危機管理担当者として「災害救助車両の導入を進めたい」「災害時の人員や物資の輸送体制を強化したい」と頭ではわかっていても、情報が多岐に渡るため手が回らない方もいるのではないでしょうか。
この記事では、25年以上にわたって旧車・クラシックカーを15,000台以上買い取りしてきた旧車王が、災害救助の最前線で活躍する各種車両の特徴と、人員・物資輸送における実践的な活用方法について詳しく解説します。
【この記事でわかること】
・救急工作車の役割
・救急工作車の主要装備
・場面ごとの活用例
災害救助車とは
災害救助車とは、災害現場での人命救助と物資輸送を担う特殊車両の総称です。消防署だけでなく、自治体の防災部門や企業のBCP(事業継続計画)においても、各車両の特性を理解し、連携体制を構築する必要があります。
災害救助車には、人命救助を主任務とする救助工作車のほか、危機管理担当者が特に注目すべき人員・物資輸送に特化した車両があります。
主な種類と実際の活用場面は、下記のとおりです。
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車両の種類 |
主な役割と特徴 |
危機管理での活用例 |
導入検討ポイント |
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救助工作車 |
高度な救助機材を積載、あらゆる災害状況で活動 |
自治体との連携による被災者救出、企業施設での救助活動支援 |
消防機関との連携協定が前提 |
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輸送車 |
クレーン・パワーゲート装備で最大3トンの物資輸送が可能 |
避難所への救援物資輸送、従業員の移送、復旧資材の運搬 |
準中型免許以上、平時の活用も可能 |
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防災支援車 |
乗車定員20名、通信設備・発電機を搭載 |
災害対策本部の前進拠点、現地対策本部として活用 |
大型免許、通信設備の運用体制 |
災害救助車の導入を検討する際は、まず用途を明確にする必要があります。浸水想定地域では全地形活動車(水深1.2m対応)、大量輸送には防災支援車(20名)と輸送車(3トン積載)の組み合わせ、山間部では四輪駆動の山岳救助車が適しています。
導入方法は、購入・リース(月額固定)・災害時レンタル(事前契約制)のいずれかです。主要メーカーは帝国繊維(テイセン)やモリタ、日本機械工業などが挙げられます。
相談時は想定用途・必要輸送能力・予算規模・保管場所を明確にしてください。最後に運用するためには、車両総重量に応じて準中型免許以上が必要です。
救助工作車(レスキュー車)の特徴
救助工作車は人命救助の中核を担う車両ですが、危機管理担当者にとっては「どのような場面で連携が必要か」を理解する必要があります。
人命救助に特化した車両であること
救助工作車は、建物倒壊や土砂災害で閉じ込められた人々の救出に特化しています。企業やNPOが被災した際、以下の場面で消防との連携が想定されます。
【積載装備と連携のポイント】
・電動式ウインチ(牽引能力5トン)
・エンジンカッター・油圧式救助器具
・900L水槽とポンプ装置
【人員輸送との連携】
HX型ハイルーフキャビンは隊員6名の長距離移動に対応し、被災地への応援部隊派遣時に活用されます。自治体間の相互応援協定締結時は、輸送能力を考慮した受入体制の整備が必要です。
広範な災害に対応するための積載装備
救助工作車の装備を理解すれば、災害時の効果的な連携が可能になります。
【現場での連携に必要な理解】
・ロッツラーウインチ:瓦礫撤去時は半径50m以内の立入制限
・チェーンレスステップ:車両側方に2.5mの作業スペース
・ユニット式積載枠:約500種類の資機材を積載
・手動式梯子昇降装置:3階建て相当(約10m)まで対応
なお、防災計画への車両選定基準の組み込みには、以下の内容を考慮してください。
・ハザードマップとの照合(浸水深/土砂災害危険区域)
・避難所への輸送距離と時間
・想定避難者数と必要物資量
・道路寸断時の代替ルート
・近隣自治体との相互応援協定
救助工作車に搭載される主要装備
危機管理担当者が知っておくべき主要装備と、現場での協力体制について解説します。
ロッツラーウインチ(ドラム式 / トライマチック式)
瓦礫撤去や重量物の移動に使用される装備で、災害現場での道路啓開に不可欠です。
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項目 |
実務上のポイント |
選定基準 |
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牽引能力 |
最大5トン(乗用車約3台分相当) |
想定瓦礫量により決定 |
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作業範囲 |
ワイヤー長100m、周囲の立入制限が必要 |
作業空間の確保が前提 |
