「丸目」「涙目」「鷹目」あなたの好みは? GD系スバル インプレッサに迫る

目次
1.WRCと共にあったスバル インプレッサ 2.2度のマイナーチェンジで着実に進化したGD系インプレッサ 3.まとめ

日本を代表するスポーツカーの1台として、世界的にも人気の高いスバル インプレッサ。その中でも、2代目となるGD系インプレッサが中古車として今注目を集めています。GD系インプレッサには、2度のマイナーチェンジで、前期、中期、後期の3世代が存在し、ヘッドライトの形状から、それぞれ「丸目」「涙目」「鷹目」と呼ばれています。

今回は、WRCでの活躍によって高まった人気を背景に開発されたGD系インプレッサの特徴を、「丸目」「涙目」「鷹目」の違いも含めて紹介します。

WRCと共にあったスバル インプレッサ

WRCでの目覚ましい活躍により、スバルを世界的自動車メーカーへと押し上げた立役者がインプレッサです。初代登場から最終型まで20年以上も販売され続けたことからも、その人気の高さがうかがえます。

実は、今回紹介するGD系インプレッサの開発自体、当初は予定されていませんでした。しかし、WRCでの活躍によって人気が高まったことを背景に、開発されることになります。インプレッサのその後の開発につながったGD系インプレッサについて、初代とともに振り返ります。

スバルの世界的地位を築いた初代インプレッサ

初代インプレッサとなるGC系インプレッサは、1992年に登場。世界市場(特に欧州)を目指すにあたって、ラインナップ上穴の開いていた1,600ccクラスを埋める車種として開発。また、WRCで勝ちあぐねていたレガシィの後継車としての役割も担っていました。
WRカーのベースともなるスポーツモデルを表す「WRX」の名称は、GC系インプレッサから使用されています。

GC系インプレッサは、マニュファクチャラーズタイトル3連覇を果たすなど、WRCで期待通りの活躍を見せ、揺るぎない地位と人気を獲得し、世界にスバルの名を知らしめました。
また、WRCでの活躍を記念して、数多くの特別仕様モデルを発売。特に1998年に発売された「22B-STiバージョン」は、発売からわずか48時間に完売したともいわれるほどの人気でした。

正統進化した2代目GD系インプレッサ

日本の小型車としては珍しい、1モデルで8年も続いたGC系の後継車種として登場したのが、GD系インプレッサです。2000年に発表され、2007年まで製造されました。

GD系インプレッサは、WRCありきで開発されたともいえるモデル。ハッチバックモデルは、5ナンバーを維持できるサイズだった一方、WRカーのベースとなるセダンモデルのシャシーの全幅は安定性向上のため広げられ、3ナンバーサイズとなりました。発売当初不評だった外観については後述するとして、性能面でも正統進化。随所で戦闘力向上が図られました。

ボディはワイド化と同時に「新環状力骨構造」を採用し、ボディ剛性は劇的に向上。6速MTやブレンボ製ブレーキを採用するなど、走行性能を大きく高めました。さらに、エンジンも大きく進化。型式こそ初代同様のEJ型ですが、シリンダーブロック、ピストン、コンロッド、バルブなどの主要部分は全て刷新され、最大トルクは2kg・m向上、レブリミットも8000回転まで引き上げられました。

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2度のマイナーチェンジで着実に進化したGD系インプレッサ

GD系インプレッサには、前期、中期、後期の3つのモデルがあり、マイナーチェンジごとに見た目が大きく異なります。

GD系インプレッサが発表されると、高まった性能が一定の評価を得る一方で、独特の丸目が、特に日本市場で不評。そのため、発売から2年後には、早くも大幅なマイナーモデルチェンジを余儀なくされます。さらにその後、1度大幅なマイナーチェンジを行いました。

しかし、繰り返されたマイナーチェンジは、実は見た目の変更よりも性能の向上を目指して進化させていった結果です。WRCで勝つことを求め、性能を進化させ続けたGD系インプレッサの変遷を振り返ります。

