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なぜ、旧車は盗まれやすい?盗まれたらどうなるのか?
旧車の魅力と知識 22.07.06

なぜ、旧車は盗まれやすい?盗まれたらどうなるのか?

窃盗団が旧車を盗む前に行う「準備」を知って対策を施そう! ■ネットオークションへの出品が急増! コロナ禍で少し、盗難台数は減少傾向にあったものの、昨年夏頃から再び、80~90年代の国産スポーツカーを中心として旧車の盗難が増えています。   ▲実際に盗まれた80スープラのパーツ。盗難された2日後には早くもヤフオクに出品 旧車は盗まれるとその多くは、即座に解体ヤードに持ち込まれ、1-2日以内に解体されてしまいます。その後は、ヤフーオークションなどのネットオークションに出品されるか? もしくは海外に「自動車部品」として違法に輸出されてしまいます。 ▲盗まれた旧車は解体ヤードに持ち込まれ即座に解体される(写真はヤードのイメージです) 以前はほぼすべてが自動車部品として違法輸出されていましたが、最近ではネットオークションを利用して国内で完結させるパターンが増えています。 その理由は簡単に言うと、「国内ネットオークションの方が素早く、ラクに換金できるから」ということなのです。 海外における日本の旧車パーツは日本より高額な値段で取引されていますが、輸出は手間と時間が掛かり、コンテナに積んで船が出るまでに発覚するリスクもゼロとは言えません。 また、たびたび日本からの不正輸出が発覚しているアメリカでは近年、日本車の輸入に対して完成車も部品もチェックが強化されている現状があります。 しかし、ネットオークションやフリマサイトでは匿名で気軽に出品ができ、またヤフオクもメルカリも、なぜか出品者を保護する傾向にあります。 住所や名前が虚偽のものでも出品や取引が可能で、さらに盗難品だと証明されるまで時間も掛かります。 運よく、警察が介入できたとしても出品者と直接連絡が取れたり、盗んだ犯人が特定されたりすることは困難で、稀に特定できたとしてもオーナーのもとにパーツが全部戻ってくる可能性は非常に低いのです。 なお、もともと日本車の中古部品を大量に輸出している会社であれば、その中に盗んだ旧車のパーツを紛れ込ませてもまずバレることはほとんどありません。 部品輸出ルートが整っている状況であれば、海外に持ち出されることも相変わらずでしょう。 盗難された旧車が行きつくところは海外なのか?日本国内の別のオーナーなのか? 確実に言えることはアシが付きにくいネットオークションで捌かれるケースが増えているということです。  ▲日本で盗まれた旧車が解体されてアメリカの専門店で販売されていたことが発覚(2020年6月) ■旧車はなぜ盗まれやすい? ではなぜ、旧車は盗まれやすいのでしょうか? ・日本の旧車は海外でも国内でも人気が高いので、高額で売ることができる・多くは盗難に対応できる車両保険に入っておらず、またセキュリティ対策も甘い・保管場所が屋外の駐車場であることが多いので盗む側にとっては好都合・解体ヤードに持ち込みさえすれば、最近の電子部品が多いクルマに比べるとごく短時間で解体できる このように、国産旧車は盗みやすく解体しやすく高く売れる…窃盗団にとって都合がよいことだらけなのです。 しかし、旧車はもう2度と生産されることがない文化遺産ともいえる存在。 何とかして盗まれることがないよう守ってあげなくてはなりません。 筆者は過去2年間で約100台以上の旧車盗について取材をしてきました。 盗難被害に遭った人々の話から、大切な旧車を盗まれないためにオーナーが知っておきたいことを以下にまとめます。 ●1.旧車は狙いを定めて盗まれる。必ず下見をしている 旧車を専門に盗んでいる窃盗団は海外で高く売れる、または国内でも高価格で流通できる80-90年代の日本製スポーツカーに狙いを定めて盗みに来ます。 では、そこに旧車がある、ということをどうやって知るのでしょうか? さまざまな手段がありますが、その一つに旧車イベントに参加して狙いを定めた旧車オーナーと親しくなって自宅の場所を聞き出して盗みに行く…という方法があります。 親しげに話しかけてくる外国人(特にパキスタン、スリランカ国籍には注意)には気を付けてください。 また、狙いを定めたクルマの近辺に似たような旧車がないか? 一緒に盗めるなら効率が良い…と周辺の様子をGoogleストリートビューを見ながら駐車場に停まっていないか?探し出してマークします。 旧車は一度購入したら長い間乗るオーナーが多いため、ストリートビューの写真が2〜3年前のものであっても、比較的今もそのまま乗り続けているというパターンが多いのです。 せめてカバーをかけるなどして車種の特定を防ぎましょう。 ●2.狙った旧車のある場所が特定できたなら、今度は下見。下見でやることは以下 ・周辺の防犯カメラの状況・逃走ルートの確保(Nシステムなどがない道を選ぶ)・対象となる旧車のセキュリティ状況をチェック(ハンドルやバッテリーを外していないか?どのようなアラームがついているか?ハンドルロックやタイヤロックの有無など)・オーナーが住む場所を探す(オーナーのアパートの部屋まで特定します)・オーナーはどれくらいの頻度で旧車に乗っているか?をチェック・オーナーの生活時間(朝何時におきて何時に出勤し、帰宅時間や就寝時間などもチェック)・周辺に他に盗めそうな旧車はないか? ・・・などなど。 まだまだありますが、盗みを決行する2-3週間前に入念に下見をして、想像をはるかに上回る細かな事前確認を行っています。 ●3.「高価買取」のチラシや名刺には要注意 「高価買取の名刺やチラシ」がワイパーに挟まれたら盗難に注意! ▲筆者宅の旧車にもこのようなチラシが挟まれていた。稀にまともな業者もいるようだが… 昔からよく、「高価買取の名刺やチラシ」がワイパーに挟まれたら盗難に注意すべし!と言われてきました。 これは現在でも同様です。 ワイパーに名刺やチラシを挟んでいき、オーナーがどれくらいの頻度でクルマに乗っているのか?などもチェックします。 また、ユピテルのパンテーラやゴルゴなどの高級カーセキュリティはクルマに乗らない期間が2週間以上続くと、電源が切れる仕組みになっていることが多く、買取チラシや名刺を挟んで2〜3週間動いていないことを確認し、さらにセキュリティが切れていることを確認してから盗むという手口もあります。 この記事では旧車盗難の現状をお伝えしました。 次回は旧車を窃盗犯から確実に守るための、より具体的な方法をご紹介します。 [撮影・加藤ヒロト/ライター・自動車生活ジャーナリスト加藤久美子]  

旧車にも関わり深い米国「25年ルール」。その歴史や本来の目的は?
旧車の魅力と知識 22.07.05

旧車にも関わり深い米国「25年ルール」。その歴史や本来の目的は?

