全世帯の77%もの割合で、最低1台は自家用車を保有しているというデータがでています。

また、このデータがとられた同じ時期には、2台を保有する世帯は23.4%から27%に、3台以上のクルマを持つ世帯は3.7%から6.1%に増加しています。

人口1000人あたりの乗用車数で見ても、最新のデータがとられた2021年には、過去最高の記録となっているようです。

加えてドイツにはアウトバーンの存在もあり、年間の走行距離が平均14,259㎞におよび、クルマを伴った人々の移動距離も相当なものであることが分かります。

これらの数字からも、ドイツでの生活にはクルマが欠かせないということが見てとれます。
 

▲フォードの旧車、Taunus(画像:筆者撮影)
 

▲よく見かける旧車モデルの一つ、メルセデス・ベンツ190E

旧車王バナー旧車王バナー

■マーケットシェアと購入実態

ドイツのクルマメーカーといえば、メルセデス・ベンツやBMW、フォルクスワーゲン、アウディなど名だたるメーカーが数多くありますが、ドイツ本国におけるシェアはどのくらいなのでしょうか。

2022年の新車登録ランキング、およびマーケットシェアを上位5位に絞り見てみると

1位:フォルクスワーゲン(マーケットシェア18.3%)
2位:メルセデス・ベンツ(マーケットシェア10.6%)
3位:アウディ(マーケットシェア9%)
4位:BMW(マーケットシェア8.2%)
5位:スコダ(マーケットシェア5.8%)

となっています。

もともとクルマに興味があった筆者が初めてドイツを訪れた際、日本ではプレミアムブランドとして認知されている、これらのメーカーのクルマがあたりを駆け巡っている光景を目の当たりにし、衝撃を受けたことをよく覚えています。

いくら本国とはいえ、決して安くはないであろうそのようなクルマが、大量に走っている状況に驚きました。

ドイツでは日本よりもクルマに対してこだわりが強く、お金をかけているということは考えられるのでしょうか。

そこで、2022年に新車登録されたクルマをモデル別に調べてみました。

第1位はテスラ モデルYであり、前年比1064.4%と驚異的な数字となっていますが、スペックやクルマの魅力が大きいことはさることながら、テスラのほかに、フォルクスワーゲンのIDシリーズがシェアを伸ばしてきていることからも、環境問題にとりわけ関心の強いドイツならではという側面があるのかもしれません。

しかし、そのほかのモデルに目を向けると、上位20位にはフォルクスワーゲン  パサートやBMW 3シリーズ、メルセデス・ベンツ  Cクラスやアウディ A6など、比較的上級といえるモデルもランクインしているのは興味深いところです。

さらに、ドイツにおけるクルマの購入形態を調べてみると、中古での購入が27%であるのに対し、新車で購入する人の割合は47%にものぼります。

現地でのクルマ関連メディアをチェックしていると、上記モデルは本国においても価格帯は高く、同等のスペックを持つ日本メーカーのクルマは、コストパフォーマンスに優れていると紹介されているのをしばしば目にします。

それでもなおこれらのモデルが多く購入されていることから、少々強引な解釈かもしれませんが、ドイツではクルマに対するこだわりが強く、お金をかけることに抵抗がない人が多いと捉えることもできるのではないでしょうか。

この点については、比較対象を明確にしたうえで、機会があればさらに調査をしていきたいと考えています。
 

▲メルセデス・ベンツCクラス

▲アウディA6 Avant

▲フォルクスワーゲン パサート

■アウトバーンで速度制限が設けられているエリアは全体の20.7%

さて、ドイツでは平均の年間走行距離が14,259㎞におよぶことに言及しましたが、これにはアウトバーンの存在が大きく関わっていることは、間違いないでしょう。

日本の高速道路のような通行料はかからず、かつ速度制限がないことからも、移動距離を問わず重宝されていることは言うまでもありません。

そこで、このアウトバーンについてご紹介します。

日本の高速道路の総延長は9,231.7km、一方のアウトバーンの総延長は13,192㎞におよびます。

上述したように、アウトバーンと聞くと、速度制限がないということで有名だと思います。

日本でもそのイメージを持つ方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、実際には工事現場、勾配が続くエリア、合流地点付近など、速度制限が設けられているエリアも意外と存在します。

制限速度は130km/h、120km/h、100km/h、80km/h、60km/hなど、状況によりさまざま。

各速度制限が設けられている距離と割合は、130km/h制限が672㎞で全体の4.7%、120km/h制限が2028㎞で全体の7.8%、100km/h制限が1454㎞で全体の5.6%、80km/h制限が585㎞で全体の2.3%、60km/h制限が85㎞で全体の0.3%となっています。

このように、速度制限が設けられているエリアの合計は、アウトバーン全体の20.7%となります。

このほかにも事故などが発生すれば、当然そのエリア付近では速度制限が設けられたり、路面が濡れている場合のみ速度制限が設けられているエリアなどもあります。

この数字を見て多いと感じるでしょうか、少ないと感じるでしょうか。

実際にアウトバーンを走行していると、意外と細かく速度制限が設定されており、標識を気にしながら走ることが多いです。

実際のアウトバーンの様子や走行状況などについては、またの機会に紹介させていただきます。

[画像・Shima,メルセデス・ベンツ,BMW,アウディ,フォルクスワーゲン / ライター・Shima]

 

 

画像1 画像2 画像3 画像4 画像5
画像ギャラリー(全5枚)を見る

旧車王のLINE友だち登録
カンタン査定申し込み!

