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フォルクスワーゲンを代表するホットハッチとして、また、ハッチバックコンパクトカーのベンチマークとして現在も販売が続くゴルフGTI。そんななか、クラシックな外観かつスポーティな走りを楽しめる2代目ゴルフGTIは、クラシカルな見た目と比較的購入しやすいこともあり、いま注目の車種となっています。
今回は、今も人気の絶えないゴルフ2 GTIの魅力と、中古車市場についても解説していきます。
2代目GTIになるもパワーは変わらず?
元祖ホットハッチとして名高い先代のゴルフ1 GTIは、その性能の高さで多くのファンを獲得するも、日本仕様は製造されず、国内に輸入されることもありませんでした。
その後の1985年4月、モデルチェンジを果たした2代目のゴルフのGTIグレードが満を持して日本で発売されます。特徴としては、バンパーやボディ部に赤のアクセントを入れ通常モデルと差別化。室内にも専用のステアリングやシフトノブ、高さ調整機構付きのシートなどさまざまな特別装備が採用されています。
しかし、ゴルフ2 GTIのエンジンは先代の1.8L SOHC8バルブから変更はなく、最大出力は先代GTIに搭載されていた1.6L 8バルブエンジンの110psから112psとわずかに上昇。くわえて車両重量が820kgから1020kgと、200kgも重くなったことで先代GTIの軽快さは失われ、結果的にそれがファンの不満を生む事態となってしまいました。
パワーアップしたDOHC16Vエンジンで起死回生!
そんなファンの声を受け、1987年2月にはDOHC16バルブエンジンに改良された「GTI 16V」が登場。排気量は1.8Lから変わりませんが、最高出力は112psから139psまでアップし、最高時速は208kmを誇ります。
ちなみに139psという数値は、マフラーの触媒が取り除かれた本国仕様のものであり、触媒付きの日本モデルは125psなっていました。エンジン以外では、車高が10mm下げられ、ブレーキ冷却用のリップが追加されるなど、軽微ではありますが、着実に走行面での性能向上が図られています。
マイナーチェンジでスポーティなGTIが帰ってきたことにより、当時のくすぶっていたユーザーの熱も再燃。DOHC16バルブの採用で、ゴルフのGTIブランドはことなきを得たのでした。
1989年には安全基準のためのビッグバンパーが装着
1989年10月からは車体下部まで大きくカバーされた、通称「ビッグバンパー」が装着され、外観も先進的な印象に変わりました。
これは、当時アメリカで定めれた衝突安全基準に適合させるため、衝撃吸収性を考慮したバンパーの装着が義務付けられたゆえのイメージチェンジだったのです。
この変更はゴルフ2全グレード共通ですが、GTIの場合は下部のリップスポイラーが大型化され、バンパー内部にフォグランプが装備されたりなど、スポーツモデルならではの豪華装備となっています。
比較的リーズナブルだが高騰の可能性も?
そんなゴルフ2 GTIですが、海外での自動車市場では比較的お買い得となっています。オークションでのゴルフ2 GTIは、日本円で170万円から190万円ほどで推移しており、同年代のクラシックカーと比べると、リーズナブルに購入可能です。
しかし、昨今は先代GTIの中古価格が上昇していることもあって、世のドライバーたちは比較的安価なゴルフ2 GTIに注目しだしているとのこと。
その結果、現在の価格が落ち着いていても、時間が経つにつれプレミアがつく可能性が高く、数年後には何倍ものプライスになるかもしれません。
ゴルフ2GTIの中古車相場について
それでは日本国内でのゴルフ2 GTIの市場価格はどうなっているのでしょうか。原稿執筆時の2021年10月時点で、市場価格を大手中古車サイトで調べてみたところ、国内在庫は4台と僅少ながらも残っていました。
最安値で1990年式176,000km走行の個体が174.8万円。最高額では1991年式91,000km走行で230万円となっています。
一方、旧車王での買取価格は、GTI 16Vで40〜200万円となっており、ゴルフ2 GTIの相場は国内と海外ではさほど変わりません。
購入の際はサビの確認を
1980年代の車ということもあり、経年劣化に起因する故障は避けられません。
代表的なものとして、ゴルフ2 GTIは各部のシール劣化が多く、長期在庫になっている個体は、ボディ内に雨漏れが発生していることも考えられます。外部から車体内部に進入してきた水は各部にサビを発生させ、ボディを一気に劣化させてしまう原因となります。
サビの発生箇所は多岐に渡り、フロントガラス周辺、フロントシャシー周り、そのほかにも湿気で電気系統の部品も故障することもあります。
比較的無理のない価格で手に入れられるゴルフ2 GTIですが、購入の際は綿密な実車確認と、メンテナンスをお任せできる専門ショップを見つけておくことが必須となるでしょう。
まとめ
コンパクトなボディでありながらゆとりのある室内空間をお持ち、痛快なドライビングも楽しめるゴルフ2 GTI。街中でも扱いやすいボディサイズと、そのキュートな外観から、現在でも根強い人気を誇ります。
現在は在庫台数こそ少ないものの、価格はそれほど高騰していないので、現車確認でサビや水漏れなどをしっかりチェックすれば、状態の良い個体に出会えるかもしれません。
逆をいえば、ゴルフ2 GTIはこれから高騰する可能性が高いので、予算さえ問題なければ購入するタイミングはまさに今なのかもしれません。
[ライター/増田真吾]
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