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所要時間 |
1箇所あたり約30分〜1時間 |
複数箇所なら台数検討 |
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必要な協力 |
交通誘導員の配置、迂回路の確保 |
地域との事前調整 |
※瓦礫撤去が想定される地域では、引張力が一定のトライマチック式の選定を推奨します。
チェーンレスステップ(フルフラットステップ)
資機材の積み下ろしを効率化する機構で、物資輸送拠点での活用も期待できます。
【実務上のメリット】
・積み下ろし時間を従来比30%短縮
・狭い場所(幅3m程度)でも作業可能
・フォークリフトとの連携がスムーズ
ユニット式積載枠(可変棚構造・錆に強いステンレス製)
災害の種類に応じて積載機材を変更できる柔軟な収納システムです。
【連携時の活用例】
・水害時:排水ポンプ、土のう袋を追加積載
・地震時:ジャッキ、バールなどを重点配備
手動式梯子昇降装置(地上操作可能・自動ロック式)
中低層建物(3階建て程度)からの救助・避難に対応します。
【企業での活用場面】
・従業員の避難訓練での使用
・階段が使用不能時の代替避難経路
・負傷者の安全な搬送
災害救助で使用されるその他の特殊車両
危機管理担当者が連携すべき各種特殊車両と、活用方法を解説します。
ポンプ車・化学車・大型化学車
火災の消火と延焼防止を担う車両です。火災の種類や規模に応じて適切な車両を選定し、企業の危険物管理や消防計画と連携させる必要があります。
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車両名 |
危機管理での連携ポイント |
必要な準備 |
導入検討ポイント |
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ポンプ車(タンク車) |
水槽1,500L、本格消火に対応 |
消火栓・防火水槽の位置図準備 |
準中型免許以上、消防団車両の活用も検討 |
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化学車 |
危険物施設火災に泡消火剤で対応 |
危険物リストの提供 |
危険物取扱者資格、薬剤の定期交換が必要 |
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大型化学高所放水車 |
物流倉庫の大規模火災に対応 |
施設配置図、風向データの提供 |
大型免許、専門訓練が必要 |
企業の防火管理者は、自社施設の火災リスクに応じた車両との連携方法を防災計画に明記してください。特に危険物施設では、泡消火剤の必要量と化学車の出動要請基準を定めておく必要があります。
はしご車・屈折放水塔車
高所での救助と消火活動を担う車両です。高層建築物を有する企業や施設では、階数に応じた梯体長の車両との連携体制を構築する必要があります。
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車両名 |
活動能力 |
必要な準備 |
導入検討ポイント |
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はしご車(15m〜50m級) |
5階〜15階相当、1回3〜5名搬送 |
進入路(幅4m以上)確保 |
建物の高さに応じた梯体長選定 |
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先端屈折式はしご車 |
屈折角度80度、屋上への直接進入可能 |
架梯スペース(10m×10m) |
狭隘地では屈折式が有利 |
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屈折放水塔車 |
最大22m高から放水、泡放射可能 |
展開スペース(15m×15m) |
大型免許、定期訓練が必要 |
建物の最高階数に応じた梯体長が必要です。屈折式は狭い土地での活動に有利ですが、直伸式より設置時間を要します。年1回は実地訓練で進入経路と架梯位置を確認してください。
救助車・水難救助車・山岳救助車
特定の災害環境に特化した救助車両です。企業の立地条件や想定災害に応じて、適切な車両との連携方法を検討する必要があります。
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車両名 |
人員・物資輸送能力 |
企業・NPOでの活用例 |
運用上の留意点 |
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救助車 |
隊員6名+資機材500種類 |
工場・倉庫での技術的救助支援 |
資機材の定期点検が必須 |
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水難救助車 |
隊員4名+ボート2艇 |
河川氾濫時の従業員救助 |
潜水士資格者の確保 |
