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ハイブリッド車の車検は高くない|理由を項目別に解説

目次
1.ハイブリッド車の車検費用はガソリン車と違う? 2.車検費用の3つの構成要素 3.エコカー減税と車検費用の関係 4.ハイブリッド車の車検はどこに依頼すべき? 5.車検費用を抑える3つのコツ 6.まとめ

ハイブリッド車の車検は「普通車と何か違うのか」「費用が高くなるのでは」と不安になる方もいるのではないでしょうか。

この記事では、25年以上にわたって旧車・クラシックカーを15,000台以上買い取りしてきた旧車王が、ハイブリッド車の車検費用の内訳から依頼先の選び方、費用を抑えるコツまで解説します。

【この記事でわかること】

・ハイブリッド車の車検費用

・ハイブリッド車特有の装備と交換の目安

・エコカー減税の中身と期間

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ハイブリッド車の車検費用はガソリン車と違う?

ハイブリッド車の車検費用は、基本的にガソリン車と変わりません。エコカー減税で新車登録から5年間は安く維持できます。一方、駆動用バッテリーなどの高額部品交換が必要になると、眉間にシワを寄せることになるでしょう。ここでは、費用に関する3つのポイントを解説します。

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車検費用の3つの構成要素

車検の総費用は、以下の3項目で構成されます。

【車検費用の構成要素】

・法定費用:自動車重量税、自賠責保険料、検査手数料(法律で義務付け)

・車検基本費用:点検・整備作業料、代行手数料など

・部品交換費用:消耗品の交換費用(ブレーキパッド、オイル、バッテリーなど)

ハイブリッド車でもガソリン車でも、構成は変わりません。

法定費用:エコカー減税で優遇される

ハイブリッド車には優遇措置のエコカー減税が適用されます。エコカー減税による具体的なメリットを以下にまとめました。

【エコカー減税のメリット】

・自動車重量税が減税または免税される

・新規登録時と3年後の初回車検時に最大5年分が免税される

なお、車検基本費用も整備工場によっては普通車と同額です。よって、エコカー減税が適用される期間の法定費用は、ガソリン車よりもお財布に優しいといえるでしょう。

部品交換費用:高額になる可能性あり

ハイブリッド車は、2種類のバッテリーを搭載しています。交換費用と寿命が異なり、とくに駆動用バッテリーは高額です。具体的な違いについて、下表で確認しておきましょう。

バッテリーの種類

交換費用

寿命

特徴

駆動用バッテリー

20万〜30万円

約10年

長寿命ながら交換時は、車検費用を大きく押し上げる

補機バッテリー

1万〜2万円

3〜6年

ガソリン車とほぼ同額

駆動用バッテリーの交換費用に目が行きがちですが、回生ブレーキによりブレーキパッドの寿命が延びるなど、長持ちする部品があることもハイブリッド車の特徴です。

ハイブリッド車ならではの部品交換費用

ハイブリッド車は、ガソリンエンジンとモーターの両方を搭載しているため、ガソリン車にはない高額部品が並びます。ここでは、主要部品の費用を詳しく解説します。

駆動用バッテリー:交換20〜30万円

駆動用バッテリーはハイブリッド車の心臓部であり、交換が必要になると車検費用が跳ね上がります。寿命や交換費用、対処方法について以下にまとめました。

【駆動用バッテリーの概要】

・寿命:概ね10年

・交換費用:20万〜30万円程度

・対処法:7年目以降は年1回のバッテリー診断で状態をチェック

・診断方法:ディーラーやカー用品店で受付

近年は耐久性が向上し、適切なメンテナンスで10年以上使用できるケースも増えています。しかし、走行中の故障でクルマが動かなくなる可能性があるため、定期的なチェックを習慣化できると安心です。

補機バッテリー:ガソリン車と同程度

補機バッテリーは、ハイブリッドシステムの起動に必要な部品です。ものとしてはガソリン車と同じ12Vの鉛蓄電池です。駆動用バッテリーほど高額ではありませんが、上がってしまうと走行できなくなってしまいます。寿命や交換費用、対処方法は以下のとおりです。

