去る4月8日の早朝、相模原市にあるアリオ橋本の駐車場の一角がにわかにざわめきだした。 エアを送り込まれて作り出された出走ゲート、出発の準備に余念のないクラシックカーとそのオーナーたち。 2日間に渡って行われるルート・ディ・相模原の始まりである。 ルート・ディ・相模原はトロフェオ・タツィオ・ヌボラーリの相模原ステージとして今回2回目の開催を迎えるクラシックカーラリーだ。 会場である相模原の名所、相模湖や津久井湖といった桜の咲く観光地や富士山麓周辺のワインディングロードを楽しみながらドライブを行う。 ルートはコマ地図と呼ばれる図の指示に従い各所ッチェックポイントを通過していく。 初日は橋本のショッピングモール「アリオ橋本」を出発して、富士急ハイランド内にあるハイランドリゾート&スパを目指し、2日目はそこからゴールである相模湖公園を目指す。 今回は初日の様子をお届けする。 ■出走唯一の国産車1/2222台の戦い 初日の出走は15台。メルセデスやポルシェフェラーリといったクルマが準備を始めるなか、今回唯一国産車でエントリーしていたクルマがあった。 それがトヨタコロナ1600GTだ。 後期型のボディに足回りやブレーキを強化、他の車体との特徴的な違いはフロントフェンダーにエアアウトレットが付き、Cピラーの根元にはトヨタ2000GTのフロントフェンダーと同様の1600GTのエンブレムが付いている。 コロナ1600GTの生産台数は2222台と、トヨタ2000GTの337台と比べれば決して少なくないように思えるが、3代目コロナの総生産台数は57万8534台ということを考えれば、いかにその数がわずかかわかると思う。 実は2日目にはさらにエントリー数が増えてトータルで30台以上になるということで、国産車もさらに数台参加予定であったが、初日は唯一の参加車両であった。 オーナーはこのほかにももう1台コロナを所有している。 そのことからもわかるようにオーナーのコロナに対する思い入れは強いようだ。 それを証明するかのように、ボンネットを開けると、その裏側にはレーシングドライバー高橋晴邦氏のサインがしっかりと書かれていた。 高橋氏といえば、日本グランプリでコロナを駆り総合3位クラス1位になったレジェンドドライバーである。 参加車両は1.6Lの9Rエンジンに5速MTを搭載、リアにあるエンブレムはそのことをしっかりと主張していた。 車体はリペイントされたものだが純正の塗装を再度吹きなおしたもので当時と同じカラーリングになっている。 ■それは復興から始まる街おこし ルート・ディ・相模原の始まりは災害復興支援ともいえる。 令和元年に起きた台風19号により相模原や道志周辺にも大変な被害をもたらした。 このときの土砂崩れで419号線が全面通行止めになり、しばらく通ることができなかったことを筆者も覚えている。 主催者の野呂氏も自身のキャンプ場が壊滅するなど、苦境に立たされていた。 それを復興するにあたり考えたことが、自身のキャンプ場だけを復旧させても何ら意味がない。 地域全体を盛り上げてこの地に観光客を呼び戻さなくてはならないと考え、一般社団法人を立ち上げたという。 そのときに野呂氏の過去にあったレース経験や伝手をを生かして、北海道で20年以上開催されているクラシックカーイベント「トロフェオ・タツィオ・ヌボラーリ」の相模原ステージとして同イベントを立ち上げた。 クラシックカーが走ることにより、相模原の観光資源を多くの方に知ってもらい、また沿道に多くの人が足を運んでもらえるようにと考えたのだ。 スタート会場には相模原を盛り上げるということからも、相模原観光親善大使の女性2名が華を添え、開催の挨拶を市長が行う盛り上げぶりだ。 ■富士急ハイランドを目指して駆ける スタート地点から各車コマ地図に従い、途中の中継地点を目指す。 1日目、2日目と両方で必ず中継地点になるのが協賛会社のひとつである(株)ASISTの駐車場だ。 ここでは両日にわたって昼食を取る休憩地点となっている。 全車両快音を響かせながら相模原の名所や峠道を走り抜けていく。 順位は問題ではない。 彼らが走ることで注目をしてもらい沿道の人に関心を持ってもらう。 多くの方々に走るクルマたちを見てもらい、その歴史的背景や時代、文化といったことに思いを巡らせてもらう。 そしてそれらを次世代へ引き継いでいく。 