クルマの購入時に気になるのが、資産としての価値。せっかくクルマを買うなら、価値が上がって高くなっていったほうがいいですよね。多くのクルマが購入すると時間の経過とともに価値が下がっていく一方で、一部のクルマは旧車市場で価値が上がり高額で取引されることがあります。そこで今後、価値が上がる可能性のある日本車と輸入車のクラシックカーを予想してみましょう。 ■旧車の価格はなぜ高騰するのか? 旧車が値上がりするのには、いくつかの要因がありますので整理してみましょう。 ●旧車市場での需要: 日本はもちろん海外でも旧車は売り買いされています。需要が多ければ、そのぶんだけ価値が上がっていきます。国外では、とりわけ北アメリカやヨーロッパで旧車市場が活況です。 ●希少価値: 新車としての販売台数が少ない車種や、販売終了して久しい車種は、時間の経過とともに故障や廃車などにより市場に流通する台数が減少していくため希少性が高まっていきます。そのなかで、旧車愛好家に人気があるクルマは価格が上昇していきます。 ●カスタムやレストア: クルマをカスタムやレストアして乗るオーナーがいます。自分の所有物を最大限に楽しむことは素晴らしいですが、クルマ本来の状態は失われていきます。オリジナルの状態に近いほうが、旧車としては価値が高まっていく傾向があります。しかし、時間の経過とともにオーナーが変わり、オリジナルの状態が失われる可能性がでてきます。 ●規制の影響: 国によっては、排ガスや環境の規制が厳しくなり、登録が困難になる前に憧れの旧車を購入する動きが見られます。 またアメリカには、製造から25年が経過すると右ハンドルのクルマをそのまま輸入してクラシックカーとして登録できる「25年ルール」があります。そのため、25年を境にアメリカで日本の旧車の需要が増えるのです。 ●知名度: 「レースに出場した」「映画に登場した」「ゲーム化された」など脚光を浴びると、人気を集めることがあります。 ■価値が上がりそうな日本車 ●1.日産 スカイライン GT-R(R32・R33・R34): スカイライン GT-Rシリーズは根強い人気があり、特にR32・R33・R34のモデルは今後も価値が上がる可能性が高いでしょう。R34は海外からの需要が高まっており、もともと生産台数が少ないため、価格が上昇することが考えられます。 ●2.日産 シルビア(S13・S14・S15): シルビアは、ドリフトカーとして認知されていてコアなファンがいます。年々、コンディションが良好なものが少なくなっています。S13やS14もそうですが、とりわけS15は価値の上昇が期待できます。 ●3.日産 フェアレディZ(Z31): 日産のスポーツカーで、海外でもよく知られています。グランドツーリング志向が強く、ターボチャージャー搭載モデルは特に人気です。 ●4.ホンダ NSX(NA1・NA2): 初代NSXはホンダが誇るミッドシップスポーツカーで、フェラーリにも引けを取らない技術と性能を誇りました。アルミボディやVTECエンジンといった先進的な技術が採用され、開発には伝説のF1レーサーであるアイルトン・セナも参加しました。 ●5.ホンダ プレリュード: デザインが洗練されている5代目ホンダ プレリュード。ステアリングにトルクベクタリングを採用するなど、先進技術が注目を集めました。若いコレクターにも人気があります。 ●6.トヨタ スープラ(A80): トヨタのA80スープラは、90年代の国産スポーツカーの中でも特に人気が高いモデルです。パワーと耐久性に優れる2JZ-GTEエンジン搭載車は、人気があります。北米市場での需要が高まっており、価格が上昇しています。 ●7.マツダ RX-7(FD3S): RX-7 FD3S型は、ロータリーエンジンを搭載したスポーツカーです。特徴的な設計と独特の走りで、ファンを魅了しています。パーツの入手が困難な場合もありますが、根強く支持されています。 ●8.三菱 ランサーエボリューション(エボV~エボIX): 三菱のラリーカーとして名を馳せたランサーエボリューションシリーズ。エボVからエボIXまでのモデルが、特に人気です。高性能な4WDターボを誇り、世界ラリー選手権で認知度を高めました。 ●9.スバル インプレッサ WRX STI(GC8・GDB): スバルのインプレッサ WRX STIは、ターボエンジンを搭載したAWDスポーツカーです。GC8(初代)とGDB(2代目)は軽量で扱いやすく、ファンに人気です。 ■価値が上がりそうな輸入車 ●11.デロリアン DMC-12: 映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で有名になったデロリアン DMC-12。ステンレス鋼のボディは、一目ですぐわかるデザインです。ノスタルジーの高まりにより、近年になって価格が高騰しています。 ●12.フェラーリ 400・412: 4シータークーペであるフェラーリ 400と412。優雅なデザインで、V12エンジンを搭載しています。創業者エンツォ・フェラーリの最後のモデルとして近年、評価が高まっています。 ●13.ボルボ P1800: ボルボ初のスポーツクーペであるP1800は、高い耐久性もさることながら絶妙なフォルムのデザインがファンを唸らせます。イギリスのテレビドラマ『セイント 天国野郎』で主演のロジャー・ムーアが運転したことでも知られ、若者に人気です。 ●14.BMW ミニ クーパーS: BMWが復活させた初代ミニ クーパーSは、クラシックな外観ながらスポーティーな走行性能があります。近年、緩やかに価値が上がってきています。 ●15.フォード ブロンコ II: 約四半世紀ぶりとなる2020年にフォードがブロンコを復活させました。これに伴い、3ドア ワゴンのフォード ブロンコ IIの人気が上昇しています。価格帯が手頃なことから、若者にも人気があります。今後も需要が見込まれているため、価値が上昇すると見られています。 ■まとめ このなかにお目当ての旧車はありましたか。クルマを買うのには、いろいろな理由があるでしょうが、自分の利用ニーズにあっているものを選びたいものです。そして所有して乗っているうちに価値が目減りしていくどころか、その逆に高騰したらこんなに嬉しいことはないですよね。 [画像/Toyota,Nissan,Honda,Mazda,Mitsubishi,Volvo,BMW MINI,Ford・ライター/Takuya Nagata]
1954年製メルセデス・ベンツW196 R ストロムリニアン ヴァーゲンのオークションが、このほどドイツで行われグランプリレーシングカー史上最高額(約80億円)で落札されました。メルセデス・ベンツの旧車は人気がありますが、その理由を一緒に探ってみましょう。 F1で優勝した伝説のマシン ドイツ・シュトゥットガルトにあるメルセデス・ベンツ博物館は2月1日、W196 R ストロムリニアン ヴァーゲンのオークションを開催。すると、みるみるうちに入札金額が釣り上がっていき、最終的に5115万5000ユーロ(約80億円)という、グランプリレーシングカーとして史上最高額で落札されました。 このマシンは2.5リッター直列8気筒エンジンを搭載し、最高時速300km/hを誇り、1950年代半ばにF1シーンを席巻。2シーズンかけて257馬力から290馬力まで性能が向上しました。 当時のF1ルールはホイールカバーを禁止しておらず、伝統的なオープンホイールと、重量を上回る空力性能に賭けたクローズドホイールのボディ・デザインがありました。 幅広で重心が低く滑らかな流線型のボディには、アルミニウムよりもさらに軽いマグネシウム合金が使われ、重量はわずか40kgでした。 W196 R ストロムリニアン ヴァーゲンは1954年フランスグランプリでデビューすると、メルセデスのファン・マヌエル・ファンジオとカール・クリングが1位・2位でフィニッシュ。 1955年アルゼンチングランプリでは、ファン・マヌエル・ファンジオが母国で優勝を飾りました。 流線型ボディは世界にわずか4台 このモデルのマシンは14台しか製造されておらず、1955年のF1シーズンを生き抜いたのは10台。そのうちエレガントな流線型ボディのものは、わずか4台しかありません。 今回、オークションに出されたマシンは、1965年にメルセデスが米国インディアナポリス・モーター・スピードウェイ博物館に寄贈したものです。このモデルが個人所有になるのは、今回が史上初となります。 当時メルセデスのマシンは、銀色のボディから「シルバーアロー」(銀の矢)という愛称がつきました。 1世紀以上の伝統を持つメルセデスのブランドイメージと美しいデザインと希少性。そしてF1を戦った歴史が刻まれたことで、このマシンに高値がついたといえるでしょう。 カーオークション史上最高額もメルセデス・ベンツ ちなみに、クルマのオークション全体における史上最高の落札額は、2022年に記録された1億3500万ユーロ(約211億円)で、1955年製メルセデス・ベンツ 300SLR ウーレンハウト クーペです。 今回の80億円は、クルマのオークション全体では史上2位となります。こちらでもメルセデスが1・2フィニッシュとなりました。 今回の約80億円という落札価格は驚きですが、主催者側の事前の予想とほぼ一致していたということです。 2013年に英国グッドウッドでオークションにかけられた1954年製メルセデス・ベンツW196は、1960万ポンド(約36億円)で落札されました。こちらは、この段階でカーオークション史上9位の高値となっています。 廃車場で半世紀も放置されていた300SLが14億円に その他にもメルセデス・ベンツのクラシックカーが高値で落札されている事例があります。 