AT車をMT車にスワップ!費用の目安と後悔しない為の注意点とは

目次
1.昔は安かったはずのMT車が高騰している理由は? 2.ベース車両によって費用は大きく異なる 3.部品が手に入らない場合は費用も手間もさらに掛かる 4.AT→MTは構造変更が必須 5.まとめ

AT車は楽チンだけど、運転を楽しむなら断然MT!という車好きの方も多いはず。しかも、現在中古で売られているスポーツカーの相場を見ると、MT車の価格は年々高騰。

AT車を買ってミッションをMTに交換する方が安くなるのでは?と考える方も少なくないかもしれません。今回はそういった方達の為にスワップに掛かる費用の目安や注意点を説明します。

昔は安かったはずのMT車が高騰している理由は?

MT車のシフト操作は、車好きにとってこの上なく楽しいもの。発進からシフトアップ、ダウンなど、ダイレクトに車を動かす感覚は、MT車ならではの醍醐味です。運転好きならば、やはりMT車を購入したくなるものですが、新車で販売されているMT車は少なくなり、中古車の価格も高騰し続けています。

その理由は単純で、流通している車体の数が少ないから。ATの性能は年々進化し、いまやスーパーカーはATの設定しかありません。一般的な車でもMTを購入するのは根っからの車好きで、ごく一部のスポーツモデルを除き新車で販売される車のほとんどがATなのです。

新車で販売されるMT車か減れば、当然時を追うごとに市場に出回るMT車の台数は減っていきます。しかし、スポーツカー好きやMT車好きは多く、一定の需要は維持していることから、供給量(流通量)とのバランスが取れず価格が高騰している状況です。

旧車王バナー旧車王バナー

ベース車両によって費用は大きく異なる

MT車が買えないのであれば、ATを乗せ換えてしまえばいい!となりますが、実際に載せ替えるとなるとどの程度の費用が必要なのかについてご紹介します。

乗せ換えの情報が多い車種の場合、費用は部品代などを含めて大体「50~80万円」前後で可能です。ただし、それはあくまで最小の費用感であり、乗せ換えをする車両によって制作費用(工賃)は大きく変わってきます。

費用が変わる理由は、車種によって必要な作業が増えるから。費用の違いに大きく関わるのは、
1. ATの設定しかない車体に別車種のミッションを流用して乗せ換える場合
2. ECUの書き換えor交換が必要な場合
3.新型車で情報が少ない場合
が挙げられます。

1.の場合は、フロアパネルの加工やプロペラシャフトの交換など、動力伝達装置の加工が必要になってくる場合が多く、2.のECU書き換えor交換も必要になってくるため総額で「150万円」くらい、もしくはそれ以上掛かる場合もあります。
2.の場合は、コンピューター制御が多い最近の車両に多いパターン。この場合は乗せ換え代+ECU書き換え工賃で考えて「100〜120万円」程度で考えておきましょう。
3.の場合の新型車は、流用できるミッションを調べたりするところから始まり、乗せ換えも一筋縄ではいかないことがあるので費用の想定が難しく、かなり高額になることを覚悟しなければなりません。

このように、一概に「ATからMTへの載せ替えはこの位」と言い切れないのは、どんな車種をベースにするかによって、必要な部品点数と作業の手間が大きく異なるためです。

部品が手に入らない場合は費用も手間もさらに掛かる

乗せ換えに使用する部品を中古で我慢すれば、部品代を抑えることができます。しかし、乗せ換え後すぐに故障してしまうと余計に修理代が掛かることもあるため、可能ならば新品部品かリビルト部品を使用するのがおすすめです。

ところが、古い車になると新品部品もリビルト部品も販売されていない、または部品自体が少ないため高値で販売されていることも少なくありません。この場合、多少費用は掛かりますが、中古のミッションを購入後、ショップでオーバーホールしてもらって乗せ換えをすれば、すぐに壊れるといった不安は解消できます。

また、中古部品が出回っていない場合は、業者でイチから部品を制作してもらう「ワンオフ」も選択肢のひとつ。ただ、かなり高額になるため部品を所有している人を見つけるか、中古が出てくるまで気長に待つしかありません。

もし、ショップで部品がないと言われた場合、他のショップや解体屋さんを巡ってみると、在庫として所有している場合もあるので1店舗で諦めず複数店回ってみましょう。

旧車王バナー旧車王バナー

AT→MTは構造変更が必須

構造変更とは、車の寸法や構造を大きく変更する際に行わなければならない手続きです。構造変更の範囲は、原動機(エンジン)の型式変更、ブレーキ方式の変更、車体の寸法など多岐に渡ります。

通常では車検に通らないような改造をしてしまった場合でも、保安基準に適合するかを検査し、合格すれば「公認車」として堂々と走ることが可能。もちろん、改造した部分に不具合や損傷などがなければ、その後の車検も問題なく合格できます。

もし、構造変更の手続きをしなかった場合は、違法改造車扱いになり「6か月以下の懲役または30万円以下の罰金」が課せられるため、公道で運転してはいけません。構造変更の手順は、運輸支局に車検証や改造した部品の車検対応証明書、強度計算書などの書類とともに構造変更届を提出します。

晴れて書類審査に合格したら、約1週間後に車両を車検場に持ち込み検査を受けます。すべての検査に合格すると「公認車検車」として認められ、構造変更は完了です。個人で手続きするのは手間が掛るだけでなく、専門的で高度な知識が必要なため、手数料を払ってでも乗せ換えをやってもらったショップにお願いした方がいいでしょう。

まとめ

ATからMTへの載せ替えは、手間と費用がかなり掛かります。それでもATからMTに載せ替えたい方は、部品調達から構造変更まですべてを行ってくれるショップに依頼することをおすすめします。また、ショップに依頼する際は載せ替え費用だけで決めるのではなく、さまざまな車種の載せ替えを数多くやってきた豊富な実績を持つショップに依頼することも重要です。

そして、ATの中古車を購入してMT化する場合は、その車種の載せ替えに掛かる費用をあらかじめショップに相談し、MTの中古車の価格と比較するようにましょう。

旧車の買取なら「旧車王」におまかせ!