クラシックカーラリーの趣旨のひとつはそこにあるのではないかと思う。 ■地域の良さを見つめなおすために 富士急ハイランドをゴールに初日のスケジュールが完了する。 翌日には再びワインディングや市街地を駆け抜け相模湖公園にゴールする。 ゴール地点では衣装メーカーによるクルマたちの周囲を彩る異色のコラボレーションやハンドクラフトはじめ、ケータリング等の出店も行われていた。 地域の企業とうまくタイアップを行い、参加者や観客、地域住民にも観光地として素晴らしさや楽しさをあらためて知ってもらう。 それこそがルート・ディ・相模原というイベントの責務であり醍醐味だといえる。 相模湖公園に整列する車両たちはそのことを静かに語っているように思えた。 ■クラシックカー・ツーリング・ラリーイベント「2nd. Route di SAGAMIHARA」https://routedisagamihara.jp [ライター・撮影/きもだ こよし]
去る12月11日、西東京は国道20号線沿いにある谷保天満宮にて、クラシックカーが集結し、谷保天満宮旧車祭が開催された。 境内のそこかしこに往年の名車や希少車、スーパーカーが立ち並ぶ。 実に3年ぶりに開催された同イベントに参加した車両は115台に及んだ。 主催はオートモービルクラブジャパン(以下ACJ)。 谷保天満宮は日本のカーイベント発祥地であり、その始まりは明治41年に発足されたオートモービル・クラブ・ジャパンによる国内最初の遠乗会にある。 現在のACJは2011年8月1日このクラブの103周年の記念の日に再結成され、以来20年以上にわたり様々なカーイベントを催してきた。 その意味では、谷保天満宮旧車祭はクラブの中でも本命イベントといえるものだ。 神社を中心に所狭しと並んだ旧車たちに大人は懐かしさや羨望のまなざしを、子供は見たことのないスタイルのクルマ達に目を輝かせていた。 象徴たるタクリー号 日本初のツーリングである遠乗会、このイベントに有栖川殿下が自らハンドルを握って参加したのがタクリー号であった。 初の国内産ガソリン自動車、明治40年に国産吉田式自動車としてタクリー号は生まれた。 人力車や馬車、荷車が走る未舗装路をガタクリ、ガタクリと走る様からタクリー号と愛称が付いている。 しかし、残念ながら本物のタクリー号は現存しておらず、画像の車両は2012年4月に発足した実働レプリカ制作プロジェクトにより復刻された車体だ。 こちらは谷保天満宮旧車祭世話人会が中心になり、1930年製のオースチン・セブンをベースに制作された車両になる。 同年8月1日に谷保天満宮本殿にて完成披露が行われ、第1回の熱海ヒストリカGPのひと月まえには天満宮から熱海の梅園まで実際に走っている。ACJの象徴ともいえる車両だ。 谷保天満宮とACJ 谷保天満宮は東日本最古の天満宮であり、亀戸天神、湯島天満宮と並び関東産大天神と呼ばれている。 学業の神様である菅原道真を祀っていることからも学業成就や合格祈願、厄除けはじめ、もちろん上記の経緯からもわかるように交通安全祈願の祈祷もおこなっている。 当日も参加車両が神主に祈祷を受けることができるようになっていた。 この後、午後からはパレードランとして国立まで沿道の人々に見送られながら走ることもあり、 多くの参加者が愛車とともに祈祷を受けていた。 横道を行く 毎回本会場以外で止まっているイベントに来た車両を見て回るイベントの横道。 今回はイベント会場であるが、第2会場となったことで本殿に直接行ってしまった方が見過ごしたかもしれない車両群としてスポットを当ててみたい。 第2会場はイタリアンカーを中心に90年代の軽スポーツが並んでいた。 その中で、入って正面の中心にいたのがスバル360ヤングSSだ。 スバル360は1958年、まだまだ庶民にはクルマは高嶺の花として考えられていた時代にサラリーマンでも手に入れられるクルマとしてデビューした。 小さくても大人4人が快適に乗ることができる性能を実現するためのパッケージングや軽量化に挑戦。 当時スバルの持っていた元航空機メーカーとしての技術を余すことなくつぎ込んだモデルだ(スバルオンラインミュージアムより)。 デビューより10年の年月を経て競合他社に対抗するべく送り出したスポーツモデルがヤングSSだ。 その性能はデビュー当時の358㏄16馬力から排気量は変わらずに、36馬力と実に2倍以上のパワー、マニュアル3速から4速モデルへの変更を持って登場した。 