【補機バッテリーの概要】

・役割:ハイブリッドシステム起動、カーナビ・エアコン等の電源

・寿命:3〜6年

・交換費用:1万〜2万円程度

・重要性:上がると駆動用バッテリーが正常でも走行不能

・対処法:バッテリーが上がってしまった場合はロードサービスへ連絡

「エンジンがかかりにくい」「パワーウィンドウの動作が遅い」など、劣化の兆候があれば交換の時期です。

長持ちする部品:ブレーキパッドとエンジンオイル

ハイブリッド車特有の回生ブレーキやモーター走行により、一部の消耗品はガソリン車よりも長持ちします。ガソリン車との交換時期の違いと、長持ちする理由を下表にまとめました。

消耗品

ガソリン車

ハイブリッド車

長持ちする理由

ブレーキパッド

3万〜5万km

5万〜10万km

回生ブレーキで消耗が抑制できるため

エンジンオイル

5,000km

7,000〜1万km

モーター走行でエンジンの負担が軽減できるため

回生ブレーキは、減速時の回転エネルギーを電力に変えてバッテリーを充電する仕組みです。フットブレーキの使用頻度が減るため、ブレーキパッドの消耗がおさえられます。

なお、ブレーキの効き目を維持するブレーキオイル(ブレーキフルード)は2年ごとの交換、費用は1万円が目安です。

エコカー減税と車検費用の関係

ハイブリッド車は国の環境性能基準を満たすため「エコカー減税」の対象です。とくに、新車登録からの5年間は、自動車重量税が減税されるメリットがあります。

エコカー減税で自動車重量税が優遇

エコカー減税は、国が定めた排出ガスと燃費の基準値をクリアした環境に優しい車に対して、自動車重量税を軽減または免除する制度です。

ハイブリッド車は多くの場合この基準を満たしているため、法定費用の中の自動車重量税が減税されます。自動車重量税は車両の重さに基づいて課せられる税金で、車検時に必ず支払う必要がある法定費用に含まれています。

減税率は車種ごとの燃費基準達成率によって決まり、電気自動車やプラグインハイブリッド車は免税、通常のハイブリッド車も高い減税率が適用されるケースが大多数です。本制度により、結果的に車検費用が安くできます。

新車登録から5年間が特に優遇

エコカー減税の優遇は、新車登録から5年間に集中して適用されます。具体的には、新規登録時に3年分、その後の初回車検時に2年分の自動車重量税が免税になる場合があり、合計で5年分の税金が免除される計算です。

車両重量1.5トン以下を例に金額を確認したものが下記です。

・新規登録時:最大3万6,900円の免税

・初回車検時:最大2万4,600円の免税

・合計:最大6万1,500円の免税

2回目以降は通常税率に戻る

エコカー減税による優遇は、新車登録から5年間に限定されています。2回目の車検にあたる新車登録から5年目以降の車検からは免税措置が終了し、通常の自動車重量税対象へと移行します。

ただし、エコカー減税の対象車輌には「エコカー税率」が適用され、通常のガソリン車よりも割安です。車両重量1.5トン以下の場合を例に、金額を確認したものが下記です。

・ガソリン車などのエコカー対象外のクルマ:2万4,600円(2年)

・本則税率が適用されるハイブリッド車:1万5,000円(2年)

・合計:9,600円割安

5年目以降の車検費用を計画する際には、免税期間が終了することを考慮しましょう。

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ハイブリッド車の車検はどこに依頼すべき?

