半世紀以上にわたって愛されているフェアレディZ。そんなフェアレディZに憧れ、購入を考えている方も多いのではないでしょうか。そこで今回はフェアレディZの魅力と中古車価格の動向を解説します。
フェアレディZとは
フェアレディZは、日産のスポーツカーです。初代より米国でも人気があり、現在では120カ国で販売されているほどに世界的にも高く評価されています。初代は欧州の高級GTと肩を並べるほどの性能と魅力を兼ね備えた安価なモデルとして、世界総販売台数55万台という偉業を残しました。スポーツカーとしてはポルシェ911と並んで半世紀以上継続生産されている希少な車種といえます。
米国との関連が強いフェアレディZですが、歴代の開発で意識されてきたのは欧州の高性能GTやスポーツカーと比肩することがテーマだからです。初代にはジャガーEタイプやポルシェ911に匹敵する技術を採用、4代目のランプユニットデザインがランボルギーニ・ディアブロに流用されるなど、欧州車と深い関わりを持ちます。
6代目のZ34は長きに渡って耐久レースのベース車両として選択されています。これは基本的なスペックがレースのためのチューンアップに対応できるポテンシャルがあると認められたためであり、GTカーとしても秀逸なモデルだといえます。
フェアレディZの価格は下がっていく!?
やはりその人気から、高価格で取引されている個体も非常に多く存在しました。初代S30Zに関しては1,000万を超えていたほどです。しかし、今後のさらなる高騰は見込めないだろうといわれています。詳しい理由には次の項目で解説します。
フェアレディZはもう値上がりしないって本当?
所謂「旧車バブル」でフェアレディZの価格は高騰していました。しかし、そのバブルが崩壊するのも間もなくといわれています。
新型コロナウイルスの蔓延による外出の自粛で、旧車や腕時計、骨董品など、目で見るだけでも楽しめるものにお金をつかう方が増えました。この消費行動の変化が、旧車の価格高騰にも大きな影響を与えたと言われています。しかし、昨今では外出の自粛要請も緩和されて人々の生活は元に戻りつつあり、コロナ禍で価格が高騰したものがどんどん値下がる可能性があります。事実、アメリカの中古車販売大手の「カーバナ(Carvana)」の株価は、新型コロナウイルス流行初期に比べて99%も下落しました。(※2022年12月時点)日本にとっても決して対岸の火事とはいえません。
価格が高騰しそうなフェアレディZの特徴
現在以上の価格高騰が見込めないとお伝えしましたが、そんな中でもどのようなフェアレディZが高く評価されやすいのでしょうか。高値がつきやすい個体の特徴を紹介します。
こまめにメンテナンスされている
こまめにメンテナンスされているフェアレディZは価格が高くなりやすいです。フェアレディZのようなスポーツカーは、エンジンオイルやラバーホースなどの消耗品の劣化も著しいため、適切な交換がされているかどうかが価格に大きく影響します。
希少価値が高い「初代のS30Z」
S30Zは、1969年に登場しました。当初から米国を中心に輸出販売され、安価で高性能なスポーツカーとして海外でも大ヒットしました。国内仕様とは異なり輸出仕様は2400ccのエンジンが搭載され、1971年には同仕様の240Zが国内にも導入されています。特にトップグレードの240ZGはロングノーズとオーバーフェンダーを装備し別格の存在でした。
240ZGは、初代S30Zでも人気のモデルです。当時は国内の3ナンバー車の税額が非常に高いということもあり流通量は少なめでした。その結果として現在の中古車市場では高騰が続き、車両の状態が良いものは1,000万円を超えます。また、スカイライン2000GT-RのS30型エンジンを搭載したZ432も後に追加され、240ZGと人気を二分しています。
大排気量・自然吸気の「Z34」
Z34は、2008年に発売された6代目です。高回転型エンジンはレッドゾーン手前の7,400rpmで最高出力を発揮し、大排気量自然吸気エンジン特有の加速を見せます。設計が古いながらも未だに耐久レース等で活躍していますが、サーキットマシンとして高い評価を得ているのは、ベース車両としての高いポテンシャルが認められているからこそでしょう。
世界的な燃費規制により、大排気量自然吸気型エンジンのFRスポーツカーは希少な存在になりました。Z34は、従来のスポーツカーの良さを満載した世界的に見ても最後のモデルであるため、人気は高まり続けるでしょう。
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