メルセデス・ベンツ300SLは、カモメの翼のように上に開くガルウィングドアが特徴のスポーツカーで、コレクターの間で人気が高いモデルです。アメリカでは、2024年に930万ドル(約14億円)で売却されました。1956年製メルセデス・ベンツ300SLの29台製造されたうち、26台目にして唯一エクステリアが黒でインテリアが赤のものです。廃車場で半世紀も眠っていた掘り出し物で、よくぞスクラップにしなかったと拍手が送られたことでしょう。 超高級車として知られるメルセデス・ベンツ600(W100)ですが、長いルーフと6ドアのランドーレットのものは9台しかなく、そのうち、ヨシップ・ブロズ・チトー元ユーゴスラビア大統領が乗っていた1台は、2017年にイギリスで250万ポンド(約4億7000万円)で売却されました。 メルセデス・ベンツ190E 2.5-16 エボリューション IIは500台限定で生産されたモデルで、国内外で高値で取引され5000万円以上の値がつくこともあります。 質実剛健でステータスの象徴 私たちが日常よく目にするメルセデス・ベンツも、やはりラグジュアリーカーというイメージが定着しています。 メジャーな高級車で富裕層の間で人気があり、オーナーのステータスを象徴する存在になっています。 メルセデス・ベンツは、いかにもドイツらしい質実剛健な設計哲学に基づき造られています。非常に耐久性がありブランド力もあいまって、中古車市場で高値で取引されています。 企業の重役がベンツの中古車を購入して乗っているのをよく見聞きします。 一般的に新車は、購入したその日から価値が落ちていきます。メルセデス・ベンツの中古車は比較的、高値で売り買いされています。首尾よくお得な価格で購入しておけば価値が下がりにくく、いざというときにほぼ同じ金額で売却できる可能性があります。 普段は便利な移動手段で、ステータス・シンボルとしてしっかりと役割を果たし、現金が必要になったら高値で売ることができるのです。メルセデス・ベンツに乗っている社長は、意外と堅実な経営者ということでしょう。 まとめ メルセデス・ベンツの希少価値があるクラシックカーは、世界的に随一の高値がつくことが分かりました。 高性能で耐久性に優れ、信頼性は高いものがあります。また、伝統と実績に裏打ちされたブランドイメージもあり、ステータスを確立しています。 そして、一般的なメルセデス・ベンツの中古車も資産価値が高くなっています。高級車のなかで比較的、売り手も買い手も多い大きな市場を形成。つまり、売るのにも買うのにも選択肢が多いクルマだということです。 誰でも気軽に手が出せるわけではありませんが、予算に余裕があれば検討するに値するクルマということができるでしょう。 [画像/Mercedes-Benz・ライター/Takuya Nagata]
「自分のクルマを売ったら、いくらになる?」と考えたことはありませんか。金額は、おそらく購入したときより低くなることを想定したでしょう。しかし、クラシックカーは、買ったときよりも高く売れることがあります。 クラシックカー投資には、愛好家やコレクターだけではなく投資ファンドも参入しています。つまり、それだけ儲かる可能性があるということなのです。 日本の状況も交えながら、海外で盛んに行われているクラシックカー投資について紹介します。 クラシックカー投資とは? クルマの価値は、一般的には経年劣化とともに下がっていきます。しかし、コレクターに人気がある一部の車種については市場価値が上昇することがあります。 クルマは、所有することに喜びがあり、便利な移動手段なだけではなく、資産でもあるのです。 クラシックカー投資は、ヴィンテージカーや希少な車両を購入し、長期的に価値が上昇したら売却する投資手法です。これらのクルマは、デザインや製造数、逸話などが要因となり、市場価値が高まることがあります。 たとえば、フェラーリ250GTOやポルシェ911の初期モデルなどは、コレクターの間で高値で取引されています。2018年には、1962年製フェラーリ250GTOが、オークションで4800万ドル(約52億円)で落札され、大きなニュースとなりました。 海外のクラシックカー市場について 歌手やハリウッドのセレブにも、クルマコレクターが多くいます。たとえば、レディー・ガガ、ニコラス・ケイジ、アーノルド・シュワルツェネッガー、リチャード・ギア、ローワン・アトキンソンといった面々です。有名人が所有すると、オークションの際により一層、価値が高まります。 海外ではクラシックカーの取引がとても盛んです。特にヨーロッパやアメリカでは、大規模なオークションや展示会が定期的に開催され、多くの投資家やコレクターが集まります。 