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不動の1位はあのモデル!ドイツ「Hナンバーとヒストリックカー」を深掘り!
旧車の魅力と知識2023.11.10

不動の1位はあのモデル!ドイツ「Hナンバーとヒストリックカー」を深掘り!

ドイツでは、あえて古い年代のクラシックカーを好んで乗る人がとても多いのです。 筆者の住むベルリンでも例外はなく、街で見かけない日はありません。 クルマに限らず、歴史的建造物を現代に残して別の用途で再利用したり、アンティーク家具や骨董品も同様に人気があります。 古きよきものを大切にする文化が根付いているドイツならではともいえますが、中世ヨーロッパの風情が残る街並みに、クラシックカーはとても美しく映えます。 そんなクラシックカーの中でも「ヒストリックカー」と呼ばれる、特別なクラシックカーがあることを知っているでしょうか? 「ヒストリックカー」とは、製造年数が古く、状態の良さなどいくつかの条件を満たしたクラシックカーを指しますが、認定を受けたクルマには「Hナンバー」と呼ばれる専用ナンバープレートが与えられます。 「H」とはドイツ語の“Historisch(ヒストリック)”からきており、“歴史的”という意味を持ちます。 また、単に古いというだけでなく、税金や車検が優遇されるといった特典もあります。 世界的にEV化に注目が集まる2020年代においても「ヒストリックカー」の認定を受けるクルマが増え続けているドイツですが、そこにはどんな理由があるのでしょうか? 先に述べた古いものを大事にする文化や、税金の優遇以外にもメリットがあるのでしょうか? では、「ヒストリックカー」と「Hナンバー」について、詳しく深掘りしていきましょう。 ドイツにおける「ヒストリックカー」の定義とは? 「ヒストリックカー」の制度は、古き良きクルマを文化遺産として現世に残そうという目的のもと、1997年に導入されました。 製造から30年以上経過しており、オリジナルの状態を保持している、もしくは現代的に修復された状態の良いクルマのことを「ヒストリックカー」と呼びます。 「Hナンバー」とは? 「ヒストリックカー」には、正式名称「Kennzeichen historischer Fahrzeuge(歴史的工業遺産)」、通称「Hナンバー」と呼ばれる専用のプレートがついています。 見た目は普通のナンバープレートと変わりませんが、末尾にヒストリックの意味を記した「H」が入っているのが特徴です。 資格が得られる条件は? クラシックカーに限らず、どんなクルマであっても当然ではありますが、まず自動車保険に加入しており、車検が有効でなければなりません。 一般検査(StVZO第29条に基づく)と、専門家による車輌の整備状態や保存状態の査定を行ない、その証明となるクラシックカーレポートを取得する必要があります。 ボディ、フレーム、ドライブトレイン、ブレーキシステム、ホイール、タイヤ、電気システムなどが主な査定対象となります。 必要書類をすべて揃えて登録事務所へ提出し、基準を満たしていた場合に限り、「Hナンバー」が取得できます。 どんなメリットが?  「Hナンバー」のついたヒストリックカーは、税金や車検などが優遇されるといった特別なメリットがあります。 所有者は文化財保護者として扱われ、排気量にかかわらず、年間の自動車税が一律で191.73ユーロ(約30,000円)に抑えることができます。 また、都市ごとに設定されている環境規制にしばられることがありません。 さらに「シーズンナンバー」という使用期間限定ナンバーも用意されています。 これは「Hナンバー」と「シーズンナンバー」を組み合わせて年間の税金を12ヵ月で割り、使用期間分のみの税金を支払えばいい仕組みです。 温暖な季節にしか乗らないなど、通年使用しないオーナーにとってはありがたいですね。 人気の「ヒストリックカー」は? ドイツにおける不動の1位ともいえるのが、やはりメルセデス・ベンツの「W123」シリーズです。 連邦自動車交通局(KBA)が2022年に発表した結果ですが、街中でもいちばんよく見かけます。 続く2位は、同じくドイツメーカーで、街でもよく見かけるフォルクスワーゲン ビートル。 「ヒストリックカー」の登録比率が78%となっており、所有者の8割近くが「Hナンバー」を取得していることがわかります。 3位は、同じくフォルクスワーゲンからバスがランクイン。 通称ワーゲンバスと呼ばれており、初代の「T1」から「T2」「T3」「T4」とシリーズ化され、モデルチェンジを繰り返してきました。 ツートーンカラーのレトロなデザインが愛らしい「T1」「T2」が最も人気です。 上位3位以外では、ポルシェがランクインしており、「ヒストリックカー」においても圧倒的にドイツの国産車が人気のようです。 EV化が進むなかにおける「ヒストリックカー」の立ち位置 ドイツでは、温室効果ガスの排出量実質ゼロを目指していることから、2030年までにEVの登録台数を最低1,500万台にするといった高い目標を掲げています。 2022年にドイツ自動車産業連合会(VDA)が発表した結果によると、バッテリー式電気自動車(BEV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)が88万4,576台(42.9%増)という、脅威の台数を叩き出しています。 しかし、ここまで増えた要因の1つは、4万ユーロ以下のEVに対して9,000ユーロの補助金が出ていたこと。 経済問題などから補助金が削減されて以降、EV市場は縮小傾向にあり、大手のフォルクスワーゲンは減産にシフトしました。 対する「ヒストリックカー」ですが、「Hナンバー」制度が設けられた1997年当時の保有台数は、翌年1998年までの間でわずか18,000台でした。 その後、2008年には16万台に増え、2020年代に入ると50万台以上にも増えました。 ヒストリック人気の裏では、フォルクスワーゲンのビートルがEVに改造され販売されるという、これまでにない動きを見せています。 名車と呼ばれるクラシックカーたちが、現代のライフスタイルや環境問題改善のために変わっていくのは避けられないのかもしれません。 今後、それぞれの台数がどのように変化していくか注目していきたいですね。 [ライター・Kana / 画像・Kana, Mercedes-benz]

