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車の自然災害での水没は車両保険で補償される?補償範囲や保険料の影響を解説

目次
1.車が水没した場合、自動車保険で補償される? 2.車両保険が補償する水害の範囲 3.車両保険を使ったときの等級と保険料の変動 4.車が水没するとどうなる?起こり得る故障例 5.水害リスクに備えるための車両保険の選び方 6.まとめ

近年の日本では、西日本を中心に記録的な大雨をもたらした平成30年7月豪雨をはじめ、集中豪雨や台風、それにともなう河川の氾濫や浸水などの被害が相次いでいます。

こうした自然災害でクルマが水没して損害を負った場合、任意加入の自動車保険(任意保険)に車両保険が付帯されていれば補償を受けることが可能です。

この記事では、25年以上にわたって旧車・クラシックカーを15,000台以上買い取りしてきた旧車王が、車両保険の基本的な補償内容や補償される水害の範囲、保険金を請求したときの影響などについて詳しく解説します。

【この記事でわかること】

・台風や豪雨などによる水没が車両保険で補償されるのか

・水没事故で車両保険を使った場合の保険料への影響

・水害リスクに備えた車両保険の選び方

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車が水没した場合、自動車保険で補償される?

水が溜まっている道路

自動車保険には、法律で加入が義務付けられている「自賠責保険」と、加入が個人の判断に任されている「任意保険」の2種類があります。

このうち、任意保険に加入し車両保険を付帯していると、クルマが水没した際、補償を受けられる可能性があります。

水害による車両の損害は「車両保険」が対象

車両保険とは、契約車両となっているクルマが交通事故や自然災害などで負った損害を補償する保険のことです。

台風やゲリラ豪雨、洪水などで水没したときの損害は「車両保険」でカバーできます。

保険金の支払額は、契約時に決めた「保険金額」が上限です。この保険金額は、基本的にクルマの時価相当額であり、用途や車種、型式などをもとに各保険会社が決めています。

また、クルマの修理費が保険金額を超える場合や修理が不可能な場合は「全損」、下回る場合は「分損」となり、支払われる保険金の決まり方が異なります。

 

  • 全損:支払われる保険金=保険金額

  • 分損:支払われる保険金=損害額−免責金額

※保険金額が上限

「一般型」と「エコノミー型(限定型)」の違い

車両保険には、補償範囲が広い「一般型(フルカバータイプ)」と、補償範囲が絞られる代わりに保険料が割安な「エコノミー型(限定型)」の2種類があります。

どちらに加入していても、台風や洪水などでクルマが水没したときの損害は補償対象となるケースがほとんどです。

一般型とエコノミー型(限定型)の補償範囲の違いは以下のとおりです。

 

一般型

エコノミー型(限定型)

他のクルマとの衝突・接触

火災・爆発

盗難

台風・洪水・高潮

落書き・いたずら・ガラス破損

飛び石など飛来物との衝突

自転車や動物との衝突・接触

電柱・ガードレール等との衝突(単独事故)

転覆・墜落

当て逃げ(相手が不明な場合)

地震・噴火・津波

※補償内容は保険会社によって異なる場合があります。

一般型は、電柱・ガードレールへの衝突や転覆といった単独事故や当て逃げなども含めて幅広くカバーします。

限定型(エコノミー型)は、補償対象が基本的にクルマ同士の事故などに限定される分、保険料が安く設定されています。

ただし、地震や噴火、それらにともなう津波による水没は一般型とエコノミー型(限定型)のどちらを選んでも補償対象になりません。

また、契約している保険会社によって補償範囲が異なるため、クルマが損害を負ったときはまず車両保険の契約内容をよく確認しましょう。

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車両保険が補償する水害の範囲

車両保険が補償する水害の範囲は以下のとおりです。

台風・豪雨・洪水による水害

台風や豪雨、それらを原因とする洪水・河川の氾濫により道路や駐車場が冠水し、クルマが浸水被害を受けた場合は、一般的に車両保険の補償対象となります。

たとえば、エンジン内部が浸水したことでクルマが動かなくなった場合は、車両保険に加入していると保険金で修理費用や買い替え費用を賄えます。

冠水が起こるのは、海や川の近くにある道路や駐車場だけではありません。都市部でも、排水能力を超えた雨量により、下水道や水路から水があふれ出す「内水氾濫」が起こり、クルマが浸水する場合があります。