不評だった「丸目」も今では再評価されつつある前期

2000年に登場したGD系インプレッサ最初のモデルで、前期型と呼ばれています。不評を買った丸目のヘッドライトは、メルセデスが採用するなど、当時世界的なトレンドだったことから採用されました。一方、発売から20年経った今では、「愛嬌がある」と再評価する声もあります。

発売当初は、初代に比べて大型化したことを懸念する声もありました。しかし、今の基準で考えると十分軽量で、さらに2kg・m向上したトルクによって重さを感じることはありません。むしろ、ワイド化による安定感と向上したボディ剛性により、高い走行能力を実現しています。

見た目だけではなく性能も向上させた「涙目」の中期

2002年11月に登場したGD系インプレッサ最初の大幅マイナーチェンジモデルが中期型です。不評だった丸目のヘッドライトを変更し、後に「涙目」と呼ばれる形状になります。
ヘッドライト変更は、単に見た目の変更ではなく、WRCからのフィードバックを受けたものでした。ヘッドライト上方に傾斜をつけ、横方向の回り込みを増やしたことで空力性能を向上。さらに、ヘッドライトそのものを大型化し、ナイトラリーで補助灯がなくても前方の視界が確保できるように工夫されました。

中期型は、ほかにも意欲的な変更が加えられています。特にSTiモデルは、排気管からピストン形状まで見直すなど、エンジン性能の底上げがなされ、車体も操縦安定性や剛性の向上が図られました。一方、WRX標準モデルも、タービンの見直しによるレスポンスの向上、ブレーキキャリパーは16インチの対向4ポット、リア15インチの対向2ポットを採用するなど、大きな改変が加えられています。

なお、STiモデルに関しては、中期型リリース後にも大幅な変更が加えられています。このため、中期型の中でも前後期モデルが存在。大きな変更点はPCDで、ハブベアリングの強化によって、5穴100mmから5穴114.3mmに変更されました。PCDが変更になったことで、適合するホイールが前後期で異なる点に注意が必要です。

「鷹目」が現代的で成熟の域に達した後期

GD系インプレッサの最終系となる後期型は、2005年6月に登場。ヘッドライトデザインがつりあがった形に変更された後期型は、「鷹目」と呼ばれています。

現代的ともいえる洗練されたデザインとなった後期型ですが、マイナーチェンジの目的はイメージチェンジではなく、中期型と同様に性能を追求した変更が数々盛り込まれました。
特にSTiモデルでは、トルクを43kg・mまで高め、扱いやすくなったエンジン、カーボン素材使用によるシンクロ機構の強化で、シフトフィールを向上したトランスミッションなど、かなり近代的な乗り味になっています。また、WRX STI Spec C Type RA-Rなど、多くの特別仕様車も限定販売されていて、高スペックを求めるユーザーにも満足できるラインナップでした。

数々のモデルチェンジを経て成熟しきった後期は、信頼性も圧倒的に向上しているので、トラブルを避けたい方にもおすすめです。

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まとめ

2代目GD系インプレッサに注目が集まっている理由は、初代GC系インプレッサは希少性が高く、高価でなかなか手に入らないことと、性能面での古さが否めないこと。一方、3代目以降は、名機「EJ20型」が生産を終了したことで価格が高騰しているためです。

気になる中古車価格は、限定販売されたWRX STi スペックCモデルで555万円ほど。一方、標準モデルでは100万円強からあり、STiモデルでも150万円ほどで購入できるものもあります。(価格は全て2021年12月現在)買取価格は、徐々に上昇を見せていて、鷹目 S204STiバージョンでは最大400万円の買取価格です。(2021年12月旧車王)

日本に比べ、特に欧州ではラリーは人気があり、地域によってはモータースポーツの最高峰F1をしのぐほど。欧州のモータースポーツファンにとって、“スバル”また“インプレッサ”は憧れの存在です。また、車種を問わず海外で日本製スポーツカーが人気ということもあり、今後価格が上昇する可能性もあります。

現代でも通用するスペックを誇りつつ、まだ手を出せる価格で販売されているGD系インプレッサは、まさに今が狙い目の1台です。

[ライター/増田真吾]

 

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