外装には専用のボディカラーやボンネットのヤングSSを示すストライプ、タコメーターや革巻きステアリングを装備するなど、スバルのスポーツモデルの原点ともいうべきモデルだ。 会場では同じくRRのフィアット500に挟まれながら、その小さなテントウ虫はしっかりと存在を主張していた。 Back to 20世紀 実は今回ほど横道が目移りしたイベントもなかったのではないか?と思えるほどに街のそこかしこに旧車が止まっているイベントであった。 会場である谷保天満宮が基本、参加車両で手いっぱいであったこともあり、当然のことながら見物に来た車両はそうした周辺駐車場にまわる。 そうして会場を中心に見渡すと、コンビニや路地を走るクルマの多くが旧車という事態になっていた。 谷保の町並みは最近改装が目覚しい南部線沿線としては、駅舎も含め昔の雰囲気を比較的に残している。 それも相まってまるで町全体が過去に戻ったかのような気分になれた。 それが良いか悪いかは筆者には答えられない。 しかし、わずか数時間のタイムスリップはとても心地のよい時間をもたらしてくれたと思う。 ■オートモービルクラブジャパンHPhttps://acj1908.com/ ■谷保天満宮HPhttp://www.yabotenmangu.or.jp/ [ライター・撮影/きもだ こよし]
去る11月12日、横浜赤レンガ倉庫にて横浜クラシックカーデイ2022が開催された。 良く晴れた秋空の下かつての横浜保税倉庫、通称赤レンガ倉庫に多数のクラシックカーが集結した姿はまさに圧巻であった。 今回はその模様をお届けしたい。 横浜クラシックカーデイとは? 今年で11回目を数える同イベント、赤レンガ倉庫という歴史ある場所で同じく文化遺産ともいえるクラシックカーの展示を行っている。 多くの方に間近で観ていただき、後世につなげていくことを目的として開催されている。 参加資格は1974年までに製造された車両だ。 それ以外は車種、生産国を問わない。 この日もこの1日限りの青空展示会に多くのクルマ達が遠方からも参加、オーナー同士の交流や訪れた一般の方への解説で華やいでいた。 また毎年恒例になりつつある旧いクルマの絵を描こうという企画では、展示されたクラシックカーを子供たちがこぞって描くイベントだ。 現在は大人も負けじと筆を取る姿もみられ、個性豊かなカーイラストが次々に描かれる様はほほえましいものがあった。 魅惑の参加車両たち 参加車両の一部に少し迫ってみることにしよう。 それがこちらの初代ミニキャブ。2ストのエンジンを搭載している。 現在のオーナーが手に入れてからは1年ほどとのことだが、現在は2週間に1度くらいの割合で近所をドライブしているとのこと。 2ストはどうしてもエンジンに寿命があるのため、大事に乗っていたいと話す。 そのために、エンジンオイルは高くても社外品のいいものを入れないと焼き付く恐れがあるという。 ちなみにこちらのオーナーはジムニーの初期モデル(こちらもエンジンは2スト)所有しており、筋金入りの2ストマニアといってもいいのかもしれない。 新しい試み 赤レンガ倉庫は以前ならショッピングモールとしてその中に店舗が入り、立ち並ぶ飲食店にて参加者も昼食を取っていた。 しかし今年は残念なことに建物の改装工事中ということもあり、仮設トイレが設けられたのみで倉庫の扉は固く閉ざされたまま。 そこで取られた策が会場の両端に配置されたケータリングカー群。 8台/8店舗のケータリングはカフェやランチのサービスはじめ、サンドイッチのように片手で食べられる手軽なものまで。 訪れた方や参加者のおなかを満たすことができたようだ。 横道を行く 恒例のイベントの横道を行く。 これだけのクラシックカーが居並ぶ会場、さぞやいろいろなクルマで来場する方がいるに違いないと思いつつ、やはり相応な車両が多数ひっそりと来場していた。 その中の1台が「ヨタハチ」ことトヨタスポーツ800。 大衆車トヨタパブリカのシャーシとエンジンを使い生産されたスポーツカーであり、レースの世界でもライバルであるホンダS600との激闘を繰り広げたクルマだ。 中でも圧巻だったのは船橋サーキットでの浮谷東次郎による逆転優勝だろう。 また、同車両はガスタービンとモーターによるトヨタ初のハイブリットカーのベース車でもある。 