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衝撃的な軽自動車。マツダ・オートザム AZ-1の真の実力とは

目次
1.本格派スポーツカーAZ-1 2.唯一の存在を手に入れる 3.孤高の軽自動車AZ-1

マツダオートザムAZ-1の両側ドアが上がっている

マツダ・オートザムAZ-1はマツダの販売店オートザムから販売されていた軽自動車スポーツカーです。1992年にデビューしたAZ-1は軽自動車でありながらミッドシップにエンジンを搭載しガルウイングを採用したスポーツカー。頑丈な構造のシャシーとFRPの外装により軽量化を実現しています。全長3,295mm全幅1,395mm全高1,150mmで1990年から1998年までの軽自動車規格のサイズ。車両重量は720kgと非常に軽量。エンジンはスズキアルトワークスから譲り受けたF6A型660cc直列3気筒ターボエンジンを座席後方ミッドシップに搭載し後輪を駆動させます。最高出力64PS/6,500rpm最大トルク8.7kgm/4,000rpm、トランスミッションは5速MTのみの設定。丈夫なスケルトンモノコックボディフレームを採用しているAZ-1は外板がなくても走行することができるほどの剛性を確保しています。

まさにレーシングカーそのものと言える作り。本格的なスペックとインパクトの強いガルウイングを持つ衝撃的で魅力的な軽自動車スポーツカーでしたが3年後の1995年に生産が終了してしまいました。そんなマツダ・オートザムAZ-1の真の実力について迫っていきます。

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本格派スポーツカーAZ-1

シルバーのAZ-1

わずか3年という短い期間で販売が終了してしまったAZ-1ですがメカニズムは本格的なスポーツカーです。具体的にどこが本格的なのか詳しく見ていきましょう。これを知ればAZ-1がどんなに素晴らしいクルマだったのか知ることができ欲しくなってしまうことでしょう。

〈基本骨格シャシー〉

AZ-1の性能のすべてを受け止めるシャシー。この専用シャシーこそがAZ-1の要と言っても良いでしょう。AZ-1に採用されたシャシー構造はスケルトンモノコックボディフレーム。このボディフレームは骨組み部分のみで剛性を確保するフレームでペリメーター型と言い換えることができます。つまり、ボディパネルに頼ることなく車体のスペースフレームのみで強度を保つことができるということ。よってAZ-1の外装パネルにFRPを使うことができ外板がなくても走行することができるのです。このことからユーザーの手によって着せ替えをする人たちもいたようです。この考え方は2代目になったダイハツコペンのドレス・フォーメーションに通じる考え方ですね。現代の技術ではスケルトンモノコックボディフレームを作ることはコストをかければ容易ですが1990年代にスケルトンモノコックボディフレームを軽自動車に取り入れたマツダの決断力は驚きです。スケルトンモノコックボディフレームはメリットも多くあるフレーム構造ですがデメリットもあります。

骨組み部分のみで強度を確保するスケルトンモノコックボディフレームはサイドシル部分が太く高くなり開口部を広くとることが難しく一般的なヒンジドアでは乗り降りに支障が出てしまいます。この理由からAZ-1ではダンパーを備えたガルウイングが採用しました。単に見た目のインパクトだけでなくボディ骨格の強度を保ちつつ乗り降りするためのスペースをとることができる構造がガルウイングだったということなのです。AZ-1がガルウイングを採用した理由は実はこのような理由。ガルウイングは一見インパクトがありますが乗り降りは思いのほか苦労することもあります。シートに座ってしまうとドアを閉めるストラップに手が届かなかったり、太く座面より高いサイドシルにより大きく足を開かないと乗り降りできなかったりします。しかし、このような不便があっても強度の高いボディフレームを採用しているからこそAZ-1がワンアンドオンリーな存在で支持され続けているのです。強靭なボディフレームとインパクトのあるガルウイングをまとっているAZ-1ですがコストがかかり新車販売価格が割高になってしまったのも事実です。

〈真ん中に搭載される心臓部〉

エンジンは軽自動車規格に合わせた660cc。スポーツカーというカテゴリーで見れば排気量は小さく非力なエンジンと思うかもしれませんがコンパクトで軽量なAZ-1には十分なパワーです。最高出力は64PS/6,500rpm最大トルク8.7kgm/4,000rpm直列3気筒インタークーラーターボエンジンF6A型をミッドシップに搭載。搭載位置が座席の後方であるため前後重量配分が前44:後56となっています。自動車のパーツの中で重量が重く重要な機関であるエンジンを前輪と後輪の間に搭載することができるミッドシップレイアウトは駆動輪のトラクションをしっかりと得ることができハンドリングが素直になる特性があります。AZ-1も例外ではなく後輪にしっかりと荷重がかかり地面を蹴ることができ意のままのハンドリングが特徴。AZ-1に搭載されているF6A型エンジンはスズキ製でアルトワークスやカプチーノに搭載されているエンジンと同じ。