高潮による水没

高潮は、台風など強い低気圧が来襲した際に波が高くなり水位が上昇する現象です。高潮により、クルマが浸水して受けた損害も車両保険でカバーされます。

特に、クルマは海水を含んだ水に浸かると金属部品のサビや腐食が早く進みやすくなるため、見た目よりも深刻なダメージを負っている場合があります。

修理費用は高額になりやすく、買い替えが必要になることもあるため、クルマが車両保険に加入していると経済的な負担を大きく軽減できるでしょう。

駐車中 / 走行中 のどちらでも対象となる場合がある

多くの車両保険は、クルマが駐車・停車しているときだけでなく、走行中に水没した場合も補償の対象となります。

たとえば、集中豪雨により水が溜まったアンダーパス(道路の下を通るために低くなっている区間)や高架下に誤って進入し、クルマが水没してエンジンが始動しなくなるようなケースです。

ただし、保険会社によっては自宅や契約駐車場での水災による損害が補償対象外となっているなど、補償範囲が異なる場合があります。

クルマが水没した際は、車両保険の補償範囲を確認するとともに、損害が生じた状況を正確に保険会社へ伝えましょう。

車両保険を使ったときの等級と保険料の変動

クルマが水没によって損害を受けたとき、車両保険を使うと修理費用や買い替え費用をカバーできますが、基本的に保険料が上昇します。

車両保険を使うと翌年の「等級」が下がり、事故有係数も適用されて支払う保険料が高くなるためです。

クルマが自然災害により水没した際に車両保険を使うべきか検討する際は、保険料の仕組みについて正しく理解することが大切です。

水害での保険使用は「1等級ダウン事故」に該当

台風やゲリラ豪雨、洪水などによる水没で車両保険を使うと「1等級ダウン事故」となり、翌年のノンフリート等級が1つ下がります。

ノンフリート等級は、契約者の事故歴に応じて決まる保険料の割引・割増率の区分です。1〜20等級まであり、基本的に数字が上がると割引率が増加して保険料は安くなります。

たとえば、現在14等級である場合、自然災害による水没で車両保険を請求すると、翌年には13等級に下がります。

翌年以降の保険料に影響(事故有係数が適用)

車両保険を使うと「事故有係数」も適用され、無事故の場合よりも割引率が低下(または割増率が増加)します。

1等級ダウン事故が1件の場合、事故有係数が適用される期間(事故有係数適用期間)は1年間です。

自然災害による水没で車両保険を使うと、翌年の等級が1つ下がるだけでなく、1年間は事故有係数も適用されて保険料は割高となります。

クルマの修理費用が少額で済む場合は、保険料の上昇分も考慮すると車両保険を使わずに自費で直したほうが、経済的な負担を抑えられることもあります。

津波で補償を受けるには「地震・噴火・津波特約」の付帯が必要

車両保険は、地震や噴火、それにともなう津波による損害は補償対象外のため、津波でクルマが水没しても通常は保険金を請求できません。

一方、任意保険に「地震・噴火・津波危険車両全損時一時金特約」が付いていると、クルマが津波による被害で全損となったとき最大50万円の保険金が支払われます。

また、この特約の保険金のみを請求する場合は「ノーカウント事故」に該当するため、翌年度の等級は下がらず保険料は増加しません。

保険会社によっては地震・噴火・津波危険車両全損時一時金特約を扱っていない場合があるため、クルマが津波で全損となったときは契約内容をよく確認しましょう。

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車が水没するとどうなる?起こり得る故障例

水没している住宅街

クルマが水没や冠水の被害に遭うと、外見はきれいでも内部に深刻な損傷を受けていることがあります。

以下では、水没したクルマに起こり得る具体的な故障例について解説します。

エンジン内部に水が入ると故障・再始動は危険

水位が一定を超えると、クルマの吸気口やマフラーからエンジン内部に水が侵入することがあります。

この状態でエンジンの始動を試みると「ウォーターハンマー現象」が発生して、エンジンが完全に停止します。

空気と違って圧縮できない水がシリンダー内に入ると、無理に圧縮しようとする力によりピストンなどエンジンの主要なパーツが破壊されてしまうためです。

クルマが水没してエンジンが停止してしまった場合は、無理に再始動しようとせず、ロードサービスなどに相談しましょう。

電装系トラブル(パワーウィンドウ・ドアロック等)

