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クルマに乗り降りする際に必ず触れるドアノブは、接触回数が多いため故障しやすいパーツです。「修理には一体どれくらいの費用がかかるのだろう?」「もしかして自分で直せるのでは?」と、不安や疑問を感じている方も少なくないはずです。
本記事では、25年以上にわたり旧車・クラシックカーを15,000台以上買い取ってきた旧車王が、クルマのドアノブが壊れる原因から、傷や破損の状態に応じた修理方法、そして気になる費用相場まで、詳しく解説します。
【この記事でわかること】
・クルマのドアノブが壊れる・傷がつく理由
・クルマのドアノブの修理費用の目安
・クルマのドアノブの修理方法・依頼先
クルマのドアノブが壊れる・傷がつく理由
頻繁に使用するドアノブは、なぜ壊れたり傷ついたりしてしまうのでしょうか。ここでは、ドアノブに不具合が生じる主な理由を見ていきましょう。
ドアノブは日常的に傷つきやすいパーツ
ドアノブは乗り降りの際に必ず接触するパーツです。特にドアノブのくぼんだ部分(ドアカップ)は、ドアを開ける際に爪や指輪が当たりやすく、細かなひっかき傷がつきやすい箇所といえます。鍵束を持った手でドアを開けようとして、鍵の先で傷つけてしまうケースも珍しくありません。
こうした小さな傷は1つ1つは目立たなくても、積み重なることでクルマ全体の印象を古びさせる原因となります。普段あまり意識しない部分かもしれませんが、ドアノブはクルマの中でも特にデリケートで、日々の使用によってダメージが蓄積しやすいパーツです。
経年劣化や操作によって折れることもある
ドアノブは小さな傷だけでなく、「折れ」や「割れ」といった物理的な破損トラブルも発生します。近年のクルマのドアノブは、軽量化やデザイン性の観点から樹脂製(プラスチック)のものが主流です。樹脂は長年にわたって紫外線や雨風にさらされることで、徐々に弾力性を失い硬く脆くなる性質を持ちます。
そのため、いつも通りにドアノブを引いたつもりが、突然音を立てて折れてしまうことがあります。また、冬場の寒い日にドアが凍結しているのに気づかず、力まかせにドアノブを引いた結果、破損につながるケースも少なくありません。
クルマのドアノブ修理の費用相場
ドアノブに不具合が見つかったときに気になるのは、「修理にいくらかかるのか」という費用面でしょう。修理費用は、傷の深さや破損の程度、そして依頼する業者によって大きく変動します。ここでは、症状別に見た修理費用の相場を解説します。
傷のみの場合の修理費用目安
ドアノブの表面についた傷の修理費用は、傷の深さによって決まる傾向があります。爪で引っかいた程度の浅い傷であれば、コンパウンドと呼ばれる研磨剤で磨くことで目立たなくできます。この作業を業者に依頼した場合には、5,000円~1万5,000円程度の比較的安価な費用で済むことが多いでしょう。
一方で、爪が引っかかるほど深い傷や、塗装が剥がれて下地が見えてしまっている場合は、単に磨くだけでは元に戻りません。この場合は、傷を埋めて再塗装する「板金塗装」という作業が必要になります。ドアノブを取り外して塗装を行うため、最低でも1万円以上の費用が必要です。
また、パールやメタリックといった特殊な塗装色の場合は、費用がさらに上乗せされる傾向にあります。
ドアノブが折れた場合の修理費用目安
ドアノブが完全に折れた場合、ドアノブ本体をまるごと新しい部品に交換する必要があります。交換を必要とする場合の費用は「部品代」と「交換工賃」の合計で決まります。
一般的な国産車であれば、部品代と工賃を合わせて2万円前後が修理費用の相場です。しかし、輸入車や一部の高級車、あるいはスマートキーなどの電子部品が内蔵された高機能なドアノブの場合は、部品代だけで数万円にのぼることもあります。
その結果、全体の修理費用が5万円以上になるケースも考えられるでしょう。
傷や破損の状態別の修理方法
ドアノブの修理には、浅い傷から塗装が必要な深い傷、そして交換が必須となる破損まで、状態に応じた適切な対処法が存在します。ここでは、それぞれのケースにおける具体的な修理方法の流れを解説します。