キレイに仕上げられた赤いヨタハチは、きらびやかな表舞台の参加車両を見物に来たであろうオーナーにより、ひっそりと裏手のコインパーキングに止められていた。 多くの訪問者を楽しませるイベント 横浜クラシックカーデイは開催ごとに参加者だけではなく、そこに訪れる観光客や一般の方々にも広く展示している。 それゆえにどこか普通のカーイベントと違い、同好の士の集まりというよりも動く博物館としての要素の方が強いように感じられる。 それはより一般の方との距離感が近い状態で・・・だ。 ここで初めてクラシックカーを見る子供たちも少なくないだろう。 だが、それでいい。 それがいつか見たあのクルマという思いにつながり、この日ここで観たクルマに対する思いにつながっていくことこそが、この赤レンガで開催されるクラシックカーイベントの意義ではないかと思うからだ。 [ライター・撮影/きもだ こよし]
小雨が降るなか「熱海ヒストリカ2022」が開催 去る10月10日、小雨降る南熱海・長浜海浜公園芝生エリアにて、クラシックカーイベント「熱海ヒストリカ2022」が開催された。 主催はACJ(オートモービルクラブジャパン)。 長浜海浜公園では秋の風物詩ともいえるイベントで、この日公園内の緑地部分にクラシックカーが100台以上が整列した。 参加資格は1995年までに製造された車両、国産外車は特に区分けはない。 会場には10時から開催となっていたが、既に9時を過ぎた頃にはほとんどの車両が集まっていた。 クラシックイベントでも、1995年という枠組みから、わりと近年の車両と思えるR32GT⁻Rのようなクルマから、見たこともないような欧州車まで・・・。 広範囲にわたるクルマで参加者や居合わせた見物人を楽しませてくれた。 特異なクルマと若者の邂逅 今年のヒストリカではバブルカーが少なからずエントリーしており、筆者も唖然とする車両がこのツェンダップ・ヤヌスである。 バブルカー最盛期に1年ほどというごくわずかな時間生産され、現存は世界でも数十台もちろん、日本にはこれ1台だという。 正直、筆者も初めて見るどころか、存在すら知らなかった。 50代である筆者をしてその状態なのだから、若い方などは推して知るべしである。 BMWのイセッタベースの600など、ドアが前面から開くことに驚き、なぜこのようになっているのかと質問攻めにするほどであった。 黎明期の車両など、現代の洗練されきった車両からすれば一見無意味な構造に違いない。 しかし、そうなった過程にはもちろん意味があるのだが、彼らからすれば不合理極まりないものに見えるようだ。 温故知新、そうしたことを知ることも、また教える意味でもこうした車両の存在は大事だろう。 「蒼いクルマたち」が集結 今回は主催者の意向であるテーマ車両が多数参加していた。 それは「Team Blue Blood」と称する蒼いクルマのエントリー枠だ。 いわゆる青系なら年式問わずどのようなクルマでも参加可能というものだ。 この枠には30台近くエントリーしていた。 そのこともあって毎年クラシックカーのみ(一部現行のスーパーカー等を含む)が芝生エリアに並んでいたが、今年は現行モデルの国産車がちらほら姿があった。 イベントの区分けとしてはどうなのか? そう思われる向きもあるかもしれないが、筆者は悪くない試みではないかと思う。 現代の水準において、旧車はあまりにも値段が上昇してしまった。 その結果、人によっては縁遠い、あるいは手の出ないものとして捉えられているかもしれない。 それでも、懐かしさだけでなく興味を持って会場を訪れてくれた人に、より身近にクルマもオーナーも知ってもらうことは重要だと感じるからだ。 そうした意味で、現行車両でテーマに沿って来てくれた人も、参加者として迎え入れた意義は大きいと思う。 横道を行く 会場外にいる車両をピックアップする横道を行く。 例によって探した結果、今回は駐車場ではなく会場内で見つけた1台を。 明らかにモディファイドされたクルマなのですが、ベースはMR-S。 一見するとリア回りなどポルシェのボクスターのようにも見える。 いったいこれは何かとたまたまクルマに戻ってきたオーナーに伺うと、アブフラックというエアロパーツ(カスタマイズ)メーカーのものだそうだ。 国内最古のカークラブ、オートモービルクラブジャパン(ACJ)とは? 主催であるオートモービルクラブジャパン(ACJ)は、国内最古のカークラブである。 