富とセンスを兼ね揃えた海外セレブからも愛されるクラシックカー
旧車の魅力と知識2023.09.21

富とセンスを兼ね揃えた海外セレブからも愛されるクラシックカー

海外ドラマや映画の中には、よくクラシックカーが登場します。 特に歴史的な物語を描いている作品に多いといえますが、その時代に主流だったクルマのデザインを映像で知ることができ、映画もドラマも大好きな筆者にとっては楽しみな要素のひとつとなっています。 映画やドラマに出演している俳優や著名人の中にも、クラシックカー愛好家がいるのを知っているでしょうか? ときどき、ファッション誌の特集などで紹介されているのを目にしますが、富も名誉も手にしているスターが最先端の技術と機能を兼ね揃えたハイテクなクルマではなく、あえて古いクルマに乗っているということにとても興味を持ちました。 実際にはどんな人がどんなクルマに乗っているのでしょう? ハリウッドスターからスーパーモデルまで、海外セレブが愛してやまないクラシックカーを紹介していきたいと思います。 ランボルギーニ ミウラ SVJ 1971年製(Lamborghini Miura SVJ)  1966年にデビューした「ランボルギーニ・ミウラ」のサスペンションを作り直し、エアロエンハンスメントを追加し、V12を400馬力以上に改善した最高傑作といわれているのが、「ランボルギーニ ミウラ SVJ」です。 この希少価値の高いクルマに乗っているのは、なんと俳優のニコラス・ケイジ。 名作「リービング・ラスベガス」でアカデミー賞主演男優賞やゴールデン・グローブ賞など数々のアワードを受賞し、「ザ・ロック」「フェイス/オフ」など大作映画に出演しています。 日本人のリコ・シバタさんと結婚したことでも話題となりました。 世界中に不動産を所有しているニコラス・ケイジですが、イランのシャーから1971年製「ランボルギーニ ミウラ SVJ」を購入したとのことです。 しかし経済的理由から、2002年にはすでに売却してしまったというエピソードもあります。 フォルムだけでなく、車内も同色で統一され、マットな質感がより一層高級感を引き立てています。 ポルシェ 356B 1963年製(Porsche 356B) ポルシェ社が1948年に初めて世に送り出したモデル、356シリーズ。 356Bは1959年に発表され、ボディはスチール製でエンジンは1.6Lになり、1961年には2.0Lエンジンが追加されました。 小型ながら丸みを帯びたフォルムがエレガントで女性に好まれそうですが、大道芸人から俳優へと転身したパトリック・デンプシーが溺愛しているとのことです。 「ザ・プラクティス/ボストン弁護士ファイル」や、大ヒットとなった医療ドラマ「グレイズ・アナトミー」で知られています。 クルマも多数コレクションしているとのことですが、最初に所持した1963年製の「ポルシェ 356B」が最もお気に入りのようです。 幼少期にポスターで見た「ポルシェ 911」を所持したかったようですが、当時は高価すぎたため「ポルシェ 356B」を購入したというエピソードもあります。 ロールスロイス シルヴァークラウドⅡ 1959年製(Rolls-Royce Silver Cloud II)  1959年に「シルヴァークラウド」からモデルチェンジしたのが「シルヴァークラウドII」です。 最大の違いは、エンジンが直列6気筒からV型8気筒に載せ替えられたことにより、排気量は6227ccとなりました。 