AZ-1用のチューニングなどはされていませんがトルクフルで耐久性が高く信頼性のあるF6A型エンジンは軽自動車自主規制馬力である64馬力と記載されていますが実際には80馬力ほど出ていたのではないかと噂されるほどパワフルなユニットです。軽量で空力性能に優れたボディラインを持つAZ-1は鋭いダッシュと伸びの良い加速を味わうことができるミッドシップスポーツカーなのです。

 

平成初期を彩った軽自動車スポーツカーカテゴリーはAZ-1・ビート・カプチーノの3車種でしのぎを削っていました。この3車種の頭文字をとってABCトリオと呼ばれそれぞれ個性的な特徴により軽自動車スポーツカーカテゴリーを盛り上げていました。ABCトリオのAを担うAZ-1の特徴はミッドシップレイアウトとガルウイングだけではありません。ABCトリオの中で最も車高が低くクイックなステアリングも忘れてはならないポイントです。レーシングカーのように瞬時に向きを変えるステアリングギア比を持つAZ-1のステアリングはロック・トゥ・ロックが2.2回転。非常にシャープなハンドリング特性が持ち味です。ドライバーの意思通りにクルマが向きを変える楽しさがAZ-1には詰まっており「究極のハンドリングマシン」の異名がつけられました。

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唯一の存在を手に入れる

赤と黒のAZ-1

強烈な個性を持ったミッドシップ軽自動車スポーツカーAZ-1は販売期間が短く総生産台数が4362台と非常に少量。どうしても乗ってみたい、手に入れたいのであれば中古車しかありません。現在(2019年1月時点)AZ-1の中古車は20台弱、価格は80万円~250万円と驚きの金額です。もともと出回っている台数が少なく現存する個体数が少ないため希少価値がついています。

AZ-1は基本のノーマルグレード、装備を充実させたタイプL、エアロパーツ付きのマツダスピードバージョンなどのグレード展開をしていましたが、今回オススメするのはノーマルグレードです。ノーマルグレードをオススメする理由はノーマルであっても完成度は非常に高くスポーツドライビングやシャープなハンドリングは十二分に楽しむことができるからです。ただし、スケルトンモノコックボディフレームを採用しているAZ-1の車両選びで気をつけなければならないことは修復歴の有無です。フレームにまでおよぶ修復がされていると本来のポテンシャルが発揮されずボディのねじれが発生し走行が不安定になる可能性が考えられます。よって修復歴のチェックは欠かさずにするようにしてください。

〈オススメと注意点〉 ・ノーマルグレード ・修復歴のチェック(特にフレーム部分)

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孤高の軽自動車AZ-1

赤のAZ-1

スポーツカーとしての視点からAZ-1見てみたり分析をしてみたりすると軽自動車としては豪華すぎるスペックが与えられていることがわかります。当時の新車販売価格は1,498,000円~1,598,000円と軽自動車にしては割高な価格、2ドア2シーター、ユーティリティはほぼ皆無などといった要因で少量短命で終了してしまいましたが素晴らしいモデルであることは間違いありません。これほどまでに走りを追求した軽自動車スポーツカーをリリースすることができたのは開発責任者である平井敏彦氏の存在があったからです。

平井敏彦氏はマツダを代表するライトウェイトスポーツカーロードスターの主査を務めた人物。1989年にAZ-1の原型であるコンセプトカーAZ550スポーツの市販化に伴いコンセプトカーにあったリトラクタブルヘッドライトの採用を止め、トランクレス、高いサイドシル、リクライニングしないシートにするなど徹底してスポーツカーへと仕上げていきました。快適性よりもスポーツ性能を重視した結果が市販化されたモデルがAZ-1でありマツダのスポーツマインドを限られたサイズに凝縮したモデルがAZ-1だったのです。平井敏彦氏が開発責任を務めたからこそAZ-1は孤高の存在になり現在でも人気が衰えず当時の新車販売価格を越える価格で取引される名車になりました。

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