最古参というと他にも名乗りを上げそうな話ではあるが、ACJの歴史は明治41年にまで遡る。 さすがにここまで過去にさかのぼられてはいかなるカークラブも最古を名乗ることは難しい。 それもそのはず、この明治41年の8月1日に日本で最初の遠乗会つまりツーリングが行われたのだ。 この時に先頭に立たれたのが有栖川宮殿下であり、他10台と連れ立って国立鎮守の森谷保天満宮まで走ったのが国内初のドライブツアーだとされる。 この際に同時に自動車クラブとして設立されたのがはじまりだ。 前述の谷保天満宮でのイベントはもちろん、熱海ヒストリカをはじめ、多数のイベントを企画または他のクラブとの連携やコラボレーションを行っている。 まとめ:クラシックカーのイベントは敷居が高そうに思う方ほど参加を! 最近では、熱海ヒストリカも参加車両が多くなり、エントリーが難しくなっているようだ。 しかし、ACJクラブ員は優先的にエントリーができるようになっている。 最古のカークラブとしてこの先を見据えての新しい試みなど、世代交代にも向けた取り組みに歴史と重みを感じずにはいられない。 クルマ好きだが、自クラシックカーのイベントは敷居が高そうに感じる。 そう思われている方こそ、こうした枠組みをきっかけにエントリーすることをお勧めしたい。 ■Automobile Club Japanhttps://acj1908.com/ [ライター・撮影/きもだ こよし]
去る8/27(土)、富士スピードウェイには早朝から多数のエキゾーストが響きわたっていた。 富士スピードフェスティバル2022の開催によるもので、多くのカーマニアや自動車愛好家たちがこの地へと集結していたからだ。 同イベントは雑誌ティーポやカーマガジンでお馴染みのネコパブリッシング社が主催する真夏の祭典である。 これは、岡山のTIサーキットにて開催されていたオーバーヒートミーティングがなくなったことに対して、2022年から「スピードフェスティバル」として富士スピードウェイ(以下SFW)での開催となるものだ。 サーキットを思う存分体験しよう! 富士スピードウェイのゲートには早朝から長蛇の列が続いていた。 エントラントをぬけると、そこはもうイベントの熱気に包まれていた。 オープニングセレモニーこそ8時30分からスタートするのだが、西ゲートが開くその瞬間から祭りはすでにはじまっているといっても過言ではなかった。 会場には、新車も旧車も国産車も外車も一同に介して会場を盛り上げているようだ。 さらに、パドック内には出走を待つクルマのエンジンの咆哮が響いていた。 同イベントはクルマを趣味とする人々と走る、集う、触れるをキーワードにして、ともに遊ぶための体感参加型イベントである。 サーキットという会場を使い、リアルに体験できるさまざまなコンテンツが用意されていた。 カーミーティングや新車試乗 9時からはじまる走行会は、初心者のためのスポーツランからスーパーカーが走るスーパーカーパレードラン、ホンダN-ONEのワンメイクデイトナカップ、レーシングドライバーの運転による同乗走行のサーキットタクシーがSFWのコースを駆け抜ける・・・といった具合に、盛りだくさんのプログラムが組み込まれていた。 一方特設ステージでは、元ティーポ編集長である嶋田智之氏が、ラジオパーソナリティの藤本えみりさんとさまざまなゲストを交えたトークショーを展開していた。 またピット内では、アバルトのクラシックカーや、DTM(ドイツツーリングカーレース)、WRCラリーで活躍した車両が展示され、訪れた方々の注目を集めていた。 さらに、各メーカーの車両展示や物販、クラブミーティングも行われており、会場の隅から隅まで多彩な催しが行われていたようだ。興味深いのは、これらの催しを見て歩くのに「イベントタクシー」なるものが用意されていたことだ。 これらは「トゥクトゥク」と呼ばれる3輪車で、数台が会場内を常時周回しており、無料で乗車することができた。 これは広大な敷地面積を誇るSFWにおいて大いに助かるサービスだった。 イベントの横道を行く メイン会場であるパドックに周辺以外にもSFWは多くの駐車場がある。 これは必ず隠れた掘り出し車両があるに違いない。 そう思いながら散策をすると、TE27レビンや70スープラ、欧州車ではBMW2002などさまざまなクルマが潜んでいた。 そこでさらに注意深くみるとやはりいた。 