近年、旧車の世界においては何かと話題にあがる「25年ルール」。 多くの人がこのワードを聞いて連想するのは「国産スポーツカー」や「海外輸出」、「価格高騰」、「JDM」などだろうか。 自動車メディアが「25年ルール」について触れる機会も増えているようだが、制定された経緯や歴史、本来の目的など詳しいところまでは触れていない。 そこで今回は「25年ルール」について正確な情報をお伝えしたいと思う。 ■「25年ルール」は、規制ではなく、例外 日本では「25年ルール」と呼ばれている法律の正式名称は “Imported Vehicle Safety Compliance Act of 1988, Pub. L. 100-562, 102 Stat. 2812” となる。 前半部分は直訳すると「1988年輸入車安全適合法」となり、アメリカの法律ではよくある「一般名称」だ。 後半の “Pub. L.” とはこの法律が「公法律」、“100-562” とは「第100議会において562番目に成立した公法律」であることを指す。 最後の “102 Stat. 2812” とは、「制定順法律集(Statutes at Large)」の「第102巻2812ページ以降に掲載されている」と説明している。 だが、いちいち長ったらしい名前で引用するのは大変なので、“Imported Vehicle Safety Compliance Act (IVSCA)” と呼ばれることが一般的だ。 ▲LAで毎年秋に開催されている「日本旧車集会」は2021年10月で16回目を迎えた 実際に法律の内容を見ていこう。 内容を要約すると、「連邦自動車安全基準に適合しないクルマは輸入できない」とするもの。 アメリカ合衆国国土安全保障省(DHS)のうちの、税関や国境警備を担当する部門「アメリカ合衆国税関・国境警備局(CBP)」によれば、適合しない輸入車は適合作業、再輸出、もしくは破壊のいずれかを施さなければならないと案内している。 だが、ここで肝心なのがこの法律に規定されている「例外」だ。 ここでは「連邦自動車安全基準に適合しない外国製自動車でも、製造から25年経過していればこの法律による規制の対象外とする」と書かれており、これが俗にいわれる「25年ルール」となる。 つまり、「25年ルール」は「規制」ではなく、「例外」なのだ。 ■1988年に「25年ルール」が制定されるまでの経緯とは? 次に知っておくべきなのが、「運輸省道路交通安全局(NHTSA)」の「連邦自動車安全基準(FMVSS)」という存在で、日本でいう「道路運送車両法」で定められている「道路運送車両の保安基準」と同様、アメリカ合衆国内で登録されるクルマの技術仕様のルールだ。 ▲日本のナンバーを展示用につけたクルマも急増 これは日本で米軍関係者がプライベートで乗っていたクルマのナンバー 日本車ともっとも大きく関わるのは「アメリカ合衆国で登録するクルマは左ハンドルでなければならない」の部分。 先述の「例外」は、このFMVSSに適合しなくても良いとしているので、つまりは「右ハンドルでも輸入・登録が可能」となる。 25年ルールは1988年に制定された。それ以前のアメリカ合衆国はFMVSSに適合しないヨーロッパ製の自動車を並行輸入で登録するのがポピュラーで、1985年には約6万9000台が並行輸入車としてアメリカに入ってきていた。 並行輸入はアメリカに正規で輸入されていないモデルが手に入るだけでなく、アメリカのディーラーが販売している価格よりもはるかに安く買うことができるため人気が高かった。 たとえば、1985年モデルのメルセデス・ベンツ 500 SELを米国内の正規ディーラーで購入すると5万3000ドルであったが、並行輸入だとそこから1万1000ドルほど安く手に入るという現象がしばしばあったのだ。 だが、この事態を重く見たのがメルセデス・ベンツの米国法人だ。1988年の法律が制定される以前よりもFMVSSへの適合は必須であったが、当時は書類の提出だけで済んでおり、そのクルマが本当に必要な適合作業を行なったかはほとんど確認されなかった。 メルセデス・ベンツの米国法人が数台の並行輸入車を実際に購入して調査したところ、マフラーの触媒がまったく異なる場所に装着されていたり、側面衝突時に乗員を保護するための補強が錆びた鉄パイプであったりと、ずさんな適合作業の痕跡を目の当たりにしたのだ。 そして彼らは恐れた。 これらずさんな作業を施したクルマが事故を起こし、その責任がまったく関係のない自分たち米国法人に向けられるかもしれないということを。 もちろん適切な適合作業を行なって販売する輸入業者も存在したが、適切か適切でないかを確認するのは困難である。 そこで「並行輸入車をすべて輸入禁止にしてしまえばいい」という大胆な施策の実行を思いつく。 メルセデス・ベンツが行った「反・並行輸入車」キャンペーンは他の自動車メーカーをも巻き込んで、法律制定へのロビー活動へと発展。彼らの思惑通り、無事にこの法律が誕生したのである。 つまりは、この「25年経つまでは憧れの日本車が手に入れられない」という足枷をアメリカ人にはめたのも、「憧れの90年代スポーツカーが製造後25年経過目前で急激に高騰して手に入れられない」という状況を日本の中古市場に作り出したのも、すべてメルセデス・ベンツの米国法人であったといってもあながち間違いではない。 ■日本で「25年ルール」が話題となったのは2014年以降 並行輸入を排除するキャンペーンは「安全」という大義名分で語ることもできるが、別の見方をすれば「現地法人の収益が減るから」という理由も見えるはず。 そしてこの「25年ルール」が日本の旧車界隈で大きな話題となったのは、2014年以降である。 1989年に発売された日産 スカイライン GT-R(BNR32)が製造から25年経過した年だ。 つまり、25年ルール発動によって32GT-Rがアメリカで合法的に輸入できるようになった。 ▲アメリカへの船積みを待つ25年ルールで解禁になったクルマたち そこから、数々のゲームや映画、漫画で見た「憧れの日本製90年代スポーツカー」がグッと近くなったとアメリカの人々は実感した。 製造年月から25年経過した個体はどんどんアメリカへ輸出され、毎年、新たな日本製90年代スポーツカーが「解禁」されていくという現象になっている。 今年は2022年なので、三菱 パジェロエボリューションや2代目トヨタ センチュリー、5代目ホンダ プレリュード、初代ホンダ シビックタイプRなどの、1997年から製造が始まった日本車が解禁されている状況だ。 ちなみに、1999年から製造が始まった日産 スカイラインGT-R(BNR34)は2024年に解禁予定だが、そのあまりにも高い人気で中古市場ではすでに爆発的な値段高騰に見舞われている。 ■実は製造後25年未満でもアメリカに輸入する方法が他にもある? なお、製造後25年を待たないでアメリカに輸入する方法も実はいくつかある。なかでも最も合法的手段なのがFMVSSで定められている特例、 “Show or Display” だ。 この手法はNHTSAが認めた「歴史的もしくは技術的価値のあるクルマ」を特別に輸入し、展示や整備に必要な走行に限って年間2500マイル(4000km)まで公道を走行可能とするもの。 これなら製造後25年経過していなくても、歴史的もしくは技術的に貴重と認められたクルマなら走ることが可能となる。 NHTSAに特別に認可された自動車のリストはNHTSAのウェブサイトで公開されている。 これを見ると、アストン マーティン DB7ザガートクーペや、アストン マーティン One-77、フェラーリ J50、マクラーレン スピードテイルなどのスーパーカー以外に、日産 スカイライン GT-R M-spec Nür、日産 スカイライン GT-R V-spec ミッドナイトパープルII、スバル インプレッサ 22B-STiバージョンなどの「超レア」な限定車も含まれる。 ■アメリカには「21年ルール」も存在する ちなみに、アメリカには「25年ルール」ともう一つ、「21年ルール」というものが存在する。 この背景には1963年に制定された “Clean Air Act(大気浄化法)” なる法律が存在している。 アメリカ合衆国環境保護庁の定める基準に適合しないエンジン、そしてそれを搭載する自動車の輸入を禁じているというもの。 そして例外規定として、工場出荷時の状態と同じ仕様のエンジンを搭載しており、なおかつ「製造後21年経過」している場合は、輸入して良いというものだ。 「25年ルール」ほど知られていないのは、そもそも「自動車の登録」の時点で製造後25年経過している必要があり、25年経過しているということはEPAの21年ルールも自然と経過しているからだ。 先述の “Show or Display” の場合、たとえ製造後25年経過していなくても、EPAの21年ルールは適用されるので要注意。 ■まとめ:「25年ルール」に関わる旧車バブルによる弊害とは? 「25年ルール」に関わる旧車バブルによって、映画やゲーム、漫画でかつて憧れた90年代スポーツカーは今後も高騰が続くだろう。 比例して旧車の盗難もますます増えていくと思われる。 しかし、だからといって健全な方法で「憧れの日本車」を手に入れたアメリカのクルマ好きをバッシングして良い理由にはならない。 ここ最近の価格高騰、そして多発する盗難事件の責任をそれらアメリカ人になすりつけるような批判がよく見られるのは、とても悲しいことだと筆者は思う。 [ライター・カメラ/加藤ヒロト]

