旧車コラム
COLUMN

高級で速い最強のバブリーセダン!シーマ現象を巻き起こした日産 初代シーマ

2021.10.12

バブル景気に湧いていた1980年代後半に、「シーマ現象」という社会現象まで引き起こした高級車があります。

255馬力ものパワーを発生する、新開発のV型6気筒DOHCターボエンジンに、先進のエアサスペンションを装備し、最上位グレードは500万円超にもなった、日産 Y31シーマをご紹介します。

バブルという時代を反映して生まれた、初代シーマY31型

日産 Y31シーマは、既に販売されていたトヨタの高級車、クラウンの3ナンバーモデルに対抗するために開発されたピラーレスハードトップ車です。

当時クラウンを始め他社の3ナンバー車は、5ナンバー車の派生という位置付けだった中、Y31シーマは3ナンバー車専用車種として開発されました。この点がクラウンとの差別化にもつながり、ベースグレードでも300万円超という価格にも関わらず、販売初年度で36,400台の販売するほど大ヒット。「シーマ現象」という言葉まで生まれたのです。

バブルの象徴シーマ現象

Y31シーマ発売当時の日本は、いわゆるバブル景気の絶頂期を迎えようとしていたタイミング。高級志向が加速して、とにかく高価で高級ものを買うことが正義といった風潮がありましたした。

最上位グレードが500万円超にもなったシーマは、とにかく高いものを買いたいという当時のニーズに見事にマッチ。高級3ナンバー車としては、異例の大ヒットとなったことで、シーマ現象という言葉が生まれたのです。

伊藤かずえさんも乗っている

Y31シーマシーマ発売当時から、今も女優として大活躍している伊藤かずえさんも、有名なシーマオーナーです。

当時から30年以上乗っている伊藤さんの所有しているモデルは、もちろん最上位のタイプIIリミテッドで、255馬力のVG30DETエンジンを搭載。日産自らが伊藤さんのシーマのレストアを行うことを発表し、大きな話題になりました。

国内最強の255馬力を発生する新開発エンジン

Y31シーマに搭載されたエンジンは、NAとターボの吸気方式の異なる2種類の3リットルエンジン。どちらのエンジンも国産初のV型6気筒エンジンとなったVG型エンジンをDOHCモデルに進化させ、NAエンジンのVG30DEは、スポーツカーとして人気の高かったZ31フェアレディZにも搭載されていました。

さらに、新開発となったターボ仕様のVG30DETは、255馬力ものパワーを発揮しています。

上位グレードに搭載の255馬力ターボエンジン

上位モデルのタイプII-sとタイプIIリミテッドに搭載された新開発のVG30DETは、255馬力を発生し、当時、国産最強エンジンとも言われました。そんな最強エンジンのハイパワーを受け止めるには、Y31シーマのシャシーはやや役不足。アクセルを踏み込むリアが大きく沈み込み、ウィリーをしそうになるほどの爆発的な加速を見せます。

この尻下がり加速姿勢は、エンジンがシャシー性能を上回っていたことに加え、バイクのスイングアームのように後輪を前側から引っ張る形のセミトレーリングアームというサスペンション構造を採用していたことも大きな要因でした。押し出し感と威厳のある顔つきのY31シーマが、時にはお尻を擦りながら猛然と加速していく姿は、みんながパワフルだったバブル期を象徴する景色だったとも言えるでしょう。

エアサスについて

高級車として開発されたY31シーマは、足回りもエアサスペンションを装備するという豪華仕様。通常のバネを使用したモデルもありますが、やはりY31シーマを語るのであれば“エアサスモデル”は外せません。

先進の技術で高度なコントロールが可能だった

Y31シーマのエアサスは、4つのモードを選択すると、走行状態や路面状況に応じて、車高、バネレート、減衰力をそれぞれ自動で制御する電子制御式。例えば、スポーティモード選択時に高速走行を行うと、車高が低くなり、減衰力がミディアムに制御され、走行安定性を確保します。

泣きどころは壊れやすさと高額な修理費用

ユーザーの好みにセッティングできるエアサスですが、最大の弱点は、お約束とも言われるほど故障が多かったこと。数年経つと発生する故障で、特に多かったのはエア漏れです。

エア漏れの原因は、エアチャンバー(空気バネ)本体の破損やパイピングの継ぎ目などさまざま、最悪の場合、数十万円以上の費用がかかることもあります。また、例え過去に修理したことがあったとしても、数年すると再び故障する可能性も低くありません。そこで、純正のエアサスを取り払い、社外品の車高調整式サスペンションに交換するユーザーも多くいます。

まとめ

Y31初代シーマは、高額でも飛ぶように物が売れたという“バブル”の時代背景を追い風に、ボディ、エンジン、足回りと惜しげもなく資金を投入して開発されました。当時の国産車ではまだ限られていた、3ナンバー車の大きな車体、豪華な内装、そして高級車とは思えないパワーと加速性能、文字通り日産の技術を結集。当時の国産車の中で、最高峰に君臨するマシンであったことは間違いありません。

当時新開発だったVG30DETは、同じくV6エンジンで現在も製造されている、VQ型エンジンの礎となり、3ナンバー専用車種としてヒットしたことは、Y31シーマの翌年に発売されたトヨタ セルシオの登場にも大きな影響を与えたと言われています。

あまりにも爆発的に売れ、時代を象徴する存在にまでなってしまったY31初代シーマは、“バブルの徒花(あだばな)”と言われてしまうことも少なくありせん。しかし、効率重視の現代からすれば無駄と言われてもおかしくないほどの開発費を投じたことは、決して無駄ではなかったのです。

[ライター/増田真吾]

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