それがこちらのサニーだ。 どうみてもノーマルそのままな出立ちにホイールだけがしっかりとエンケイを履いているあたり、怪しんで室内を伺うとMTであった。 トランクリッドにあるグレードはVZ-R。 このグレードはいわゆるスポーツモデルであり、他のモデルと外見こそ大きな差はみられないが。全グレードで唯一1.6LのSR16VEエンジンを搭載。 175馬力を発揮したクルマであり、このモデルのみ5速マニュアルのみの設定という見た目のおとなしさとは裏腹にスパルタンな仕様である。 ただものでないサニーはやはりひっそりとこのイベントへ来ていたのであろう。 ステアリングを握れば誰でも走れたパレードラン 走行会の締めは、参加者であれば誰でもが参加できる(もちろんだライバーであることが条件だが)パレードランだ。 全開走行はもちろんできないが、人によっては普段走ることのない、映像でしか見る機会がないようなサーキットコースを実際に体験できるチャンスでもある。 今日1日、多くのクルマたちが走り抜けたその軌跡をなぞるように皆で走る。 締めくくりにはこれほど適した催しもないのではないだろうか。 8月最後の週末に開催された富士スピードフェスティバル。 参加者もクルマも夏の暑さに負けない1日を送っていた。 今から来年の開催が楽しみでならないのは筆者だけではないはずだ。 [ライター・撮影/きもだ こよし]
去る7月10日、薄曇りな空の下少しだけ乾いた涼しげな風の吹く富士五湖周辺。 河口湖インターに隣接した駐車場にてCar Meetingが開催された。 タイトルだけ聞くといったいいかなるイベントなのか? そう考える向きも少なくないはず。 この日開催されたのはノンジャンルのカーイベントであり、参加車両の規定はない。 クルマが好きなオーナーが交流を深めるために集まるイベントなのだ! ■「Car Meeting」はノンジャンルのカーイベント 第1回目開催は2020年。前回の開催から期間が開いてしまった理由は想像に難しくないかと思われますが、件のコロナ禍ということもあり中止に。 主催であるnaoさんはクルマ好きが集まり様々なジャンルのクルマを見てクルマ好きの輪を広げて楽しめる場を作れるといいと思い、はじめめた企画という。 過去にも東京は秋葉原の地下駐車場をイベント会場に変貌させた東京ガールズカーコレクションなどの仕掛人であるNaoさん。 かつて地下駐車場にお立ち台ともいえるクルマのためのランウェイを出現させた手腕の持ち主でもある。今回もクルマに縛りは無いがただひとつドレスコードなるものがあった。 「参加者は必ずクルマのイラストを描かれているTシャツを着用」これが参加資格としてイベントの案内には明記されていた。 このイベントの「T1GP」~Tシャツグランプリは1回目の開催時にはじめた企画で、そのときは主催者が一番目を惹くクルマのTシャツを着てきた人の優勝となっていた。 「2020年に開催したときにこれを行ったら参加者の個性がキラキラしていて、自作したり白Tシャツにペンで描いたり、好評でしたので今年も開催しました」ということから今年も継続での開催となったらしい。 もちろん参加者は様々なクルマの描かれたTシャツを着て参戦。 自分のクルマのシルエットやイラストが描かれたTシャツを着てクルマの前に立つ姿は前述のイベントを思い起こさせる。 やはり流れは同じものがあると感じさせた。会場には40台近い国産外車の新旧問わずの車両が参加。 開会宣言がされると、あとは各自が自慢の愛車を見比べあい、時にはエンジンルームを開けて仕上げた車両の苦労を話すなどクルマ談義に華を咲かせていた。 開催時間は概ね主催の挨拶から始まって2時間くらい。決して長い時間とは言えないが、楽しい時間を凝縮して開催しているという。 今後は車両の増え方によってはコミュニケーションを撮る時間を伸ばしていくようにするかもしれないと考えているそうだ。 ■イベントの裏道を歩く タイトルの通りであるならば、こうしたイベントの会場外に止めきれず、それでも見学に来たりしたクルマを散策して歩くというのが本来の趣旨である。 しかしながら今回はすでに参加車両はすべて入りきっているので周辺というわけにはいかない。 ということもあり会場に来たクルマたちをいくつか見ながら回ってみたい。 ■シルビア コンバーチブル(S13型) 会場内で最初に目に留まったのがこのS13シルビアである。 