デスティニーズ・チャイルドのメンバーとしてデビューし、ソロとしても3rdシングル「イレプレイスブル」が全米チャート10週連続1位、グラミー賞における多数の受賞歴など、輝かしいキャリアを誇る世界の歌姫ビヨンセ。 そのビヨンセが愛車として乗っているのが、1959年製の「ロールスロイス シルバー・クラウドⅡ」。 ラッパーで夫のジェイ・Zが、ビヨンセの誕生日にプレゼントしたとのことです。 美しいブルーのソフトトップとホワイトウォールタイヤを備えたコンバーチブルバージョンで、インテリアには豪華なソフトレザーが使用されています。 エクスキャリバー SSロードスター(Excalibur SS ROADSTER)  「エクスキャリバー SSロードスター」は、1930年代の名車メルセデス・ベンツ SSKを現代に蘇らせたモデルです。 主にスチュードベーカーのシャシーにSSK風のボディを被せ、シボレー製のV8エンジンを積んでいます。 SSKの美しいボディと、アメリカンなV8エンジンの組み合わせを楽しめるのは、まさにレプリカモデルならではと言えるでしょう。 そもそもモデルとなったメルセデスのSSKとは、ポルシェの生みの親であるフェルディナント・ポルシェが設計したスポーツカーです。 優れたデザインや性能で当時から人気でしたが、オリジナルはわずか37台のみという希少さ。 レプリカといえど、俳優、実業家、そして政治家と、あらゆるジャンルで成功を収めたアーノルド・シュワルツェネッガーの愛車とあって納得です。 MG MGB 1960年製  「MGB」は、1955年に販売開始された「MGA」の後継車として、1962年10月にMG(BMC)から発売されました。 マツダ・ユーノス ロードスターが登場するまで、世界で最も多く販売されたオープンカーとして知られています。 1962年から生産され、1980年10月までアビントンで生産されましたが、工場の閉鎖にあたり、周辺では反対運動が起こるほど支持されていました。 世界中から愛されたこのクルマを愛用しているのは、誰もが知ってる説明不要のスーパーモデルであり、UK版『ヴォーグ』のコントリビューティングエディターも兼任しているケイト・モスです。 クラシックカーでありながら、シャープで前衛的なデザインのオープンカーがとても似合いますね。 フォード ピックアップ 1940年製(FORD PICKUP) 主に農業の貨物輸送用に使用されていたピックアップトラックですが、1924年にフォード・オーストラリアが生産を開始したのがはじまりといわれています。 1950年代によりスタイリッシュなモデルを各社が生産し始めましたが、1940年に製造された「フォード ピックアップ」はコロンとしたフォルムが愛らしく、街中を走ってもトラックらしくないスタイリッシュなデザインです。 これと同じではないですが、似たデザインのクルマに乗っているのが、映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ等に出演している人気俳優のオーランド・ブルーム。 これまでポルシェ、マクラーレンなどのスポーツカー愛好家として知られてきましたが、クラシックカーやEV車も愛用しているとのことです。 セレブリティーは多数のクルマを所持しているイメージですが、古くて希少価値の高いクラシックカーを長年に渡り、大事に乗っているエピソードは好感が持てますね。 [ライター・Kana / 画像・Lamborghini,Rolls Roycemotorcars,MG]