ドアノブに浅い傷がついたときの対処法
表面のクリア層についたごく浅いひっかき傷であれば、DIYでの修復も十分に可能です。その主な方法が、コンパウンドを使った磨き作業です。
コンパウンドは微細な粒子で塗装表面をわずかに削り、傷を目立たなくする研磨剤です。
ドアノブ周りの砂やホコリを水洗いで綺麗に落とし、水分を完全に拭き取ります。次に、柔らかいマイクロファイバークロスなどに少量のコンパウンドをつけ、傷の部分を優しく円を描くように磨いていきます。力を入れすぎて塗装を傷めないよう、慎重かつ丁寧に作業しましょう。
傷が目立たなくなったら、最後に綺麗なクロスでコンパウンドを拭き取って作業は完了となります。もし色ムラが気になるようなら、タッチペンで塗装をしてもよいでしょう。
傷が深い場合の修理方法
塗装面まで達している深い傷はコンパウンドで磨くだけでは消えないため、プロの業者による「板金塗装」が必要です。
業者は、まず傷の周辺を滑らかにするための下地処理(サンディング)を行い、必要に応じてパテで傷の溝を埋めます。その後、クルマのボディカラーに合わせて精密に調色した塗料をスプレーガンで吹き付け、乾燥後にクリア塗装で仕上げます。
このような複数の工程を経ることで、どこに傷があったのか分からないほどの美しい仕上がりを実現できます。タッチペンを使ったDIYで補修する方法もありますが、色ムラができやすいため、プロの仕上がりには到底及びません。
見た目を重視するのであれば、迷わず専門業者に依頼するのが賢明です。
ドアノブが折れた場合の交換修理の流れ
ドアノブ自体が折れたり割れたりした場合は、交換修理が必要になります。この作業は非常に複雑なため、プロの整備士に任せるのが一般的です。
修理の際は、まずドアの内張り(トリム)を専用の工具を使って慎重に取り外します。ドア内部の複雑な構造が見えてきます。整備士は、ドアロックに繋がるロッドやワイヤー、車種によっては電気配線などの内部のパーツを外し、破損したドアノブを取り除きます。
新しいドアノブを装着し、外したロッドや配線を元通りに接続した後は、内張りを戻しドアの開閉やロックが正常に作動するかを確認して作業完了です。
ドアノブ修理は自分でできる?
修理費用を少しでも抑えたいと考えたとき、「自分で修理できないだろうか?」という考えが頭をよぎるかもしれません。DIYで対応できれば工賃を大幅に節約できますが、ドアノブの修理は、症状によってDIYの難易度が大きく変わります。
ここでは、DIYで対応できるケースと、プロに任せるべきケースを解説します。
DIYで対応できるケース
DIYで安全に対応できるのは「ごく浅いひっかき傷の補修」に限られます。該当する作業は、コンパウンドを使った磨き作業や、小さな塗装剥げに対するタッチペンの使用程度です。これらの作業は、カー用品店やホームセンターで数千円程度の道具を揃えれば挑戦できます。
一方、手軽にできる反面、失敗のリスクも伴います。コンパウンドで磨きすぎて下地が見えてしまったり、タッチペンの塗装がムラになって余計に目立ったりする可能性もゼロではありません。
DIYを行う際は作業手順をよく確認したうえで、あくまで自己責任で行うことを念頭に置きましょう。
DIYが難しい・危険なケース
「ドアノブの交換」や「塗装を伴う深い傷の修理」をDIYで行うことはおすすめできません。特にドアノブの交換作業は複雑です。ドアの内張りを無理に剥がそうとすると簡単に割れてしまいます。
さらに、ドア内部にはロック機構やパワーウィンドウの配線などが複雑に絡み合っており、知識なく触れるとドアが正常に動作しなくなる二次的なトラブルを引き起こす危険性があります。
そうなると業者に修理を依頼せざるを得なくなり、当初の修理費用よりも高額な出費につながりかねません。難しい作業は潔くプロに任せるのが、結果的にもっとも確実な選択となります。
ドアノブ修理の依頼先
クルマの修理を請け負う業者にはいくつかの種類があり、それぞれに特徴や費用感が異なります。ここでは、主な依頼先である「ディーラー」「カー用品店」「板金塗装工場」の3つを比較し、それぞれのメリット・デメリットを紹介します。