ドイツ現地から、旧車を取り巻く「今」の情報をお届けします:守屋健
旧車の愛好家たち 22.06.21

ドイツ現地から、旧車を取り巻く「今」の情報をお届けします:守屋健

■名前:守屋健 筆者近影。デッサウのフーゴー・ユンカース技術博物館にて ■職業/肩書き フリーランスのライターです。2017年からドイツの首都ベルリンに移住。旧車王ヒストリアのほか、外車王SOKENの「ドイツ現地レポ」、ドイツ在住の日本人向け情報誌「ドイツニュースダイジェスト」などに寄稿しています ■現在の愛車 実は現在クルマを所有しておらず、公共交通機関やカーシェアリングを利用する生活を送っています。ベルリンに移住する際に、愛車を日本で手放してしまいました。 当初はドイツでクルマを購入するつもりもあったのですが、あまりにベルリンが「クルマがなくてもまったく不自由しない街」なので、結局ズルズルと買わずじまいに。あげく昨今のガソリン高騰で、ますます購入が遠のいているというのが実情です。 日本ではいくつかの日本車・輸入車を乗り継ぎましたが、特に印象的なのは日本を離れる前に乗っていた最後の2台、ルノー・カングー(ハッチバックドア採用の初代モデル前期型)と、同じくルノーのルーテシア(欧州名クリオ4)でしょうか。 筆者のカングーは1.4リッターに4速ATという当時でも時代遅れの組み合わせで、とにかく遅い。プラスチックパーツのつなぎ目にはバリが残っているし、走っているとあちこちからカチャカチャ音が聞こえてくる。いろいろなところがちょくちょく壊れる。それにも関わらず乗り心地、特にシートの座り心地は最高で、とにかく直進安定性が高く、一旦スピードに乗ってしまえば「こんなに高速道路を走るのが楽なクルマはない!」というほどの素晴らしいロングツアラーでした。まさに古き良きフランス車の特徴を色濃く残していたと思います。 その後カングーは筆者の酷使に悲鳴を上げ、正規ディーラーにおけるトランスミッション交換の必要に迫られた際、その修理代で新車購入の足しになるのでは?という悪魔のささやきを聞き、結局新車でルーテシアを購入しました。 1.2リッター直噴ターボにEDCの組み合わせで、とにかく速くて操作感が軽い。新車なので当たり前なのですが壊れない。燃費もいい。一方でコンパクトカーながら抜群の直進安定性と極上の椅子の座り心地、乗り心地の良さは健在で、フランス車の美点はこうやって引き継がれていくのだな、と感激した記憶があります。 ■ご自身の性格をひと言で表現すると? 「好奇心旺盛」。自分が知らないことについて調べたり、なにか新しいことについて勉強したりするのが好きですし、これからもずっと続けていきたいと思います。 ■好きなクルマは? シトロエン・2CV、フィアット・ヌォーヴァ 500、スバル・360など、市民に愛されたシンプルな大衆車が好きです。スポーツカーに絞るのではあれば、トヨタ・スポーツ800が大好きです。馬力に頼らない、それでも運転が楽しいライトウェイト・スポーツカーが一番!今気が付きましたが、ここに挙げたクルマ、形式こそ異なりますがすべて2気筒エンジン搭載車ですね。 ■憧れのクルマは? 日産・フェアレディZ432Rですね。スカイライン2000GT-Rと同じS20型エンジンを搭載し、かつ標準車のZ432に比べて100㎏近く減量したというレース用のベース車両ですが、肝心のレース活動についてはGT-Rや後に登場した240Zほどの活躍ができなかった悲劇の名車。現在は世界に何台現存しているのでしょうか。一度は乗ってみたいです。もう1台挙げるのであれば、アルファロメオ・33ストラダーレです。高度なメカニズムをあの美しいデザインのボディにおさめる「仕事」は、イタリアの地でしか成しえないと思います。たった18台しか生産されなかったという希少性も含めて、筆者の永遠の憧れです。 ■旧車王ヒストリアではどんな記事を書いてみたいですか? ベルリン在住という地の利を生かして、ヨーロッパにおける国産旧車を取り巻く「今」の情報をダイレクトにお届けできたら、と考えています。また、ヨーロッパの人々がどんな風に旧車に接しているか、旧車文化がどのように受け入れられているのか、などの文化的な側面や、部品の入手のしやすさ・旧車を扱うショップの数などの具体的な情報まで、幅広く発信していきます。 ■その他なんでも・・・ ドイツに限らず、ヨーロッパでは急速にEVシフトが進んでいます。多くの首都の中心部で、向こう10年以内に内燃機関搭載のクルマは進入できなくなる、そういった計画が数多く存在し、実行されようとしています。こうした施策が、クルマがなければ生活ができないという地方にまで浸透するにはまだ時間がかかりますが、いずれにしても私たちは過去100年以上続いてきた「内燃機関車の黄昏」を今、目にしているのです。こうした時代の流れの中で、旧車を愛する人たちは、これからどのように旧車に接していけばいいのでしょうか。「Hナンバー制度」などのクラシックカー優遇制度があるドイツでも、古いクルマの未来については人々の大きな関心事のひとつです。いつまで公道を走らせることができるのか? エンジンをおろしてモーターに積み替えようか? 純正部品の供給はいつまで続くのか? ドイツのクラシックカーファンたちの不安材料は少なくありません。一方で、細かなひとつひとつの動向をいち早くキャッチして対策を取っていくことが、不安を払拭する唯一の方法であるということも、現地のファンたちは理解しています。旧車王ヒストリアを通じて情報共有することで、日本の旧車ファン・旧車オーナー・旧車オーナー予備軍のみなさんにとって有益となる情報を提供できるよう、日々精進していきます。なにとぞよろしくお願いします! ■HP/SNS/YouTube他 ・Twitter https://twitter.com/takeshimor [ライター・撮影/守屋健]

