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クルマのリモコンキーが壊れたり電池切れになったりすると、スイッチを押してもドアの解錠・施錠ができません。また、近年増えているスマートキーの場合、不具合が生じるとエンジンのスタートスイッチを押してもエンジンが始動しなくなります。
スマートキーやリモコンキーに不具合が生じたとしても、ドアの解錠・施錠やエンジンの始動はできますが、通常よりも手間がかかります。そのため、キーが反応しなくなった原因を考え、必要に応じて修理をするとよいでしょう。
この記事では、25年以上にわたって旧車・クラシックカーを15,000台以上買い取りしてきた旧車王が、スマートキー(リモコンキー)が反応しない原因と対処法、修理や交換にかかる費用などについて詳しく解説します。
【この記事でわかること】
・スマートキー(リモコンキー)が壊れたときにできること
・スマートキーが反応しない原因と確認ポイント
・スマートキーが壊れないための予防策
スマートキー(リモコンキー)が壊れたときにできること
リモコンキーのスイッチを押しても反応しない場合は、ドアに鍵を差し込むことで開け閉めができます。
一方、スマートキーについても、本体に不具合が生じたときでもドアの解錠・施錠やエンジンの始動ができるよう設計されています。
以下では、スマートキーが反応しなくなったときの対処方法について詳しく解説します。
メカニカルキーを使う
スマートキーの本体には、非常時に備えてメカニカルキーという物理的な鍵が内蔵されています。
電池切れや故障などでスマートキーが使用できなくなったときは、メカニカルキーでドアの解錠や施錠ができます。
メカニカルキーでドアを解錠する手順は以下のとおりです。
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1.スマートキーの側面や裏側にある解除ボタンを押すか、スライドさせてメカニカルキーを取り出す
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2.キーをドアノブ横の鍵穴(キーシリンダー)に差し込んで回す
車種によってはドアの鍵穴がキャップで隠されていることがあります。その場合は、キャップを慎重に取り外してからメカニカルキーを差し込みましょう。
スマートキーが反応しないときのエンジン始動方法
スマートキーが電池切れや電波干渉などで反応しない場合、本体をエンジンのスタートスイッチに近づけて押すことでエンジンを始動できます。AT車の操作手順は以下のとおりです。
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・シフトレバーが「P」(パーキング)の位置にあることを確認する
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・ブレーキペダルを踏み込む
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・スマートキー本体をエンジンスタートスイッチに直接接触させる
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・ブレーキペダルを踏んだまま再度スタートスイッチを押す
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・エンジンが始動する
エンジンスタートスイッチに接触させたスマートキーを車輌側が認識すると、スイッチのインジケーターランプが点灯・点滅したり、警報音が鳴ったりすることがあります。
車種によっては、ステアリングの位置が指定されていることがあります。
スマートキーが使用できなくなったときでも冷静に対応できるよう、事前にクルマの取扱説明書で緊急時のエンジン始動の手順や注意点などを確認しておきましょう。
警報音が鳴った場合の対処法
メカニカルキーを使ってドアを解錠すると警報音が鳴る場合があります。これは、セキュリティシステムがスマートキー以外の方法による解錠を異常と検知するためです。
警報音が鳴ったときは、慌てず速やかに車内に乗り込み、緊急時の手順でエンジンを始動させましょう。エンジンが始動すると、警報音は自動的に鳴り止みます。
スマートキーが反応しない原因と確認ポイント
スマートキーが反応しない主な原因は「電池切れ」「電波障害」「ドアが完全に閉まりきっていない」の3つです。以下で詳しく解説します。
電池切れによる一時的な不具合
スマートキーが反応しなくなる原因のほとんどは内蔵されている電池の残量不足です。電池切れが原因であれば、新しい電池に交換することで再び使用できるようになります。
電池残量の低下が進むと、スマートキーが発する電波が弱くなりクルマとの通信が不安定になることで以下のような兆候が表れるようになります。
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クルマにかなり近づかないとスマートキーが反応しない
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キーのスイッチの反応が鈍い
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メーターパネルにキーの電池残量低下を示す警告灯が点灯する など
スマートキーが反応しなくなったときは、上記のような兆候がなかったか思い返し、電池切れが疑われる場合は新しい電池に交換しましょう。
電波障害による通信トラブル
スマートキーは微弱な電波でクルマと通信して、ドアの解錠・施錠やエンジンの始動を行う仕組みです。
施設や機器などから発せられる電波の影響を受けて、クルマの受信機がスマートキーからの信号を受信できなくなり、正常に作動しなくなることがあります。
電波障害を引き起こしやすいのは、クルマやスマートキーが以下のような施設や機器の近くにあるときです。
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・強い電波を発生する施設:テレビ塔、発電所、放送局、高圧電線の下 など
