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トヨタ 100系チェイサーの魅力に迫る! レースでも証明したスポーティモデルとしての実力も紹介

目次
1.フルモデルチェンジでマークⅡと人気を二分した100系チェイサー 2.100系チェイサーの性格がもっとも色濃く反映されたツアラーV 3.人気モデルだけに中古車購入時には注意が必要

販売終了から20年以上が経過しているにも関わらず、現在でもプロドリフト競技でも活躍するJZX100 チェイサー。いわゆる100系チェイサーと呼ばれるこのモデルは、スポーツグレードのツアラーVを筆頭に、スポーツ性能の高さにより人気を集めました。

本記事では、ツアラーVを中心に100系チェイサーの特徴と魅力を紹介します。

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フルモデルチェンジでマークⅡと人気を二分した100系チェイサー

マークⅡ3兄弟と呼ばれるように、90系までのシリーズの中心はマークⅡでした。チェイサーは、3兄弟のなかでもっとも人気が低かったといわれていますが、100系では、マークⅡと人気を二分するほどの存在感を放ちました。

マークⅡやクレスタとは違う性格をもたせて成功した、チェイサーの開発背景について振り返ってみましょう。

チェイサー最後のモデルはスポーティーさを意識して開発された

チェイサーは1996年に100系へとフルモデルチェンジし、明確なスポーティーモデルに進化しました。また、マークⅡの次モデルでは3兄弟体制が解体されて発売されなかったため、結果的に100系がチェイサー最後のモデルになりました。

マークⅡやクレスタとのもっとも大きな違いは、前後のオーバーハングが切り詰められている点です。オーバーハングが長く安心感を与える2台に対して、運転のしやすさや俊敏性につながる設計にしたことでスポーティモデルという位置づけを明確にしています。

また、BMW E36型3シリーズに似ているといわれる4灯ヘッドライトの形状やリアスポイラーなどが取り付けられた端正な見た目も、100系チェイサーを象徴するポイントです。

上級モデルという車格にふさわしい装備

高級サルーンとしての充実した装備も、100系のマークⅡ3兄弟の魅力です。100系が登場したのは「セダン・イノベーション」を掲げてトヨタがセダンの充実に取り組んでいた時期で、従来よりも装備が豪華になっていました。

エアコンのルーバーが自動で左右に動くオートスイング機構や、自発光するオプティトロンメーターといった上位モデルの装備までも盛り込まれていました。さらに、トヨタ車初となるディスチャージヘッドライト(HID)やシリーズで初めて衝突安全ボディ「GOA」を採用するなど、先進性も高められています。

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100系チェイサーの性格がもっとも色濃く反映されたツアラーV

数あるチェイサーのグレードのなかで、「ツアラーV」がスポーティさをもっとも反映したモデルです。名機と呼ばれる1JZ-GTEエンジンを搭載し、レースでも輝かしい実績を残しました。

ここでは、100系チェイサーを代表するグレード、ツアラーVの魅力を掘り下げます。

90系から性能アップを遂げた1JZ-GTE

100系チェイサーのエンジンは、先代90系に引き続き1JZ-GTEでした。しかし、型式こそ同様ですが、100系に搭載されたエンジンは大幅な進化を遂げています。

最高出力は自主規制いっぱいの280psのままですが、ツインターボからシングルタービンに変更したことで最大トルクを37.0kgmから38.5kgmにまで向上させました。さらに、シリンダーヘッドにはVVT-iと呼ばれる可変バルブタイミング機構を搭載。全回転域で連続して吸気バルブのオーバーラップ量を変化させることで、出力特性と燃費性能の向上が図られています。

セダンなのにLSDまで装備

チェイサー ツアラーVには、トルセン型LSDまで装備されていました。(AT車はメーカーオプション)LSDとは、ディファレンシャルギアの差動を制御する装置です。

ディファレンシャルギアはコーナリングで生じる内輪と外輪の回転差を吸収できる一方、吸収した回転差分のトルクは失われてしまいます。常にクルマを前に進めたいスポーツ走行において、トルクのロスが発生するのは致命的です。そこで、LSDでディファレンシャルギアの動作を抑えることで、トルクロスを低減させます。

一方、ディファレンシャルギアの働きを抑制するため、通常走行時の回頭性や乗り心地が犠牲になってしまう点がLSDのデメリットです。乗り心地を重視する高級セダンなのにLSDが装備されている点からも、チェイサー ツアラーVがいかに運動性能を重視していたのかがわかります。

ドリフトだけでなくレースでも示した高いポテンシャル

100系チェイサーに対して、ドリフト車というイメージを持つ方も少なくありません。事実、多くのドリフトユーザーから愛されて、現在でも競技で使用されています。最近では、フォーミュラドリフトジャパン2023で、チームオレンジのKANTA選手(柳杭田貫太選手)がチャンピオンの座に輝きました。

一方で、短期間しか参戦していないためにあまり語られませんが、レーシングカーとしても高い実力をもつモデルです。1997年からわずか2年間しか参戦していないものの、JTCC最終年の1998年にチャンピオンを獲得しています。1997年シーズンの最終戦、インターTECでは、つちやエンジニアリングのチェイサーのステアリングを、土屋圭市氏がステアリングを握りました。

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人気モデルだけに中古車購入時には注意が必要

100系チェイサーは、販売台数が多かったため中古車で比較的入手しやすいモデルです。特にツアラーVはセダンにも関わらず販売台数の3割がMTともいわれていて、ドリフトをはじめとするスポーツ走行目的で購入する方も少なくありません。

しかし、ツアラーVを中心にドリフト競技で酷使された個体も少なくないため、中古車を購入する際は注意が必要です。特にMT車を選ぶ方は、クルマの状態を細かく確認してください。AT車であれば比較的状態のいい個体も残っているため、あえてAT車を選ぶというのも選択肢の1つです。

100系チェイサーは、スポーティセダンという3兄弟のなかで明確な立ち位置を確立しました。チェイサー最終モデルということも相まって、今後も高い人気を保ち続けるでしょう。

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