旧車好きがこだわる「キャブレター」ってなに?今さら聞けない仕組みを解説
旧車の魅力と知識 22.06.16

旧車好きがこだわる「キャブレター」ってなに?今さら聞けない仕組みを解説

旧車好きの間では、近年のクルマに採用されているインジェクションによる燃料噴射システムではなく、キャブレターの方が好まれます。キャブレターとは、電子制御の燃料噴射装置が登場する以前に採用されていた燃料噴射方式のことです。 見かたによっては、時代遅れとも言えるキャブレターがなぜ旧車好きから愛されているのか?その仕組みや長所、短所を改めてご紹介します。 キャブレターの仕組み キャブレターは電気を使わず、エンジンの負圧を利用して燃料を噴射します。 キャブレターの中にベンチュリーという吸入空気の道を絞った場所を設け、吸入空気の流速を上げることにより負圧を発生。ベンチュリーの中にあるジェットから燃料が吸い出され、霧状になります。 燃料を霧状にするのは、気化を促進して空気と混ざりやすくするため。空気と燃料が混ざった“混合気”は、そのインテークマニホールドを通ってエンジンの吸気側へと送られ、燃焼室に入ります。 性能特性に大きく影響する「ジェット」とは ここでは、クルマのエンジンに使用される一般的なキャブレターについて、もう少し深く解説します。 キャブレターとエンジンの性能特性を左右するのが“ジェット”です。燃料を霧状にするジェットは、「メインジェット」「スロージェット」「ニードルジェット」の3種類。アイドリング時(アクセル全閉時)はスロージェット、アクセル全開時はメインジェット、全閉と全開の中間時はメインジェットに刺さっているニードルジェットが燃料噴射量をコントロールしています。 メインジェットとスロージェットは、穴の大きさによって燃料噴射量が変化。メインジェットに刺さっているニードルジェットは、アクセル開度に応じてニードルジェットが持ち上げられ、メインジェットの穴の隙間が広がり燃料の噴射量が変化します。 一度知ったら病みつき!?「キャブ車」にしかない独特なフィーリング キャブレターの大きな特徴の一つが、インジェクションには無い吸気音です。キャブ車はアクセルオフにした際、キャブ車は独特な“シュッツ”という音がします。その音はノーマル状態でも耳を済ませば聞こえ、チューニングしていればさらに良く聞こえてきます。 そしてもう一つの特徴が、機械を操作していると実感できるダイレクト感です。キャブ車の場合、アクセルペダルの操作でバルブが開いて空気が流入し、そこにガゾリンが噴射されてエンジンに到達。そして、圧縮された混合気が一気に膨張(爆発)し、パワーが出るという一連の流れをダイレクトに感じることができます。 エンジンが空気を吸っている機械的な音や、ダイレクトで気持ち良いスロットルレスポンスこそ、キャブレターが好まれる理由です。 機械を操作していると実感できるダイレクト感 インジェクションでも一部のスポーツカーには、スロットルレスポンスが良いものもあります。しかし、電子制御である以上、ドライバーの意志が届かない領域でコンピューターの制御が入り、それが違和感やダイレクト感が希薄になる要因です。 また、キャブレターは物理的なジェット交換やスクリューを調整することでチューニングします。画面上の数値でしか確認できない電子制御インジェクションに比べシンプル。もちろん、最高のコンディションにチューニングするためには相応の経験と知識は必要ですが、目に見えるものを交換、または調整するというシンプルなチューニングも、キャブレターならではの魅力なのです。 キャブレターのデメリット 独特のダイレクト感でインジェクションには無い魅力を持つキャブ車ですが、インジェクションと比べるとデメリットもあります。一番大きなデメリットは、外気温度や標高などでエンジンの調子が変化することです。 エンジンに大切な三要素のひとつである“混合気”は、燃料の量と空気中の空気量(酸素密度)で決まります。インジェクションであれば、空燃比センサーを使ってリアルタイムに検知することで燃料の噴射量を調整し、酸素濃度の変化に対応できます。しかし、キャブ車の場合は空気の流速で燃料を噴射するため、酸素密度が変化しても同じ量の燃料を噴射します。 つまり、気温の変化や標高の変化で酸素密度が変わっても、同じ量の燃料を噴射することになり空燃比が変化。エンジンにとって大切な“混合気”の空燃比が変わってしまうことで、朝一などでエンジンが掛かりにくいと言ったような症状の原因になることもあります。 暑い日も寒い日も旅行先の高地でも、常に気兼ねなくエンジンをかけ走ることを優先にした場合、やはりキャブレターよりもインジェクションの方が圧倒的に有利です。 時代の流れに乗ることができなかった「キャブ車」 現在クルマに対する考えは、「排気ガスをクリーンにし、地球の環境を守ること」「自動車の燃費性能を向上させること」「気温や高度に関係なくスムーズに運転ができること」などです。 各自動車メーカーは日々研究や開発を進め、排気ガスはクリーンで燃費が良く、いつでも快適に使えるクルマが販売されています。 また、近年は昭和や平成初期に比べかなり車好きが減っていることもあり、燃費は購入するときの重要な検討材料という方がほとんど。そんな今の時代には、セッティングや乗り味、スロットルレスポンスを楽しむキャブ車より、燃費が良くいつでも快適な電子制御インジェクションの方が喜ばれるのは当然です。 自動車メーカーにとっても、性能が出しやすく万人に好まれるインジェクターに移行するのは当たり前で、2003年の三菱 リベロカーゴを最後に、キャブレターを持つ新型車は消えていきました。 まとめ 日本でも2035年には、内燃機関を備えた自動車の新車販売が禁止される可能性が濃厚になってきました。今後の自動車開発は、インジェクションどころか、BEV(電気自動車)やPHEV(プラグインハイブリッド)などの電動車がメインになるのは確実です。 そうなると、ガゾリンエンジンを搭載しているクルマの価格は、今以上に高騰することが十分考えられます。当然、年式が古くなったキャブ車はさらなる高騰が考えられるため、キャブ車の購入を考えているなら、早めに購入することをおすすめします。 しかし、前述したように、キャブレターは気温や標高など、さまざまな条件に合わせたチューニングが欠かせません。 本気で購入を考えているのなら、キャブレターについて学び自分でメンテナンスをしながら乗るか、キャブ車に強いショップで相談しつつ、できれば現車確認はショップの方に同行してもらうのが良いでしょう。

