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ハイブリッド車は、ガソリンエンジンと電動モーターを搭載しているため、燃費の良さや静かな走りなどさまざまな魅力があります。
一方で、車輌本体価格が高くバッテリーの交換費用がかかるなどのデメリットもあります。ハイブリッド車の購入を検討する際は、特徴をよく理解し、自身のライフスタイルや利用する目的に合っているかをよく検討することが大切です。
この記事では、25年以上にわたって旧車・クラシックカーを15,000台以上買い取りしてきた旧車王が、ハイブリッド車の特徴やガソリン車との違い、メリット・デメリットなどについて詳しく解説します。
【この記事でわかること】
・ハイブリッド車の仕組み・種類・ガソリン車との違い
・ハイブリッド車のメリットとデメリット
・自分に合ったハイブリッド車を選ぶ際のポイント
ハイブリッド車とは
ハイブリッド車(HV:Hybrid Vehicle)とは、異なる動力源を持つクルマのことです。
多くのハイブリッド車には、ガソリンで動く内燃機関(エンジン)と電気で駆動するモーターが搭載されています。
異なる2つの動力源を使い分けることで、ガソリンエンジンのみのクルマに比べ燃費や静寂性が向上し、CO₂の排出も抑えられるなどさまざまなメリットがあります。
また、減速時にモーターを発電機として活用し、バッテリーを充電することも可能です。
ガソリン車との違い
ハイブリッド車とガソリン車の主な違いは「動力源」です。
ガソリン車はエンジンが常に動力源となるのに対し、ハイブリッド車は状況に応じて電動モーターを使って走行します。
発進や加速の際にモーターが作動をすることにより、ハイブリッド車はガソリン車よりも燃費が良くなるため、燃料費が比較的安価です。
一方、ガソリン車はハイブリッド車よりも車体構造がシンプルな分、車輌本体や整備費用、修理費用などが安い傾向にあります。
ハイブリッド車の種類
ハイブリッド車には、仕組みの違いによって以下の3種類があります。
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・シリーズ方式
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・パラレル方式
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・シリーズ・パラレル複合方式(スプリット方式)
シリーズ方式は、エンジンで発電した電力をバッテリーに蓄え、その電力でモーターを駆動させて走行します。電気自動車に近い加速や乗り味である点が特徴的です。
パラレル方式は、エンジンを主体としてモーターは発進や加速をする際のサポートに徹するタイプです。ガソリン車から乗り換えたときの違和感がもっとも少ないといわれています。
シリーズ・パラレル複合方式は、エンジンとモーターを状況に応じて効率よく使い分ける仕組みです。たとえば、発進時や低速走行時はモーターのみを、高速走行時は主にエンジンを利用するなど、2つの動力源の持ち味を活かして走行します。
PHEV(プラグインハイブリッド)との違いと共通点
PHEV(プラグインハイブリッド車)は、エンジンとモーターを動力源としている点でハイブリッド車と共通しています。
一方、PHEVは外部充電に対応しており、自宅のコンセントや充電スタンドなどにある充電ケーブルをクルマに直接つないでバッテリーに電気を貯めることが可能です。
また、PHEVのほうがバッテリーのみで走行できる距離が長いため、ガソリンの使用量をさらに減らせます。近場への移動であれば、電気自動車のように使用することもできます。
ハイブリッド車のメリット
ハイブリッド車には以下のようなメリットがあります。
燃費が良く、ガソリン代を節約できる
ハイブリッド車は、ガソリンエンジンと電気モーターを使い分けて走行します。
発進するときや低速走行をするときなど、ガソリンを多く使いがちな場面でモーターがサポートするため、燃料消費を抑えられます。
走行環境・運転スタイル・車種により異なりますが、ガソリン車と比較して低燃費な傾向にあるため、燃料代を安く済ませることが可能です。
税金や自動車重量税で優遇措置がある
多くのハイブリッド車は、環境性能が一定基準をクリアしているクルマを対象とした減税制度により、税負担が軽減されます。
たとえば、「エコカー減税」の対象になると、新車購入時や車検時に納める自動車重量税が、クルマの排出ガス性能や燃費性能に応じて25〜100%軽減されます。自動車重量税は、クルマの重量に応じて課税される税金です。
クルマを取得したときに課される「自動車税環境性能割」についても、燃費基準の達成状況に応じた減税を受けることが可能です。
プラグインハイブリッド車の場合は、「グリーン化特例」により、クルマの所有者が毎年納める自動車税(種別割)がおおむね75%軽減されます。
燃料代が安価であることに加え、環境性能に応じた減税を受けられることで、クルマを所有する際にかかるコストをさらに抑えられるでしょう。
静粛性が高く、車内が快適
ハイブリッド車は、エンジン音や振動が小さく静寂性に優れるという特徴があります。
特に、シリーズ方式やスプリット方式の場合、発進するときや低速で走行するときはモーターのみで駆動し、エンジンが停止した状態となるため、車内はとても静かです。
車内が静かであると、同乗者である家族や友人などとの会話をする際にストレスを感じにくくなるでしょう。また、緊急車両のサイレンや踏切の警報音、他のクルマの接近音などが聞き取りやすくなるため、より安全に走行しやすくもなります。
発進がスムーズで加速のフィーリングが良い
モーターが駆動することにより、スムーズで力強い加速を体感できる点もハイブリッド車のメリットです。
ハイブリッド車に搭載される電動モーターは、走り出した直後から高いトルクを発揮します。信号待ちからの発進や合流などで加速したいときにアクセルを踏むと、滑らかに加速するため、より快適に運転できます。