ご覧の通りコンバーチブルモデルのシルビア。 当時からしてタマ数が多いとはいえない車両である。 オーナーはこの1年半くらいの所有だそうだがこれからも大事に乗り続けたいということだ。 ■スカイラインRS(DR30型) 鉄仮面の愛称で知られる6代目となるスカイライン。 オーナーのこだわりはエンジンルーム。 焼結塗装こそやり直しているが、それ以外はすべて手作業で磨き上げたという。 ■スープラ(A80型) 永い眠りから覚めたほぼワンオーナーというスープラ。 19年所有し、うち10年は家の事情から寝ていたという。 3年ほど前から少しづつ復活させエアロ等徐々に仕上げている最中とのことだ。 ■ガゼール(110型) 当時のイメージを損なわないように仕上げている車両。 当日会場にはカタログやBピラーのカバーを持ち込み、シルビアとの仕様の違い(聞くと本当に微細)を解説してくれた。 車内に備わる扇風機はわざわざ時代背景を考えて、クリアーの青をプロペラに使ったものを探したそうだ。 ■未だかつてないコンテストと優勝トロフィー ノンジャンルのイベントではただ集まっただけなのか? そんなことはない。 しっかりとコンテストもあればその優勝者には賞品も授与される。 しかし、選考基準は何なのか?それが参加資格にあったTシャツである。 ここで件のドレスコードが生きてきた。 そう、選考基準は主催のNaoさんの独断と偏見だが、参加者の中で一番よさそうなTシャツを着てきた者が優勝となる。 みごと勝利したのは自らがドライブしてきたクルマと同じRX-7のシャツを着た女性でした。 その優勝トロフィーが画像のモノ。 最大級のペヤングを土台にしたすべてが食品の巨大トロフィー。 その大きさおよそ1メートル。 筆者もこれほどまでに高カロリーなトロフィーは見たことがなかった。 こうした遊び心も同イベントの醍醐味といえるだろう。 ■今後の展開や展望 あっという間に過ぎた2時間だが、お土産までついていた。 今年は協賛企業も2社ついており、洗車や仕上げに役立つグッズが全員に配られた。 すでに次回はいつになるのかという問い合わせもあるそうで、まだ2回目ということもあって決して大きなイベントではないが、今後の展開が楽しみな企画であることは間違いないだろう。 [ライター・撮影/きもだ こよし]
■名前:きもだこよし ■職業/肩書き ・外車王SOKENライター・webマンガ マンガで綴るクルマエッセイ RED Equipe’s冒険隊連載等・各種イラストレーションやwebマンガ、ライティング・カーデザインはじめ各種デザイン等 ■現在の愛車 プジョー106GTi ■ご自身の性格をひと言で表現すると? 物事を穿った見方と歪んだ感性で見るくせにあまり人を疑わない矛盾人間 ■好きなクルマは? ・BMW1800・シムカ1000・ルノー5ターボ等 ■憧れのクルマは? ・BMW M1 ■旧車王ヒストリアではどんな記事を書いてみたいですか? イベントサイドストーリー カーイベントには参加車両が多々現れますが、それですべてではありません。そこには参加車両以外の見学に来た車両もさらにいます。そうした人知れず現れてそっと会場を後にするクルマたちにスポットを当ててみたいと思います。普段から愛車の似顔絵屋などというイベント活動をしていたせいか、あまり普通は目を向けられないクルマやモノにスポットを当てたい。そうしたクルマのオーナーも楽しんでもらえたらということを心がけたいと思います。 ■その他なんでも・・・ 持ち味としての立ち位置はあくまでもイラストレーター。絵描きですので文章としては他のライターさんに比べればつたない部分もあるかと思います。それでも表現者として読者に楽しんでもらうことを第一に考えて作っていきたいです。描くことが本分であるので機会あれば車両の紹介や小ネタをマンガやイラストで表現ができればとも思います。それで読み手が楽しんでくれれば最高ですね。 ■HP/SNS/YouTube他 ・Facebookhttps://www.facebook.com/koyoshi.kimoda・カーくるhttps://carcle.jp/UserBlog?UserID=5740・外車王SOKENhttps://www.gaisha-oh.com/soken/writer/kimodakoyoshi/[ライター・撮影/きもだこよし]