旧車にナビは取り付けられる?種類や選び方も解説
旧車の魅力と知識 22.05.25

旧車にナビは取り付けられる?種類や選び方も解説

新車には当たり前に装備されているカーナビ。しかし旧車には装備されていないため、カーナビの取り付けを検討しているオーナーもいるでしょう。今回は旧車にカーナビを取り付けられるかについて解説するとともに、ナビの種類や選び方、取り付け方法などについて解説します。 旧車にカーナビは後付けできる 旧車にカーナビは取り付け可能です。ただし、インパネとステレオが同化している旧車にカーナビを後付けするには、インパネの加工が必要です。ナビの種類や設置する位置によって、取り付け方法が異なる点にも注意しましょう。 カーナビの種類 カーナビにはいくつか種類があります。それぞれの特徴を解説するので、参考にしてください。 2DIN 2DINは、縦100mm×横178mmサイズのカーナビです。ほとんどの現行車には、2DINが付いています。ダッシュボード内に収まるよう、インパネに埋め込んで取り付けるため、スッキリとした印象になるでしょう。視界も妨げられないので、運転に集中できることもメリットの一つです。しかし旧車は、2DINがダッシュボード内に収まるよう設計されていないため、インパネを加工して取り付ける必要があります。旧車に2DINをきれいに取り付けたい場合は、専門業者に依頼するとよいでしょう。 1DIN 1DINは、縦50mm×横178mmサイズのカーナビです。1DINもインパネに埋め込んで取り付けるタイプであり、使用するときはモニターがせり出す仕組みになっています。取り付ける場所によって、モニターがエアコンの吹き出し口やメーター、その他のスイッチ類と被ってしまう可能性があるため注意してください。また旧車は、2DIN分のスペースがない車種が多いため、1DINの方が取り付けやすいでしょう。一方で2DIN分のスペースがあるのに、1DINを取り付けると、サイズ関係で見栄えが悪くなる可能性があります。さらに1DINの取り付けも専門知識が必要です。きれいに取り付けたい場合は、専門業者に依頼しましょう。 ポータブル型 ポータブル型(オンダッシュ型)は、付属の吸盤や両面テープで、ダッシュボードの上などに取り付けるナビです。電源はシガーソケットから給電し、コンパクトで取り外しが可能なため、他の車を運転する際も簡単に取り付けられます。高性能なポータブル型であれば、2DINスペースがない旧車にも取り付けが可能です。 しかし取り付けた場所によっては視界が妨げられ、日差しに反射して画面が見えにくいことがデメリットです。また簡単に取り付けられる分、配線が見えてしまうので、2DINや1DINとは違いインパネ周りの見栄えが悪くなります。 旧車にカーナビを取り付ける方法 続いて、旧車にカーナビを取り付ける方法を解説します。カーナビは、種類によって取り付け方法や注意点が異なるので、ぜひ参考にしてください。 自分で取り付ける 自分でカーナビを取り付けることは可能です。しかし2DINや1DINは取り付ける難易度が高いため、取り付けられても起動しない可能性があります。また配線をきれいに収納できないケースも多いです。取り付け工賃を節約するために無理して自分で取り付けると、内装に傷をつけたりナビが壊れたりする可能性があるので、専門業者に依頼することをおすすめします。 業者に依頼する 専門業者に取り付けを依頼すれば、内装に傷がついたりナビが壊れたりするリスクを回避できます。取り付け工賃は発生しますが、確実にナビをきれいに設置してくれます。また旧車や輸入車は最近の国産車より、取り付けの難易度が高いです。経験や知識が豊富な業者なら、旧車や輸入車のような取り付けが難しい車種でも、安心して依頼できます。 旧車に取り付けるカーナビの選び方 カーナビは種類が豊富なため、愛車に合うものを探すのは大変です。車に合うサイズ、欲しい機能や好みのデザインで、カーナビを絞り込むと選びやすくなります。続いて、旧車に取り付けるカーナビの選び方を解説します。 サイズの選び方 ナビのサイズは、ポータブル型に多くラインナップされている5型、主流サイズの7型があります。また7型より大きい8・9型や、ミニバンには10型以上のサイズが採用される場合もあります。主流サイズの7型であれば、ほとんどの旧車に取り付けられるでしょう。しかし7型以上の大きいナビは、取り付ける場所によって、視界が妨げられる可能性もあります。さらに無加工では取り付けられないケースもあるので、サイズが車に適合しているか確認しておきましょう。 機能の選び方 カーナビには下記のようなさまざまな機能が付いています。 ハンズフリー通話やスマホ内の音楽を再生できる「Bluetooth」スマホ画面をナビに表示する「ミラーリング機能」一時停止や速度制限などを事前に案内してくれる「安全サポート機能」ドライブレコーダーの映像をナビで確認できる「ドライブレコーダー連携機能」渋滞や交通規制をナビに表示する「VICSまたはVICS WIDE」テレビを高画質で受信する「フルセグ対応」高音質な音楽を聴ける「ハイレゾ対応」駐車時に後部をナビに表示する「バックカメラ」 しかしカーナビは、機能が多いほど価格が上がります。予算が合わない場合は、最低限必要な機能を絞り込んで、カーナビを選ぶとよいでしょう。 デザインの選び方 車の内装とマッチするデザインを選ぶと、スマートな印象になります。最近の純正ナビは、車種ごとのインパネに合わせて専用設計されているため、デザインを気にする必要がありません。しかし旧車に後付けする場合は、豊富な種類の中から、内装に合うナビを探す必要があります。またメーカーによって、ナビのデザインが異なります。各メーカーのデザインを比較して、内装にマッチしたナビを選びましょう。 目的次第ではカーオーディオやタブレットを取り付けよう 目的次第では、カーオーディオやタブレットを取り付けてもよいでしょう。最近は、スマホやタブレットのナビゲーションアプリを利用する人も多いです。またナビにこだわらず、旧車にBluetooth機能が付いたオーディオを取り付ける人もいます。バックカメラや地デジ視聴などのディスプレイが必要な機能は利用できませんが、人によっては充分だと思う方もいるでしょう。無理にナビを取り付けない方が、旧車の魅力を充分に味わえるかもしれません。