長い時間を共にした愛車だからこそ、売却先にもこだわりたいという方は多いのではないでしょうか。
旧車王は、旧車に特化して20年以上買取を続けております。旧車に関する実績と知識なら、どこに負けない自信があります。また、ご契約後の買取額の減額や不当なキャンセル料を請求する「二重査定」も一切ございません。誠実にお客さまのクルマと向き合い、適正に査定いたします。
全国どこでも無料で出張査定にうかがいますので、大事な愛車の売却先にお悩みの方はぜひ「旧車王」にご相談ください。

画像1 画像2
画像ギャラリー(全2枚)を見る

旧車王のLINE友だち登録
カンタン査定申し込み!

友だち追加

この記事をシェアする

旧車王ヒストリアは
旧車買取20年以上の旧車王
が運営しています

旧車売るなら旧車王

旧車王は、「自動車文化遺産を次世代へ」という信念のもと、旧車・クラシックカーに特化して23年、年間11,000台以上の査定申込をいただいております。改造車から希少車まで、適正価格を見極めて買取させていただきます。弊社所属の鑑定士が最短当日で全国無料出張査定いたします。ご契約後の買取額の減額や不当なキャンセル料を請求する二重査定は一切ありません。特別なそして価値ある希少車の買取こそ、確かなノウハウと実績を持つ旧車王にお任せください!

すぐ査定依頼が可能!

旧車王サイトはこちら

まずは車について気軽に相談したい

どんな相談ができるの?

関連する記事

JDMとは?海外の若者が熱狂する日本車文化

JDMとは?海外の若者が熱狂する日本車文化

旧車売買の豆知識 2024-03-29
法人名義の車庫証明の必要書類は?申請する場所や使う印鑑も紹介

法人名義の車庫証明の必要書類は?申請する場所や使う印鑑も紹介

旧車売買の豆知識 2024-03-28
2台目の車庫証明は同じ場所で申請できる?申請書類の書き方も紹介

2台目の車庫証明は同じ場所で申請できる?申請書類の書き方も紹介

旧車売買の豆知識 2024-03-28
RE雨宮が手掛けたロータリーエンジン搭載のマツダ シャンテの衝撃とは?! 今も語り継がれる伝説に迫る

RE雨宮が手掛けたロータリーエンジン搭載のマツダ シャンテの衝撃とは?! 今も語り継がれる伝説に迫る

旧車の魅力 2024-03-28
車検の延長はできる?認められるケースや車検切れの対応方法を紹介

車検の延長はできる?認められるケースや車検切れの対応方法を紹介

旧車売買の豆知識 2024-03-28
車検切れでも廃車にできる?手続き方法やかかる費用などを紹介

車検切れでも廃車にできる?手続き方法やかかる費用などを紹介

旧車売買の豆知識 2024-03-28
車検切れでも再車検は受けられる?再車検を受ける方法や費用を紹介

車検切れでも再車検は受けられる?再車検を受ける方法や費用を紹介

旧車売買の豆知識 2024-03-28
車検切れの車はどうやって動かす?移動方法や注意点などを紹介

車検切れの車はどうやって動かす?移動方法や注意点などを紹介

旧車売買の豆知識 2024-03-28

記事ランキング

1
固着したネジでも諦めないで!回らないネジの緩め方アラカルト

固着したネジでも諦めないで!回らないネジの緩め方アラカルト

ライフスタイル 2023-09-14
2
アメリカ「25年ルール」とは?名車の中古相場が急騰するしくみ

アメリカ「25年ルール」とは?名車の中古相場が急騰するしくみ

旧車市場動向 2023-12-28
3
ナンバープレートから個人情報は特定できる?特定できる情報を解説

ナンバープレートから個人情報は特定できる?特定できる情報を解説

旧車売買の豆知識 2023-10-27
4
車庫証明は本人じゃなくても取得できる!代理人による手続き方法を紹介

車庫証明は本人じゃなくても取得できる!代理人による手続き方法を紹介

旧車売買の豆知識 2024-03-04
5
車のアンダーカバーが壊れた!修理費用はどのくらい?

車のアンダーカバーが壊れた!修理費用はどのくらい?

旧車メンテナンス 2023-10-18
6
車のキュルキュル音は放置しないで!原因と修理料金を解説

車のキュルキュル音は放置しないで!原因と修理料金を解説

旧車メンテナンス 2023-11-10
7
車検ステッカーの貼り付け位置はどこ?間違えた場合の罰則も紹介

車検ステッカーの貼り付け位置はどこ?間違えた場合の罰則も紹介

旧車売買の豆知識 2024-02-02
8
車検証の住所変更はオンラインでできる!方法や必要書類などを紹介

車検証の住所変更はオンラインでできる!方法や必要書類などを紹介

旧車売買の豆知識 2024-01-29

カテゴリ一覧

# 旧車コラム # 旧車の魅力 # 旧車売買の豆知識 # 旧車市場動向 # 旧車メンテナンス # エディターズノート # ライタープロフィール # イベントレポート # ライフスタイル # 加藤久美子&博人の見識 # ドイツ現地レポ # ライター愛車レポート # タイレルP34を追え! # オーナーインタビュー # 名車&迷車烈伝 # マツド・デラックスの世界 # 海外現地レポ