友だち追加

この記事をシェアする

旧車王ヒストリアは
旧車買取20年以上の旧車王
が運営しています

旧車売るなら旧車王

旧車王は、「自動車文化遺産を次世代へ」という信念のもと、旧車・クラシックカーに特化して24年、年間11,000台以上の査定申込をいただいております。改造車から希少車まで、適正価格を見極めて買取させていただきます。弊社所属の鑑定士が最短当日で全国無料出張査定いたします。ご契約後の買取額の減額や不当なキャンセル料を請求する二重査定は一切ありません。特別なそして価値ある希少車の買取こそ、確かなノウハウと実績を持つ旧車王にお任せください!

すぐ査定依頼が可能!

旧車王サイトはこちら

まずは車について気軽に相談したい

どんな相談ができるの?

関連する記事

ベルリンの街でスタイリッシュなクラシックカーを探そう!

ベルリンの街でスタイリッシュなクラシックカーを探そう!

海外現地レポ 2023-07-11
愛車がすべてという考えはいささか危険かもしれないという話

愛車がすべてという考えはいささか危険かもしれないという話

ライフスタイル 2024-05-18
初代マツダ サバンナはあのGT-Rよりも速かった!? RX-3とも呼ばれる最速マシンの歴史を振り返る

初代マツダ サバンナはあのGT-Rよりも速かった!? RX-3とも呼ばれる最速マシンの歴史を振り返る

旧車の魅力 2024-05-17
240Zのリセールバリューを最大化させるコツとは?旧車専門店が教えるポイントを解説

240Zのリセールバリューを最大化させるコツとは?旧車専門店が教えるポイントを解説

旧車市場動向 2024-05-17
雹害車を修理するならまずこれをチェック!方法・依頼先・費用を紹介

雹害車を修理するならまずこれをチェック!方法・依頼先・費用を紹介

旧車売買の豆知識 2024-05-17
クルマの修理と買い替えはどっちがよい?悩んだときの解決方法を紹介

クルマの修理と買い替えはどっちがよい?悩んだときの解決方法を紹介

旧車売買の豆知識 2024-05-17
トヨタ 初代セリカ 1600GTはスペシャリティという新たなジャンルを切り開いた名車!

トヨタ 初代セリカ 1600GTはスペシャリティという新たなジャンルを切り開いた名車!

旧車の魅力 2024-05-16
ホンダ初の量産型乗用車N360の圧倒的な実力とは?! 和製ミニクーパーとも呼ばれた魅力に迫る

ホンダ初の量産型乗用車N360の圧倒的な実力とは?! 和製ミニクーパーとも呼ばれた魅力に迫る

旧車の魅力 2024-05-10

記事ランキング

1
固着したネジでも諦めないで!回らないネジの緩め方アラカルト

固着したネジでも諦めないで!回らないネジの緩め方アラカルト

ライフスタイル 2023-09-14
2
ナンバープレートから個人情報は特定できる?特定できる情報を解説

ナンバープレートから個人情報は特定できる?特定できる情報を解説

旧車売買の豆知識 2023-10-27
3
MT車(マニュアル車)の運転方法とは?発進・停止・ギアチェンジ・坂道発進のコツを解説

MT車(マニュアル車)の運転方法とは?発進・停止・ギアチェンジ・坂道発進のコツを解説

旧車売買の豆知識 2024-04-19
4
車検ステッカーの貼り付け位置はどこ?間違えた場合の罰則も紹介

車検ステッカーの貼り付け位置はどこ?間違えた場合の罰則も紹介

旧車売買の豆知識 2024-02-02
5
アメリカ「25年ルール」とは?名車の中古相場が急騰するしくみ

アメリカ「25年ルール」とは?名車の中古相場が急騰するしくみ

旧車市場動向 2023-12-28
6
車のキュルキュル音は放置しないで!原因と修理料金を解説

車のキュルキュル音は放置しないで!原因と修理料金を解説

旧車メンテナンス 2023-11-10
7
車検証の住所変更はオンラインでできる!方法や必要書類などを紹介

車検証の住所変更はオンラインでできる!方法や必要書類などを紹介

旧車売買の豆知識 2024-01-29
8
車用サンシェードの効果を解説!フロントガラスへの取り付け方や選び方まで

車用サンシェードの効果を解説!フロントガラスへの取り付け方や選び方まで

旧車売買の豆知識 2024-03-04

カテゴリ一覧

# 旧車コラム # 旧車の魅力 # 旧車売買の豆知識 # 旧車市場動向 # 旧車メンテナンス # エディターズノート # ライタープロフィール # イベントレポート # ライフスタイル # 加藤久美子&博人の見識 # ドイツ現地レポ # ライター愛車レポート # タイレルP34を追え! # オーナーインタビュー # 名車&迷車烈伝 # マツド・デラックスの世界 # 海外現地レポ