旧車と絶版車の違いとは?所有や売却のポイントも解説
旧車の魅力と知識 22.05.25

旧車と絶版車の違いとは?所有や売却のポイントも解説

旧車の市場価格が高騰しています。これまでは一部のマニア向けの自動車とされてきましたが、メーカーによっては一度生産を終了した部品の再販売を行うなど、近年は日本国内でも旧車ブームが再来しているといえるでしょう。ネオ・クラシックカーや絶版車といった用語も目にすることが多くなりましたがそれらはどう違うのか。今回は旧車や絶版車を購入や売却するときのポイントについて解説していきます。 旧車と絶版車の違い 旧車とは、数十年前に生産された自動車のことです。定義としては曖昧で年式やモデルによって様々な解釈が存在しており、明確な線引きは存在しないといえます。比較的新しい年式のモデルがネオ・クラシックカーと呼ばれていますが、一般的にそちらは1980〜90年代に製造された自動車が対象となります。こちらも広義では旧車と呼べるでしょう。 一方、混同されやすい言葉として絶版車があります。絶版車とは、メーカーが生産や販売を終了したモデルのことです。もともとは書物で重版されなくなり印刷原版が廃棄された状態のものが絶版といわれますが、その言葉が自動車用語としても使われています。基本的には売上が伸びず商品として打ち切られたものが対象といえます。 旧車を選ぶ際に押さえておきたいポイント 続いて旧車を選ぶ際に押さえておきたいポイントを解説していきます。 度重なる修理が必要となる可能性がある 旧車は、製造からの年数を経ているために一台ごとにコンディションが大きく異なります。良い状態の車両が手に入っても経年劣化や摩耗による部品交換、大規模なレストアが必要になる事例も多いです。 レストアとは、簡単にいえば普通に乗れるように修理することです。状況に応じて部品単位まで分解して清掃や洗浄、再組立てを行い劣化や破損した部品の交換を行う作業といえます。中には交換が必要な部品が流通していないため手作業で作り出すこともあります。 将来的に高騰しそうな車を選ぶのも1つの方法 旧車は需要があれば価値が高騰します。最近では米国の25年ルールの影響でスポーツカーの相場が大幅に跳ね上がりましたが、数十万円で購入した中古車が10倍の価格で売却に至るケースもありました。 旧車は、税金やメンテナンス費用等の維持費もかかりますので投資目的で購入するのは難しいところもあります。一例として、大排気量のモデルは今後のガソリン車の製造縮小によって一部のモデルでは高騰していく可能性も考えられます。 旧車の取扱いに慣れている業者を選ぶ 旧車は現代の技術とは大きく異なる仕様も多く、一般的な販売店や修理工場では対応が難しいと考えるべきです。パーツ自体がメーカー廃番となっていることの方が多いので、その仕入れ先や製造の有無などについても配慮しなければばりません。 旧車の取扱いに慣れている業者は独自のルートや技術を有しているため、購入した後に必要なメンテナンスやレストアの相談にも乗ってくれます。また、モデルごとの弱点を把握していることが多いので、購入時の不安点を解消してくれるなど頼りがいのあるパートナーといえるでしょう。 購入後もメンテナンスをかかさないことが大切 旧車は、一般的な中古車とは異なります。その時代の仕様に準じた消耗品の交換サイクルを遵守したり、劣化や破損しやすい部品を予め探しておくなどの対応も必要となります。また、乗り方にもそれぞれにルールがあるのでそれを把握しておくことも大切といえます。 80年代以前のMT車であれば、ノッキングさせないように適切なエンジン回転数に合わせてシフト操作を行わなければ異常燃焼が起こる原因となります。他にも暖気運転や暖気走行の使い分けで走行時のウォームアップを徹底することも重要といえるでしょう。 絶版車を選ぶ際に押さえておきたいポイント 新車は高くて購入できなかったが、今なら購入したいという方もいるでしょう。絶版車を選ぶ際に押さえておきたいポイントについて解説します。 年式が新しいものは価格が高め 絶版車は、年式の新しいものは価格が高めです。中古車として高年式ということもありますが、絶版車はその性質上流通量が少ないケースが多く、新車を購入することができなかった方が後から求める特需が発生して相場が高くなることもあります。 これから人気が出そうなものを購入するのも1つの方法 絶版車は、中古車で高騰する可能性があります。流通量が少なくて人気が高くなりそうなモデルを購入すると、手放す際の買取価格も高くなり新たに購入する自動車の資金として十分なものが確保できることもあるでしょう。希少性や今後の法規制を考慮しながら、大排気量エンジン搭載車やMT仕様車を狙うのも1つの方法です。 認定中古車なら良い車が見つかりやすい 認定中古車とは、JAAAやJAAIなどの第三者機関を通じて品質を保証し、各メーカーが独自の基準を設けて規定の点検整備を行い保証付きで販売される中古車です。旧車では設定はありませんが、比較的高年式の絶版車であれば選択が可能です。一定以上の品質が保証されているので安心して購入できます。 旧車・絶版車を売るときのポイント 旧車や絶版車を売るときのポイントを解説します。売却を検討している方は参考にしてみてください。 旧車・絶版車の買取が得意な業者に相談する 旧車や絶版車の買取は専門の業者に相談することをおすすめします。旧車を専門に扱う業者は査定の制度が高く、人気の車種にも理解があります。販売に適さない状態の車でも、レストアにかかる費用の算出や部品取りといった手法を持っているため、価値に見合った価格を付けてくれる可能性が高いでしょう。 こまめなメンテナンスをかかさない 旧車や絶版車は、状態により価値を大きく左右します。より良い状態を維持するためにはこまめにメンテナンスすることが重要です。エンジンやミッションのオイル、ラジエーター液といった消耗品はもちろんのこと、劣化した部品の交換などは早めに行うことで大きな状態異常を回避できます。小さな部品の破損が大きな損傷につながるケースもありますので適切な対処が必要です。 社外パーツは取り外した方が高く売れる場合もある 旧車や絶版車は、製造から長い年月が経過していると純正パーツが手に入らないこともあり、社外パーツに頼るケースが多いといえます。レストアの一環として利用している場合は問題ない可能性もありますが、ドレスアップやチューニングのための社外パーツは車の価値を下げてしまうこともあるので注意が必要です。 専門の買取業者の場合は事前に純正パーツに交換したり、社外パーツの取り外しを行った上で買取してくれることもありますので相談することも1つの方法といえます。その際は有償か無償かの有無も確認しておくとよいでしょう。有償であっても、それ以上の価格で買取してもらえるのであれば検討の余地はあるといえます。 旧車王が考える「旧車の定義」とは? ここまで、旧車・絶版車について解説してきました。あくまで一般論として「旧車に明確な定義はない」とお伝えしましたが、私たち旧車王では独自に「旧車の定義」を設けています。 最後に、旧車にこめた私たちの想いとともに旧車王が考える「旧車の定義」を紹介します。 新車から10年以上経過したクルマ 旧車王では、旧車の定義を「新車から10年以上経過したクルマ」としています。オーナー数関係なく車が使われる期間の平均年数が13年、1人が1台の車を使う平均年数は7.1年です。この数字から「車としての価値が変わるタイミング」が10年であると考えました。 旧車の役割とは 新車には、最新の技術・デザインがふんだんに盛り込まれています。その時代の最先端を行くのが新車です。しかし、月日の流れとともに技術もトレンドも移り変わり、車の役割も変わります。時代の最先端を走る存在から、時代を証明する存在に変化するのです。製造された当時の技術やデザインの生きた証を残し、人々はその味わいに価値を感じるようになります。車の使用年数のデータをふまえ、私たちはこの「車としての価値が変わる」タイミング、つまり10年が車の第2の人生が始まるときと定義しました。 旧車王は循環型社会に貢献します 10年以上経過した旧車の価値をさらに高めていくのが私たちの仕事です。 ハイパー消費時代の中で、少しでも古くなったものは捨てて、新しいものをすぐに購入するという風潮が広まっていました。しかし、新しいものを消費し続けてばかりでは環境に問題が発生し持続可能な社会は実現しません。世の中は持続可能な循環型社会へ移行しようとしています。その中で、自動車業界でもまだまだ使える車両を修理・修復し活用していくことが必要です。 車の平均使用年数について前述しましたが、まだまだ長く走り続けられることを、私たちは日々実証しています。10年経ったから廃車にするなんて勿体ない。10年以上経ったクルマは現代にはない「歴史的工業遺産」であり「自動車文化遺産」です。そのクルマが駆け抜けた歴史を証明し、循環型社会に貢献するため、自動車再生事業を発展させていきます。