ベルリンの街でスタイリッシュなクラシックカーを探そう!
旧車の魅力と知識2023.07.11

ベルリンの街でスタイリッシュなクラシックカーを探そう!

日本にいたころは、まったくといっていいほどクルマに関心がありませんでした。 公共交通機関が充実している、都会での暮らしに必要性を感じなかったからです。 しかし、ベルリンへ移住してから、道沿いにさり気なく駐めてあるクラシックカーのデザインに一目惚れしました。 もともと、ファッションやインテリアのアンティークやヴィンテージが大好きだった筆者にとっては新たな発見であり、クラシックカーどころかクルマのことなどほとんど知らない素人ですが、ベルリンの街でクラシックカーを見かけるたびに、スマホで写真を撮るようになったのです。 そんなある日、友人から「ヒストリックカー」の存在を教えてもらいました。 "H"マーク付きのヒストリックカーとは? ドイツのクラシックカーが好きな人であれば誰でも知っているかと思いますが、ヒストリックカーとは、ナンバープレートに”H”マークが入っているクラシックカーのことを指し、正式に認定されている年代もののクルマを意味します。 生産されてから30年以上経過している、オリジナルの状態が保たれている、走行に支障をきたす欠陥がないと判定された状態であるなど、条件を満たしたクルマのみが認定資格を持てるのです。 この”H”マーク付きのヒストリックカーを見つけると、自然に憧れと尊敬の眼差しを向けるようになりました。 ちなみに、連邦自動車交通局(KBA)調べによると、2022年におけるドイツ国内でのHナンバー登録数は648,365台とのことで、前年より10%も増えているそうです。 ベルリンの街を歩いているだけでも頻繁に見かける理由がよくわかりますね。 では、実際にはどんなクラシックカーがベルリンでは人気なのでしょうか? 街中で見かけたクルマを写真とともに紹介していきたいと思います。 メルセデス・ベンツ ミディアムクラス 300D やはり一番人気は、ドイツ車三大メーカーのトップ、メルセデス・ベンツです。 筆者の住むプレンツラウアーベルク地区だけでも、続けてすぐに発見できました! 1985年~1989年に生産されていた、メルセデス・ベンツ ミディアムクラス 300Dは、四角くて、コロンとしたフォルムが特徴的でレトロな印象を受けます。 無駄のないシンプルなデザインが男性に人気がありそうです。 清潔感のあるホワイトカラーもいいですね。 メルセデス・ベンツ W123 230E こちらは、大人気のメルセデス・ベンツW123シリーズの、最終モデルとして生産されました。 1976年から1985年に生産されていたW123シリーズは、街中でもよく見かけますが、メルセデス・ベンツならではの圧巻の存在感と、よりクラシックなフォルムと高級感漂うデザインが、個人的にもかなり好みです。 フォルクスワーゲン ゴルフガブリオレ 同じくドイツメーカーのフォルクスワーゲンも大人気で、ゴルフガブリオレと、作業用としてよく活用されているバンを見かける機会が多いです。 ビートルの後継者としてゴルフカブリオレが誕生したのは1979年で、コンパクトなサイズと見た目のかわいさで、女性にとても人気があります。 定番のブラックも人気ですが、筆者としてはレッドやブルーといった、発色の良いカラーが目を引きます。 ベルリンでは、住宅の前にクルマがズラリと並んでいる光景が日常的ですが、並んでいるクルマを見るとクラシックカーに限ったことではなく、メルセデス・ベンツとフォルクスワーゲンが圧倒的に人気なのが一目瞭然です。 ドイツの国産車だから当然ではありますが、その中にクラシックカーがさり気なく紛れ込んでおり、街の景観を美しく演出しています。 ちなみに、ベルリンでは駐車禁止地域以外であれば、基本的に路上駐車が可能となっています。 ただ、埋まっていることがほとんどのため、空きスペースを探すのは至難の技です。 ジャガー XJS ハイブランドショップが立ち並んでいることでも有名な、ベルリン随一のショッピング通り、通称“クーダム”で発見したジャガーのクラシックカー。 ドイツの国産車がトップの人気を誇るなか、イギリス産のジャガーと出会えたのは嬉しかったです。 ごくたまに見かけますが、レトロフューチャーなフォルムと渋いカラーがたまりません。 マセラティ 222 同じくクーダムの近辺で発見したのが、イタリア産のマセラティです。 1914年操業と、100年以上もの長い歴史を誇り、高級スポーツカーとして人気を博しています。 記憶が正しければ、筆者はこの日初めてマセラティを見ましたが、フロントの渋さと、バックスタイルでさり気なくブランドを語るかのようにロゴを入れたデザインが、ステキだと思いました。 おわりに クルマの国ドイツであっても、意識して見なければクラシックカーに気付かないかもしれません。 しかし、街中を隈なく探すと、持ち主のこだわりや個性の見えるデザイン性の高いクルマと出会うことができます。 特に筆者は、メーカーよりもフォルム、デザイン、カラーに魅了されることが多く、いつの年代に生産されたのか、その時代のトレンドはどんなデザインだったのか、時代背景はどんなだったのか、そんなことに想像を膨らませています。 これからも、ベルリンの街でステキなクラシックカーにたくさん出会えることを楽しみにしています。 [ライター・撮影 / Kana]