一昔前はディーラー一択でしたが、現在では選択肢が広がっています。状況に応じた依頼先を選びましょう。

ハイブリッド車の車検は、保証期間や車齢によって最適な依頼先が異なります。下表で、ご自身の状況に合った依頼先をご確認ください。

依頼先

最適なケース

メリット

ディーラー

保証期間内の車検

・専門性と安心感

・保証適用が可能

カー用品店・認証工場

保証期間外の車検

・ディーラーよりも割安な場合がある

ディーラー:専門性の高さが魅力

ディーラーは、ハイブリッド車の構造に最も詳しく、専用の診断機器と整備士の技術力を兼ね備えています。ディーラーの強みを以下にまとめました。

【ディーラーの強み】

・ ハイブリッド車専用診断機を設置している

・整備士の継続的な技術教育で安心感が高い

・保証期間内(新車登録から3年または5年)なら保証が適用される可能性がある

・駆動用バッテリー交換にも対応してもらえる

カー用品店・認証工場:費用を抑えられる

カー用品店や認証工場でも、ハイブリッド車の車検に対応できる設備と技術が整ってきています。依頼先の例と確認しておきたいポイントを下記にまとめました。

【依頼先の例と特徴】

・オートバックス:専用診断機完備、全国展開で利用しやすい

・イエローハット:ハイブリッド車対応店舗多数

・地域の認証工場:地域密着で柔軟な対応

【依頼前の確認ポイント】

・ハイブリッド車の整備実績(年間〇〇台など)

・専用診断機の保有の有無

・「ハイブリッド車対応」の明記があるか

・口コミや評判

車検費用を抑える3つのコツ

ハイブリッド車の車検費用を抑えるためには、事前準備と比較検討が重要です。とくに高額なバッテリー交換を避けるための事前点検、複数業者の料金比較、そして不要な部品交換を避けることが効果的です。

①バッテリー状態を事前点検

車検当日に突然「バッテリー交換が必要です」と告げられると、高額な出費で慌てる事態になりかねません。事前にバッテリー診断を受けておけば、交換の必要性を把握でき、予算の準備や交換タイミングの調整が可能です。

事前診断は車検予定日の2〜3ヶ月前に受けましょう。ディーラー・カー用品店どちらも無料〜3,000円程度で診断ができます。

とくに、新車登録から7年以上経過している場合は欠かせない点検です。なお、補機バッテリーに劣化の兆候があれば、カー用品店で購入して車検前に自分で交換しておくのも1つの手です。

②複数工場の見積もり比較

車検費用は業者によって数万円単位で差が出るため、最低3社から見積もりを取って比較するのが鉄則です。

見積もりは車検予定日の1〜2ヶ月前に取り始めましょう。ディーラー1社とカー用品店2社のように、異なるタイプの業者を組み合わせると比較がしやすくなります。早期予約割引を実施している業者やタイミングもあるため、日頃から情報を集めておくと役立ちます。

なお、見積り時は下記の内容をチェックし目を通してください。

【見積り時のチェック項目例】

・車検基本料金

・部品交換費用の見込み

・追加料金の有無

・代車の提供有無

最安値だけで判断せず、技術力と価格のバランスを見て決めるのが賢明です。

③消耗品は必要なものだけ交換

業者から「走行距離的にそろそろ交換時期です」と勧められても、すぐに承諾せず、実際の部品の状態を確認してから判断しましょう。

ハイブリッド車はブレーキパッドやエンジンオイルが長持ちする特性があるため、走行距離だけで判断すると不要な交換で出費がかさんでしまう可能性があります。

ブレーキパッドは残厚を実際に測定してもらい、残り3mm以下なら交換、それ以上なら次回車検まで様子を見ても問題ありません。

エンジンオイルは抜き取ったオイルの色と粘度を見せてもらい、真っ黒でドロドロなら交換、まだ透明感があれば交換の優先順位は下がります。

「本当に今回の車検で交換が必要か」を質問する習慣をつけることで、数万円の節約が可能です。

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まとめ

ハイブリッド車の車検費用は、基本的にガソリン車と変わりません。しかし、新車登録から5年間のエコカー減税や高額な駆動用バッテリーなど、ハイブリッド車ならではのメリット・デメリットがあります。

デメリットを小さくするには、事前点検の徹底や複数者への見積り依頼などが有効です。車検が近づいてきた方は、バッテリーの状態確認と複数業者への見積もり依頼から始めてみてはいかがでしょうか。

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