はじめまして。自動車趣味道をひた走る旧車愛好家です:島田和也
旧車の愛好家たち 22.05.17

はじめまして。自動車趣味道をひた走る旧車愛好家です:島田和也

■名前:島田和也 ■職業/肩書き ・フリーカメラマン兼ライター(名刺には、フリーランス・プロ趣味人と書いてある)・著書「実用標準レンズ100本ガイド(学研)」、「ライカ入門編(ぶんか社)」の他、主筆 多数。・クラブマンモータースポーツを中心とする撮影活動にも注力していた。・現在は、主に写真&カメラ趣味の世界に限定した執筆&撮影活動に絞り、半分隠居生活をしている。 ひょんなことからWEBマガジンのライター陣に加入。それぞれのクルマが誕生した「時代の空気」を感じていただけるよう、チャレンジしたいと考えています。 ■現在の愛車 1969年式 フェアレディ2000(SRL311) 対米輸出車だが、89年に里帰り。日本国内最初のオーナーが私。レース活動資金捻出のため3年後に手放すが、2012年に縁あって買い戻すことに成功しました。 1970年式 フェアレディ240Z(HLS30) 購入予定は無かったけど、たまたま初期型が出てきたもので、2台所有していたレース用フェアレディのうち1台を手放し、購入を決意しました。カラーは、以前乗っていたレモンイエローも考えましたが、初期型の輸出モデルにあったらしいオプションカラーの「Sora Blue」にしました。 1980年式 サニークーペ1400GX(HB310) 2018年にワンオーナー、実走4.5万キロという個体が出てきました。さほど興味はありませんでしたが、2020年、ポルシェボクスターS(type 964)を売って、駐車スペースができてしまった瞬間ムラムラっときて購入。標準は4速MTでしたが、ローバックの5速ミッションに変えています。 1967年式 フェアレディ2000(レース専用車) 1983年式 ブルーバードバン(VJ910) 毎日の気軽なアシ兼長距離走行用パートナーとして愛用。元色はシルバーメタリックでしたが、現行ジムニー用ミディアムグレーに塗装し、車高も約10センチ下げています。購入後、キャブレターが要OHとなり、ついでにWEBERツインに変更。エンジンはノーマルのままなので、吸気音だけが元気なツアラーです。 ■ご自身の性格をひと言で表現すると? よくいえば寛容、ストレートにいえばズボラ…かな? ■好きなクルマは? 50年代から73年までのモデルは、デザイナーや技術者達の創意工夫を強く感じ取れるので、スポーツカーから実用車まで全般的に好き。その代表を上げるなら、SP/SR系フェアレディ、VW Type1、アルファロメオ・ジュリアシリーズ&アルファスッド、ミニ、P411系ブルーバード、ポルシェ、初代カローラ、UP系パブリカですね。73年以降では、ポンティアック・ファイアーバードやシボレー・カマロ、ルノー5、アルファロメオ75TS、メルセデス190E2.3-16V、フィアット・パンダ900、MR2(AW&SW)、初代ターセル/コルサの2ドアセダン、初代プレリュード、CR-X Si、などかな。660規格軽自動車唯一の3ボックスセダンであるダイハツ・オプティにも魅力を感じます。 ■憧れのクルマは? 1970年式 プリマスAAR Cudaとポルシェ356A ■旧車王ヒストリアではどんな記事を書いてみたいですか? クルマとオーナーの間に漂う空気、あるいはキズナのようなもの、また、そのクルマが誕生した時代の社会背景などを伝えられたらと思っています。 ■その他なんでも・・・ 旧車王を通じ、読者の皆様の自動車趣味生活が、より充実したものとなりましたら幸いです。 [ライター・撮影/島田和也]  

旧車のfun to driveをリアルにご紹介!:細谷明日葉
旧車の愛好家たち 22.05.16

旧車のfun to driveをリアルにご紹介!:細谷明日葉

■名前:細谷明日葉 ■職業/肩書き フリーランスのライター、グッズデザイン等 ■現在の愛車 2009年式ダイハツ コペン(アルティメットエディション)2010年式ロータス エリーゼ(R)の2台体制で細々暮らしております!なぜか2台ともオープン2シーターなのにほとんど屋根が開くことはありませんが…(笑)。 ■ご自身の性格をひと言で表現すると? マイペース、マイワールドで生きています(笑)。 ■好きなクルマは? 愛車たちロータス、ジネッタ、その他欧州車全般、特にルノー5turbo、プジョー205GTI、ボルボ480turbo最近はラテンとスウェーデンにときめきがち。丸目なクラシックカーも大好きです! ■憧れのクルマは? ヴィーマックRD180とRD200 ■旧車王ヒストリアではどんな記事を書いてみたいですか? イベント紹介やオーナーインタビューなどに挑戦できればと思っております!素敵なクラシックカーとの出逢いが楽しみです!! ■その他なんでも・・・ みなさま初めまして!姉妹メディアである外車王SOKENでもライターとして参加している、細谷 明日葉と申します。色々多趣味な人間で、欧州工具やミニカー・カタログ収集、プロ野球・Jリーグ観戦、ガーデニング、フィギュア、ドールなどあれこれ広げてしまっております。かなーーーりマイペースで我が道をゆきますが、温かくor冷めた目で見守っていただけますと幸いです!(笑)。 ■HP/SNS/YouTube他 ・Twitter @AsuhaHosoya かなり放置気味ですが…フォローしていただければ、極力フォロバできるようがんばります! [ライター・撮影/細谷明日葉]