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山岳救助車 |
不整地で隊員4名+担架搬送 |
山間部施設からの避難支援 |
四輪駆動、GPS装備を確認 |
河川沿いや沿岸部の事業所は水難救助車、山間部の施設は山岳救助車との連携を防災計画に組み込んでください。特殊環境での活動には専門資格と装備が必要なため、平時の合同訓練が欠かせません。
全地形活動車(不整地・浸水地に対応)
道路が寸断された状況でも活動できる特殊車両です。通常車両では進入困難な災害現場で、人員と物資の輸送を確実に実施します。
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車両名 |
走行能力 |
輸送能力 |
導入検討ポイント |
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全地形活動車(タイヤ式) |
不整地走行、水深0.8mまで |
8名または物資1トン |
準中型免許、即応性が高い |
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全地形活動車(クローラー式) |
泥濘地・急斜面(30度)走行可能 |
6名または物資0.8トン |
大型特殊免許が必要 |
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水陸両用車 |
水深1.2mまで、水上航行可能 |
10名または物資1.2トン |
船舶免許も必要な場合あり |
河川氾濫や津波浸水が想定される地域では、導入を検討すべき車両です。時速30km程度のため、輸送計画には余裕をもたせてください。また、自治体の補助制度や共同購入も確認してください。
救急車・陰圧型救急車・スーパーアンビュランス
傷病者の搬送と現場救護を担う医療支援車両です。企業の産業医や衛生管理者と連携し、災害時の医療体制に組み込む必要があります。
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車両名 |
搬送能力 |
企業での準備事項 |
導入・連携の要点 |
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救急車 |
患者1名+付添1名 |
ヘリポートへの搬送経路確保 |
救急救命士の配置を検討 |
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陰圧型特殊救急車 |
感染症患者1名を隔離搬送 |
感染症BCP、隔離場所の確保 |
保健所との連携体制 |
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スーパーアンビュランス |
最大8名の同時治療、救護所機能 |
40㎡の展開スペース確保 |
医療機関との協定締結 |
導入にあたっては、地域医療計画との整合性を確認し、医療機関との連携体制を構築してください。大規模災害時は、スーパーアンビュランスを現場救護所として活用する計画も検討すべきです。
消防ヘリコプター・消防艇・指揮車
広域的な活動と現場指揮を担う車両・航空機です。大規模災害時の情報収集と指揮統制において中心的な役割を果たします。
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種別 |
活動能力 |
必要な準備 |
連携上の要点 |
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消防ヘリコプター |
物資輸送1トン、患者搬送2名 |
ヘリポート(30m×30m)確保 |
風速・視界の基準確認 |
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消防艇 |
海上消火、水難救助、物資輸送5トン |
接岸可能な岸壁の確保 |
港湾管理者との調整 |
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指揮車 |
現地指揮所機能、通信中継 |
駐車スペース(8m×3m) |
情報連絡体制の構築 |
企業は会議室等との通信連携体制を構築する必要があります。ヘリコプターの運用には気象条件の制約があるため、代替手段も準備してください。指揮車配置時は、情報集約と意思決定の流れを事前に取り決めておく必要があります。
まとめ
災害救助車は、災害現場での人命救助と物資輸送を確実に実施するためのインフラです。車両選定には、防災計画で想定被害と必要輸送量を算出し、用途に応じた仕様(浸水対応/大容量/四駆)を決定しましょう。
防災計画には選定根拠・必要台数・配置計画・輸送ルートを明記すれば、災害時の迅速な人命救助と物資輸送につながります。想定災害や費用などの情報を整理し、専門メーカーや地域の消防車両取扱業者に相談すれば、話がスムーズに進められます。
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