クラシックカーの魅力をデザインで知ろう:Kana
旧車の愛好家たち2023.06.02

クラシックカーの魅力をデザインで知ろう:Kana

■名前:Kana ■職業/肩書き フリーランスジャーナリスト、コラムニスト、PR ■ご自身の性格をひと言で表現すると? おもしろい ■好きなクルマは? ドイツが認定するクラシックカー"ヒストリックカー"全般 ■憧れのクルマは? メルセデス・ベンツ クラシック ■旧車王ヒストリアではどんな記事を書いてみたいですか? ドイツの主要メーカー(メルセデス・ベンツ、フォルクスワーゲン、BMW、アウディ)をはじめ、ヨーロッパのクラシックカーに特化し、デザイン性やどんな著名人に愛されているのかなどにフォーカスし、女性が読んでも楽しめる記事を書きたいです。 ■その他なんでも・・・ 長年のライター歴と専門分野であるファッションやデザイン目線からクラシックカーの魅力を伝えたいです ■HP/SNS/YouTube他 ・Instagram:https://www.instagram.com/kanamiyazawa/ [ライター・撮影/Kana Miyazawa]

ベルリンの街が2000台以上のクラシックカーで埋まる日「Classic Days Berlin」
旧車のイベント2023.05.31

ベルリンの街が2000台以上のクラシックカーで埋まる日「Classic Days Berlin」

去る2023年5月6、7日の2日間に渡り、旧西ベルリンのクアフュルステンダム通りを会場に「Classic Days Berlin(クラシック・デイズ・ベルリン)」が開催されました。 同イベントは、毎年2000台以上の希少価値の高いクラシックカーが通り沿いに展示され、70万人を超える来場者が訪れる大人気イベントです。 高級ブランドショップが立ち並ぶショッピングスポットとしても有名なクアフュルステンダム通りの約2キロメートルを歩行者天国として開放し、クルマの展示だけでなく、飲食のできるフードエリアやトークショーが開催されるステージなども設置され、まるでフェスティバルのようです。 初日の土曜日は曇り空でしたが、日曜日は天候にも恵まれ、多数の人で賑わう大盛況イベントとなりました。 その様子を現地レポートとしてお届けします。 「Calssic Days Berlin」は「人々にインスピレーションを与え、都市と自動車の生きた歴史を伝える」という理念を掲げています。 開催地となったクアフュルステンダム通りは「選帝候の道」という意味を持ち、ベルリン最古の通りのひとつとして16世紀にベルリンの中心地にある王宮から郊外の狩りの館へ出向くために造られたといわれています。 そんな歴史的背景を持つ有名な通りを埋め尽くすクラシックカーたちは、より一層高級感を漂わせ、貴族のようなエレガントで堂々とした佇まいを見せていました。 ズラリと並んだ個性豊かなクラシックカーの多くは個人が所有しており、オーナー自ら運転しながら自慢の愛車とともに通りに登場するといった名物パフォーマンスが披露されました。 好みのクルマが通るたびに歓声が上がったり、多くの人がスマホやカメラを向けて我先にと撮影を開始します。 それだけ珍しく、希少価値の高いクルマが多く、筆者もずっと興奮が止まりませんでした。 