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・他の通信機器:スマートフォン、ノートパソコン、無線LANルーター など
電波障害が原因の場合「強い電波を発していると思われる施設からクルマを遠ざける」「スマートフォンや無線LANルーターなどからスマートキーを離す」といった方法で改善される可能性があります。
ドアが完全に閉まっていないケース
ドアやトランクなどが完全に閉まっていない「半ドア」の状態であると、スマートキーのロック機能は作動しません。
スマートキーでクルマを施錠できないときは、すべてのドアやトランクを閉め直すことで問題が解決する場合があります。
スマートキーでドアをロックできないときは以下を確認するとよいでしょう。
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・完全に閉まっていないドアやトランクがないか
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・室内灯が点灯していないか
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・メーターパネルに半ドア表示がないか
車のバッテリー上がりによる電源供給停止
車輌側に搭載されるスマートキーの受信機は、エンジンが停止している間も待機状態で電力を消費しています。
クルマのバッテリーが上がった状態では、受信機に電力が供給されなくなって機能しなくなるため、スマートキーによるドアの解錠や施錠、エンジンの始動はできません。
バッテリー上がりの場合は、家族や友人などのクルマ(救援車)とブースターケーブルで接続して電力を供給するジャンピングスタートを行うと、再び走行できるようになります。
救援車の準備が難しい場合は、ジャンプスターターやロードサービスの利用を検討するとよいでしょう。
バッテリーが劣化している場合は、ディーラーや整備工場などで新しいバッテリーに交換してもらうことをおすすめします。
壊れたスマートキーの修理・交換方法
故障したスマートキーの修理には、高度な技術が求められることが多いため、ディーラーか鍵専門店に依頼するとよいでしょう。以下では、ディーラーや鍵専門店にスマートキーの修理や交換を依頼するメリットや費用の目安などについて解説します。
ディーラーで修理・再登録する
ディーラーは特定のメーカーやブランドのみを取り扱う店舗です。
メーカーが定める正しい手順・方法と専用機器を用いて作業してくれるため、安心してスマートキーの修理を依頼できるでしょう。
修理が難しい場合は新しい純正スマートキーと交換してもらうことも可能です。カー用品店や一部の鍵専門店では対応が難しい、イモビライザーの登録(車輌のIDとスマートキーを一致させる作業)も依頼できます。
費用の相場は3万〜5万円程度です。ただし、車種や作業内容によっては10万円を超えるケースもあります。
依頼から作業完了までの日数は数日〜1週間程度が目安ですが、2週間以上かかる場合もあります。
鍵専門店で修理・再作成する
急いでスマートキーを修理したいときは、鍵専門店に依頼するのも1つの方法です。
鍵専門店の多くは、出張サービスを行っています。電話やインターネットなどで依頼をすると、早い場合ではその日にスタッフがクルマの保管場所まで駆けつけて、30分〜1時間程度で鍵の修理や交換を行ってくれます。
合鍵作成に対応している店舗の場合、鍵穴から鍵を複製してもらうことも可能です。
費用は業者や車種によって異なりますが、3万〜10万円程度が目安です。
スマートキーの部品そのものが高価であり、イモビライザーの登録作業も必要になるケースがあるため、ディーラーよりも安くなる場合もあれば高額になる場合もあります。
業者によって、対応する作業範囲や料金体系などが異なるため、事前に確認しておきましょう。
スマートキーが壊れないための予防策
スマートキーの故障を防ぐためには、以下の方法で対策をすることも重要です
定期的な電池交換(目安1〜2年)
スマートキーは、車輌に搭載されているコンピューターとの認証を行うため、常に受信動作をしており、リモコンキーよりも電池の消耗が早いとされています。そのため、1〜2年ごとを目安に電池を交換するとよいでしょう。
ほとんどのスマートキーは、メーカー指定のボタン電池をコンビニや家電量販店などで購入し、自身で交換できます。
また、ディーラーや専門業者に依頼すると、数百円〜1,000円程度の費用で電池を交換してもらえる場合もあります。
強い電波の近くに保管しない
電波障害によりスマートキーが反応しなくなる事態を防ぐためには、強い電波を発する電子機器や施設などの近くを避けることをおすすめします。
クルマはテレビ塔、発電所、放送局、軍用基地、空港など、強い電波やノイズを発生する施設や設備から離れて駐車しないようにしましょう。
スマートキーを保管する際は、スマートフォンやパソコン、テレビのリモコンなどの近くに置かないようにすることも重要です。電子機器の近くにスマートキーを保管すると、電波干渉によって電池の消耗が早まる可能性があります。
予備電池・スペアキーを常備する
予期せぬトラブルに備えて、予備電池やスペアキーを常備するのもよいでしょう。
予備のボタン電池をカバンや自宅などに保管することでスマートキーが電池切れになったときすぐに交換できます。
スペアキーを用意していると、スマートキーの紛失や破損などが起こった際でもドアの解錠・施錠やエンジンの始動がスムーズに行えます。
まとめ
スマートキーが反応しなくなったときは、内蔵のメカニカルキーでドアの解錠・施錠ができます。また、シフトレバーが「P」の状態でブレーキペダルを踏み、キー本体を近づけてエンジンのスタートスイッチを押すとエンジンも始動可能です。
反応しなくなる原因は、スマートキーの電池切れや電波障害、クルマのバッテリー上がりなどが考えられます。
故障が疑われる場合はスマートキーの修理や交換が必要なため、ディーラーや鍵専門店に相談をするとよいでしょう。
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