「鉄仮面」ことR30スカイラインとは?日産の技術力が光る名車の歴史を解説

目次
1.排ガス規制など厳しい時代背景に一発回答したR30型スカイライン 2.先鋭的なデザインに加えて国産車で初めて壁を破った「鉄仮面」 3.まとめ

「鉄仮面」の愛称で今もファンから根強い支持を集めるR30型スカイライン。日産の誇る高い技術力を投入して進化をし続けた結果登場したのが、R30後期型となる「鉄仮面」でした。特徴的なグリルレスデザインに、インタークーラーを備えた高出力ターボエンジンを搭載したR30型スカイライン「鉄仮面」の魅力をご紹介します。

排ガス規制など厳しい時代背景に一発回答したR30型スカイライン

6代目スカイラインとなるR30型スカイラインは、先代スカイラインが埋められなかった動力性能と環境性能のギャップを見事に埋めたモデルです。1970年代後半に一気に高まった環境意識は、高度経済成長を追い風に各メーカーが性能の向上を競っていたなかで突如押し寄せた逆風でした。

スーパーカーブームの名残からユーザーが求めるスカイラインに対する期待と、時代が求める環境性能を両立させたR30型スカイラインを振り返ります。

GT-Rの設定はなかったR30型スカイライン

R30型スカイラインが発売された1981年は、石油危機や円相場の急騰などネガティブな要素がいくつも重なったことで高度経済成長期後の日本に暗い影を落とした時代。さらに、大気汚染が問題となり、排ガス規制が一層厳しくなっていきます。

先代となるC210型では、排ガス規制に対応したハイパフォーマンスモデルを作れなかったこともあり、GT-Rの設定はなし。R30型もその流れを引き継き、GT-Rの設定はありませんでした。

ユーザーの期待を裏切らない技術の日産

GT-Rの設定はありませんでしたが、R30型は登場直後に新開発のハイパワーエンジンが投入されます。

直列4気筒DOHCで4バルブを備えたFJ20E型エンジンは、排ガス規制をクリアしつつ150psを発生。GT-R伝統の6気筒ではなかったものの、スカイラインに対するユーザーの期待に日産が技術で応えた形です。

「2000RS」と名付けられたFJ20E 型モデルはその後も進化を続け、1983年にターボモデルの「2000ターボRS」を追加。さらに大幅なマイナーチェンジを経た後期モデルでは、空冷インタクーラーターボを搭載した「2000ターボインタークーラーRS/RS-X」が登場します。

後期モデルのみを「鉄仮面」と呼ぶ

スカイラインにつけられる愛称は基本的に1世代につき1つの愛称(愛称自体が複数ある場合もある)ですが、R30型スカイラインは前後期で異なる愛称で呼ばれています。

前期型はCMに俳優のポール・ニューマンが起用されていたことから「ニューマンスカイライン」。そして、後期型は特徴的な外見から「鉄仮面」と呼ばれています。

R30スカイラインの買取専門ページはこちら

旧車王バナー旧車王バナー

先鋭的なデザインに加えて国産車で初めて壁を破った「鉄仮面」

登場後も惜しみなく技術を投入し進化をさせ続けたR30型スカイライン。実際に1983年に実施されたマイナーチェンジ前後では、見た目も性能も大きく異なります。

「鉄仮面」という愛称で呼ばれたマイナーチェンジ後のR30型スカイラインは、日産の技術力と意地を感じるモデルです。

グリルレスという先鋭的なデザイン

R30型スカイライン後期型最大の特徴はフロント部分のデザイン変更です。ラジエーターグリルレスに薄型のヘッドライト、大型の前後バンパーと前期型から大幅に意匠を変更。とくにスカイライン伝統のフロントグリルを廃した先鋭的なデザインは「鉄仮面」の愛称の由来になりました。

グリルレスに加えて薄型のヘッドライトという当時としては斬新なデザインは、のちのR32型スカイラインにもつながるデザインです。

また、ランバーサポート・パワーステアリング・パワーウインド・カセットコンポを装備した豪華仕様の「2000ターボRS-X」も追加投入。当時の最新かつ豪華な装備を搭載しているあたり、いかに日産がスカイラインという車種を大事にしていたかが分かります。

リッターあたり100psの壁を国産車で初めて破った

スカイラインに求める高い動力性能を実現したFJ20E型エンジンは、前期型の販売終了間際にはターボを搭載してFJ20ET型に進化。最高出力は190psまで高められ、「史上最強のスカイライン」と呼ばれました。

そして、後期型登場から半年後には、空冷インタークーラーを装備し205ps到達。2Lエンジンで200ps以上を発生し、ついに国産で初めて1Lあたり100psの壁を打ち破ったのです。

6気筒エンジンでなかったため、「GT-R」の称号は与えられませんでした。しかし、後期型の「2000ターボインタークーラーRS/RS-X」は、ユーザーがスカイラインに求める性能を十分に満足させるモデルでした。

R30スカイラインの買取専門ページはこちら

まとめ

1リッターあたり100psを達成したR30型スカイライン後期となる「鉄仮面」は、性能の高さとデザインから現在でも人気車種です。

大手中古車情報サイトを見ると、400万円台後半から500万円台後半の車が複数あります。(2022年4月原稿執筆時)

旧車王での買取価格も「2000ターボRS」で350万円を上限とした買取価格がつくなど、高値で取り引きされていて、不動車でも80万円もの価格がつく事例もあります。

発売から既に40年以上が経過、市場に出回る台数も年々減少していくことは確実です。現在所有している方も、今後あわよくば購入したいと思っている方も、今後さらに高騰する可能性もあるため、鉄仮面の市場価格から目が離せません。

※価格は2022年4月現在

旧車の買取なら「旧車王」におまかせ!