メルセデス・ベンツ、アルファ ロメオ、アウディ、BMW、ベントレー、シボレー、シトロエン、DS、ジャガー、ジープ、ランドローバー、マセラティ、フェラーリ、フォード、シュコダ、ボルボ、VW、ポルシェといった、まさにクルマメーカーのドリームチームが集結し、メーカーごと数台ずつ並んで展示されていたのも特徴的です。 また、通りの両側には各メーカーや部品メーカーなどのテントブースやショールームが設置され、クラシックカーや最新モデルの展示販売が行われていました。 ベルリンの街中でも頻繁に見かけるクラシックカーですが、メルセデス・ベンツやフォルクスワーゲンといったドイツメーカーのクルマが多く、白、黒、グレー、赤など定番のカラーが多数です。 しかし、「Classic Days Berlin」では街では見たことのないメーカー、年代、デザイン、カラーが多く、まるでクラシックカーのファッションショーを見ているようで、華やかな気分に浸ることもできました。 そんな魅力的なクラシックカーが2000台以上集結していたなかから、筆者が特に印象に残ったクルマを紹介していきたいと思います。 まず、最寄りの地下鉄の駅から通りにでるとすぐにワーゲンの通学バス「Wagen 1126」が出迎えてくれました。 ベルリンの公共交通機構のBVGが実際に使用していた1957年に生産された2階建てバスに試乗できるサービスを行っており、子どもたちに大人気でした。 ビビッドだけど深みもあるグリーンカラーが美しく、品も漂う「アルファ ロメオ 1300 ti」。1962年から1977年まで生産されていたモデルです。 多数展示されていたメルセデス・ベンツのなかではこちらの「メルセデス・ベンツ 190 SL」は圧倒的な存在感と迫力がありました。 ブラックカラーも渋くて、こんなオープンカーに乗ってみたい憧れのメルセデス・ベンツです。 販売元はテューリンゲン州シュライツに拠点を構える2014年に設立されたクラシックカーとバイクの専門店「エーデルワイス・カスタム」です。 コロンとしたかわいいフォルムながら、車内は高貴溢れるデザインで、これからの季節にもぴったりな淡いブルーが美しい「FMR TG 500」は人集りができるほどの人気を誇っていました。 ドイツの「Fahrzeug- und Maschinenbau Regensburg GmbH(*略称FMR)」が生み出した史上最速のキャビンスクーターとして活躍した「Tiger」は、現在ではオークションにかけられているとのことで、お目にかかれたのはラッキーでした。 展示や販売されていたクルマ以外にも中世ヨーロッパの貴族のファッションに扮した来場者やオーナーを発見して、歴史へのリスペクトを感じさせました。 ほかにも、メルセデス・ベンツやフォルクスワーゲンの年代物のトラックを改造したフードトラックも多数出店しており、同イベントの徹底した主旨にも感心しました。 「Classic Days Berlin」が開催されていたことは以前から知っていましたが、今年のようにきちんと参加したのは初めて。 わずか1日でこれほど多くのクラシックカーを見られるイベントは他になく、来年もまた絶対に参加したいと思えるほど充実した内容でした。 [ライター・撮影/Kana Miyazawa]  

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