水深が床面を超えて車内に水が入り込むと、配線や電子部品といった電装装置が故障し、パワーウィンドウやドアロック、自動スライドドアが動作しなくなることがあります。

すべての窓やドアが開かなくなり、車内に閉じ込められる恐れもあります。

水深が浅い場合でも、電気系統は濡れるだけで故障する可能性があるため、冠水している恐れがある道路に浸入しないよう、慎重に運転しましょう。

水に濡れた配線は、泥や湿気が残りやすく、時間の経過とともにサビや腐食が進みやすくなるため、早めに自動車整備工場で点検・整備を受けることをおすすめします。

ハイブリッド車・EVは感電・発火の危険がある

クルマが浸水被害に遭った状態でエンジンを起動すると、電気系統がショートして車輌火災が発生したり、感電したりする恐れがあります。

特に、ハイブリッド車や電気自動車(EV)は高電圧バッテリーを搭載しており水に弱いため、水没による車輌火災や感電のリスクが高いです。

水が引いた後でも、ハイブリッド車や電気自動車(EV)のエンジンは絶対に始動させず、速やかにロードサービスや販売店などに連絡して指示を仰ぎましょう。

水害リスクに備えるための車両保険の選び方

車両保険は一般型と限定型(エコノミー型)のどちらを選んでも、台風やゲリラ豪雨などでクルマが水没したときの損害は補償されます。

そのため、水害リスクに備えるためには「そもそも車両保険に加入すべきか」「津波による損害を補償する特約を付けるべきか」の2点をよく検討しましょう。

水害リスクやローンの有無などを踏まえて必要性を検討する

車両保険に加入すべきか検討するときは、駐車場やよく運転する道路などが浸水するリスクを確認することが重要です。

自治体が公開しているハザードマップを確認し、浸水リスクが高い場合は車両保険に加入して備えるのも1つの方法です。

また、ローンを組んでクルマを購入した場合、万が一水没して廃車になったとしても返済は免除されません。

新しいクルマの購入費用と二重の支払いになることを防ぐため、ローンが残っている場合は車両保険に加入するのもよいでしょう。

一方で、クルマの年式が古く時価が低い場合、クルマが損害を負っても十分な保険金が払われない可能性があるため、車両保険に加入せず貯蓄で備えたほうがよいこともあります。

水害リスクやローンの有無、クルマの年式などを踏まえて車両保険で自然災害による水没に備えるべきか慎重に検討しましょう。

津波リスクがある地域は特約の付帯も検討しよう

車両保険では、地震や津波を原因とする損害は免責(補償対象外)とされているケースがほとんどです。

自治体のハザードマップを確認し、津波の被害が想定される地域でクルマを使用する場合は「地震・噴火・津波危険車両全損時一時金特約」を付帯することも検討しましょう。

この特約を付帯していると、津波でクルマが全損となった場合に最大50万円の保険金が支払われるため、次のクルマを購入する資金の一部に充てることが可能です。

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まとめ

自然災害でクルマが水没すると、エンジンの故障や電装系のトラブルが生じ、修理費が高額になったり、買い替えが必要になることもあります。

車両保険に加入していれば、多くの水没被害を補償でき、修理費用や買い替え費用をカバーすることが可能です。

津波による損害は補償対象外ですが、特約を付けるとクルマが全損となった際に保険金を受け取れます。

ただし、クルマが自然災害による損害を負ったときに車両保険を使うと、翌年の保険料が上昇する点には注意が必要です。

クルマが水没したときは、保険を使ったことによる保険料の上昇分と修理費用をよく比較し、保険金を請求すべきか慎重に検討しましょう。

 

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