環境への負荷が少ない・エコ性能が高い
ハイブリッド車は、電動モーターの活用によりガソリンの使用量を減らせるため、地球温暖化の原因といわれる二酸化炭素(CO2)の排出を抑えられます。
また、人体や自然に有害といわれるクルマの排出ガスも減らせるため、ハイブリッド車に乗ると地球環境を守ることにつながります。
ハイブリッド車のデメリット
ハイブリッド車にはガソリン代を節約できるなどのメリットがある一方で、購入前に知っておくべきデメリットもあります。以下では代表的なデメリットについて解説します。
車輌本体価格が高く、初期費用がかかる
ハイブリッド車は、クルマを動かすためのモーターや電気を蓄えるための大容量バッテリーなどを搭載しているため、ガソリン車に比べて車輌本体価格が高い傾向にあります。
同じ車種でも、ハイブリッド仕様とガソリン仕様では20万〜40万円、車種によっては80万円ほどの価格差が生じることがあります。
燃費が良く税金が優遇されるものの、本体が高額である点を踏まえると、走行距離が短い方や3年程度で乗り換える方などはトータルの支払額が高くなる場合もあります。
バッテリー・関連部品の修理費が高くなりやすい
ハイブリッド車はガソリン車よりも構造が複雑なため、整備費用や修理代が高くなりやすいです。
特に、ハイブリッド車の動力源となる「駆動用バッテリー」の交換費用は15万〜60万円ほどかかるのが一般的です。
中古車の場合、バッテリーの劣化が進行しており、メーカー保証が切れていることも多いため、故障により多額の修理費用がかかる場合もあります。
ガソリン車に比べて車体が重い傾向がある
ハイブリッド車は、大容量バッテリーや電動モーターといった重量のあるパーツを積んでいるため、車輌重量が重くなりやすいです。
車体が重いと、ブレーキをかけてから停止するまでの距離が長くなる傾向にあります。タイヤやサスペンションの負担も大きくなり、摩耗が早くなることで交換頻度が増え維持費がさらに高くなる場合もあります。
静かすぎて歩行者に気づかれにくいリスク
ハイブリッド車がモーターのみで低速走行している場合、エンジン音はほとんどしません。
そのため、車外の歩行者や自転車を運転している人が、クルマの存在に気づきにくくなる場合があります。
特に、路地裏や駐車場など歩行者とクルマが混在する場所では、接触事故のリスクが高まるため、細心の注意を払いながら運転する必要があります。
ハイブリッド車を選ぶときのポイント
2025年11月現在、日本国内では多くのハイブリッド車が販売されているため、どの車種を選べばよいか迷う人は少なくありません。
ハイブリッド車を選ぶ際は、単なる燃費の良さだけでなく、ボディタイプや駆動用バッテリーの保証期間などもよく比較することが大切です。以下で詳しく解説します。
燃費性能(WLTCモード)の見方
WLTCモードは、国際的な基準にもとづいた燃費の測定方法です。かつてメーカーの公式サイトやカタログなどに記載されていた「10・15モード」や「JC08モード」よりも実際の走行に近い数値が出るとされています。
また、市街地、郊外、高速道路という3つの走行シーン別に燃費が表示されるため、クルマの利用状況に近い燃費を把握することも可能です。
たとえば、買い物に利用することが多い場合は「市街地モード」、遠出が多いなら「高速道路モード」の数値を確認すると、おおまかな燃費を把握しやすくなります。
用途と乗車人数に合うボディタイプ選び
ハイブリッド車のボディタイプにはさまざまな種類があるため、利用目的やクルマに乗る人数をもとに適切なものを選ぶことが大切です。
たとえば、通勤や買い物、送り迎えが中心なら小回りの利くハッチバック、家族で旅行をする機会や荷物を多く積むことが多いならミニバンやSUVを選ぶのがよいでしょう。
乗車人数が1〜2人であればハッチバックのコンパクトカー、3〜4人なら後席が広いSUVやステーションワゴン、5人以上なら3列シートのミニバンを選ぶと使いやすいです。
駆動用バッテリーの保証期間と内容
ハイブリッド車に搭載されている駆動用バッテリーには、多くのメーカーで一定の保証期間が設けられています。
一般的に保証期間は「新車登録から5年または走行距離10万kmまで」と設定されており、この期間内であれば不具合が起きたときに無償で修理してもらうことが可能です。
ハイブリッド車の購入を検討する際は、バッテリー保証の期間と保証が受けられる条件をよく確認しましょう。
中古車の場合は、メーカー保証の期間が残っているハイブリッド車を選ぶのも1つの方法です。また、販売店独自の保証が用意されていることもあります。
中古のハイブリッド車を検討している場合は、保証の有無や保証内容、条件、支払料金などをよく確認することをおすすめします。
停電時にも役立つ「AC100Vコンセント」装備に注目
一部のハイブリッド車には、家庭用と同じAC100Vのコンセントが備わっています。
AC100Vのコンセントがあれば、アウトドアやレジャーの際に役に立つだけでなく、災害による停電時にクルマを非常用電源として活用することも可能です。
スマートフォンの充電や扇風機の使用だけでなく、消費電力が大きい電子レンジや電気ケトルなども動かせるため、災害時に役に立ちます。
ハイブリッド車を選ぶ際は、AC100Vのコンセントが搭載されているかどうかも確認してみるとよいでしょう。
まとめ
ハイブリッド車には、優れた燃費性能やスムーズな加速、高い静寂性、税金の優遇などさまざまなメリットがあります。
一方で、車輌本体価格が高く、将来的なバッテリー交換費用がかかる可能性があります。車体が重い傾向にあり、制動距離が長くなりやすい点や、走行音が静かすぎて歩行者に気づかれにくいリスクがある点も押さえておきましょう。
また、ひと口にハイブリッド車といっても燃費やボディタイプはさまざまなため、家族構成やライフスタイル、利用目的などを踏まえ自身に合った1台を比較検討してみてください。
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