長い時間を共にした愛車だからこそ、売却先にもこだわりたいという方は多いのではないでしょうか。
旧車王は、旧車に特化して20年以上買取を続けております。旧車に関する実績と知識なら、どこに負けない自信があります。また、ご契約後の買取額の減額や不当なキャンセル料を請求する「二重査定」も一切ございません。誠実にお客さまのクルマと向き合い、適正に査定いたします。
全国どこでも無料で出張査定にうかがいますので、大事な愛車の売却先にお悩みの方はぜひ「旧車王」にご相談ください。

画像1 画像2
画像ギャラリー(全2枚)を見る

旧車王のLINE友だち登録
カンタン査定申し込み!

友だち追加

この記事をシェアする

旧車王ヒストリアは
旧車買取20年以上の旧車王
が運営しています

旧車売るなら旧車王

旧車王は、「自動車文化遺産を次世代へ」という信念のもと、旧車・クラシックカーに特化して23年、年間11,000台以上の査定申込をいただいております。改造車から希少車まで、適正価格を見極めて買取させていただきます。弊社所属の鑑定士が最短当日で全国無料出張査定いたします。ご契約後の買取額の減額や不当なキャンセル料を請求する二重査定は一切ありません。特別なそして価値ある希少車の買取こそ、確かなノウハウと実績を持つ旧車王にお任せください!

すぐ査定依頼が可能!

旧車王サイトはこちら

まずは車について気軽に相談したい

どんな相談ができるの?

関連する記事

古き良き時代と未来を感じる「2023クラシックカーミーティング&発動機運転会」イベントレポート

古き良き時代と未来を感じる「2023クラシックカーミーティング&発動機運転会」イベントレポート

イベントレポート 2023-11-28
「旧車バブル崩壊」を予想するプレスリリースに目を通して思うこと

「旧車バブル崩壊」を予想するプレスリリースに目を通して思うこと

ライフスタイル 2023-01-30
6代目スカイライン(R30系)の維持費は高い?内訳といくらかかるかを解説

6代目スカイライン(R30系)の維持費は高い?内訳といくらかかるかを解説

旧車売買の豆知識 2023-01-12
自動車大国・ドイツで人気の日本車8選

自動車大国・ドイツで人気の日本車8選

ドイツ現地レポ 2022-12-07
中古車に注文をつけているうちは永遠に欲しいクルマは手に入らないという話

中古車に注文をつけているうちは永遠に欲しいクルマは手に入らないという話

エディターズノート 2022-08-28
ワンオーナー車のセリカXXも販売中!ガレーヂカレントジャパン直撃レポート

ワンオーナー車のセリカXXも販売中!ガレーヂカレントジャパン直撃レポート

ライフスタイル 2022-08-27
GT-Rだけがスカイラインではない! ケンメリCMや[西部警察]DR30型スカイラインRSターボなど

GT-Rだけがスカイラインではない! ケンメリCMや[西部警察]DR30型スカイラインRSターボなど

旧車の魅力 2022-02-10
「直列6気筒を捨てた」残念なモデルから伝説のモデルに昇華したR30スカイライン

「直列6気筒を捨てた」残念なモデルから伝説のモデルに昇華したR30スカイライン

旧車の魅力 2022-02-09

記事ランキング

1
固着したネジでも諦めないで!回らないネジの緩め方アラカルト

固着したネジでも諦めないで!回らないネジの緩め方アラカルト

ライフスタイル 2023-09-14
2
アメリカ「25年ルール」とは?名車の中古相場が急騰するしくみ

アメリカ「25年ルール」とは?名車の中古相場が急騰するしくみ

旧車市場動向 2023-12-28
3
ナンバープレートから個人情報は特定できる?特定できる情報を解説

ナンバープレートから個人情報は特定できる?特定できる情報を解説

旧車売買の豆知識 2023-10-27
4
車庫証明は本人じゃなくても取得できる!代理人による手続き方法を紹介

車庫証明は本人じゃなくても取得できる!代理人による手続き方法を紹介

旧車売買の豆知識 2024-03-04
5
車のアンダーカバーが壊れた!修理費用はどのくらい?

車のアンダーカバーが壊れた!修理費用はどのくらい?

旧車メンテナンス 2023-10-18
6
車のキュルキュル音は放置しないで!原因と修理料金を解説

車のキュルキュル音は放置しないで!原因と修理料金を解説

旧車メンテナンス 2023-11-10
7
車検ステッカーの貼り付け位置はどこ?間違えた場合の罰則も紹介

車検ステッカーの貼り付け位置はどこ?間違えた場合の罰則も紹介

旧車売買の豆知識 2024-02-02
8
車検証の住所変更はオンラインでできる!方法や必要書類などを紹介

車検証の住所変更はオンラインでできる!方法や必要書類などを紹介

旧車売買の豆知識 2024-01-29

カテゴリ一覧

# 旧車コラム # 旧車の魅力 # 旧車売買の豆知識 # 旧車市場動向 # 旧車メンテナンス # エディターズノート # ライタープロフィール # イベントレポート # ライフスタイル # 加藤久美子&博人の見識 # ドイツ現地レポ # ライター愛車レポート # タイレルP34を追え! # オーナーインタビュー # 名車&迷車烈伝 # マツド・デラックスの世界 # 海外現地レポ