旧車オーナー予備軍の方々の琴線に触れる記事をお届けします:松村透
旧車の愛好家たち 22.05.08

旧車オーナー予備軍の方々の琴線に触れる記事をお届けします:松村透

はじめまして。旧車王ヒストリアの編集長の松村透です。 ■名前:松村 透 ■職業/肩書き ・株式会社キズナノート代表取締役。エディター/ライター/ディレクター/プランナー。・旧車王ヒストリア&外車王SOKEN編集長。トヨタgazoo 愛車広場、ベストカー/ベストカーweb、Web Cartop連載他 編集兼ライターとして、クルマ関連を軸に取材およびコンテンツ企画を行っています ■現在の愛車 1970年式ポルシェ911S 2016年式フォルクスワーゲン ゴルフトゥーラン ■ご自身の性格をひと言で表現すると? 聞き上手・・・だとは言われます ■好きなクルマは? ポルシェ911、マツダロードスター、トヨタカローラ、スズキジムニー、フォルクスワーゲンゴルフ、メルセデス・ベンツGクラス、Fiat500・・・などなど。 そのカテゴリーで物差しになるようなクルマ、あるいは丸目のクルマが好みです ■憧れのクルマは? ポルシェ959 Sport ■旧車王ヒストリアではどんな記事を書いてみたいですか? 頭では実際にはないと分かっているはずなのに、取材を通して「クルマが人を選ぶ(選んだ)」としか思えないような方たちとお会いしてきました。 古いクルマを手に入れてみたいけど正直不安・・・。かつて所有していた、あるいは憧れていた古いクルマを手にしたい・・・。 そんな「旧車オーナー予備軍」の方たちの琴線に触れるような、清水の舞台から飛び降りる一助となるような(笑)記事の配信を心掛けたいと思います! ■その他なんでも・・・ 今回、旧車王ヒストリアの編集長を仰せつかりました松村です。 旧車王ヒストリアは「旧車王を母体とするオウンドメディア」です。 既存のカーメディアよりも自由度を持たせ、音楽で例えるならインディーズバンド的な雰囲気を重視しています。 各ライターの方々の知見や持ち味を前面に出し、なおかつ書き手のクルマに対する愛情のようなものを表現できる場でありたいと考えています。 ご贔屓のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。 ■HP/SNS/YouTube他 ・HP:https://kizunanote.co.jp/ ・Instagram:https://www.instagram.com/vehiclenavi/ ・Twitter:https://twitter.com/kizunanote0911   [ライター・撮影/松村透]

パジェロの価格高騰&値上がりはまだ続く?旧車買取専門店が相場推移を解説
旧車の魅力と知識 22.04.28

パジェロの価格高騰&値上がりはまだ続く?旧車買取専門店が相場推移を解説

パジェロは1982年に登場した三菱自動車を代表するSUVです。2019年8月に生産終了となった4代目まで数多くのバリエーションが発売されました。今回はパジェロがどのような車であったのか、中古価格はどのように変動していくのかを解説します。パジェロを所有している方や、購入を検討されている方はぜひ参考にしてください。 パジェロとは アルゼンチンの南部に生息する野生の猫の名前を冠したオールラウンドSUVです。初代の発売は1982年に乗用車としても使えるオフロード車として発売されました。ジープの様な荷台はなく、多目的な使用を前提とした車でした。パジェロはパリダカールラリーに度々出場し、総合優勝を飾るなどスポーツ車としてもその名を轟かせました。 初代と2代目のシャーシはラダーフレームでしたが3代目からはモノコックボディにラダーフレームを溶接したビルトインフレームと呼ばれるフレームを採用しました。乗車したときの居住性を良くすると共に、悪路での走破性を重視したサスペンションや動力伝達装置を取り付けられる構造です。 パジェロの価格は下がっていく!? 2021年、パジェロの平均価格は約217万円でしたが、2022年4月には約262万円と45万円も高騰しました。生産終了した車なだけに、どこまで価格が上がるのか気になるところですが、現在以上の値上がりは見込めないと言われています。その理由に関しては、次の項目で詳しく解説します。 パジェロはもう値上がりしないって本当? 所謂「中古車バブル」でパジェロの価格は高騰していました。しかし、そのバブルが崩壊するのも間もなくと言われています。 新型コロナウイルスの蔓延による外出の自粛で、旧車や腕時計、骨董品など、目で見るだけでも楽しめるものにお金をつかう方が増えました。この消費行動の変化が、中古車の価格高騰にも大きな影響を与えたと言われています。しかし、昨今では外出の自粛要請も緩和されて人々の生活は元に戻りつつあり、コロナ禍で価格が高騰したものがどんどん値下がる可能性があります。事実、アメリカの中古車販売大手の「カーバナ(Carvana)」の株価は、新型コロナウイルス流行初期に比べて99%も下落しました。(※2022年12月時点)日本にとっても決して対岸の火事とは言えません。 パジェロの売却をご検討されているのであれば、値下がり前の今がチャンスです。 価格が高くなりやすいパジェロの特徴 現在以上の価格高騰は見込めないとお伝えしましたが、そんな中でもどんな個体が高く評価されやすいのでしょうか。高値がつくパジェロの特徴を紹介します。 こまめにメンテナンスされている パジェロはオフローダーとしての使用環境が通常の乗用車より厳しいため、きちんとしたメンテナンスが必要です。オイル関連ではエンジンオイルだけではなくオートマティックオイル、トランスファーオイル、デフオイルなどもメーカーが推奨する定期交換を行う必要があります。 また、パワーステアリングや発電機を回す補器ベルトも、外見では劣化が見えにくいので定期交換したほうがいいでしょう。ショックアブソーバーも悪路では酷使されるため非常に傷みやすい部品です。 また大型タイヤを装着しているのでステアリング・システムにも大きな負荷がかかりやすいため、年に一度は足回りの点検をおすすめします。 流通数が極めて少ない「特別仕様車のファイナルバージョン」 2019年4月に「ファイナルエディション」を発表しました。本革シート、電動ロングサンルーフ、カーテンエアバッグ、ルーフレール、リヤデフロック、寒冷地仕様などを標準装備したモデルです。700台という生産台数の少なさもあって、高く評価されています。 パワフルなエンジンと迫力のある外観の「パジェロエボリューション」 1997年9月に登場した、二代目パジェロのショートボディに前後ダブルウィッシュボーンを採用したスポーツモデルです。2,500台限定で生産されました。バンパー、大型フェンダー、サイドステップ一体型のボディはタフさとマッシブな印象を与えます。内装はレカロシート、スポークタイプステアリングホイール、カーボン調インパネ、フルオートエアコン、キーレスエントリーシステムを装備しています。ラリーに勝つために作られたモデルで、その走破性の高さから熱い支持を集めています。  

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