主要なクラシックカーイベント ペブルビーチ・コンクール・デレガンス(アメリカ) カリフォルニア州の有名なゴルフ場で開催されるクラシックカーイベントで、よりすぐりのクルマが展示され、オークションも行われます。 グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード(英国) リッチモンド公爵家が主催する由緒正しき催しです。希少なクラシックカーが公道やサーキットで走る姿を見ることができます。 このようなクラシックカーのイベントでは、プロの鑑定士が車両の価値を査定し信頼性が高い取引が行われます。そしてクラシックカーの希少性や保存状態の評価によって、価格が大きく変動することがあります。 クラシックカー投資の魅力とは? 希少価値 生産台数が少ないモデルは、人気に応じて市場価値が上昇する傾向があります。 デザインと芸術性 クラシックカーの多くは、現代のクルマにはない独特のデザインや味わいがあります。 資産の分散 株式などとは異なり、クラシックカーは実物資産として投資ポートフォリオに多様性をもたらします。仮に株価が暴落してもクルマの価値への影響は限定的です。また、金融市場のボラティリティ(変動)に比べたらクラシックカーの価値の推移は、なだらかです。 昨今は、日本でもインフレに転じていますが、そうすると現金の価値は目減りしていきます。クラシックカーは、インフレにも強いのが利点です。これは金や不動産、腕時計の投資にも同じことが言えます。 クルマ愛好家にとって最高の体験 クルマ好きの人にとって、クルマを購入し所有して、手入れをするだけで大きな喜びです。そんなコレクションに将来、高値がつくかもしれないと思うとワクワクします。 クラシックカー投資において注意すべき点とは 投資にはリスクがつきもので、クラシックカー投資も例外ではありません。 維持費 まずクルマを管理する駐車場や車庫が必要です。運転しないとしても、大事な資産ですので保険をかけるのが無難です。クルマは機械ですので経年劣化していきます。クラシックカーのメンテナンスは高額な傾向があります。パーツの入手が難しく、修理は専門の技術者への依頼が必要な場合があり、維持費がかさみます。 市場の流動性 株式や債権と比べると、クラシックカーの市場は流動性が低いです。適切な買い手を見つけるまでに時間がかかることがあります。急きょ、現金が必要なときには不向きです。 価値の変動 市場のトレンドや需要により、クラシックカーの価値は変動します。必ず価値が上がるわけではないことを理解しましょう。クルマとしての性能は何もしなければ次第に劣化していきます。新車より中古車が低価格なのはそのためです。それ以上に価値が上がる何かを持っているクルマ、あるいは価値が上がる可能性があるクルマを選ぶことが重要です。 偽物の流通 高価なクラシックカーに似せて偽造された車両が出回ることがあります。不安がある場合は、専門家によるチェックを推奨します。 日本のクラシックカー事情について 日本でも、旧車への関心は高まっています。例えば、トヨタ2000GTや日産スカイラインGT-R(ハコスカ)など、日本のクラシックカーは国内外で人気があります。 日本でもクラシックカーのイベントが各地で開催され、愛好家の交流の場となっています。 海外に比べると日本のクラシックカー市場は、まだ成長途上です。今後、さらに発展していくことを期待しましょう。 敷居が高いと感じる人のための奥の手とは 「価値が上がるまで気長に待ちたくない。短期間で成果を出したい」という人は、壊れているものの潜在的な価値が高いクルマを入手して修理したりカスタムパーツをつけたりするのはいかがでしょうか。手間暇はかかりますが、短期間でクルマの価値を高めることが可能です。 クラシックカー投資には、ある程度まとまった資金が必要になります。「予算があまりないけどクルマ投資をしてみたい」という人は、中古車市場であまり買い手がつかない手頃なクルマを購入して、レストア(復元)や修理をして、再び中古車市場で販売するという手もあります。低価格帯のクルマは長期的な価格の上昇幅が小さくなりがちですので短期決戦で売り手を見つけるのが懸命でしょう。 まとめ クラシックカー投資は、腕時計投資やアート投資、ワイン投資に近いものがあります。 脱炭素の流れで煙たがられがちなエンジン車ですが、EV化が進んでいることから将来的に骨董品として価値が上がることが期待できます。現在の機関車の価値を想像してみてください。 ハイリターンを狙うなら、価値が上がりそうなクルマを入手して長期的な価値の上昇をゆっくりじっくり狙うのが良いでしょう。 「真剣に売却益を追い求めるのか」もしくは「趣味の延長として行うのか」。自分はどちらが向いているかを考えてみましょう。 [画像/Porsche, Lamborghini, Mercedes-Benz, Toyota, Rolls-Royce・ライター/Takuya Nagata]