詰め込まれた最新技術と豪華な内装がスゴイ!日産 430型セドリック

目次
1.時代の最先端だった430型セドリック 2.贅を尽くした内装と装備 3.まとめ

日産 430型セドリックは、センターピラーを持たない4ドアハードトップセダン。安全性と剛性の問題から今ではなくなってしまった4ドアハードトップですが、かつては高級セダンのあかしでした。直線的でスタイリッシュなボディには、当時の先進技術が詰め込み、その姿はまさに高度経済成長の集大成。先進的で豪華な見た目と装備を備えた、日産430型セドリックの魅力に迫ります。

時代の最先端だった430型セドリック

日産 430型セドリックは、40年以上販売が続いたセドリックの5代目として1979年に登場しました。高級セダンとして豪華な内装はもちろん、性能面でも先進の技術が詰め込まれた1台です。

とくに車の核となるエンジンやドライブトレインは、ハイブリッド車登場以前、現代車の基本形がすでに完成していました。

国産市販車初のターボ車はセドリックだった

430型セドリックは、高度経済成長を遂げた1970年代末の車だけあり、革新的な技術や装備が随所に盛り込まれています。

とくに革新的だったのが、国産市販車初となるターボエンジンL20ET。環境性能への要求が高まるなか、高性能と低燃費を実現する切り札として登場しました。
その後多くの国産車にターボエンジンは搭載されますが、430型セドリックから国産ターボ車の歴史が始まったのです。また、国産乗用車初の6気筒ディーゼルエンジンであるLD28型もラインナップされていました。

次世代車の基本形となった430型セドリック

430型セドリックに投入された先進技術は、国産市販車初のターボエンジンだけではありません。世界初となる電子制御OD(オーバードライブ)付きフルロックアップ機構4速ATも投入されました。
フルロックアップ機構とは、MT車のように物理的にクラッチ板をつないでしまう仕組みのこと。多くのAT車で使用されていたトルクコンバーターは、液体によって動力を伝達するためどうしても回転ロスが出てしまい、パワーロスとともに燃費が悪化するという点が大きなデメリットでした。

しかし、フルロックアップ機構でクラッチを物理的につなぐことでデメリットを最小限に抑え、燃費性能を向上させました。電子制御フルロックアップ機構は、現在トルクコンバーターを採用するATでは多くの車に備えられている技術です。

そのほかにも、日産初のエンジン集中電子制御システム(ECCS)が採用されるなど、次世代の車を支えるさまざまな技術が430型セドリックで初めて投入されています。

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贅を尽くした内装と装備

1970年代後半からバブルにつながる当時の車の特徴は、とにかく内装が豪華なこと。とくにセドリックは、高級セダンのトップに君臨していたトヨタ クラウンを意識して作られたため、贅沢な内装に可能な限りの装備が詰め込まれていました。

応接室のように仕上げられた内装

430型セドリックのインテリアは昭和の応接室がそのまま再現されたかのようなデザインです。インパネは全て深い色の木目調で、車内のいたる所に同様の木目調パネルが使用されています。シートやドアパネルなどは全てベロア調素材でまとめられていていました。

また、オーナーカーでありながら後席の居住性も追求して開発されています。ラジオチューナーやエアコンのコントローラーも木目調パネルに収められていて、天井には後席用の冷房の吹き出し口も完備。

そして、さらに秀逸なのが後席の乗客が足を伸ばせるシートアレンジです。助手席のシート背面部の一部をくり抜くように倒すことでオットマンのようになり、後席から助手席に足を伸ばすことができました。

あらゆる機能が詰め込まれていた

430型セドリックの運転席に座ると、無数のボタンやツマミに目がいきます。各種警告灯や照明を備えたオーバーヘッドコンソールとあわせて、まるで飛行機のコックピットかのような印象。可能な限りの技術を詰め込でいることも、当時の高級車にとって重要なステータスの1つだったのです。

中には、本当に意味があるのか分からない機能まで装備されていました。たとえば、テンキーを備えたドライブコンピューター。カーナビの元祖のような存在ではありますが、走行距離と時間(速度)の計算ができるだけという今となってはおもちゃのような装備です。

他にも、画面もないのにテレビチューナーだけはラジオとは別途備えられていて、専用のコントロールツマミまで用意されていました。

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まとめ

1970年代末に新時代の到来を予感させた430型セドリック。販売台数ではライバル車トヨタ S110型クラウンには及びませんでしたが、先進性と独創性から今でも根強いファンがいます。

中古車価格は高いもので300万円を超えるものもある一方、買い取り価格は現在のところ100万円前後。ただし、状態が良ければ相場の倍額での買い取りとなるケースもあります。残存台数は年々減少しているため高騰する可能性もあり、今後の価格動向から目が離せません。

※価格はいずれも2022年3月現在

[ライター/増田真吾]

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