ディーラー
メーカーの正規販売店であるディーラーは、最も安心感が高い依頼先と言えるでしょう。そのメーカーのクルマに関する知識が豊富で、修理には必ず純正部品を使用するため、非常に高い品質で修理できます。作業もメーカーの定める正規の手順に沿って行われるため、修理後にドアが開かなくなるような二次被害のリスクはほとんどありません。
一方で、品質と安心感の分、工賃が比較的高めに設定される傾向があります。また、修理の予約が取りにくく、修理完了までの時間が長期化する場合もあります。
費用や期間よりも、品質や安心感を優先したい方におすすめの選択肢です。
カー用品店
一部の大手カー用品店では、ドアノブの修理・交換に対応しています。比較的工賃が安く、買い物のついでに見積もりを依頼できるといった気軽さが大きなメリットです。
ただし、敷地の広さや設備の関係で、店舗のピットで対応できる作業には限りがあります。そのため板金塗装など専門的な作業は提携工場への外注となる場合が多く、仕上がりのクオリティが外注先の工場の技術力に左右される可能性があります。
簡単な部品交換や、費用を抑えたい場合に検討するとよいでしょう。
板金塗装工場・自動車整備工場
地域の板金塗装工場や自動車整備工場も有力な選択肢です。ディーラーよりも費用を安く抑えられる可能性がありながら、ディーラーからの下請け工場に指定されるほどの技術力を持つ工場が多い傾向があります。
修理方法に関しても、部品交換だけでなく、状態によっては補修で対応してくれるなど、柔軟な提案が期待できるのも魅力です。
ただし、工場の規模や設備、技術力にはばらつきがある点には注意が必要です。インターネットの口コミや複数工場からの見積もりなどを参考に、信頼できる依頼先を慎重に選びましょう。
クルマのドアノブを傷や破損から守る方法
ドアノブの修理には、ある程度の費用と修理期間といったコストが必要です。同じような傷や破損のためにコストを払わずに済むように、日頃からドアノブを保護する意識を持つのがおすすめです。ここでは、誰でも簡単に実践できる傷や破損を予防する方法を紹介します。
傷防止フィルム・シートを貼る
もっとも効果的で手軽な傷対策が、専用の保護フィルムやシートを貼ることです。カー用品店やオンラインストアで数千円程度で購入でき、DIYで簡単に貼り付けられる製品も多く販売されています。目立たない透明タイプを選べば、クルマの見た目を損なうことなく、効果的に傷を予防できます。
ドアノブを強く引かず、優しく操作する
日々の運転習慣を見直すことも、ドアノブの破損を防ぐ上で非常に重要です。乗り降りの際に、必要以上に強い力でドアノブを引かないように心がけましょう。優しくゆっくりと操作する意識を持つだけで、ドアノブにかかる負担は大きく軽減されます。
クルマを大切に扱う基本的な心がけが、結果的にパーツの寿命を延ばし、余計な修理費用を節約することに繋がります。
定期的な点検で早期劣化を防ぐ
大きなドアノブの異常は、ある日突然発生することは稀です。多くの場合、異音や違和感といった小さな症状が出始めます。小さなトラブルを早期に発見するためにも、日頃から点検をするクセをつけるのがおすすめです。
まずは洗車や給油のタイミングでドアノブをチェックする習慣をつけるだけでも十分です。表面に小さなひび割れがないか、操作時にガタつきや異音がないかなど、数秒程度確認します。
もし何か異常を感じたら、早めに専門業者に相談することが大切です。初期段階で対処できれば、簡単な調整や少額の修理で済む可能性が高くなります。定期的な点検は、愛車を長く健やかな状態に保つための基本です。
まとめ
ドアノブのトラブルは、日常的なひっかき傷と経年劣化による破損が主な原因です。修理費用は、浅い傷であれば数千円から、交換が必要な場合は数万円程度の費用がかかります。
ドアノブの不具合は、見た目の問題だけでなく、クルマの利便性や安全性にも関わる重要な問題です。大きなトラブルに発展する前に、小さな傷やガタつきの時点で早めに修理や点検を行なうのがおすすめです。
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